ミケガモのブログ

デッキビルド杯入賞・ミストメーテルマッドネス【デュエプレ】【DMPP-20】

デッキレシピ

  • コンセプト:S
  • 完成度:S
  • デッキパワー:B+
  • 思い入れ:S

20弾デュエプレデッキビルド杯入賞。リベンジ成功。

dmps.takaratomy.co.jp

メインギミック

かわいい。

暇な時はミストリエスの鳴き真似をしています。

《ミスト・リエス》で相手のクリーチャーが出た時にドローし、《メーテル》でマッドネスを出す。 そのマッドネスに《ミスト》が反応してドローし、《メーテル》でマッドネスを連鎖させる。 相手ターン中に割り込んでマッドネスクリーチャーを展開するという、かなり特異なコンボがメインギミックである。 実を言うとこの組み合わせは、配信中に来たコメントからアイデアをいただいたものである(後述)。

シノビなんて要らなかったんや!

注意点として、《ミスト》には「手札上限6枚」の制限がある(後述する《バイケン》も同様)。 《ミスト》《メーテル》のマッドネス連鎖はマッドネスを出すたびに手札が1枚増えるので、 それで上限の6枚に達するとそれ以上マッドネスが連鎖できなくなる。 2-3体連鎖できれば十分なことは多いが、手札は意識して減らしておくと良い。

ついでに言うと、「割り込みマッドネス」は以前にも組んだことがある↓。 《バビロニア》の役が《メーテル》に、《テクノバスター》の役が《ミスト》に置き換わっている。 共通パーツはほぼ無いので、知見が活かされているとは言えないか。

デッキの方向性

《ミスト》《メーテル》のギミックを軸に、「マッドネスビート」を意識してデッキを仕上げた。 一般にマッドネスはカウンター性能が高いギミックであるが、 これにかまけて相手が行動するまで待つだけのデッキになってしまうのはよろしくない。 すなわち、能動的にゲームを進めるためのカードを積むべきである。 典型的には《アントワネット》や、かつては《烈流神》がアタッカー要員として採用されていた。

今回その系譜として選んだのが、《ロビー/ロビンフッド

まあまあやってる。

こいつの特徴は以下の通り。

  • 除去耐性がある
  • 手札消費が少ない
  • 低マナと高マナで別の運用が可能

効果こそ違えど、この特徴はまさにジェネリック《烈流神》である。 防御ギミックにスペースの多くを割かねばならない【マッドネス】においては、 《ロビー》のように少ないスペースでジワジワと攻撃の圧をかけ続けられるカードは大変重宝する。 一方の《ロビー》視点では、遂行速度が遅いのをマッドネスがカウンターパンチで補ってくれる。 両者は相補的な関係にあると言える。 《烈流神》入り【マッドネス】がデッキとして上手くまとまっていたという裏付けもあり、このチョイスは非常に手堅い。

かえして。

構築の詰め

後述する『赤青アウトレイジマッドネス』を参考に、【墓地ソース】的なパーツも取り入れた。メーテル》は環境の【墓地ソース】にはあまり入らないが、もとは【墓地ソース】支援カードとして収録されていることを思い出すべきである。 《クロスファイア》は、《ロビー》だけでは組めない即席打点を補完。 《キューブリック》は、不足気味な除去要素を補いつつ、マッドネスを持ち合わせていないときの捨て札にもなれる。ただし、安定したバウンス効果発動のためには、青マナが25枚程度欲しいことを留意したい。

2枚でいい。

《バイケン》をはじめとするマッドネスクリーチャーは、連鎖させるというコンセプト達成に妥協できないラインとして10枚とした。 もっと入れたい気持ちもあるが、他のギミックも入れる必要があるのでこれが上限か。 最高性能かつギミック代役にもなる《バイケン》は4枚確定。 連鎖するという特徴から、《ガイアール・カイザー》を一気に3体出して《ストーム・G》を狙える《サイチェン・ピッピー》も4枚採用。 あとは、色の調整とブロッカーの確保を考えて、白の《セフィア・パルテノン》を2枚採用した。 アーク・セラフィムは《パルテノン》のみなので、回収はほぼできない。 これはむしろ、《ミスト》の手札上限に近づかなくて済むのでありがたい。

ブロッカー大事。マジで。

3マナ以下の動きが《ロビー》だけだとあまりにもナメているので、《アクア・アンカー》を入れた。初動換算できるカードではあるものの、活躍の機会が限定的なことから2枚に抑えている。 【マッドネス】の3マナ圏は《リドロ》や《アントワネット》も定番だが、《メーテル》ほかで多色がややかさばってしまいそうなのと、「1枚だけ捨てたところから連鎖する」というコンセプトにそぐわないため却下。

