ミケガモのブログ

アナホーガン【デュエプレ】【マスター】【DMPP-19】

デッキレシピ

  • コンセプト:B
  • 完成度:A
  • デッキパワー:A
  • 思い入れ:B

2023/4/24, ベートーベンカップNDマスター到達。 ごく標準的な労力だった。

特に記事にはしなかったが、前期のランクマは新弾前にマスターに上がるために業者をやっていた。 NDが青入りの【ワイルド・ベジーズ】、ADが【黒緑速攻】だったはず。『シータ無限掌覇』でした。

キーカード解説

《サイバー・G・ホーガン》

ハールクアーップ!!!

トップを2枚めくってコスト7以下を出す。 ランダム性のある踏み倒し効果は紙の頃から人気。 「連鎖」のエースとして多くのデッキが組まれた。適度に構築を縛りつつも、組む人の個性が発揮される良カードといえよう。

普通の連鎖と違って、めくれたカードは出さなくてもいい。 このレシピでは、《メイ様》をあえて出さない選択を取れるのが大変ありがたい。

紙からの強化として、味方のコスト7以下にブロッカーを付与するようになった。展開できても脇が甘くて貫通……といった悲しい負けパターンを防げるので、とても良い調整である。

しかし不幸なことに、14弾には魔改造を施された《デストラーデ》がSRとして同時収録された。踏み倒し範囲こそ《ホーガン》が勝っているものの、永続的なシールド追加による防御力、味方への連鎖付与による展開力と応用性の高さといった観点から、性能では《デストラーデ》が大きく上回っている。せめて《ホーガン》のレアリティがVRのままなら良かったのに、SRに格上げされてしまったことで比較を余儀なくされている。

残念ながら、環境デッキに採用された経歴は無し。14弾以降は超次元ギミックが環境を席巻し、17-19弾では《吸い込む》《リュウセイ・ホール》《フェアリー・シャワー》といったデッキ基盤をなす強力汎用呪文が実装された。フルクリ気味の構築を要求される《ホーガン》には、常に肩身の狭い環境だったと言える。 さらに18-19弾では、10~15マナためて《メンチ》やゼニスなどに繋ぐランプデッキが主流に。上のマナ域にパワフルなカードが蔓延るようになったため、少しの躓きも許されなくなった。

環境上での見どころもなくスタン落ちするのは可哀想なので、お別れ会を開催することにした。

構築解説

クリーチャー比率と《母なる大地》

いつものミケガモ構築よろしく、メインカードに全力で気を使う。 《ホーガン》で出ないカードは極力少なくした。 《ホーガン》4以外は全て7以下のフルクリ構成にするのが自分の好みである。

しかし最終案では、《大地》を2枚入れた。 本来の自分なら多分やらない選択だが、今回は

  • 単色緑マナで《メイ様》を出す
  • 終盤の《メイ様》キャンセル
  • 貴重な除去カード
  • トリガー時は《ホーガン》によるブロッカー付与で耐えることも可能

と入れるべき理由が多すぎたため、信念を曲げて投入に至った。実際はほとんど使わなかった。トリガーしてくれたおかげ勝てた試合はなかったし、《大地》から《ホーガン》を飛ばすこともなかった。

《大地》投入と併せて、《ホーガン》を3枚にした。その根拠としては、

  • 《大地》で引っ張ってくれば実質5枚
  • 盤面制限の都合で、《ホーガン》を2回投げる試合は少ない
  • リップル》でサーチ可能

といったところ。《ホーガン》のプロが「3もあり」と言っていたのが自信?になった。マスター昇格目前、《ホーガン》から《ホーガン》《大地》をめくるダブルスカをやらかした。でもその試合は勝った。

カラーリング

普通に《ホーガン》を召喚するつもりなので、《ホーガン》の青、ブーストの緑は確定。 逆に緑が入らないのは、青単の【トワイライトΣ】、もしくは《バベルギヌス》《ブルー・モヒート》などでの踏み倒しを狙う場合。

「青緑のフルクリ」だと流石にできることが少ないので、色を足したい。 他方、いつも通り安定性を重視したいのと、後述の問題児《メイ様》を起用するために緑単色をたくさん積みたい。無難に3cがいいだろう。

今回選んだのは黒。一番の理由は、《腐毒の幻ハンゾウを使えるから。 トリガークリーチャーは出るだけで強いので、そのぶん防御の効果は弱く設定される定めである。 そんな中、場には残らないものの-6000という破格の出力を持つ《ハンゾウ》は、《ホーガン》のようなフルクリデッキにとってまさに適任だ。 【リキピ】の《ジャバジャック》《ヴィルヴィスヴィード》《スーパーパラディン》は全て6000だし、《パンツァー》《四つ牙》《昇龍》のようなメジャーどころのサイキックも6000。 スタン落ち間際にして、いい仕事ができる環境である。

仕事の時間ゲロ。

次点で候補入りしていたのは白。宿敵《デストラーデ》と手を組めるほか、強力なブースト基盤《ヨーデル》《四つ牙》を組み込むことができる。踏み倒し先としては《ジャンヌ・ダルク》《ダイイング・メッセージ》も強いだろう。しかしながら、兎にも角にもトリガーが貧弱。《コルテオ》も《セレスト》もいないため、しょっぱい1体タップで戦うしかない。

なにこれ?

