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収録内容
ドラゴンサーガ前半。単色デッキとドラグナーがプッシュされている。
制限改定
16弾がスタン落ちした。ただし、高レアリティの主要カードの多くは、デッキやレジェプレ2023での再録でスタン落ちを回避している。 具体的には《永遠リュウ》《N・ワールド》《ザビ・ミラ》《ガイアール・ホール》《ガロウズ・ホール》《ガガ・アルカディアス》などがまだ使える。
おそらく一番影響が大きかったのは、《マザー・ホール》が落ちたことによる【白緑アガサ天門】の崩壊。 これによって、環境から【天門】は消滅した。【青黒祝門】が近い立ち位置を引き継ぐことになる。
次いで重要なのは《特攻ジェニー》。 《特攻》が重要パーツだった【赤黒ブルースコントロール】は半壊している。 軽量ハンデス多投だった【ドロマーGイズモ】も、構築がやや厳しくなった。
地味ではあるが、《ガガ・カリーナ》《ミランダ》が落ちたことで《ガガ・パックン》《ジオ・ザ・マン》も消えている。 先述の【白緑アガサ天門】は《ジオ・ザ・マン》が落ちたのが死体蹴りになっている。 《パックン》の方は、《サプライズ・ホール》を積んでいた白入りの速攻、【白青バニラジャバジャック】などに影響がある。
そのほか、16弾のテーマデッキだった【赤緑ハンター】【ドロマーエイリアン】、後に開拓が進んだ【リースオオヘラクレス】なども組めなくなっている。
ND
環境初期
新基盤の単色デッキの中では、【白単サザンアガピ】と【黒単ウルボロフ】が組みやすい。
【白単】は、最近では珍しい小型展開系のテーマデッキ。 《サザン》でドロー、《龍アガピトス》で展開、《エバーローズ》で盤面を固めて一斉攻撃する。 展開デッキは一般的に《リュウセイ・ホール》がキツいが、【白単】は《オリオティス》《シュライバー》らのメタカードで対抗できている。 オリカの《龍アガピトス》は壊れてこそいないが、デッキを補強する良カード。 上位報告もちらほら見られる。
【黒単】は《タイガマイト》こそ強いが、それ以外の序盤の動きが定まらない印象。 環境からは徐々にフェードアウトしている。
グッドスタッフ的なカードでは、飛び抜けて強いものが2枚ある。
1つは、《グレンモルト》&《ガイギンガ》。 性能は紙と全く同じ。圧倒的な攻撃性能で環境を規定している。 龍解条件が簡単なため、構築の幅も広い。 《グレンモルト》の早期着地に特化した【赤緑モルト】を皮切りに、 《リュウセイ・ホール》を入れてグッドスタッフ寄りにした【シータモルト】、 《ヨーデル・ワイス》を入れた【リースモルト】などが開発されている。 出張性能も高く、【シューゲイザー】のサブプランとしての運用もしばしば見られる。
もう1つは、《スペルサイクリカ》。 効果がターン1に制限されたものの、ガチではさほど支障が無い。 《リュウセイ・ホール》《大地》を使い回し、デュエプレ固有の凶悪さを見せている。 この動きを最も活用しているのは、既存の【4cヴィルヘルム】。 《大地》を《サイクリカ》で回せば、毎ターン《ヴィルヘルム》の破壊&ランデスを繰り返すことができていた。 少しの改造でデッキパワーが格段に向上し、環境での使用率が大きく伸びた。 ベースとなっているのは黒シータ型だが、白をタッチ気味に入れて《ホワグリ》《Gイズモ》《ミケランジェロ》などを使うタイプもある。《ホワグリ》のサーチに《ボルシャリオ》が入るのがトレンドらしい。
