ミケガモのブログ

デアリガズグローバル / シータブリックラムダ / 青緑プレリュードベートーベン【デュエプレ】【マスター】【DMPP-20】

デッキレシピ

はじめに

NDは2023/7/1, ADは7/5にカツキングカップマスター到達。 柄にもなく普通のデッキを使ってしまった。

今回は《メイ様》に歪められた環境で戦いたくなかったので、6/28のアプデ以降に使いたいデッキを考え始めた。 前期は業者をやっていたので、今期は20弾のカードを使ったオリジナルデッキで走りたかった。 しかし、「俺たちは環境が固まらないと動けない」という環境外ビルダーの名言の通り、 アプデ後も環境外だと確信できるカードが見つからなければ、デッキ製作を進めることはできない。 かといってうかうかしていると、20弾のカジュアルデッキを遊ぶための時間が取れないまま21弾を迎えてしまう。 つまるところ、いつになく焦りを感じたシーズンだった。 これも《メイ様》を早く規制しなかった運営のせいということにしておこうか。

ND:『デアリガズグローバル』

構築

いまいちパッとしない《グローバル》に着目した。 《グローバル》にしかできないことは何かと問われれば、それは一度に複数枚の手札を抱えられることだろう。 では抱えた手札を消費するにはどうすればよいかというと、やはり雑に手札を切って打点に変換できるアウトレイジ、《カツキング》の出番ということになる。 単体ではゲームに勝てない《グローバル》の活路は、他のドロンゴー(と言いつつ、20弾でリソースを取れないドロンゴーは赤のみ)をサポートすることにしかない。

《カツブードン》は、切るためのエグザイルサーチと破壊をまとめてやってくれる。 要するに、これ1枚で場のエグザイル1体をドロンゴーさせるという能力だ。 積極的なドロンゴーには不可欠だろう。コイツのために黒を入れ、デアリガズカラーにした。

2t目に《ライフ》を撃っておけば《五郎丸》→《カツブードン》と繋がるので、その期待で《ライフ》4枚。 一方、3t目の《ホルモン》《五郎丸》に繋ぐための《未来設計図》も入っている。 日和見的だが、特に不都合を感じるほどでもなかった。

場に残った《グローバ・ライブ》がゴミカスすぎるので、当初《グレイトフル・ライフ》で進化キャンセルしようなどと考えていた。 とはいえ、平常時の《グライフ》の種が《ホルモン》しか入っていないのはあまりにも微妙だった。 《グライフ》を採用するなら、《トリプルマウス》か《フェアリー・ホール》もセットにしたい。 が、そうなるとアウトレイジ比率が下がって《グローバル》が弱くなる。 しかも7で《グライフ》を出して殴ってしまうと、8で《グローバル》を置く意味がよく分からなくなる。 《グライフ》自体がこのデッキとあまり噛み合っていないようだと結論づけ、適当なアウトレイジとして《エックスリボルバー》を積んだ。

プレイング

注:以降、ドロンゴーのコストが小さい方を「表面」、大きい方を「裏面」と書く。

このデッキ、ゲームプランを立てるのが難しい。

まず、PSドロンゴーというシステムが、判断の難しいモード選択を迫ってくるということ。 モード選択自体は、今までにもゴッドカードや究極進化カードで実装されている。 しかし、PSドロンゴーの選択の難しさはそれらの比ではない。

ゴッドカードは、出せる方を出しておけばいい。あとから好きな時に追加コストを払ってGリンク可能だ。 究極進化カードはもっと簡単。《神羅》を直接出せる状況自体が稀なので、基本的には《羅月》形態を出してルナティック進化することになる。

これに対してPSドロンゴーはどうか。 PSドロンゴーは、自分単体で変身することはできない。 表面から出した場合、裏面になるためには自爆手段とドロンゴー札の両方を確保する必要がある。 そればかりか、一度出してしまうと後続を投げることすらできなくなる。 表面が放置された場合、裏面を出せるマナになっても、表面だけが場に残り続けてしまう。 こういった事情により、表面を選択することに大きなリスクがあるのがPSドロンゴーである。 そしてPSドロンゴーの難しさは、とりわけ《グローバル》に顕著に現れる。

