ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-21 環境考察メモ

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収録内容

ラクルvsアウトレイジの延長。 リバイバル投票で1位だったゴッドも、ゴッド・ノヴァの充実と時期を合わせる形で消化された。

VIC, SRはとっつきづらいカードばかり。分かりやすいのは《ジャッキー》のみ、次点で《G・イズモ》。 ドラゴンサーガ期からやってきた《ドラゴ大王》や《ワルド・ブラッキオ》は、アクセントとして使われはすれどコンセプトカードではない。

制限改定

能力調整系統は、《ゲキメツ》のDP殿堂解除のみ。

NDからスタン落ちするのは15弾。これにて紙版で勝舞編に相当するパックが全てNDから落ちたことになる。 落ちる代表的カードは以下。

  • 登場からずっと環境上位に居座り続けた《MRC》
  • 超次元コントロール最強カード《ガード・ホール》
  • 高汎用な準フィニッシャー《グレイトフル・ライフ》
  • 魔改造でバケモノと化した《エル・ドラード》
  • メタビートを支えた《オール・イエス
  • かつてはビート殺しと言われた《時空ガンヴィート》

ND

新規デッキ

最初期によく組まれたのは【Gイズモ】。 再録の《ゲキメツ》、新規の《ゴッド・ゲート》、スーパーデッキの《ゼンアク》などが見どころ。 《Gイズモ》が「吸い込むリュウホ基盤」へのガンメタを張った能力であるため、直接的に環境へ干渉してきた。 構成カードを絞りやすい赤ドロマー型から、枚数調整を経て爆発力のある5c型へ変化した。 《Gイズモ》の中央Gリンクを発動できれば出力が高い。 一方、間に合わせてもらえない高速デッキや、《Gイズモ》を除去する手段を持つ相手は厳しい。 メジャーデッキとは呼べないくらいの立ち位置まで落ちてしまった印象。

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程なくして【赤青ジャッキー】が目立ち始める。 《ジャッキー》はシンパシー:アウトレイジと3枚めくりで強化された。 《一撃奪取》系統を2枚引ければ4tで《ジャッキー》が走り、上手く行けばWBがめくれてワンショットできる。 この動きに特化したのが赤青型である。 想像に難くないように、軽減が序盤に引けないor除去される、あるいは《ジャッキー》本体を引けなかったりすると途端に出力が落ちてしまうのが問題。

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その後に出てきたのは【トリガー世紀末】ハンデスとトリガーで相手の攻撃を足止めしながら、《パーフェクト・リリィ》《世紀末》の並びを作ってワンショットに近い形でトドメを刺す。。 基盤はコントロールだが、《世紀末》でいつでもブチ切れ可能なのが新しい。 《世紀末》以外の部分は真面目すぎるので、安定したインチキデッキが流行ると厳しい。

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【シータ/4cジャッキー】は、赤青型の脆さをカバーするべく開発された安定型。 《ホルモン》をはじめ、《プロメテウス》《ドン・カツドン》できちんとマナを伸ばすことで、軽減に失敗しても動けるようにしている。 サブプランは主に《カツキング》。白入りは《スパーク》《ミケランジェロ》で受けが強くなる。 自由度が高すぎてテンプレが全然定まっていない印象。 《ドン破》《UK》、《キンジ》、《リュウセイ・ホール》、《スパーク》《クロック》の枚数など、人によって構築が違う。 表記コストの高いドロンゴーが多く積まれるため、実はガチンコジャッジにちょっと強めだったりする。

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【ドラゴン】も侮れない。 《ドラゴ大王》《ブラッキオ》はもちろん、《獅子ライオネル》がかなりヤッていることがバレてきつつある。 《フレア・エッグ》《ミステリー・キューブ》といったガチャカードがあるため、ライトユーザーにも人気。

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環境中期には【赤青UKパンク】が成立。 《ドン破》から《UK》が実質的に直接出る動きが強力。カウンタープランを太く取ったコンボ内包ビートである。 《トンギヌスの槍》で相手への干渉能力、トリガーケア能力も備えている。 ビートでありながら速度が出ないため、ビッグマナ系統には不利がつく。

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さらに、【赤黒ブルースコントロールも結果を出し始めた。 《ブルース》による無限リソース、盛々のハンデス、《未知なる弾丸》のランデスを搭載した、全く新しい基盤のコントロールである。

