ミケガモのブログ

ハゴロモ研究記【デュエプレ】【マスター】【DMPP-21】

9/5にND、9/8にADでUKパンクカップマスター到達。 ADの方は戦績に納得がいかないので、来期になったら改めて走る。

デッキレシピ

マスターに行ったのは白黒オラクルの方。

 

なんかやれそう

  《神光のイザナイ ハゴロモは、20弾で登場した白6-6000のオラクル。 光臨により、最大でコスト9以下の指定カードを踏み倒すことができる。 「エンド時にタップ状態である」という光臨の条件を満たすのは難しいものの、腐っても9以下の踏み倒しである。 しかも、テキスト欄を長々と使って、出すことのできる対象を「無色 or ゴッド・ノヴァ or オラクル」の3種類も記述している。 何かやってくれそうな気配をビンビンと感じる。   実は20弾時点では、コスト9の踏み倒し対象がカードプールに存在しなかった。 21弾で《Gイズモ》《ヴェルベット》が収録され、晴れて踏み倒し範囲を最大限に活用できるようになった。 22弾はおそらくドラゴンサーガ期のカードが中心となるだろうから、《ハゴロモ》を使うならまさに今だろう。   ……前向きな気持ちはここまで。

 

やっぱダメそう

  なんとなくやれそうな雰囲気を醸し出している《ハゴロモ》だが、実際にはかなり厳しい現実に直面している。 端的に言えば、《ハゴロモ》にしかできない動きが少ないのである。   オラクルには4コストに光臨サイクルがある。彼らはコスト7以下のオラクルを発射可能だ。 わざわざ《ハゴロモ》に6コスト払うからには、コスト8-9のオラクルを狙いたい。 ……のだが、実はコスト8-9以上のオラクルは《ヨミ》《ヴェルベット》しかいない。ラクルは小型に集中しており、大型のラインナップが極端に少ないのだ。 《ヴェルベット》はちょっと力不足感がある上に《天門》からも出てくるので、出すなら単体でのカードパワーがある《ヨミ》だと思う。

こんなん出してもなぁ。

では「無色」という枠組みではどうか。この場合は、《策士ゾロスター》および《アシッド》がライバルとして立ちはだかる。 この2枚はいずれも、コスト8以下の無色をリクルート可能である。探索/超探索なので、トップ6枚を見る《ハゴロモ》よりも安定する。 寝ているカードを生贄にするのは共通だが、《ゾロスター》《アシッド》は他のクリーチャーで良いので、出したターンに横のちっこいのを突撃させてすぐに効果を起動できる。 《ヨミ》を始めとする多数の大型無色は、基本的には《ゾロスター》《アシッド》から出す方が楽だと言える。 一応、《ハゴロモ》のメリットとして、コスト9を踏み倒せるというのがある。 しかしながら、現在コスト9の無色は《ヴィオラソナタ》のみ。ヤツはドラゴンデッキで真の強さを発揮するカードなので、《ハゴロモ》と組むべきではないだろう。

  最後に「ゴッド・ノヴァ」を見てみる。……《Gイズモ》《ヨミ》しかいない。 《ヨミ》は他の2条件にも当てはまるので、今のところこのテキストを活用できるのは《Gイズモ》だけである。 《Gイズモ》の踏み倒しは悪くない。というか、今回最も注目しているカードである。 《ゴッド・ゲート》で出せばいいという辛い現実もあるが、そこは全体的なデッキ構成が大きく変わってくるということで目を瞑る。

「《Gイズモ》《ヨミ》の2枚のどちらかを《ハゴロモ》から踏み倒すデッキを組む」   もちろん、場合によっては軽量のオラクルを出すシーンもあるだろう。 が、メインルートはひとまずこれにしてデッキ構築を進めたい。  

ゴッド・ノヴァと踏み倒しの相性

  《Gイズモ》《ヨミ》を踏み倒し対象に設定したが、これは「正しい」のだろうか。 結論から言うと、あまり正しくない。理由は3つある。   1つ目に、《Gイズモ》も《ヨミ》も、自前でのコスト軽減を持っているから。 《Gイズモ》の方は、デッキにほどほどにゴッドを入れれば7マナくらいで出てくる。 これは6マナで《ハゴロモ》を置いて次に寝かせるのと同速である。 《ヨミ》に至っては、【オラクル】に入れれば3-5マナ前後までコストが下がることも珍しくない。 しばしば《ハゴロモ》を設置するよりも安く《ヨミ》を召喚できてしまうのである。 よって、《ハゴロモ》は早期踏み倒しにはあまり貢献できていない。

