ミケガモのブログ

【デュエプレ】3色カラーリングの考察

  • 更新履歴
  • 2023/11/18 更新(22弾終盤)
  • 2023/01/15 記事作成(17弾中盤)

はじめに

デュエマには、3色の組み合わせを固有のカタカナ語で表す文化がある(「ドロマー」など)。 デュエマをある程度やり込んでいるプレイヤーには広く浸透している用語である。

3色カラーリングの呼称は、デッキ名によく使われる。 標準的なデッキ構築ではカラーリングが概ね3色に収まるので、3色呼称は名づけに都合が良いのである。 その結果として、3色呼称はもはや単なる色の組み合わせではなくなり、 そのものが分類・分析可能な様式へと昇華している側面がある。 すなわち、3色カラーリング自体に対して、見識を述べる余地が十分にある。

この記事ではそんな3色カラーリングについて、主にデュエプレの立場から考察する。 本記事は大まかに、3色カラーリングの呼称を確認した後に、その特徴と代表デッキを紹介するという流れを取る。 必要に応じてその合間に、5文明の関係性、各文明の特色などを補足する。 ついでとして最後に、4色の呼称についても思う所を述べる。 なお、本記事で「紙の~」という書き方をした場合、今のデュエプレと対応するくらいまで、 すなわち基本セット~エピソード1くらいを想定した記述である。*1

偶然にも、デュエプレでは次の18弾で無色カードがリリースされる。 色基盤の常識を覆すほどのカードプールにはならないだろうが、その前に本記事で一区切りつけておきたい。

※記事中の「c」は「色」の意。

5文明の関係性

本題の3色呼称の紹介の前に、その背景にある文明同士の関係性を押さえておこう。

5文明とカラーパイ

デュエマには5つの文明がある。 デュエマの各文明は、デュエマの親であるTCG, マジック・ザ・ギャザリング(以降, MtG)の5つの色に対応したデザインになっている。 デュエマの文明がMtGの対応色で呼ばれるのはその名残である。

5つの色・文明には、それらを円上に並べたカラーパイという概念がある。 並び順は以下の通り。

白(光)→青(水)→黒(闇)→赤(火)→緑(自然)→白...

https://twitter.com/L_O_Nihilum/status/961518397237354496?s=20&t=3c7Ak36gnFwxPKBU2PPrAw

友好色と敵対色

カラーパイ上で隣り合う2色は「友好色」、向かい合う2色は「敵対色」と呼ばれる。 背景設定では、友好色は思想や性質が融和的、敵対色は不和的であるとされる。

この設定は多少なりとカードプールに影響するため、 どちらかと言えば友好色の方が多色カードやサポートカードが充実する傾向にある。 ただし、敵対色でも強力なカードや組み合わせは数多く存在する。 デッキビルドにおいてはさほど固執すべき概念ではない。

弧/楔3色

ある文明とその友好色2つで構成される3色の組み合わせを弧3色、 ある文明とその敵対色2つで構成される3色の組み合わせを楔3色という。

やはりプールの充実度は 弧 ≧ 楔 の傾向にあるが、これもカードやデッキの強さとは必ずしも一致しない。

3色の呼称

デュエマでは、3色の組み合わせに対して以下のような呼称がある。

  • 弧3色
    • 白青緑:トリーヴァ(Treva)
    • 白青黒:ドロマー(Dromar)
    • 青黒赤:クローシス(Crosis)
    • 黒赤緑:デアリガズ(Darigaaz)
    • 白赤緑:リース(Rith)
  • 楔3色
    • 白赤黒:デイガ(Dega)
    • 青赤緑:シータ(Ceta)
    • 白黒緑:ネクラ(Necra)
    • 白青赤:ラッカ(Raka)
    • 青黒緑:アナAna

これらはMtGの古い3色呼称が輸入されたもので、その由来はMtG収録の3色カード名にある。 元カードの収録は、友好色が2000年(始祖ドラゴンサイクル)、敵対色が2001年(ボルバーサイクル)。 時期で言えば、デュエル・マスターズが製品化されるよりも少し前である。 デュエマが生まれて間もないころ、既に広く遊ばれていたMtGから呼び名を借りてきたのだろう。

余談だが、友好色はクリーチャー名そのものであるのに対し、敵対色はクリーチャー名の接頭辞である。 そのため、敵対色のほうが呼称が短めとなっている(英語の綴り字を見てもわかりやすい)。

MtGではのちのカードプール拡張に伴い、新しいカード名等で呼称が更新されていった。*2 一方、デュエマはMtGとの分化が進んだことで、最初にMtGから輸入した呼称がガラパゴス的に残り、今日まで使われ続けている。

ところで、デュエマにも3色カードは存在する。初登場は発売6年目にあたる極神編。 本来ならこの時が、3色呼称をデュエマ収録のカード名で改める絶好の機会だったはずである。 しかしMtGと違い、サイクルをなす3色カードが極神編には収録されなかった。 メジャーカードにちなんで「ロマネカラー」「キリューカラー」「牢獄カラー」といった名前は生まれたものの、 メジャーカードの無いカラーリング(ラッカ、アナなど)もあった。 既にMtG由来の呼称が浸透していたこともあり、足並みを揃えた呼称変更には至らなかった。

