ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-19 環境考察メモ

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追加カード、制限改定

19弾はエピソード2期の後半にあたる。 無色ゼニス系統のカードが引き続きと、「光デーモン」「闇エンジェル」「大型ドラゴン」「リキッド・ピープル」「ドリームメイト」がテーマである。

NDからは13弾がスタン落ちした。影響が大きいのは、《バベルギヌス》《デスマーチ》《カゲキリ》。 13弾はサイキックが初めて収録された弾でもあるが、《シャニホ》《チャクラ》などの大型5体はすべてレジェプレ2023および構築済みデッキで再録されたため、スタン落ちしていない。

制限改定では、《ルドルフ》の効果がターン1回限定に。ナーフ理由は単に「処理時間が長すぎるから」。 最終的な18弾環境において、【ルドルフ天門】は強かったものの環境トップではなかった。 あくまで健全なゲーム体験のための調整である。

3月23日メンテナンス時のカードの能力の変更について|DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)|タカラトミー

さらに、《母なる大地》《神羅スカル・ムーン》《ホーガン・ブラスター》の1ターン中の効果適用回数に「9回まで」の制限がついた。 この措置は、無限ループ戦術そのものを否定するわけではなく「相手のカードに依存して無意味な無限ループを発生させる恐れのある組み合わせ」を未然に防ぐ目的である。 具体例は↓。

一部カード能力の適用回数制限について|DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)|タカラトミー

ND

前環境のデッキ

【ルドルフ天門】は分布から消滅。調整後もデッキとしては何とか成り立っているが、 元々ランプ環境で割を食っていたのもあって、手を伸ばすプレイヤーはほぼいない。

【4cメンチ】は、色基盤に余裕が無いため《メイ様》を取り込むことができず、前環境に取り残された感がある。

【赤白速攻】は《カゲキリ》が、【青黒リバイバー】は《デスマーチ》がスタン落ちしたため苦しい。 ライト層に人気だった【ターボゼニス】は、同じく取っつきやすい【刃鬼】とシェアを奪い合っている。

環境の変遷

リリース直後は、1ターン目から設置できる置きブースト《眠りの森のメイ様/お目覚めメイ様》が注目される。 【アナザビミラ】や【シータババンディメンジョン】、【ターボゼニス】などに取り込まれた。 《メイ様》は強力かつ個性的なエンジンであったため、研究と対策には少々時間を要した。 《メイ様》にブーストを1回もさせないための対処方法は、《メイ様》に殴られる前にブロッカーを立てるか、先攻を取って《ライフ》→《吸い込む》で《メイ様》をどかすかしかない。 強すぎるかつ初手に左右されすぎる汎用ブーストゆえ、リリース直後から弱体化調整を予測する声も多く見られる。

少し経つと、紙でも一時は環境を取った【刃鬼】が出てきた。 《メイ様》や《リュウセイ・ホール》によりデッキ強度が高いのに加え、 ターボして《刃鬼》を投げるというゴールの明確さに支えられ、シェア1位を獲得した。 「最強ではないが使用率の高いデッキ」枠である。

同時期に、19弾のビートダウンテーマ【青単リキッド・ピープル】も環境進出。 ターボ系に有利がつくほか、《アクア・ガード》が1ターン目《メイ様》設置のメタになること、軽量進化で5000ラインの《メイ様》を叩けることなどが評価された。 オリカの《アクア・エリート》もシンプルなパワカ。19弾環境で最も安定した強さを誇るデッキだと言える。 【リキピ】へのメタカードとして、6000ラインを消せる可能性のある《ミサイル・バーストG》が注目されている。

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ビートダウンが流行り始めると、【天門】【祝門】系が注目される。

新テーマ「黒エンジェル」は、特に《チャーマジュン》《オレオレ・ダークネス》の2枚が強力。 《ウェディング・ゲート》《スター・イン・ザ・ラブ》によるカウンター性能も備えている。 自らシールド枚数を削るコンセプトのため、相手の《刃鬼》のGJ回数を減らせるのも環境に合っている。 新規SRが不要のため組みやすいことも合わさり、【祝門】は一時的に環境を席巻した。 ハンデス重視の青黒型、《ベルリン》《ガガアルカ》で同系をメタったドロマー型、メタビート風味のネクラ/黒緑型がメジャー。 ただ結局、【リキピ】に対して大きな有利はつかない。デッキ強度も、環境独走には半歩及ばない印象がある。

同じく新テーマ「光デーモン」は、白緑基盤の【アガサ天門】が開拓された。 《メイ様》でマナを伸ばしつつ、《アガサ》《ダイイング》で盤面を広げる。 《アガサ》のシールド消費は、ぶっ壊れ再録カード《ミルザム》が補充する。 《アガサ》のリターンを増やすため、《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》が起用される場合もある。 従来の【天門】と異なり、手札補充でなくマナブーストを優先するのはかなり歪。 これも《メイ様》に依存したデッキ……と思いきや、《メイ様》をあえて抜いた構築の好戦績報告も上がっていたりする。

【刃鬼】は王道のシータ型に加え、《ガチンコ・ジョーカー》《ヴィルヘルム》で妨害を挟む黒シータ型が開発された。 そのさらなる派生として、フィニッシャーを《刃鬼》から《ウェディング》に差し替えた【黒シータヴィルヘルムコン】も環境に出現。 【刃鬼】に比べ、ハンデスや《ファンク》などのメタカードを積む余裕がある。