既存デッキでは、【墓地ビート】は比較的立ち位置が良いと思う。 シータ基盤は《サイクリカ》が入ってスペースがギチギチになり、墓地メタの《オリーブオイル》が抜け始めている。 【モルト】の《ガイギンガ》に対しては《クロスファイア》のPA+∞で対応可能、《シューゲイザー》のワンショットも《クロック》ゲーに持ち込むことができる。 《オタカラ・アッタカラ》が地味な強化要素になっているのも見逃せない。 一方、小型ブロッカー、特に《オリオティス》を出してくる【白単】相手はやや面倒。 今まで活躍の機会が限られていた《5000GT》で対抗したい。
【シューゲイザー】も相変わらず強い。 7マナあれば盤面ゼロからワンショットを狙えるため、《グレンモルト》に攻め込まれてもワンチャンスが残る。 【4cヴィルヘルム】は《サイクリカ》のために《ガチンコ・ジョーカー》の枚数を減らすことが多いので、以前よりも多少戦いやすいかもしれない。 先述のように、《グレンモルト》をサブプランに加えるのもよい。 ちなみに、紙ではDS期に入ると同時に《キリュー》が殿堂入りしている。これもまたifの世界線である。
【青黒祝門】は、デッキパワーが拮抗していた【4cヴィルヘルム】に先を行かれてしまった感がある。 ビート対面は変わらず得意だが、コントロール合戦になると【4cヴィルヘルム】に競り負けるだろう。
【ドラゴン】は【グレンモルト】のスピード、【4cヴィルヘルム】のランデス連打がともにキツそう。 ドラゴン・サーガといういかにもドラゴンが強そうなエキスパンションだが、実は大型ドラゴンのラインナップはほとんど増えていない。
【赤青UKパンク】は、苦手としていたビッグマナ系である【4cヴィルヘルム】の増加が厳しい。 一方、【グレンモルト】に対してはカウンターが簡単に決まることから、立ち位置はそこまで悪くなっていないようだ。 《オリオティス》を乗り越えるため、《シューティング・ホール》を入れるのがトレンド。
【青単/白青ジャバジャック】は、《グレンモルト》の7000ラインに苦しめられて数を減らしたようである。
【ドロマーオラクル】は、苦手なシータ基盤が増えつつあるのでやや微妙。
【ドラフレカチュア】が、スタン落ち間際に爪痕を残している。武器は盤面ゼロからのワンショット性能。面処理しながら殴ってくる【グレンモルト】、準備ができるまでが遅い大地サイクリカ基盤の両方に対し、上手く立ち回れているようだ。
メタゲーム
【4cヴィルヘルム】のパワフルさに惹かれるユーザーが多い。 しかし、実際には強力な新規呪文メタである《ヒビキ》《ドテラバラ》、《シュライバー》などで対策可能。 《リュウセイ・ホール》メタに関しては、《バトリベンジ》や《赤マグナム》も追加されている。 従来の《キクチ》《エンターテイナー》なども引き続き有効。 【シューゲイザー】や【グレンモルト】であれば、これらのメタカードに割くスペースは十分にある。 【4cヴィルヘルム】一強環境にはならないだろう。
《グレンモルト》は非常に強力な攻撃性能だが、ビートダウンミラーとなると必ずしも先手を打つことが正しいとは限らない。打点が足りない状態で突っ込めば、相手の《グレンモルト》《キリュー》《クロスファイア》でカウンターを食らう可能性が高い。《ガイギンガ》を処理されると継戦能力は高くないので、攻め時の判断は意外と難しい。
中期以降
環境中盤にバランス調整が入った。
- 《母なる大地》のコストが8に増加。《サイクリカ》で回せなくなった
- 英雄サイクルのマナ武装が5に軽減。完全な単色構成でなくとも運用可能に
「大地サイクリカ」のギミックが消えたことで、【4cヴィルヘルム】系統の使用率はやや減少。 しかし、依然としてシータ基盤はデッキ強度が高い。 《ヴィルヘルム》の価値がやや低下したためか、ビッグマナ系統は【シータ刃鬼】や【シータ大王】のような黒抜きのタイプも出てきた。
最終的に上位報告が多かったのは、シータ基盤に《ヴィルヘルム》と《ホワグリ》《スパーク》を加えた**【5c大地サイクリカ】だった。《ホワグリ》を《サイクリカ》で回す動きの凶悪さが良く分かる。