まさかの復帰。

ちなみに文明を並べる時、デュエマでは「光水闇火自然」の文明順を重視するが、 MtGでは「白→青→黒→赤→緑→白→……」のサイクル順を崩さない書き方が主流だそう。 例えばトリーヴァカラーは、デュエマ流だと「白青緑」、MtG流だと「緑白青」となる。

各文明の特色

3cカラーリングについて詳しく考察する前に、 各文明の特色をデュエプレ的視点から簡単におさらいする。

光文明・白

ブロッカー、タップ・アンタップ。固有ゾーンはシールド。 《スパーク》《天門》など、1枚で複数体を止めるトリガーを擁するのも特徴。 プレではビートダウンが強くデザインされるため、それに対抗すべく、防御に長けた白は重宝される。 青と黒にもブロッカーは存在するが、高性能なブロッカーは白に集中している。

赤の次に主人公補正がかかりやすい色でもある。ゆえにデュエプレでは結構強い。

注:カードの色は黄色だが、MtGに合わせて伝統的に白と呼ばれている。 後にカード色が白の「ゼロ文明」が出てしまったが、そちらは「無」「零」などと表記される。

水文明・青

ドロー、バウンス。固有ゾーンは手札。

手札整理はカードゲームの基本戦略であるため、紙時代は初期から安定した強さを誇ってきた。 一方、プレでは赤や白にもリソースカードが配られるので、青を混ぜる必要性が薄れている。 17弾の《コスモ・セブΛ》まで「サイクル扱いではない単色のシクSR」が存在しなかったなど、プッシュが弱かった。

ただし16-17弾以降は、徐々にグッドスタッフカードが増えて盛り返してきている。

闇文明・黒

破壊、ハンデス。固有ゾーンは墓地。

相手への干渉力が高い。プレ初期はハンデスを弱く実装する傾向があったものの、今となってはそうでもない。 赤の影に隠れがちだが、実はパワフルなフィニッシャーが多く属する色でもある。

赤白ほど露骨な強化は受けないものの、青緑ほど不遇でもない、そんな立ち位置。

火文明・赤

スピードアタッカー、火力除去、バトル。固有ゾーンは特に無い。

小型による速攻、もしくは大型ドラゴンによる豪快な攻撃が典型戦略である。 赤の性質はコントロール向きではないものの、大型汎用フィニッシャーに赤が含まれることが多いため、しばしばコントロールデッキにタッチされる。

紙では長らく最弱文明だったが、プレでは主人公補正で大幅にテコ入れされ、不自然な強さを獲得している。

自然文明・緑

マナブースト、パンプアップ。固有ゾーンはマナ。

紙の特長であるクリーチャーサーチは、探索のせいで使いづらい。15弾までは探索仕様のマナ回収にも苦しみ続けた。 中~大型およびトリガーのプールも貧相な傾向にあり、 しばしば「序盤のブーストのために多く積みたいのに入れたいカードが無い」というジレンマをもたらす色である。

総じて不遇寄りだが、時折とんでもないスペックの化け物が出てきて規制を食らう。 調整班からの扱いが雑な文明である。

3色カラーリングと代表的デッキ

ここからは計10個ある3色カラーリングの特徴と、その基盤を持つデュエプレ歴代の代表デッキを紹介する。 ()内の数字は主に活躍した弾。

何を以て3c基盤とするかは議論を呼びそうだが、ここでは

  • 純正3c基盤:各文明にトリガー以外の要素(≒カード)が2つ以上ある。各色10枚以上が目安
  • 準3c基盤:各文明にトリガー以外の要素が1つある、もしくはデッキタイプ名として浸透している。最少色8枚が目安

とする。準3c基盤のほうは、デッキタイプ名の後に※印をつけている。 トリガー目的で1種類のカードだけが積まれている文明がある場合、それはタッチカラーとみなし基盤に含めない。

この定義は個人的な理想に過ぎないので、全プレイヤーに遍く押し付けるつもりは勿論ない。 デッキタイプ名やカラーリングの分類の吟味は、自分含む奇特なプレイヤーだけがこっそりとやって楽しんでいればいい。

抜け落ちているもしくは説明不足な3cの環境デッキがあれば、コメントで教えてほしい。

トリーヴァ

人畜無害なゆとりカラー。

防御力と安定感は随一。 引き換えに、攻撃と妨害は苦手である。 潤沢なリソースで相手を圧殺すべし。

最近は耐久デッキのイメージが定着しつつある。

歴代メジャーデッキ

12弾くらいまでは、緑基盤に《スパーク》《サーファー》系統を取り込んだ程度の構築しかできなかった。 それが今では、《ホワイトグリーン・ホール》を筆頭に、遅延適正の高いカードが多数登場。 相手にするのがかったるくなるような耐久デッキのカラーリングとして名を馳せた。

色バランスについても、以前は緑に大きく偏っていたのが、 白に耐久要員の《パーフェクト・マドンナ》《ミケランジェロ》、 青にLO回避要員の《Nワールド》《オリーブオイル》が登場し、文明ごとの役割がはっきりしてきた印象がある。