《グローバル》の特徴は、表面と裏面のコスト差が大きいことだ。 ドロンゴーできれば、大きなコストジャンプで大変オトクである。 すなわち、表面を出すことを強く求められているカードである。 ところが、《五郎丸》の単体性能は《ロビー》ほど高くないし、《カツドン》のような自爆手段もない。 ガードマンが破壊されやすい能力であるとはいえ、能動的に使える効果ではない。 ちゃんと自爆手段を用意しないと強みが発揮できないのが、《グローバル》の面倒なところである。

また《グローバル》に関して言えば、裏面を直接出した場合の効用が低いのも問題となる。 ドロンゴー仲間の《ブリティッシュ》《ミケランジェロ》は、裏面の運用が主である。 これらはゲームを長引かせるための干渉要素と、ドロンゴーのための手札補充を持ち合わせている。 一方の《グローバル》と来たら、8マナも払ってただ手札を確保しているだけだ。 相手を気にせずのんびりアタッカーを立てる姿は、デュエプレ最初期の《二角の超人》を想起させる。 そんな悠長なことを20弾環境でやっていいわけがない。 実際は対【ヴィルヘルムコン】などで《グローバル》をポン置きするケースがなくもないのだが、それが有効な状況は非常に限定的である。

《五郎丸》を出してPSドロンゴーを狙えるか? かと言って、8マナまで溜めて《グローバル》を出すほどのんびりできるのか? という、回避-回避型の葛藤を突きつけられるのが《グローバル》というカードである。

そしてこの《グローバル》を主役にしたせいで、「防御が紙なのに攻撃性能も高くない」という微妙すぎるデッキが完成してしまった。 カウンター性能では説明不要な《カツキング》、押し込みにはSA自壊札の《カツブードン》《マルドゥクス》が便利なのは間違いない。 しかしながら、自らビートダウンを仕掛けて相手に圧をかける性能が、このデッキには全く足りない。 言い換えると、相手が目立った動きをしてこない場合、安定して取れるプランが存在しない。 分類上はミッドレンジになると思うが、そのくせして勝ち筋がイマイチ見えてこないのだ。 ただしこの「変なミッドレンジ」という特徴は、今の環境では意外にも筋が通っている可能性がある。 これについてはADの節で少し言及したい。

AD:『シータブリックラムダ』

構築

原案ビルド杯。本当はこれを使ってマスターに上がりたかった。

《Λ》のメテオバーンカードとしてキューブリックを仕込むことで、殴りながらバウンスができる。 サブアタッカーとして入っている《レジェンダリー・デスペラードは、《キューブリック》を手札進化の種にするとよい。 破壊された時に《キューブリック》効果でバウンスが発動し、その《キューブリック》は再び手札に回収できる。 このギミックがオシャレだと感じたので、ADランクマで使うことにした。

原案者の最新レシピでは、手札を溜め込んで《コスモビュー》している。

が、星を稼ぐには純粋な【ラムダビート】に近づけたほうが効率的だろう。 《アシダケ》系→《進化の化身》系で《Λ》をサーチし、安定して4t《Λ》に繋ぎたい。 この動きは、以前プレイスアリーナでお世話になった【トリーヴァラムダグライフ】の主戦術である。

mikegamo.hatenablog.com

戦績

プラチナ3で断念。多分200戦はやった。 《GOLDEN》の3割程度の試合数で情けないことを言うなと叱責されそうだが、ラクに行けるだろうと見立てていた分だけ心が折れるのが早かった。

このデッキには欠陥が3つある。

1つ、《キューブリック》のキープが難しい点。トリーヴァラムダグライフ】の記事でも考察に残したが、【ラムダビート】は手札の入れ替わりが激しいデッキである。 特に先攻であれば、《アシダケ》《エボト》から《Λ》を出すと、手札を1枚しかキープ出来ない。 その1枚を多色の《キューブリック》にするプレイングはかなりリスキーだ。 《Λ》を出すターンに多色を引いたら、そこでベストムーブが破綻するからである。 加えて多色カードは、6マナ時に《アシダケ》→手札マナ置き→《Λ》進化速攻 を狙うにおいても物凄く邪魔になる。 できることなら、デッキをすべて単色にしたいくらいだ。