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赤黒ブルースについて語る|ナセ

油断していると【赤白速攻】にも刺される。 《ナイン》《コルナゴ》で展開力が大きく上がった。

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環境後期にはハンデスデッキが存在感を見せ始めた。

一つが【ドロマーイズモ】。グダグダの展開に持ち込んで《Gイズモ》のリンクで〆る。

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もう1つは【ドロマーオラクル】。こちらは光臨持ちオラクルで盤面を広げつつ、《強欲ゾロスター》で大量ハンデスを狙う。

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既存デッキ

【墓地ソース】は、《ブルース》や《モールス》が加わる。 大まかな動きは変わらず、アレンジ要素として新規カードが入ってくる形。相変わらず無難に強い。 対コントロール特攻の《ブルース》を手に入れたことで、役割が近い《ロビー》を抜き、中盤でも召喚しやすい《アリス》に差し替えるカスタムも見られる。

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【リキピ】も順当に強い。《ジャバジャック》に《エリート》か《メルゲ》を添えるとターン中のドロー数が6枚となり、《クロスファイア2nd》を出せる。 ただし上振れムーブが追加されただけで、総合的な強化幅としては程々か。 もとより【墓地ソ】がキツめだったのに加え、6000ラインをSAで叩いてくる【ジャッキー】、ビートメタの【赤青UK】が重い。

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シューゲイザーは、既存のデアリガズ型・白緑型に加え、繋ぎの《プロメテウス》とサブプランの《ザビ・ミラ》を盛り合わせた青緑型が現れた。

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【シータ刃鬼】は《ダイハード・リュウセイ》を獲得。詰めと耐久が少し強くなった。 【赤青ジャッキー】には《リュウホ》の小型処理がぶっ刺さる。 新規の《Gイズモ》は厳しいが、ブースト札を《ダンシング・フィーバー》に切り替えて対応している。

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派生として、《刃鬼》を入れない【シータ大王】も興った。

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【4cヴィルヘルム】は、対応力の高さで依然として環境級。 《ドラゴ大王》が取り込まれることもある。

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【白緑アガサ天門】も続投。受けが強いのでビート系統に対して有利。ハンデス除去の少ない【シータ刃鬼】にも有利。 リリース以降、個人的に過小評価していた。ここまで安定して環境に残るとなると、【アガサ天門】自体のデッキパワーが高いと認識を改めざるをえない。

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【青黒祝門】もいる。

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環境前期

相変わらず【バルガライゾウ】地獄。 ロック性能の高い《ドラゴ大王》、緑単色マナとしての《ワルド・ブラッキオ》が追加された。 この2枚は、いずれも《クロック》をケア可能。 足回りが変わったわけではないため大幅強化ではないが、新規要素と手頃さで使用者が多い。 中速以降のデッキを概ね踏み潰している。

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と言いつつ、本当の覇者は【MRC】であるという実態も変わりない。

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【アガサ天門】は《ダイイング》《ボルブラ》で《ライゾウ》を止められる。 前期からスタン落ちしてしまった《シュヴァル》も使えて最大出力。

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少し経った頃、【バニラツヴァイ】が増加。 《ツヴァイ》調整後は手札の枚数的に厳しかった4t《ツヴァイ》も実現可能。 《ジャバジャック》のサブプランも備えているのも特徴。

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前期はそこそこ活躍していた【墓地ソース】がトップ100にいないように見える。 なんで?

環境デッキというレベルではないが、【オボロセカンド】のマスター報告が複数見られた。

環境前期終盤、【マーシャルターボ】が瞬間1位を取って界隈に激震が走った。 《踊喰》と《アトランティス》で《マーシャル》を繰り返し出してマナを伸ばし、《大地》で《大王》《VAN》《ナイン》でロックするというコンボデッキである。 メインルートだけを書けばシンプルだが、実際には残り山札にロックパーツや《大地》が何枚あるかを把握したり、 《オリーブオイル》でアウト回避&《大地》を再利用したり、パンクしそうになった手札を《マッスル・ポテト》で減らしたりと、 疑似ループの理論値を出すための操作がとんでもなく難しい。そのハードルの高さゆえ、原案者以外に乗りこなすことはできなかった。

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環境後期

【バルガライゾウ】への規制

21弾中盤のアップデートにて、ついに【バルガライゾウ】への規制が入る。 今回は、初の「AD殿堂」なる措置が取られることになった。該当カードは、ADランクマッチでの編成が1枚に制限される。 対象は《ロマネスク》。説明を要約すると「【バルガライゾウ】の使用率が長期に渡って高いため」とのこと。