デストラーデ》で盾を増やしながら緑基盤の《グライフ》で攻め込む【トリーヴァグライフ】は、 この変遷のまさに中間地点にあるデッキタイプだと言える。

実を言うと、【5cメカオー】(9EX)は、白青の【メカオー】+緑のブーストでトリーヴァ基盤である。 とはいえ色合わせの《アルバトロス》《ゲキメツ》にも出番はあるのと、「5c」の印象が強いため、ここでは保留とした。

相変わらずしょーもない。

ミケガモ的トリーヴァ

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/decks-22_230928#%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%9A%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%94

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石碑ギフトロレンツォ【デュエプレ】【マスター】【DMPP-10】 - ミケガモのブログ

耐久デッキはさておき、自分の事だけ考える姿勢は一番好き。 最も組みがちなカラーリングである。

ドロマー

王道のコントロールカラー。 専用ドロソ《アクアン》系統のカードを擁するカラーリングでもある。 ナイト、エイリアン、オラクルなど、非主人公側の種族はドロマーを軸にしていることが多い。

序盤から盤面とハンドアドを堅実に取っていく、手堅い試合運びが売り。 他方、マナは伸びない上に攻撃性能は最低。 相手にぶん回られた時に逆転するのは苦手である。

【天門】の基本カラーもドロマー。 白がブロッカー、青が《アクアン》系統でのドロー、タッチ気味の黒が盤面干渉を担当する。

3cカラーリングの中では環境入りの頻度が高め。 時折、フィニッシャー枠として赤のパワカが混ざる。

歴代メジャーデッキ
  • 【天門】系
    • 【ドロマー祝門】(19-20)
    • 【ルドルフ天門】(17-18)
    • 【ドロマー天門】(15-)
    • 【4c天門】(6-10)
    • 【5cボルバル天門】(4-5)
  • 【ドロマーGイズモ】(21-)
  • 【ドロマーオラクル】(21-)
  • 【ドロマーエイリアン】(16-18)
  • 【ドロマー超次元】(13-15)
  • 【赤ドロマーコントロール(9-11)
  • 【ドロマーイニシエート】(2-3)
  • 【ドロマーリーフ】※(2)

大きく分けて、ハンデス系と天門系の2種類。 ハンデス系は環境中期に現れ、前寄せ構築を咎める役割である。 天門系は、ビートダウンデッキを強く牽制してきた。

15-18弾の【天門】は純正ドロマーが多かったが、成立からしばらくは《ザーディア》《エリクシア》を目的に赤や緑が加わっていた。 19弾に【白緑アガサ天門】が確立すると、【天門】は再び純正ドロマーから離れていく。 同じく19弾からの【青黒祝門】は、白を混ぜたドロマータイプが時折見られる。 なお、【5cゲオルグ天門】は色バランスが複雑すぎるためここでは割愛。

2弾の【ドロマーリーフ】は青基盤に《ローバ》《スパーク》《ハンド》《汽車》のため、今回の純正3c基盤の定義から外れる。 ただし多色カードがない時代なので、当時基準では十分3c構築と言えたのではないか。

重いので純正ドロマーには入れづらい。

ミケガモ的ドロマー

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ゲオルグスターマン【デュエプレ】【マスター】【DMPP-08N】 - ミケガモのブログ

やっぱり《アクアン》系統のドロソがあってこそ。 ガチっぽいコントロールになってしまわないよう気を使いたい。 一方、ある程度ハンデスは積まないと相手の動きに対抗できなかったり。

使いたいカードに早期アクセスするため、《ロスチャ》《ボンチャ》でブーストすることも。

クローシス

破壊衝動に満ちたコントロールカラー。 しかし防御の質が低いため、押しの強いビートダウンが出てくると淘汰される。 つまりプレでは苦しい。 環境に適応するため、白を取り込むか青を追い出すかのどちらかにシフトすることが多い。

17-20弾にかけてディスカードを伴う赤青ビートダウン基盤が発展したことで、【墓地ビート】系のデッキが組めるようになった。 中心色の黒が軸になったコントロール系は大成せず、サイドカラー2色に引っ張ってもらったビートダウンが環境に出てきたのは、どうにも情けない。

後述のデアリガズと同じく5文字で微妙に長いが、普及している略語は特にない。

歴代メジャーデッキ

黒をベースにした純正クローシスのコントロールは、環境初期にだけ組まれて消え去る定め。 ひとたび白を加えるとその枚数はどんどん増えるので、【白クローシス】ではなく【赤ドロマー】になる。

半デザイナーズの【墓地ビート】で、初めて環境トップクラスのデッキを輩出した。

とてもクローシスらしいカード。

ミケガモ的クローシス

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/decks-21_230729#%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AD%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

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15弾・ミケガモが組んだデッキ【デュエプレ】 - ミケガモのブログ

ディスカード&墓地肥やし&SA化の3セットにより、リアニメイト系を組みやすい。 赤黒基盤だと回転率が悪くてしぶしぶ青を足すパターンも。 青か黒でブロッカーを確保できるとGOOD。