2つ、《Λ》が連続して殴れない点。 経験上《Λ》が殴った中で、その次のターンに連続で攻撃できるのは4-5回に1回程度である。 破壊されることはそこまで多くないのだが、《勝利プリン》や《吸い込む》で妨害されるパターンが多発する。 稀にだが、《学校男》で粉砕されるケースもある。 《Λ》が残ってくれなければ、《キューブリック》をメテオバーンするというコンセプトは成り立たない。 一応、手札に残ってしまった《キューブリック》の活用のために《デスペラード》を入れているわけだが、 《デスペラード》では能動的にバウンスを起動できるわけではないので、あえて《キューブリック》入りにしている理由は薄い。大人しく《GENJI》でも積むべきだろう。

3つ、メジャーデッキに軒並み不利である点。 今のAD環境は、【ライゾウ】【MRC】を筆頭として、NDでも強い【祝門】【墓地ソース】【リキピ】【刃鬼】【ヴィルヘルムコン】などが続く形である。 このデッキは残念ながら、【ライゾウ】以外にはすべて不利を取る。 真っ向からビートダウンを仕掛ける場合、トリガーと除去が豊富な【MRC】はまず無理。 【刃鬼】は《永遠リュウ》、【祝門】は《ウェディング・ゲート》で概ね詰み。 【墓地ソ】【リキピ】は単純な速度に加え、《GT》《クロスファイア》、《エリート》《ヴィルヴィス》のお手軽盤面干渉に分からされる。 いくら自由奔放なADプラチナ帯だからといって、メジャーデッキの大半に不利が付くようでは、流石に星を伸ばせない。


デッキパワーが保証されている【ラムダビート】でこれだけ苦戦することになるとは思ってもみなかった。 【5c】【赤ドロマー】【赤ネクラ】【フュージョン】などが存在していた時代は、押しの強いビートダウンを使えばADマスターに上がるのは難しくなかった。 しかし今や【ラムダビート】でこれだとすると、標準的なビートダウンが勝てる環境ではなくなってしまったということなのだろう。 NDで使ったような「変なミッドレンジ」のほうが、かえって環境に合っているのかもしれない。

AD:『青緑プレリュードベートーベン』

組んだ理由

気持ちを切り替えて、違うデッキを使うことにした。

先程挙げた不利デッキの中でカモにすべきは【祝門】である。 ハンデスと除去ができてトリガーも強いので、相手への干渉を好むプレイヤーがこぞって使うからだ。 【祝門】を狩るためには、《VAN・ベートーベン》や《ウェディング》が手っ取り早い。 この辺りを入れておけば、ついでに【刃鬼】【ヴィルヘルムコン】などのターボ系統にも強く出られる。

では、これらを運用するデッキとして魅力的なものはなにか? そう考えた結果、最近カジュアルマッチでお世話になりまくっている《ベートーベン》を使ってみることにした。 《ベートーベン》で特に楽しいのが、墓地の無色カードを回収できるところ。 デザイナーズコンボでもある《戦慄のプレリュード》とセットで使えば、それを満喫できるに違いない。

青緑の【ターボゼニス】によく見られたように、ブーストの過程で《N》を挟めば、【MRC】にも対抗できるはずだ。 【ライゾウ】は速度的に有利とは言えないが、《VAN》さえ出せればゲームエンドなので悪くないだろう。 【墓地ソ】【リキピ】には普通に不利だが、それらには目を瞑る。

構築

何も見ずに組んだらこうなった。変なところも特にあるまい。 【ブリックラムダ】で上げたプラチナ3-5からスタートして、8勝1敗でマスターに上がれた。早い。

このデッキの残念な点は2つ。 1つは、【ターボゼニス】をちょっと捻っただけのデッキであること。 もう1つは、スタン落ちしたカードが1枚も入っていないことである。 どちらも結果的にそうなってしまっただけなのだが、 マイナーかつADでしか組めないデッキを使うのがADランクマの醍醐味だと思っているので、 かなり悔いが残っている。

前向きに考えるとするならば、プラチナ帯環境で通りの良さそうなカードをきちんと見抜けた点は評価できる。

おわりに

今後も素直なビートダウンが苦しい環境が続くとすると、使いたいカードの選び方から変える必要があるということになる(特にAD)。 そういう環境を作っているのは、ビートダウンを直接的に締め付けつつ墓地メタも要求してくる【MRC】と、 自身より遅いデッキを丸ごと食らっている【ライゾウ】のせいである。 この辺りが規制されてくれると、AD環境にも多様性が戻ってくるのではないかと思う。