ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-20 環境考察メモ

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主なレシピ引用元 ↓

カイザー刃鬼カップ最終TOP100(ND) - Togetter

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収録カードの特徴

ラクルvsアウトレイジの弾。 オラクル側は無色ゴッドと光臨、アウトレイジ側はドロン・ゴーと墓地関連の効果がテーマとなっている。

汎用性の高い新規カードでは、《終末の時計 ザ・クロック》が筆頭。 防御性能はトリガー《スパーク》に匹敵する。クリーチャーであることは、取り回しの良さと(呪文に比べての)メタの張りにくさとして効いてくる。 ケアしにくい強力防御札が青に配られたことで、構築事情は大きく変わった。

メタカードとして、《ウソと盗みのエンターテイナー》の登場も大きい。 超次元や踏み倒し全般を相手のみ封じるため、多くのデッキのどこかしらに刺さる。 4-4000と高スタッツかつ実質攻撃されないので、場持ちが良いのも厄介である。

スタン落ち・制限改定

超次元全盛期を創り上げた14弾がスタン落ち。 良カード揃いだっただけに名残惜しい。

超次元関係で環境に影響があるのは、【MRC】に長らく採用されてきた《ミカド・ホール》、 グッドスタッフ系の選択肢にあった《ドラヴィタ・ホール》、 《ザビ・ミラ》+《死海竜》の即席打点セットのお供だった《シンカイヤヌス》、 【MRC】【祝門】で詰めに使われていた《シュヴァル》。

それ以外では、トリーヴァ系列のデッキを組む理由だった《デストラーデ》、18弾のターボ環境の主役だった《ババン》。 速攻系のパーツでは、《ドルゲドス》《DJ・ショー》《パワード・ホール》。 ドロマーの【天門】に採用された《ザ・ストロング・ガード》などがNDを去っている。

制限改定ではまず、《キリュー・ジルヴェス》の能力が紙のものに復元された。 紙で《キリュー》を直接的に殿堂へ追いやった《シューゲイザー》の登場に合わせて強化されるのは、なんとも不思議である。

次に、《バズラデューダ》に唐突な能力修正が入った。 環境どころかカジュアルレベルでもほとんど見かけないカードの調整に、プレイヤーは戸惑うばかりであった。 一説によると、《ベートーベン》下でのパワー低下で意図しない無限ループが発生してしまうのを防ぐためらしい。 残念SRの《ソウルガルダス》を差し置いて調整されたのも納得……でもないか。

そして、《ストリーミング・ビジョン》がDP殿堂から解除された。正直遅すぎる。 14弾で《ジェスタールーペ》《メルゲ》が出た際、ナーフ前の《ツヴァイランサー》が暴れたわけだが、その時点で《ビジョン》は1枚も採用されていなかった。 これも一説によると、今期開催の2弾環境のメモリアルディビジョンに向けた解除だとかなんとか。

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そして驚くべきことに、環境カードの規制はなかった。 環境を害している《メイ様》、ADで使用率3割前後を記録した《バルガライゾウ》には、何かしらの規制が入るものと予想していただけに驚きである。 一刻も早い修正対応を求めたい。

《メイ様》ナーフ前

ND

リリース直後に多かったのは、【シューゲイザー】と【墓地ソース】。 どちらも紙のE3期のレシピを再現できたため、大変に人気を博した。

シューゲイザーは、ワンショット特化のビートダウン。 主流はデアリガズ型。《メイ様》採用でパーツをマナに落としつつ、《ピラフ》《大地》で実質トップ《シューゲイザー》の確率を上げている。 ミラーマッチに強い《クロック》を採用するために《リュウセイ・ホール》と組ませた青デアリガズ型、 盤面が埋まったときのために《ザビ・ミラ》を併用する型*1も見られた。 必須パーツは《シューゲイザー》《キリュー》《逆転プリン》程度のため、カスタムの幅は広い。

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【墓地ソース】は、墓地肥やししながら戦うビートダウン。 主にクローシスカラーで組まれる。《クロスファイア》のスピード、《5000GT》のロック性能は唯一無二。 デュエプレで強化されたドロンゴーの《ロビー/ロビンフッド》も強力なアタッカーである。 墓地関連のカードは20弾以外にも多数収録されているので、こちらもカスタムの幅が広い。 青がすんなり入るため、《クロック》を積みやすいのも特徴である。《デス・ゲート》まで入れればトリガーはかなり堅い。

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派生として、【赤青ガネージャービート】も環境進出。 墓地利用要素を控えめにし、《ガネージャー》の殴りと《キューブリック》のバウンスを重視した構築である。