デアリガズ

太く短く生きるカラー。 防御もドローもない、かといって3cゆえ速攻でもないという制約があるので、バランス良く構築がまとまることは稀。

正史同様に元祖ドラゴン3色だったが、その後は目立ったテーマもなく、影が薄い。

「デアリガズ」だと長いため、しばしば「デアリ」と略される。

歴代メジャーデッキ
  • 【デアリシューゲイザー】※(20-)
  • 【デスドラ入りガントラ】※(11-12)
  • 【デアリカチュア】(7)
  • 【デアリガルザーク】(3)

シューゲイザー】にはデアリガズの《キリュー》が必須。 しかし、デッキとして採用が確定している文明は緑だけ。基盤は必ずしもデアリガズにはならない。

【ガントラビート】はリース基盤だが、《デスドラ》のために黒を多く入れると「白デアリガズ」になる。 タッチで入っている白のおかげで受け強め。

【デアリガルザーク】は《ゾルヴェール》が防御とリソースの役割を担っていた。

こいつのためにタッチ黒。

ミケガモ的デアリガズ

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/Global-Beethoven_230712

メカイレブン / アナスナイパー ほか【デュエプレ】【DMPP-15】 - ミケガモのブログ

先述の通り、まとめるのが難しいのであまり組まない。 どれか1色抜いて2色にしたほうが良いデッキになると思う。 仕方なく組む場合には、対速攻を切った構築にする。 そしてリソース役を全面的に緑に押し付ける。

リース

王道のミッドレンジカラー。

クリーチャーの質が高い3色である。 押しの強いビートダウンを仕掛け、いざとなったらトリガー《スパーク》に望みを託す。 息切れが早めなのが難点だが、ちゃんとリソース札を積めばその限りではない。

実はデアリガズに代わり、ドラゴンの主要基盤にもなりつつある。 赤は主要なドラゴン、緑はブースト、白は防御やロックを担当する。

プレでは比較的メジャーなカラーリングである。

歴代メジャーデッキ
  • 【リースシューゲイザー/モルト(20-)
  • 【リースロマネドラゴン】(19-)
  • 【リースヘラクレスハンター】(17-20)
  • 【リース超次元】(14)
  • 【リースNEX】※(12)
  • 【バルガライゾウ】(11-13, 18-)
  • 【リースアポロリペア】※(11-)
  • 【ガントラビート】(9-12)
  • 【リースパンダ】(8-9)
  • 【リースウェーブ】(4)

ビートダウンの場合、赤緑基盤にt《スパーク》も多い。 白で採用されるカードは、《アラゴナイト》《ヨーデルワイス》など。

【バルガライゾウ】のカラーリングは、主に《ロマネスク》の進退に連動してリースと赤緑を行き来している。

【リースアポロリペア】は、赤の【アポロ】基盤にt《スパーク》《アカギ》。 【リースパンダ】は、《リンパオ》《赤クワガタ》《アラゴナイト》などがあればリース、《ボルパン》《ジャック》のみなら白緑t赤。

運営の采配に振り回された人。

 

ミケガモ的リース

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/decks-19_230329#%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E9%AC%BC%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3

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ルピラピソウル / 真・ダーウィン / 特殊進化ブリム【デュエプレ】【DMPP-12】 - ミケガモのブログ

カジュアルデッキには息継ぎが必要なので、リソースをしっかり取れる構成にしたい。 例は《進化設計図》《バルット》《二角牙》で凌いでいるが、一般的には《口寄》《ミスト》、あるいは【リースドラゴン】基盤で《ボルグレス》。 【リースドラゴン】のコンセプトはのちに【バルガライゾウ】に食われてしまった。

デイガ

胃もたれ必至のカラーリング。 リソースが取れないため、古の紙では絶対にありえないカラーリングだった。

しかしプレではこの3色にもリソース源が配られるため、なぜかデッキが組めてしまう。 デッキエンジン込みで上手く構築できれば、極めて密度の高い強力なデッキが完成する。 デッキの回転率を意識できる上級者向けの取り合わせである。

歴代メジャーデッキ
  • 【デイガエイリアン】(16)
  • 【デイガオールイエス(15-)
  • 【デイガナイト】※(11-14)
  • 【黒武者】※(10)
  • 【デイガアウゼス】※(6)
  • 【デイガボルコン】(1)

どちらかと言えばコントロール寄りのカラーリングだが、殴りも強い。 メタビートの【デイガイエス】、 《武者》の白赤ミッドレンジ基盤に《ゲキメツ》をタッチした【黒武者】、 《シーザー》特攻を備えた【デイガナイト】など。

青緑のカードが強くなった17弾以降、この2色を含まないデイガは苦戦気味。

ビクトリーレアに大抜擢。

ミケガモ的デイガ

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/decks-19_230329#%E3%82%A8%E3%83%93%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89

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薩長ムサシ / ゴジェノ / グレゴリシギャラ - ミケガモのブログ

目の敵にしているカラーリング。デッキ構築ってものをナメてやがる。 デザイナーズ基盤、オリカ、魔改造カードに乗っかりまくるのみ。

シータ

平凡なミッドレンジカラーから、万能カラーへと大出世。

楔3色の中では比較的支援カードが多い。 赤緑多色が伝統的なヒーローカラーであることに加え、 水文明の「利益のために他文明に取り入る」という性質が作用しているためだろうか。 サムライ、ハンター、アウトレイジなど、主人公側のテーマ種族がこのカラーリングを基盤とすることが多い。