実はターン1です。

《サイレント・スパーク》は、トリガー確保、突破力担保のために採用。最も少ない白と、《キューブリック》意識で多めに積みたい青を併せ持つ。

フブちゃんビーム版を交換しとくべきだったか。

《カツドン破》は、【墓地ソース】【赤青ガネージャー】などにおいて3t目に置けなかった《ロビー》を活用する手段として有用だと聞いて取り入れてみた。 しかしながら、このデッキの中で唯一使用実績がない。 トリガー枚数の確保、赤単色、トリガーして序盤の遅れを取り戻せるといった観点から残しているが、ここだけは改良の余地ありかも。

未知数。

画龍点睛とも言える最後のピースは、《無限王ハカイ・デストロイヤー》これを思いついたおかげで入賞をもぎ取れたと思っている。 白の種は《ミスト》《パルテノン》しかいないので、2枚が適量である*1。 進化元は《メーテル》と《ミスト・リエス》でちょうど色が揃い、そのマナも4→5→6と刻める。 貴重なラッカ3色で、色基盤としても優秀。このデッキ唯一のTBとして、TB+WBの綺麗な割り切りルートを提供してくれる。 埋まりがちな盤面も圧縮可能。もちろん目玉の呪文トリガーケアも魅力的だ。

名前が頭悪そうすぎる。

実はこの枠、はじめは《聖霊王リケ》だった。《メーテル》がアウト製造機ということを聞き及んでいたため、それを進化でキャンセルする手段として入れていた。デッキ全体として赤青成分が強いため、役割薄めなカードは白にしたいという理由もあった。しかし、《リケ》はLOケアをするようなタイミングで出すカードではない。加えて横にいる《ミスト》もまあまあ山札を食い荒らすわけだが、こちらをキャンセルできない。このイマイチな《リケ》を《デストロイヤー》にしたことで、デッキがぐっと引き締まった。

これは序盤に出すカードです。

超次元は《サイチェン・ピッピー》から出す《ガイアール・カイザー》、その《ガイアール・カイザー》のシールドブレイク置換から出すハンターサイキック、プラス《ラスト・ストーム》を準備している。 《勝利のガイアール・カイザー》は、《サイチェン・ピッピー》で出せて、なおかつ7マナのカードがブレイクされた時の打点確保&《ラスト・ストーム》の種になる想定である。 動画化後に野良でこのデッキと遭遇した時、《ガイアール・カイザー》を削って6マナ要員で《アヴェ・マリア》が入っていた。 6の防御要員としては《フォーエバー・カイザー》も良いそうである。実際《ガイアール・カイザー》は1枚削ってもさほど問題ないので、この1枠は自由にアレンジして良いと思う。

相手にするとブレイク置換忘れがち。

付随するシナジー

《ロビン・グレート》のトリガーでcip1ドロー1捨てという能力は、マッドネスと相性抜群である。 《ロビー》はとてつもなく強い一方で、バーターの《ロビン・グレート》の方は採用を若干ためらうスペックである。 《ロビー》の手札回しのおかげでハッタリが利きやすいのもあって、ガチ構築では《ロビン・グレート》の枚数が減らされていることも珍しくない。 しかしこのデッキでは、バーター以外に明確な役割を持たせたことで、心置きなく4積みできている。 先述の通り、カウンターマッドネス戦術と《ロビー》によるジワジワ殴りは相補的な相性の良さを持つわけだが、その外にシナジーを用意できているのが美しい。

not雑魚。

こちらの《ロビー》に対してハンデスでドロンゴー要員を引っこ抜こうとする相手には、マッドネスが刺さる。 また、手札がかさばるほどドローを進める《ミスト・リエス》は、《ロビー》のドロンゴー確保を容易にしてくれる。 《ロビー》視点でも、このデッキのメインギミックは都合が良い。

実は《バイケン》には、相手ターン&自軍限定の《ミスト》効果がついている。 《ミスト》がやられても、マッドネスを連鎖させる部分については《バイケン》で代替可能である。

《反撃のサイレント・スパーク》は、《メーテル》がいるときにトリガーからドローモードで撃つと、相手ターン中のドローとなりマッドネスが起動できる。 色だけでなく、純粋な性能面でも《DNA》《クロック》《コルテオ》などでは代替不能だ。

G0《クロスファイア》+《スパーク》の動きが地味に使える。 白入りの【墓地ソース】なんてあまりないので、このプレイングは新鮮なはず。

メーテル》下で《カツドン破》がトリガーして《ロビンフッド》を出した場合、そのcipドローから《メーテル》マッドネスを誘発できる。 《カツドン破》はほぼ使ったことが無いので抜いてしまっても良いが、一応この噛み合いがあるので入れたままでも良いだろうと判断している。