「大地サイクリカ」ギミックが消えたことで、【天門/祝門】系も少し動きやすくなった。 新しいデッキとしては、【白青タイガー天門】。 手札を稼いで《ヘブンズ》《タイガー・レジェンド》から大型ブロッカーの大量展開を狙う、シンプルな【天門】である。 《シール・ド・レイユ》の強化も追い風となっている。
https://x.com/kei_dmpp/status/1726609903811506461?s=20
ノーダメージの《グレンモルト》は安定して強い。NDでは《ヨーデル》《シューゲイザー》入りの【リースシュゲモルト】が結論構築のようである。 【モルト】の派生形として、強化された《ガイゲンスイ》を投入するタイプも開拓された。
【白単】【墓地ビート】は続投。無難な強デッキといったところ。
環境級とまでは言わないが、【ネクラライオネル】もちょっと流行っていた。
AD
【MRC】と【ツヴァイ】の2強。
【MRC】は特に強化要素なし。相変わらず、墓地メタのないデッキほとんどに対して有利を取っている。
【ツヴァイ】は新規の《ニュートン》でちょっぴり強化。トリガー0のフルパワー構築が多い。 【白単サザン】の《オリオティス》がほんのり鬱陶しい。 1弾の《クリスタル・パラディン》で対抗する構築もあれば、切ってしまっている構築もある。
今期から実質AD専用デッキとなった【白緑アガサ天門】をはじめとして、 古参の【黒緑速攻】【白ブリザード】、調整が入ってなお環境にとどまる【ドリームメイト】【バルガライゾウ】なども、 AD環境の構成要素である。
【モルト】は、【MRC】に対抗するために墓地メタの《Nワールド》を積んでシータ型となっている。 どうしても刻むゲームメイクになってしまうため、【ツヴァイ】にはやや不利。 【ツヴァイ】や【黒緑速攻】がいるせいでゲームスピードが速いため、《ヨーデル》でじっくり立ち回る【リースモルト】や【シューゲイザー】は、NDに比べると上手くいかない。
【白単サザン】は、《オリオティス》が【ツヴァイ】【MRC】の両方に刺さるため動きやすい。
シータ基盤がNDと比べて少ないためか、【ドロマーオラクル】はAD環境のほうが動きやすいようである。 【ツヴァイ】メタに《オリオティス》を搭載しているのがAD仕様。 《オリーブオイル》が【MRC】にぶっ刺さっているのも良い。
【4cヴィルヘルム】をはじめとする大地サイクリカ基盤は、高速&高出力のAD環境についてこれていない。 【ツヴァイ】は4-5ターン目に呪文をロックしながら大量打点で押しかけてくるし、 【MRC】はいくらランデスしても墓地メタを使わなければいつか走ってくる。
【墓地ビート】は、【ツヴァイ】【MRC】それぞれに出力が劣る。 NDよりも墓地メタ意識が強いため、巻き添えを食らいやすいかもしれない。
参考
デッキ画像は基本的に以下から引用。いつも感謝。
環境前半
Gイズモカップ最終TOP100(AD) - Togetter
Gイズモカップ最終TOP100(ND) - Togetter
環境後半
ガイギンガカップ最終TOP100(ND) - Togetter
ガイギンガカップ最終TOP100(AD) - Togetter
X上で拾ったガイギンガカップ最終100位入賞者のデッキを集計しました。
— akira (@kurage_akira) 2023年11月16日
一名で複数デッキ使用と記載されたものはすべて含みます。
NDは多くの人が感じていたように、雑多な四強環境になりました。
ADはモルトとサザンの登場によるメタゲームの移ろいがはっきりと見て取れます。
#デュエプレ pic.twitter.com/zBS8q9xpNR