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シューゲイザー】【墓地ソース】の人気は衰えない。 そんな中、ビートダウンキラーとしてトリーヴァミケランジェロが参戦する。 《ホワグリ》や《ミケランジェロ》で《スパーク》《クロック》を埋めながら、《N》《大地》でデッキを回復するという超耐久デッキである。 初期はビッグマナの系統で、《覇》や《メイ様》などが入ることもあった。 少し研究が進み、【ヴィルヘルムコン】の《ウェディング》が辛いことが知れ渡ると、それに対抗するために《パーフェクト・マドンナ》をガン積みした型が開発された。 【トリーヴァミケ】の絶対数はそこまで多くないものの、環境の中では無視できない存在である。

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前期の覇者【リキッド・ピープル】は、最初期に大きく数を減らした。 《5000GT》が立つとほぼ詰みである上、速度的に《シューゲイザー》にワンショットされる可能性もある。 何より、久々に殴るデッキが新しく登場したことで、そちらに使用者を奪われた形だ。 ただし【リキピ】側も、《マイパッド》獲得で上振れルートを獲得している。 また、《クロック》を《スーパーエメラル》で仕込むこともできる。 【墓地ソース】憎しと《コンクリオン》が積まれる場合もある。 《メイ様》を無理なくメタれる唯一のデッキとしての価値が高い。

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【シータ刃鬼】は、ビートダウンの増加が単純に苦しかった。 ブースト手段が《メイ様》のため構築の縛りが大きく、なかなか《クロック》を入れるスペースも見つからない。 と言いつつも、《永遠リュウ》は【シューゲイザー】に対して非常に有効。 【墓地ソース】相手にも、《メイ様》と《N》の回し方次第でなんとか対応可能である。 【トリーヴァミケ】には《覇》のEXターンでゴリ押しが利く。 元からの人気も合わさって、少しずつ数が戻りつつある。 《メイ様》を最も活用できるデッキでもある。

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黒シータカラーの【ヴィルヘルムコン】は、正統派なランプ系コントロール。 手札の細い新規ビートダウンやコントロールミラーで《ガチンコ・ジョーカー》が強い。 【トリーヴァミケ】の進化で少々有利対面は減ってしまったが、手堅いコントロールとして人気である。

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【シータ刃鬼】は《刃鬼》、【ヴィルヘルムコン】は《ウェディング》がそれぞれメインフィニッシャーだが、 もう片方がサブフィニッシャーとして採用されたり、新規の《VAN》が入ったりすることもしばしばある。 2つをまとめて、純正シータor黒シータのビッグマナと呼ぶ方が適切かもしれない。

【天門】【祝門】系統は、新規踏み倒しメタ《エンターテイナー》が苦しかった。 さらにターボ系統のデッキが《VAN・ベートーベン》を獲得したことで、コマンド主体のデッキが動きづらくなった。

前期に存在感があった【白緑アガサ天門】は確定除去手段をほぼ持たないため、早々に環境から立ち去った。

一方、【祝門】は《チャーマジュン》《オレオレ・ダークネス》の組み合わせがまだ強い。 オーソドックスな青黒型、《メイ様》エンジンを据えた黒緑型の2タイプがある。 新規フィニッシャーとして《アルファリオン》を手に入れたことで、《ガガアルカ》のために白を多く積まなくてもよくなった。 絶対的なデッキパワーで周りに半歩遅れを取っているのは前環境と変わらないが、独自の強みで環境に食らいついている。

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【MRC】は今期が最後のNDである。 超次元要素として《シュヴァル》《ミカド》を失ったのは苦しいが、持ち前のデッキパワーで未だに環境を戦っている。 新規の強化要素は《学校男》や、【墓地ソース】パーツの《クロスファイア》《5000GT》。

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補足

ラクルはほとんど見かけない。 一応、《神人類ヨミ》を切り札に据えた【緑零ゴッド】なるデッキもある。 ゴッドを軽減しまくれる《インガ・ルピア》を出せたときの爆発力は目を見張る物がある。 逆に言えば、それに依存しているのが少々気になるところ。 《ゾロスター》や《アシッド》、光臨サイクルは絶滅危惧種である。

規制の入らなかった【バルガライゾウ】が使用率トップ。 ただし事故った時にコロッと負けるので、上位狙いの層からの人気は低め。 また今まで《スパーク》は《デルフィン》をケアできていたが、20弾の《クロック》はケアがしにくい。 「ビート相手にも《ライゾウ》さえ出せれば1ターンで勝ち切れる」という構図が崩れたため、少々立ち位置が悪くなったか。

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双璧をなすは【MRC】。 デッキパワーが高いのは勿論のこと、【バルガライゾウ】を突破しようとするビート系列のデッキにも強い。 【ライゾウ】にはほんのり弱いが、《特攻》や《ヤミノオーダー》次第で勝てないこともない。 《学校男》登場により、クリーチャー型の割合が増えている。