参考にしたレシピ

緑入りタイプ

https://twitter.com/6b14Xz2nN3jVqlz/status/1663083400830517248?s=20

イデア主の構築がこちら。(画像は提供いただいた最新版)

2マナブースト札を搭載し、2→4→5の速度を意識した構成である。 《シビレアシダケ》系統や、そこに乗る《グレイト・プルーム》の採用で、手札を自ら減らせるようにしているのが特徴。 冒頭で注意点として挙げたように、《ミスト》の手札上限がマッドネスの連鎖を妨げてしまうので、それを避けるための策である。メーテル》でやたらと墓地が肥える点は、《5000GT》で活かしている。 同じコンセプトでありながら、仕上がりは全く異なる。

自分も2→4→5ルートは少しだけ考えたものの、脳内段階でボツにしてしまった。 理由は、色の要求が厳しすぎること。ベストムーブには、開始4ターンの間に「緑→赤青→白」と4色が必要になる。 この条件のもとで手札から指定のカードを3枚プレイ、2,3,4ターン目の間は単色埋め要求、加えてマッドネスも抱えなければならないと考えると、 《ミスト》《メーテル》のデッキ回転率を以てしても実現が厳しいと考えた。 自分はコンボを形にする時、可能な限り色を減らして安定性を取る。今回も、できれば必須となるラッカカラーだけで組みたかった。

2マナブーストを諦める思考を後押ししたのが、「マッドネスデッキは急がなくて良い」という知見。 コンボの外に普通のマッドネスギミックを用意しておけば、速い相手にはカウンターでなんとかできるはず。 また、マッドネスは基本的に手札を抱えるデッキでもある。ブーストで自ら手札を切る構成はあまり見かけない。 むしろ欲しいのは、《ロビー》《烈流神》のようなジワジワアタッカーであると考え、今回の自分の方針を固めた。

メーテルアレグリア

https://twitter.com/balsamico_win/status/1662831512092565504?s=20

イデアを貰った直後に現れたのがコレ(画像は自分用に少しカスタムしたもの)。 《メーテル》→《エナホ》《アレグル》ですぐさま《メーテル》の能力を活用しつつ、 裏面《アレグリア》によって部分的に《ミスト》《メーテル》を内包している。

正直これには「やられた!」と思った。 《メーテル》との相方という観点で《ミスト》と《アレグル》を見比べれば、自分でも《アレグル》に軍配を上げるだろう。 色に無理がないし、サブプランも豊富に取れそうだからだ。 本質には関係しないが、「ルナ」→月曜日と連想し、《メーテル》の日曜日と対比させるセンスにも脱帽した。

しかし、今回はそこで思考を止めなかったおかげで最終形に辿り着くことが出来た。 《ミスト・リエス》の利点は、4→5の次のターンから確実に「割り込みマッドネス」体制が整うこと。 マナカーブが綺麗、わずか2枚コンボ、速い相手にも間に合うという観点で、これは間違いなく差別化点になる。

コンボの身軽さが武器になることを前提に、デッキの方向性で差別化を推し進めることにした。 具体的には、《スパーク》を積んだ上で攻撃成分を盛り込むことである。 《アレグリア》軸の場合、デッキ全体を呪文に寄せる必要があるので、必然的にコントロールチックなデッキに仕上がるだろう。 それに対抗して、《ミスト》軸の自分は《ロビー》《クロスファイア》といったアタッカーを投入した。 その上で固有のシナジー要素を沢山盛り込めたので(前節参照)、デッキとして引けを取らない仕上がりになったと思う。

『赤青アウトレイジマッドネス』

https://twitter.com/Jimoyan_dmp/status/1662352777992105984?s=20

【マッドネス】と【墓地ソース】の融和は、やはりビルド杯中に見かけたこのレシピを参考にさせていただいた。 【マッドネス】といえば《リドロ》《ヒャックメー》がテンプレだが、 20弾で《カツドン破》《パルサー》《支配からの開放》《キューブリック》が収録されたことにより、 赤青アウトレイジ軸という全く新しい基盤が成立したことに気付かされた。 最終的な採用カードにはそこそこの相違があるものの、《クロスファイア》《キューブリック》を各2枚ずつ入れているところには分かりやすく跡が残っている。

総評

斬新な基盤と特異なコンボの上に、網のように張り巡らされたシナジー 40枚ぎちぎちにカードが詰め込まれており、ほぼ弄る余地が無い。 ミケガモ史上でも歴代五本の指に入る傑作だと自負している。 これを20弾デッキビルド杯の入賞作に選んでいただけたのは大変嬉しい。