2つ目は、ゴッド・ノヴァの強さを引き出すには結局マナを貯める必要があるから。 この理由は特に《Gイズモ》に顕著である。 《Gイズモ》は8マナ貯めて、《サマソニア》《ラウドパーク》による即3体リンクで除去耐性獲得&呪文ロック、もしくはcipがイカれ狂っている《マックス》へのリンクを狙うのが強い。 場合によっては、10マナくらいまで伸ばして《Gイズモ》+片腕のリンク速攻も狙えると嬉しい。 腕をサクサクとリンクさせていくには、マナが必要なのである。 リソースを増やす動きを止めて《ハゴロモ》に寄り道するよりも、マナを伸ばしながら直接《Gイズモ》を目指したほうが、その後の展開も含め美味しいということだ。

3つ目は、ゴッド・ノヴァは盤面を整えてから殴りたいから。 《Gイズモ》も《ヨミ》も、できることなら3体リンクして殴りに行くのが安全だ。 それは概ね、シールド5枚を全て割り切れる状態でもある。 すなわち、《ハゴロモ》でゲーム中盤にシールドを2枚割りに行く動きはイマイチ噛み合わない。

なお、2・3つ目の理由は、【オラクル】における《ヨミ》の運用とは逆行する部分がある。 これについては、この後の具体的なレシピ紹介の節で説明したい。

以上、《ハゴロモ》の強みを引き出すための考察である。

組んだデッキ

トリーヴァハゴロモ

セオリー通りに組んだのがこちら。 《ハゴロモ》の白と早出しするための緑は確定。これに青を加え、《ミルク》《シャワー》で《ハゴロモ》をより強力にサポートすることにした。 《Gイズモ》の腕のための黒は、《オラクルジュエル》をタッチすることで補った。黒がなくても、《サマソニア》《オメガ》《マックス》でもリンクはできる。

はじめは《ミルク》《ライプラ》《ハゴロモ》の繋ぎを見て《ミルク》を4にしていたが、流石に使わな過ぎたので2に減らした。 軽いブロッカーとして役に立ちそうに見えて、《キューブリック》に戻されたり《ロビー》《ブータンPOP》をブロックしにくかったりで活躍しきれなかった。 真に《ミルク》と組むべきは、4マナの光臨サイクルである。

自信を持って主張できる数少ない強みは、《ハゴロモ》と《ビッグディアウト》《マックス》の組み合わせが素晴らしいこと。ハゴロモ》から《Gイズモ》を飛ばし、腕をくっつけながらタップキルしてさらに盤面を広げていく流れが素晴らしい。 また、《ヨミ》を出すと《ダフトパンク》から《ハゴロモ》を吊ってこれるのもちょこっとだけ強かった。……そうでもないか。

数多くの欠陥の中で最も根源的かつ致命的なのが、《ハゴロモ》が場に出ないことである。 今のデュエプレには、6マナでATしか持たないカードを置く暇が無い。 テンポよく6マナに到達できたとしても、《吸い込む》や《キューブリック》に怯えてしまい、ブーストカードに逃げるプレイングを取りがちだった。 加えて、6マナのタイミングを逃した場合、《ハゴロモ》を出す機会が本当になくなる。 重いので他のカードとのくっつきが良くないし、マナが溜まってきたら《ハゴロモ》を経由せずとも直接《Gイズモ》や《ヨミ》を出したほうが早い。 プレイングを洗練させるにつれて、《ハゴロモ》はただのお荷物になっていった。

白緑ギフトハゴロモ(AD)

《ギフト》を入れてはどうかという意見を頂いたので、ADでも組んでみた。 《ハゴロモ》とそこから出てくるカードがNDにしかないので、なるべくならNDで組みたいのだが、四の五の言ってられない状況だったので試してみた次第である。

2→4の確率を上げるために、白緑の2色ベースにした。 2→4で出せれば強いというまあまあ自明な事実を確認したところで、ADなら特化構築での最速4t《Gイズモ》が現実的なことを思い出し、またも空しくなった。 一応、《Gイズモ》を素引きしなくても4tで出せるルートがあるという主張はできるが、それこそ《ゴッド・ゲート》の方が簡単になってしまうのでイマイチだ。 《ギフト》自体はゴッド・ノヴァ本体やリンク先にも使えるのがなかなか便利だったことも申し添えておく。

停滞とオラク

これらのデッキで戦い続けて約100戦。 考察の節でも述べたように、《ハゴロモ》から《Gイズモ》を踏み倒すアプローチに疑問が湧いてきた。 《Gイズモ》や《ヨミ》を終着点とする観点から言えば、《ハゴロモ》には全く用がないと言わざるを得ない。 採用する意味を説明できないレベルだったので、コンセプトから見直すことを迫られた。

最大の課題である「《ハゴロモ》が出ない」を解決するには、普通ではない出し方を考えればよい。 この思考回路から素直に出てくるのは、《イザナイ カリーナ》《ガラムマサラ》といった軽量の光臨持ちオラクルから、《ハゴロモ》を引っ張ってくることである。ハゴロモ》を受け入れる側のオラクル目線では、当たり枠として《ハゴロモ》があって、さらにその《ハゴロモ》から上振れを狙うという格好になる。