ビートダウンの優等生的なカラーリングではあるものの、プレでは青緑が不遇なため長らくくすぶってきた。 17弾で強力な《吸い込む》《リュウセイ・ホール》基盤が成立して以降は、それまでの停滞が嘘のように活躍している。 ひとえに《リュウセイ・ホール》の功労である。

歴代メジャーデッキ
  • 【シータシューゲイザー/モルト(20-)
  • 【シータジャッキー】(21)
  • 【シータ刃鬼/大王】(19-)
  • 【シータディメンジョン】(18-)
  • 【シータプレキリ】(17-18)
  • 【シータドラフレカチュア】(17-)
  • 【Λビート】(17-)
  • 【シータNエクス】(16-17)
  • 【シータメイデン】(4-5)
  • 【シータ二角】(1)

《メイデン》以降しばらくは、活躍の機会に恵まれなかった。 16・17弾で《N》《エクス》《吸い込む》《リュウセイ・ホール》を獲得し、長い冬の眠りから覚めた。 ここに挙げていない【4/5cヴィルヘルムコントロール】(19-)も、基盤はシータである。 ビッグマナの基盤色として定着したが、ミッドレンジのグッドスタッフ性を高めることも可能である。

これ1枚でなんでもできる。

ミケガモ的シータ

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/gospell_230925

マッハダクバグナver.13【デュエプレ】【マスター】【DMPP-13】 - ミケガモのブログ

《吸い込む》はもちろん、《チューター》も見逃せない。 今となっては悠長な節もある気もするが。

赤のアタッカーを青と緑が支えるというのが基本構図だが、 それだけだとデッキの密度が薄くなる。 青と緑にも潤滑油以外の役割を与えてやりたい。

ネクラ

ちょっと歪なコントロールカラー。 ドロマーに比べると、出力は高いが安定性に欠ける。 何かしらの強力なドローソースと、白か黒の強力なフィニッシュカードがあって初めてデッキが完成する。

歴代メジャーデッキ
  • 【ネクラ超次元】(15)
  • 【サバイバーコントロール(9EX-10)
  • 【赤ネクラコントロール(8-9, 11-12, 16)
  • 【ネクラウェーブ】(4-5)
  • 【ネクラ二角】(2)

【ネクラ超次元】ではリソースが《アヴァラルド》、フィニッシュが《ガドホ》《バルカディアス》。 【ネクラ二角】ではリソースが《二角の超人》、フィニッシュが《アルカディアス》《バロム》。

【赤ネクラコン】が環境に現れるときは、常にメタコントロール的な立ち位置。 基盤となるカードは環境によって異なる。

有名だけど、断じてネクラを象徴するカードではない。

ミケガモ的ネクラ

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https://mikegamo.hatenablog.com/entry/decks-20_230603#%E3%83%96%E3%83%AA%E5%A4%A7%E6%A0%B9

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ネクラ次元ザガーン【デュエプレ】【マスター】【DMPP-14】 - ミケガモのブログ

リースと同じく、《口寄》などでリソースを取りながら好き放題やるカラー。 ネクラと言いつつ、黒がタッチ気味のミッドレンジを組むことが多い。 《ハッスル・キャッスル》が紙の仕様のままなら構築の幅が広がるんだけど……。

ラッカ

紙では謎カラー、プレではカウンタービートのカラー。

紙だと、コントロールなら確定除去と《アクアン》を持つドロマーに劣り、ビートダウンならシータかリースのほうがまとまりがよかったので、何がしたいかよく分からないカラーリングだった。 しかし、プレでは赤白基盤に強カードが配られてきた経緯から、ラッカは並の3cよりもデッキパワーが高くなる傾向にある。 トリガーの質も高い3色である。

歴代メジャーデッキ
  • 【ラッカ超次元】(14)
  • 【ラッカボルフェウス】(9EX-11)
  • 【青武者】※(10)
  • 【ラッカマルコ】(9)
  • 【ラッカ準速攻】※(1)

リース同様の赤青ビートt《スパーク》のほかに、 《武者》《ボルフェウス》といった赤白基盤にタッチ青というパターンもある。

シータ基盤が確立し、ビッグマナが勢力を伸ばした結果、得意のカウンター戦術が刺さりづらくなってしまった。

ぽっと出にしてはラッカっぽさがある。

ミケガモ的ラッカ

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mikegamo.hatenablog.com

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ケンゲキデストラーサ【デュエプレ】【マスター】【DMPP-15】 - ミケガモのブログ

どれか1色を緑に置き換えるほうが組みやすい印象。 目的のカードがこの3色に分布していて、かつ4色目を入れる余裕が無い時にだけ仕方なくラッカにする。

《ライフ》も《タッチ》もないため、2-3ターン目の安定行動が定まらない。 3マナチャージャーや《コッコ》《ミル・アーマ》でごまかそう。

アナ

一番カードゲームしてるカラー。 もし他TCGのプレイヤーに5文明の特色を説明したら、「アナが一番強いでしょ?」と言ってきそう。 ブロッカーが弱めで火力除去もないため、ウィニー戦術への対処が難しい。