赤は多分やめたほうがいい。シータ基盤なのに《リュウセイ・ホール》《吸い込む》を縛るのは意味不明だし、《永遠リュウ》も積みにくい。

個別カード

《眠りの森のメイ様》

害悪ウサギ。ナーフ待ったなし。 ブースト持ちの軽量クリーチャーとしての採用である。

盤面に居座り続けるので、《ホーガン》にとってはとても邪魔。 《ホーガン》から発射する場合も寝た状態で出てくるので、殴れないのはもちろんブロッカーとしてすら機能しない。 しかし、ブースト連打で高マナを目指すのであればコイツを入れない理由が無い。

《メイ様》を入れているせいで構築がめちゃめちゃ歪んでいる。 多色カードは最終的に全てOUTしたし、呪文の《大地》を投入するきっかけにもなった。 一方で、この強力なブーストエンジンがあるからこそ、7コスト帯のカードを大量に積む無茶な構築が許されているとも言える。

《大神砕グレイトフル・ライフ》

実は《ホーガン》よりこっちがエースなんじゃないかと思う。 状況に応じたサイキックを投げ分けられるのは今でも強力。 《ホーガン》からめくれたときに進化元がいるか分からないのを不安に思っていたが、実際は《ホーガン》で一番めくれてほしいカードだった。 緑単色マナ、いざというときの《メイ様》キャンセルなど役割も多いので、迷わず4枚。

《希望の守り手ファンク》

【リキピ】を詰ませるために4枚ガン積み。 相手の《メイ様》を殴り返せるのも地味に強いが、大体《吸い込む》でバウンスされて上手くいかない。

その他の場面では基本的にいらない。 前期の【メンチ】や【アナザビミラ】には1枚で機能したが、今溶かす対象は《パンツァー》《昇龍》なので2枚必要。それを狙おうにも《吸い込む》《ヴィルヘルム》で処理されるので意味無し。

《狼虎サンダー・ブレード》

せっかく黒を入れたので確定除去も投入。「確定除去がある」という安心感を得たくて入れている。1体破壊したところでどのみち【白緑アガサ】などには勝てないので、思い切って抜くのもいいと思う。

《クリクリ・イガラーズ》

ジャスミン》《青銅》8枚体制を崩して1枚採用。 終盤、《グライフ》を回収して進化速攻できるのが強かった。 一方、最序盤に《イガラーズ》だけ引いてキレながら負けたのが2回あった。

春麗妖精リップル

コマンドサーチ。4種類あるので外しても泣かない。

一番強いのがマナ爆誕。 旧来の《グライフ》とのセット運用はもちろん、《メイ様》との相性も抜群。 うっかりマナに埋まってもマナ爆誕できるし、1t《メイ様》から何もしないと3t目は4マナなので、そこで手札を整えるのに使っても美味しい。

《封魔ゴーゴンシャック》

途中まで入ってなかった。 黒シータの【ヴィルヘルムコン】系統のデッキがあまりにも多かったのでメタで投入。 《メイ様》をお互いに立てると純粋な出力の差でこちらが負けるので、呪文主体の相手の動きを《ゴーゴン》で無理やり止めなければならない。 《サーファー》と1枚交換して4積みにするのが良いと思う。

超次元

確定枠:

  • 《勝利のガイアール・カイザー》
  • 《勝利のリュウセイ・カイザー》
  • 《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》
  • 《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》

そこそこ:

  • 《時空の不滅ギャラクシー》
  • 《タイタンの大地ジオ・ザ・マン》

あんま出してない:

  • 《勝利のプリンプリン》

ほとんど出してない:

入れ忘れ:

  • 《レッド・ABYTHEN・カイザー》
    • 《GOLDEN》として使いすぎて、単体採用することがあるのを忘れていた。

要検討:

  • 《時空の役者カンクロウ
  • 《時空の精圧ドラヴィタ》
  • 《激沸騰!オンセン・ガロウズ》
  • 《時空の雷竜チャクラ》

いらない:

  • 《魂の大番長「四つ牙」》
    • ブーストは他のカードでもできる。

候補カード

ガンリキ・インディゴ・カイザー》

コイツを使うためにデッキを組んだはずだった。 《ホーガン》の味方ブロッカー化は、《ホーガン》本体が消されると総崩れするとても脆い陣形。 そこで《ガンリキ》を出しておけば、相手が除去を撃ってきたときには攻撃を止めることができる。 とても相性の良いカードだと踏んでいた。

抜けた理由の1つ目が、あまり環境に刺さっていないから。 殴ってくるデッキが【リキピ】しかいない現状では、上で述べた《ホーガン》による防御の保険という役割は回ってこない。 《刃鬼》に対しては役割があるものの、最近増えてきた《ヴィルヘルム》《ウェディング》のタイプには効果がない。