強すぎる。

白黒やドロマーの【オラクル】が現環境で戦えるのは既に知っている。《ハゴロモ》がノイズになる可能性はそこそこあるが、少なくともデッキ強度に不安はない。 行き詰まった状況を打破するために、新しい型を試すことにした。

白黒オラクハゴロモ

というわけで、最終的なレシピがこれ。 残念ながら、オラクルを軸にすると《Gイズモ》を入れるのは厳しいだろう。 《マックス》の8マナまで辿り着くのが難しいし、構成的に《Gイズモ》の軽減も狙いにくいからである。 断腸の思いで当たりを《ヨミ》だけに絞った。 ……のだが、白黒型には《スパイス・クィーンズ》がいることを考えると、試験投入くらいはしても良かった気もする。

ハゴロモ》は出したいときにちゃんと引っ掛かってほしいので4積みしたが、情けないことに《ハゴロモ》はあまり活躍しなかった。 手札から召喚したことは1回だけあった……ような記憶がある。

光臨を使うときは基本的に、ハンデスの《ゾロスター》の優先度が高い。 《ゾロスター》が引っかからなかったとき、次善の策として《ハゴロモ》を出すというのが実情である。 たまにナメられて場に残され、そこから運良く《ヨミ》が引っかかるあるいはWBが打点として強い……というケースがあったりなかったりだった。

ハンデスマン。

ここまで書くと《ハゴロモ》の存在意義を疑われそうだが、他の当たり枠との差別化はできていると思う。 具体的なライバルとなる中型オラクルは、《ストロガノフ》と《パーフェクト・リリィ》だろうか。

《ストロガノフ》とは、青を入れなくても良い点で差別化可能である。 スペースと色に余裕ができるため、《コットン》《スパクイ》で軽量ブロッカーを充実させたり、 ドロマー型がドロソとして《ヴォスラディッシュ》を入れている枠を《ヨミ》に置き換えたりできる。 《翔天の天恵の声援》へのストレスがなくなるのも良い点である。 実のところ、青には《ミルク》《オリーブオイル》といった優秀なオラクルがいるので、積極的に排除したい色でもなかったりするのだが、 抜くメリットもあることを示しておく。

《パーフェクト・リリィ》には、単純な打点の差と、上振れ時の出力で勝てる。 単体性能や手出しのしやすさでは《パリィ》に軍配が上がるが、《ハゴロモ》にも別ベクトルの強さがある。 ……今思ったが、もしかすると《パリィ》のタップと《ハゴロモ》の光臨は相性が良いのでは?

ちなみに、光臨に特化した白青タイプも試作した。《ゾロスター》がいないと話にならなかった。

余談:【オラクル】の《ヨミ》

【オラクル】デッキにおける《ヨミ》は、「マナを伸ばしてじっくり3体リンクを狙いたい」という、 ゴッドノヴァの基本思想からは外れている。しかし、【オラクル】の《ヨミ》は強い。 その理由は単純で、シンパシーを活かして低コストで出すと明らかにオーバースペックだからである。 12000TBでcip3ドロー、しかもバトルゾーンに次の「手」を設置しておける。これが3-5マナで出るとあらば、流石に強い。

パンチ力が微妙に足りないオラクルたちにとって、《ヨミ》は3体リンクしなくとも打点として価値がある。 主軸の動きを邪魔せずに入ってきて、フィニッシュ力を補ってくれるという、まさに切り札としてふさわしい性能をしているのが【オラクル】の《ヨミ》だ。 【サムライ】の《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》に近いと言えば伝わるだろうか。

今回のデッキに限らないが、《ヨミ》の腕の最強は、3000火力を2回撃つ《ストロークス》。 逆に最弱は、山札を5枚削るくせに出力が安定しない《ジャスティス》だというのがミケガモの意見である。 皆さんはいかがだろうか。

サボったこと:タップキル

ハゴロモ》を立てる行為自体が弱すぎて、その後の展開を考える余裕もなかった。 本来であれば、《ハゴロモ》を使うならそこそこのパワーに着目してタップキルする路線を考えるべき。

マナカーブ的には、《ジャンヌ・ダルク》《ダイイング・メッセージ》《ヴァルハラナイツ》などが候補になりそうだ。 この中だと、種族や他カードとのシナジーがない分だけ性能が高い《ジャンヌ・ダルク》が一番使いやすそうである。

マナカーブを考えないなら、《シャイニー・ホール》はグッドスタッフ性が高い。 ただ、これをやるなら4マナ光臨の連中の方が適任か。

おわりに

ここ最近、マスターの見立てを外すことが増えてきた。 21弾後期は環境デッキの種類が多いため、勝ち切るのが大変難しいとは思う。 しかし、行けると感じた《ハゴロモ》がこれだけダメダメだと、流石に自信をなくしてしまう。 さらに言えば、《ハゴロモ》で心が折れかけたときに気晴らしに使った『フロッグアシッド』も、プラチナ5から上がれる気がしなかった。 戦えるデッキを見抜く修行を積んだ方がいいかもしれない。