紙では強いが、プレではポンコツ。 プレでパワカやデザイナーズが配られるのは赤白ゆえ、その恩恵を全く受けられない。 15弾までに関して言えば、探索の仕様に最も苦しんだカラーリングでもあっただろう。

歴代メジャーデッキ
  • 【アナザビミラ】(17-18)
  • 【青緑鬼流院tザビミラ】(17)

《クルメル》《吸い込む》《シャワー》で青緑が強くなったおかげで、ようやく環境に出てこれた。 といっても、やはり《リュウホ》《永遠リュウ》を擁するシータ基盤の方が強い。 どうしても青緑の割合が大きくなってしまうデッキで、フィニッシュ用に《ザビミラ》をタッチするくらいでしかお目にかかれない。 そのフィニッシュ手段も、今や無色ゼニスで良くなってしまった感がある。

過去環境で強いて言えば、4弾初期の【アナドルゲーザ】、 9弾ADの【リーフメビウス】、16弾のアナ型【ケロディストーム】、19弾以降の【アナ祝門】などを環境デッキとして挙げることもできる。 が、使用率を考慮するとメジャーデッキとまでは言えない。 やはり厳しいカラーリングである。

カードゲーマーが喜びそうな能力。

ミケガモ的アナ

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mikegamo.hatenablog.com

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ヴァルディプルート / メイデンネプチューン【デュエプレ】【DMPP-09N】 - ミケガモのブログ

魅力は分かるけど、いかんせん弱すぎる。 本質がコントロールなのも相まって、自分から手を伸ばすことは稀。 青緑を含むため構築は素直。

3色の性能表

  • 縦軸:強さ。環境で見かける頻度
  • 横軸:速さ。ビートダウンかコントロール

で、主に現時点での環境を10個の3cを評価してみた。もちろん主観バリバリである。 カジュアルまで含めるとまた変わってくるので注意。

作成にあたってのメモ書き ↓

シータ基盤が圧倒的。ビートとドラゴンのリース、ハンデスと天門系のドロマーが続く。

【墓地ビート】のクローシス、【シュゲモルト】のデアリガズ、【ミケランジェロリペア】が組めるトリーヴァがその下に並ぶ。

白赤基盤の没落に伴い、ラッカ、デイガは強いデッキがなくなってしまった。 ネクラは核となれる強力カードがない。アナはシータに勝っている点がほとんどない。

17弾時点ver(クリックで表示)

作成にあたってのメモ書き ↓

<強さについて>

  • 最弱アナ、次点トリーヴァ
  • デアリガズとクローシスが同じくらいの微妙さ
  • 残り6色は程々に環境入りできている
  • リースやドロマーですら環境で欠席の時期はある

<速さ>

  • デアリガズは脆すぎるので最右に置きたかったが、現実的に速度が出ない
  • コントロール5種は殴るデッキの作りやすさで評価
  • デイガはデザイナーズ基盤、クローシスはリアニ系で殴れる

<その他>

  • デッキ構築の無難さならデイガ最低、トリーヴァとアナ上位

4c呼称について

3cについて一通り解説を終えたところで、関連する4c呼称についても整理しておきたい。

2つの呼び方

デュエマには、4cの統一的な呼称が存在しない。 合理的に名前の付く機会がないまま、ずるずるとここまで来てしまっている。

では例えば「白黒赤緑」のような列挙表記なのかというと、これは全く普及していない。 発音やタイピングが面倒なためである。 このカラーリングであれば、実際よく使われるのは「青抜き4c」か「赤ネクラ」のどちらかの呼称だろう。 この2種類の呼び方には、それぞれ利点・欠点がある。

「青抜き4c」のほうは、カラーリングを表すのに十分な表現だ。 固有の4c呼称が存在しないのは、欠けている色を1つ挙げれば事足りるという事情があるのは間違いない。 しかしながら、無い色だけが書かれているこの表記は、イマイチ直感的ではない。 変な話、「青入りの4c」という書き方もありえなくはないわけで、これらを字面で見分けるのはちょっとばかし面倒である。 言語表現の一般論として、「有るもの」での表現に努めたいところだ*3

これに対して「赤ネクラ」のほうは、3c呼称にもう1色を付け足したものである(以降「3+1呼称」と呼ぶ)。 3c呼称を覚えてさえいればスムーズに色構成が理解できる一方、親しみのない人にとっては不親切を通り越して意味不明だ。 またこの命名法は原理上、同じカラーリングでも呼び名が複数存在しうるのも特徴である。 「赤ネクラ」であれば、「黒リース」「白デアリガズ」「緑デイガ」も同じカラーリングを示すわけだ。

3+1呼称の真意

3+1呼称についてもう少し掘り下げよう。

グッドスタッフの寄せ集めで作ったデッキは主要カードを定義できないため、しばしば色基盤がデッキタイプ名になる。 この傾向は、特にコントロールで顕著である。 それゆえ、定番のコントロールカラーであるネクラやドロマーは、デッキタイプ名としても馴染み深いものとなっている。