2つ目は、《リップル》の探索に入り込んでくるから。 このデッキはリソースが細いので、《リップル》のサーチが大変重要。 《ホーガン》《グライフ》《ハンゾウ》が確定、《サンブレ》も是非欲しいという状況で、 5種類目の《ガンリキ》を入れる余裕は無い。

《サイバー・N・ワールド》

初期案では入れていたが全然使わなかった。今は相手に手札を与えてしまう状況が多くて出しづらい。 《ホーガン》でめくれたのにあえて出さない選択をしたことがあって、それを機に抜くことを決意した。 《リップル》の探索目線でも邪魔。

《戦攻妖精クルメル》

《メイ様》に追い出された人その1。構想段階では「《クルメル》は4投以外あり得ませんなwww」と思っていたが、回していくうちにどんどん抜けていった。 スペックは高いが、今の対面デッキ的に無くてもあまり困らないから必要ないという判断。 《メイ様》が規制されたら真っ先にデッキに戻すと思う。

《腐敗無頼トリプルマウス》

《メイ様》に追い出された人その1。黒入りで《ホーガン》も《グライフ》もあるデッキに入れない理由が無いのだが、これも多色だからという理由だけで抜くことになった。

《アラゴト・ムスビ》

カッコつけて入れたかったカードその1。 回収対象が意外といない。

《掘師の銀》

カッコつけて入れたかったカードその2。 相手の《メイ様》や《昇竜》を除去できるととても気持ちいい。 普通のブーストやトリガーの枠を考えると自ずと抜けていく。

待ち伏せオニゾウ》

黒のトリガー枠。《ハンゾウ》と併せて8000火力。 たまに強いけど、たまにしか強くない。

《踊喰の超人》

緑単色のトリクリで一番マシなやつ。 《パグのすけ》《クラッシャー・ベア子姫》にも注目したが、《メイ様》で出てきてしまうので彼らはボツ。 本来アタリのカードがハズレになる今の《メイ様》、やっぱり異常だ。

《アクア・ナルトサーファー》

黒を抜いたときに検討していた。そこまで超次元環境でもないのと、 【天門】【祝門】相手は戻してもまたすぐ出てくるのであんまり強くなかった。

《チャーマジュン》《ダークネス》セット

《ホーガン》に寄与しないためボツ。


これら候補カードが入っていた初期案がこれ。ここから《メイ様》のために緑単色マナを増やす旅が始まった。

ゲームプラン

全般

ブースト連打して《ホーガン》に辿り着く。 ランプ系統のデッキには出力負けするので、《ホーガン》を立て次第速やかに殴る。 《ホーガン》が見えないときは《グライフ》で突っ込む。

手札は薄め。《リップル》か《グライフ》からの《パンツァー》しかない。 《ホーガン》が実質2ドローみたいなものだと考えればヨシ。

【リキッド・ピープル】

《ゴーゴンシャック》とかいう3-2000のバニラを出してくる相手(お前も積んでるだろ……)。

《ファンク》4積みのおかげで、勝てるときは完封して勝てる。 《ファンク》なしでも、早めの《グライフ》でトンカチ体制に入れば多少は耐久できる。 とはいえ、先攻ぶん回りムーブを押し付けられると流石に無理。 総じて微有利くらい。

たとえ《アクア・ガード》を出されていても《メイ様》は立てる(《青銅》などがあるならそっち優先)。2-1000への殴り返し、《グライフ》への進化、《ホーガン》でのブロッカー化など、いるだけでもやれることはある。

《アクア・ガード》vs《メイ様》の状態で《ファンク》を1体立てたら、基本的に《メイ様》は殴る。1000同士の相討ち、通ってブースト、どちらでも美味い。

《ファンク》を《ヴィルヴィスヴィード》で戻されてしまった場合、返しですぐ出し直すかどうかは迷いどころ。マナカーブに沿って《グライフ》したほうが良いこともある。

【シータ刃鬼】【黒シータヴィルヘルム】系

ちょい不利。《ゴーゴン》で遅延した後《ホーガン》を投げ、相手に動かれる直前に倒すのが理想。

相手が手札不足のときは溜めて殴る。このときは《グライフ》から《昇竜》を出す。

相手の手札が有り余っているときは《グライフ》で特攻する。 何を出されても《吸い込む》で消されそうな気がするときには、《時空ギャラクシー》がとても頼りになる。

【白緑アガサ】

超キツい。《アガサ》のパワーラインが高い、《ダイイング・メッセージ》で場を蹂躙される、《ミルザム》をなかなか除去できないの三重苦。

【黒エンジェル】

五分。トリガー《祝門》は切って、やや溜める意識。 《チャーマジュン》《ダークネス》のベストムーブは諦める。

【MRC】

無理。許されそうな雰囲気なのが許せない。

おわりに

新パック発売と被らない今月は、オリジナルデッキでマスターを目指す月だった。 が、昨今のデッキビルディング界隈の充実ぶりによって、それすらも時間が勿体ないように感じるようになった。 ランクマッチでは完全な業者と化す未来もあるかもしれない。