環境安定期になると、徐々に【MRC】が復活の兆しを見せる。 汎用墓地メタの《N・ワールド》が滅多に使われなくなったこと、【リキピ】に対してトリガーカウンターを決めやすいことなどで勢いづいた。 3マナチャージャーから《ヴォルグ・サンダー》に繋いで一気に墓地を肥やす「チャージャー型」は、《エンゲージ・チャージャー》で地味に強化を受けている。 さらに、【リキピ】への勝率を上げるためにブロッカーを投入した「クリーチャー型」もここに来て再燃。 プレイヤーの飽きもあって使用率は低めだが、特段不利対面の無い万能デッキである。 やろうと思えば、《ボーン・スライム》で《メイ様》メタもできたりする。 環境終盤になって、【MRC】メタのために《N・ワールド》を改めて採用する流れも見られる。

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新規カードを大量に獲得した【バルガライゾウ】の使用率が圧倒的。 ブースト札《メンデルスゾーン》、ブロッカー&ブーストトリガー《イージスブースト》、《バベルギヌス》と同じ役割にして大幅パワーアップした《ヴィオラソナタ》。 派手さとお手軽さはそのままに、対応力も爆発力も上がり続けている。

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《メイ様》軸の【ドリームメイト】は、カードプールの広いADで本領を発揮。 《サージェント・クワガタン》《ボルパンサー》《ジャンガルジャン》といった面子がデッキ強度を上げている。

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リキピプッシュにより【ツヴァイ】も追い風。ただ、数としてはND構築の【ジャバジャック】に《マーキュリー》を挿した構築のほうが多いようである。

【アガサ天門】は、相手の召喚に反応しての《ダイイング》《ボル黒》で【バルガライゾウ】を制することができる。

【MRC】はADでも健在。【バルガライゾウ】はちょっぴり苦手だが、【リキピ】【ドリメ】にはめっぽう強い。 チャージャー型は《ロスチャ》《クルチャ》、クリーチャー型は《ロノヴェル》がADの強み。

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ADの主、【スノーフェアリー】はだいぶ数が減った。速度を得た【バルガライゾウ】、速度とパワーラインがキツい【リキピ】、もとより苦手な【MRC】がはびこっているがゆえか。 ただし戦績自体はまだ上がっている。

そのほか、NDのデッキをそのまま持ち込む【刃鬼】【黒エンジェル】などがちょくちょく。

環境の特徴

《メイ様》に歪められた環境

1マナで設置され、3ターン目から継続的に毎ターン1アドずつ取り続ける置物が弱いわけがない。 仮に対処されたとしても、1回でも効果を使えれば《フェアリー・ライフ》よりも強いし、相手に除去行動を強要している時点で十分である。 《メイ様》入りのデッキは、これを1ターン目に設置できるだけで大幅に有利を取れる。 初手に特定のカードを引けるかどうかのウェイトが重すぎるのは、不健全極まりない。

《メイ様》を完封できるのは、【リキピ】の《アクア・ガード》、先攻を取れた時限定で《キクチ師範代》《ジェットドリル》くらいのものだ。 当然、《メイ様》以外でこれに匹敵するようなぶっ壊れモンスターは存在しない。 対抗手段が限られすぎているのも問題だ。 もしかすると開発班としては、《シャングリラ》率いる【ガーディアン】が、《ラ・ウラ・ギガ》を積んで《メイ様》を抑止することを想定していたのかもしれない。 しかし、《シャングリラ》本体の性能が低すぎたため、その期待は全く実現されなかった。

環境で【リキピ】以外のビートダウンが死滅しているのも、あれだけ強かった【4cメンチ】が一瞬で淘汰されたのも、 リソースを取れないはずの【白緑アガサ天門】【黒緑祝門】などが成立しているのも、全部《メイ様》の仕業である。 1枚でこれほどに環境を歪ませたカードというのも珍しいだろう。

《メイ様》を使うにしても、デッキは単色カードの比率を高くすることを求められる。 さらに、1t《メイ様》のために緑単色を極端に増やさなければならない。 また、基本的に他のドリームメイトを積めなくなるのも問題だ。 デッキ構築すらも《メイ様》に支配されている。

間違いなくゲーム性をぶち壊しにしているので、早急に規制すべきである。

《N・ワールド》の没落と再興

18弾環境では、【4cメンチ】【ババンディメンジョン】【アナザビミラ】などのランプには《N・ワールド》が必ず投入されていた。 ところが、19弾環境になると《N》は途端に姿を消した。

理由の1つ目は、《フェアリー・シャワー》の登場。 手札を減らさずにブーストできる手段が確立されたことで、必ずしも2→4→6で《N》に繋ぐ必要がなくなった。 18弾時点でも《ライフプラン・チャージャー》はあったのだが、《シャワー》にはトリガーがついているのが大きい。

2つ目は、ここでも《メイ様》。 《N》で増えた手札を先に活用できるのは相手である。 仮にお互いが《メイ様》を設置している場合、現在から2マナ増えた状態で先に相手の行動を許すことになるため、かなり危険である。

3つ目に、フィニッシュにかかる手数の変化。 18弾のフィニッシュ手段は、ホール連射での《メンチ》、《永遠リュウ》+《ディメンジョン》、小型+《ザビ・ミラ》など、複数枚のカードを組み合わせたコンボが多かった。 一方で19弾のビッグマナには、《刃鬼》《ヴィルヘルム》のように、単体で機能する高コストカードが採用されている。 前者では連続行動のために《N・ワールド》で手札を溜め込みたいのに対し、後者はその必要がなくなっているのである。 また《ピクシー・ライフ》の登場により、《N》で大量ドローセずとも、欲しいフィニッシャーを試合後半に仕入れやすくなった。 実はこうなった背景には、マナだけを極端に伸ばす《メイ様》、それをキャンセルして高コストカードに変換する《大地》の存在があったりする。 ここにも《メイ様》の影響が見え隠れしているのが恐ろしい。

参考

togetter.com

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