ここでのネクラやドロマーは、もはやただの色の組み合わせではなく、デッキタイプやアーキタイプの文脈を含んでいる。 すなわち、「赤ネクラ」「赤ドロマー」と書けば、3cのコントロール基盤に赤をタッチしたデッキであることが伝わるのだ。 3+1呼称は、単なるカラーリングやデッキ名以上の情報を持っているのである。

典型的な【赤ネクラコントロール】(12弾環境)

https://twitter.com/zaaakiruu/status/1488172411254358016?s=20&t=eTgG3ihL9IFHRNHbPgni6w

補足すると、3+1呼称のうちで使われるのは、「赤ネクラ」「赤ドロマー」くらいである。 第一に、マイナーな3c基盤が土台になることや、基盤に含まれやすい色がタッチの位置に来ること、例えば「緑デイガ」などは到底ありえない。デッキの実態として不安定だからである。 第二に、4cカラーリングの活躍度にも偏りがある。これまでのデュエプレでメジャーデッキとなった4cは、「青抜き」か「緑抜き」のどちらかであることが多い。それ以外の取り合わせは、根本的に命名される機会がなかった。 第三に、「黒リース」「黒ラッカ」といった3cビートダウン基盤+1色の呼称はあまり使われない。 理由としては、ビートダウンは序盤の安定感を上げるために色を削るので、そもそも4c構築になりにくい点。 そして、ビートの主役カードがデッキタイプ名になることが多いので、カラーリング呼称の出番が少ない点が挙げられる。 こうした理由で、本来20通りもの組み合わせがある3+1呼称は、その大半が全く使われない。

本題に戻る。3+1呼称にはデッキコンセプトの情報を込めることができるという論旨だったが、 残念ながらこれはすべてのデッキで上手くいくわけではない。 実際には、色枚数バランスが意図したいアーキタイプと食い違っていることもあるからだ。

例をあげるならば、8弾EXの【白黒赤緑アガピコン】、16弾の【白黒赤緑グライフ】。 これらは白緑を基盤とし、そこに少数の赤と黒を入れたデッキである。 アーキタイプとしてはコントロールに分類されるため、「赤ネクラ」と呼びたくなるだろう。 ところが調整次第では、赤の枚数が黒を上回ることも容易にありうる。 もしその場合、厳密に色枚数で判断するなら「黒リース」となる。 しかも構成やプレイングによっては、ビートダウンとコントロールの間を「うねうね」することすらある。 このように、「ネクラコントロールが基盤である」という確証が弱いデッキタイプの場合、 典型的アーキタイプとデッキの実態との間に齟齬が生まれ、適切な3+1呼称を決めるのに苦悩する。

今のところ、これほどに込み入った事情を抱えているのは今のところ赤ネクラ(黒リース)のみであるように思われる。しかしとにかく、3+1呼称は万全ではないのだ。

【白黒赤緑アガピコン】(8弾)

https://note.com/fafa_6843/n/na38863cb2d58

【白黒赤緑グライフ】(16弾)

https://twitter.com/cn5DI2ggHs3YWK7/status/1581301885818265600?s=20&t=9nmEV-qyVVINqaRTTELrJQ

補足1:実在した「緑デイガ」

「緑デイガはあり得ない」と書いたが、実は緑デイガのデッキは実在する。デュエプレ1弾環境の【二角ボルコン】である。 これは記事内でも紹介した【デイガボルコン】に、リソースと盤面制圧を両立するパワカ《二角の超人》をタッチした構築だ。 まさに緑デイガと呼ぶに相応しい。

ところが、【二角ボルコン】を「緑デイガ」と呼んでいる人は全くいない。 それどころか、緑デイガという単語を使っているのはミケガモだけだと宣言できるくらいにはいない(※Twitter「緑デイガ」で検索)。 1弾から【シータ二角】という呼び方はあったので、3c呼称は既にある程度ユーザーに浸透していたはずである。 なのになぜ、緑デイガという呼称は生まれなかったのか。

一つの大きな理由は、色基盤の概念が希薄だったからだろう。 その背景には、多色カードが存在しなかったという事情がある。 色ベースで調整するというよりは、あくまで【ボルコン】に《二角》を入れているという感覚でいたのだと思う。

そして間違いなく言えるのは、「緑デイガ」という語はプレイヤーに馴染みがないということ。 紙で使われた呼称も「赤/青ネクラ」「赤ドロマー」くらいだったため、それ以外の3+1呼称がスッと口から出る人はよほどの変態である。 さらに言えば、赤ネクラや赤ドロマーといった3+1呼称でさえ、紙の方で使われ始めたのは覚醒編~E1期のようだ。*4 紙だと基本セットや闘魂編にあたる1弾環境には、全く縁のない呼称だった。

また紙の初期にも言えることだが、カードプールが狭い時代のコントロールのデッキタイプ名は、構成色ではなくデッキ戦術を記す傾向にある。【除去コン】【ランデス】【ボルコン】などと書くだけで、それに入りうる文明やカードが自ずと特定できるからだろう。 1弾の【二角ボルコン】も同様で、そう書くのがデッキの内容を特定するのに最も都合が良かったのではないか。 「緑デイガ」はもちろん「青抜き4c」といった呼び方すらあまり見た記憶がないのは、そういう理由なのだと思う。