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【バルガライゾウ】に勝てる速度を持つのは【青単ジャバジャック】。 刻むデッキは【ライゾウ】に不利と言われてきたが、《クロック》獲得でそれを打ち消せている。 【MRC】には《コンクリオン》、ビッグマナ系統には《マーキュリー》で対抗可能。

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【墓地ソース】は、対【MRC】でもまあまあ戦える。 《GT》のサイキックメタがよく刺さる。 ただしパワー的には上から踏まれる、《学校男》で除去される可能性がある、《特攻》のハンデスが苦しいなど、出せたら勝ちとも言えない。 そして、墓地を肥やすため《MRC》も発進しやすくなるという諸刃の剣。 【ライゾウ】【青単ジャバジャック】にも速度で張り合える。

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【シータ刃鬼】も、《Nワールド》による対【MRC】性能で環境に食い込んでいる。 【ライゾウ】にやや不利を取るのは気になる。

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【白緑アガサ天門】は、《ダイイング》《ボルブラ》で《ライゾウ》を走らせない意識。 《お清めトラップ》を入れて【MRC】をメタってもよい。ADでは

  • シューゲイザー】は対抗馬の【ライゾウ】、《シュヴァル》持ちの【MRC】が苦しい
  • 【ヴィルヘルムコン】は【ライゾウ】に勝てない

といった事情で、《盗み》を搭載しうるこれらのデッキタイプが少ないおかげで活躍できている。

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古豪の【黒緑速攻】は健在。【MRC】が増えてくると厳しそう。

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《メイ様》ナーフ後

バランス調整について

環境中盤にバランス調整実施。要点は2つ。

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1つ目は、ようやくの《メイ様》ナーフ。 本来ならば20弾リリースと同時に調整されて然るべきだった。 残念でもないし当然。 《メイ様》が無規制だった理由の一つに、《ゾロスター》とのコンボを組んでほしいという意図があったと思われるのだが、 皮肉にも全く使われていない。《メイ様》を自ら潰すくらいなら、もう何ターンか生き残らせてマナを伸ばしたほうが強いに決まっている。

2つ目が、《ホワイトグリーン・ホール》のDP殿堂。 あまりにも対戦時間が長引く【トリーヴァミケランジェロ】への精細である。 【トリーヴァミケランジェロ】の本質は《ホワグリ》《N》の耐久ループであったため、これはデッキタイプの崩壊を意味する。

ND

トリーヴァミケランジェロ】消失により、ビートダウン系統のデッキの立場が良くなった。

【墓地ソース】【赤青ガネージャ】は全く被害ナシのため、シンプルに勝ちやすくなっている。

シューゲイザー】は《メイ様》を失うも、《ヨーデル》《四つ牙》でリペア。 ワンショット特化だったのが取れるプランが多くなっている。

【リキピ】は《メイ様》を取れる優位性がなくなった。 デッキパワーは高いものの、ビートダウンの種類が増えたことでそれらへのメタの巻き添えを食らっている。

【祝門】は緑型が消え、青型に集約。 《メイ様》のターボに押し潰されることがなくなり、相対的に《チャマ》《オレダー》が強くなった。 増えたビート系列はどれもトリガー《祝門》をケアできない。 ビート意識で《スパエメ》増量の傾向あり。

【シータ刃鬼】【ヴィルヘルムコン】は《メイ様》を失ってやや弱体化した。 ビートダウンの増加も向かい風。 シータ型は《再誕の聖地》でブーストを補うものも現れた。

【白緑アガサ天門】も、ここに来て少しずつ復活の兆しを見せている。 相変わらず【シューゲイザー】の《盗み》はキツいが、それ以外のビートダウンには概ね安定して有利を取れる。 ハンデスが豊富な【祝門】【ヴィルヘルムコン】はキツい。

【MRC】は、ビッグマナの《N》が減ったことで少し立ち回りやすくなったと思われる。

AD

【ドリームメイト】以外で《メイ様》はあまり使われていなかった。 【シータ刃鬼】系がより厳しくなったことで、【MRC】の優位性が絶対的なものとなった。

参考

https://beans-duelplays.com/2023/05/31/%e3%80%90nd%e3%80%91%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%83%87%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ac%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88%e9%9b%86%ef%bc%885-31%e6%96%b0%e8%a6%8f%ef%bc%89%e3%80%90%e7%ac%ac20/

https://beans-duelplays.com/2023/05/31/%e3%80%90ad%e3%80%91%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%83%87%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ac%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88%e9%9b%86%ef%bc%885-31%e6%96%b0%e8%a6%8f%ef%bc%89%e3%80%90%e7%ac%ac20/

*1:注:2013年全国優勝デッキが元ネタか