デュエプレADにおける《ロマネスク》は、【バルガライゾウ】以外への採用がほとんど見られない。 すなわちこの措置は、【バルガライゾウ】を締め付けたいが、《バルガライゾウ》本体を殿堂入りさせたくないという意図が表れたということである。

個人的には、根本原因を規制しないことにやや反対である。 しかし《ロマネスク》AD殿堂は、【バルガライゾウ】の戦力を削ぐには大いに有効だ。 その典型が、《ロマネスク》から《ヴィオラソナタ》に繋ぐサブプランの消失である。 《ロマネ》《ヴィオラ》で安定してドラゴンを踏み倒す動きは、《バルガライゾウ》を引けないときにも高い出力が保証していた。 旧来の《永遠リュウ》《ナンバーナイン》らに加え、21弾以降は《ドラゴ大王》がこのルートをより凶悪なものとしていた。 これが消えれば、【バルガライゾウ】はデッキとしての強さをかなり落とすことになる。 少なくとも、ランクマ周回性能を評価して使う人(過去の自分もこれに該当)は、【バルガライゾウ】を選択肢から落とすだろう。

規制後の環境

ところがどっこい。

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2023/9/2 AD環境調査レポート | BEANS/デュエプレ環境調査・攻略

【バルガライゾウ】の使用率は、《ロマネスク》規制後も依然として高い。 実際には、他のブーストカードで真面目にリペアしたタイプから、《ミステリー・キューブ》や《フレア・エッグ》を採用しガチャを楽しむタイプまで、型にはバリエーションがあるのだろう。 しかしそれにしても、この結果は予想外であった。 デッキ強度が落ちたにも関わらず、未だ多くのプレイヤーが《バルガライゾウ》に信頼を寄せているというのが事実である。 今後の動向にも注目したい。

【バルガライゾウ】弱体化が一番嬉しいのは【MRC】だろう。 順調にレートを伸ばした【MRC】がレート差のある【ライゾウ】に遭遇してぶちのめされる、という事故がこれまで度々発生していたものと思われる。 《ロマネ》が消えて白を採用しなくなった【ライゾウ】であれば、《デルフィン》や《獅子ライオネル》といった【MRC】にとって厄介なドラゴンが入りにくいのも助かる。 今は、流行中の【バニラツヴァイ】対策で、軽量クリーチャーを多く積んだ型が主流。

……と思いきや、【ライゾウ】に規制が入って実際に増えたのは、極端な不利対面だった【MRC】ではなく、速度で競り負けていた【シータ刃鬼】だった。 【ライゾウ】の速度が落ちたことでターボが間に合いやすくなったのと、《N》や《オリーブオイル》で【MRC】をメタれることからかなり立ち位置が良い。 ADならではの要素として《ギフト》《ババン》が入っていることも多い。

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おまけ:《バルガライゾウ》の調整文

《バルガライゾウ》のニュースレターに対してもう一つだけ言わせてもらえば、 「勝率が5割を切っていた」という記述に対して「やはり【ライゾウ】は弱い!」という同調の声が上がっているが、ここに自分は意義を唱えたい。 【ライゾウ】は回しやすいデッキであるため、気軽に遊びたいライトユーザーに人気で、プレイングで差をつけたいガチ層には好まれない傾向にある。 さらにライトユーザー層の中には、「勝つために最適化されていない」構築が、他のデッキタイプと比較して多く見られる。*1 これにより、【ライゾウ】の全体勝率は、最大出力の理論値に対して低めに出るだろう。 実際のランキングでは、【ライゾウ】は最終TOP100にも複数人が残るほど「強い」デッキだ。 構築をしっかり詰め、真面目なプレイを重ねれば、勝率は5割を超えるはずである。

《バルガライゾウ》についてはもっと語りたいことがあるが、それはやるなら別記事を立てるべきだろう。 ひとまず参考資料として、《バルガライゾウ》の辿った道のりを記したnoteを紹介させていただく。

note.com

参考

デッキレシピ引用など

togetter.com

【ND】環境デッキテンプレリスト集(7/31新規)【第21弾環境】 | BEANS/デュエプレ環境調査・攻略

*1:例えば《ヴィルヘルム》《オドル・ニードル》《モーツァルト》などは、ランカーレベルの戦いではほぼ使用が見られない