補足2:「黒ラッカ」もあるよ

16弾環境には、既存の【ラッカ超次元】に黒をタッチした【黒ラッカ超次元ビート】が存在した。 4c構成のビートダウンは少ないし、仮にあったとしてデッキ名になる保証は無いと述べたが、それをくぐり抜けてくる例外もある。 ただし、環境においてはメジャーではなかった。4c構成のビートゆえ、扱いづらさがあったからだろう。

補足3:シータ基盤

16弾までの4cは、「青抜き」「緑抜き」のいずれかが主流だった。 ところが今では、「黒抜き」に【4cメンチ】(18)や【4cジャッキー】(21)、「白抜き」に【4cヴィルヘルムコン】(19-)なども現れた。 これらは、17弾で成立した強力なシータ基盤に1色足した形である。呼ぶならば「白シータ」「黒シータ」が妥当か。

MtGの4c呼称

MtGでは、2006年に4cカードが収録された。これにちなんだ4cの呼称も存在している。 しかし、3c呼称が最初にMtGから輸入されたものから変わらないのと同様に、 その4c呼称はデュエマに入ってこなかった。 デュエマは4cカードを出さない方針であると思われるため*5、 今後の収録カードで解決することもないだろう。

ちなみにMtG wikiによれば、MtGでも4c呼称はあまり定着していないらしい。 海外では例えば「WUBR」のように、色の頭文字で4色を表現することが多いそうだ。*6 確かにアルファベットの場合、変に単語を割り当てるよりも4文字打つほうが簡単だろう。 一方、頭字語に馴染みが薄く、かつ漢字を使えてしまう日本のデュエマユーザーにとっては、そうもいかないのが現実である。

4c呼称問題の根深さ

実を言うと、4c呼称問題は今に始まった話ではない。 Twitterの2011-12年頃の投稿を見れば、当時から「赤ネクラ」「青抜き」の派閥のようなものが見受けられる。 これまで多くのプレイヤーが向き合ってきた厄介な問題なのは確実だ。

「青抜きでええやんw」と相手にしてこなかった、もしくはただ格好つけて赤ネクラと呼んできたそこの貴方、 これを期に呼称問題への理解を深めてはくれないだろうか(そういう人はこんな記事読んでないか……)。

↓ 検索例。

https://twitter.com/search?q=%E8%B5%A4%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%A9%20until%3A2012-12-31&src=typed_query

まとめ

友好色ベースの弧3色は、トリーヴァ・ドロマー・クローシス・デアリガズ・リース。 敵対色ベースの楔3色は、デイガ・シータ・ネクラ・ラッカ・アナ。

これまでのデュエプレ環境では、リースやドロマー、ネクラやラッカの存在感が強い。

4c呼称としては、「〇抜き4c」と、3c呼称から派生した3+1呼称がある程度普及しているが、 ユーザー全体の統一的な呼び名とまでは言えない。

おわりに

ゲーム画面から3cカラーリングを抽出するために、クイックピックチケットを6枚消費した。 基本腐らせているので、素晴らしい有効活用である。

3c呼称の英語表記をまとめて載せたのが小さなこだわり。 MtGにおける現在の3c呼称については、MtG Wikiを参照されたし。

今回気付いたのは、厳密な3c基盤のデッキは意外と少ないということ。 デュエマでは、S・トリガーのためだけに色をタッチするという構築がありうる。 加えて、同じ色を1枚マナゾーンに置けば十分というデュエプレのマナシステムは、タッチ構築を促進している。 3c基盤だと思っていたデッキでも、「広義には3cだが狭義では2c」であるパターンは多い。

さらに、3cではないデッキもたくさんあることを忘れてはいけない。 強力デザイナーズ基盤は1-2cに収まる傾向があったり、逆にユーザーは5cを好んだりするので、 この記事にはかすりもしないデッキタイプがごまんとある。 ここまで読んだ方はあたかも3色が世界の全てであるかのように錯覚するかもしれないが、 実際には全くそんなことはないと注釈しておく。

3cカラーリングが主題のはずなのに、なぜか4c呼称問題の分量も膨れ上がってしまった。 何かと物議を醸す話題なので、つい筆が乗ったというのが正直なところである。 画期的な解決案が出てくると助かるのだが、あまり期待はしていない。

余力があれば、各カラーリングの代表デッキは今後も更新を続けたい。 漏れに気付いたらぜひコメントしてほしい。

参考

文明 - デュエル・マスターズ Wiki

色の組み合わせ - MTG Wiki

*1:執筆者が現代デュエマに疎いというのもある

*2:スタン落ちがあるためプール更新にも敏感なのだと思われる

*3:英語のリスニングで "without XX" に惑わされるのと同じ

*4:DMvaultで見つかった最も古い「赤ネクラ」の書き込みは2010年9月

*5:マナを1, 0のどちらに設定するかが悩ましい

*6:UはBl"u"eで青。BlackやLandと被らないようにとのこと