再掲。

入賞自体は13弾の『次元ブルーメルキス』で果たしていたわけだが、正直言って出来栄えにはあまり納得が行っていなかった。 確かにアイデアは良いものの、デッキ細部の練り込みやカード間のシナジーが全くなく、面白さの全てが相手の構築に依存してしまうため、自分好みのデッキとはとても言えなかった。 密かにリベンジを誓っていたので、今回それが果たされて満足である。

dmps.takaratomy.co.jp

それと共通点として、13弾でも20弾でも "異次元「略奪メルキス」" "熱狂「サンデーサンダー」" のように、デッキ名をちょっと凝った感じにしていた。 自分がこれをやっていたのは、13弾、14弾、20弾のときだけ。少なくともミケガモ内では、入賞の成否と相関関係がある。 実のところデッキ名は、編成画面のスクショ内で唯一、完全に自由な情報を入れることができる箇所である。 おまじないかもしれないが、とにかく入賞を目指すなら、目立つデッキ名を意識すると良いのかも。

ところでもしかすると、「アイデアパクりまくって入賞して嬉しいのかよ!?」と非難を受けるかもしれない。しかし自分は、この結果に大変満足している。 確かに、アイデアから細部まで完璧なオリジナルであるのは理想中の理想だ。 しかし、デッキビルド杯を顕著な例として、TwitterYouTubeなどで情報を得ることはもはや珍しくない。 特に自分は、カジュアルデッキの知見を蓄積するために、記事執筆・動画投稿・配信を続けつつ、ビルド杯の投稿作を取得するプログラムを組んでそれを全てチェックしている。 あくまで自分が好きでやっていることではあるのだが、見方によってはこれは"努力"である。今回のデッキは、その努力が実った成果なのだ。

別の言い方をすると、色々な所から出たアイデアの集積でデッキを完成させることは、現在の自分のデュエプレへの取り組み方からしてごく自然なものである。 自分から出たアイデアは、13弾の『次元メルキス』入賞で評価をいただいた。 ならば今回の『ミストメーテル』の入賞は、鍛えたデッキ調整技術が評価されたということになるだろう。 自分としては後者が得意かつ力を入れている箇所ので、嬉しさでは今回のほうが上回っている。

そういうわけで、参考にさせてもらったビルダーにも敬意を払いつつも、自身の入賞に胸を張りたい。 それでも文句を言ってくる人がいたら、「アンタは《ミスト》《メーテル》の2枚からこの40枚に辿り着けるんか?」と張り合わせてもらおう。

余談だが、デュエプレ開発班には古くから《ミスト・リエス》信者がいることが知られている(↓出典)。 今回の入賞は、その開発員の心を掴むことができたためなのかもしれない。キーカードにしておいてよかった。

youtu.be

おわりに

公式によるデッキビルド杯の開催と、毎回素晴らしいデッキを投稿してくださる皆様に改めて感謝を申し上げたい。 おかげさまでカジュアルデッキへのモチベーションと向上心を維持できている。 そうして生み出された自分の記事、動画、配信が、少しでも恩返しになれば嬉しい。

ところで、自分が観測できる範囲でさえ、素晴らしいデッキセンスを持ちながら、未だに入賞できていないビルダーが複数いる。 その方々については時間の問題だと思うので(今回の自分以外はおそらく皆そう)、どこかで当たるっしょ!のポジティブシンキングで引き続き投稿してほしい。 逆に今は入賞を狙う技量がないと悲観する方々も、投稿を続けながら少しずつセンスを磨き、同時に裏ビルド杯などのイベントでカジュアルシーンを楽しんでもらえたら嬉しい。

というかこのイベント、アイデアと完成度のどちらかが一定水準に達しているデッキの中から、くじ引きで入賞を選んでいるのではないかと思うことすらある(←各方面への失礼、および自分への皮肉を承知で発言)。 大傑作が選ばれないことも、未完成でも光る所はあるというデッキが選ばれることもあるので、良くも悪くもそういうものだと思って投稿を続けるのがよいだろう。 これからも多様なバケモンデッキが投稿されるのを楽しみにしている。

対戦動画

youtu.be

出来栄えに満足してしまって入賞前に上げた動画。最初に潜った3試合で見せるべきものが全て収まったので、爆速で収録が終わった。

www.youtube.com

受賞後のルムマ配信。《ミスト・リエス》が単体で活躍した。

*1:一応《勝利プリン》もそうだが、場にいることはほぼないだろう