ミケガモのブログ

4cギフト二角牙バグナボーン【デュエプレ】【DMPP-07N】

お題

バグナボーンを上手く使えないでしょうか?パワーも高めで能力もかなり強いので学びたいです。

https://odaibako.net/detail/request/61cfeed6-332e-4643-9a38-725d47ce290e

デッキレシピ

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  • コンセプト:B
  • 完成度:A
  • デッキパワー:B
  • 思い入れ:B

派手な構築にはできなかった。 素朴な良さを感じ取ってほしい。

キーカード解説

《緑神龍バグナボーン》

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7-9000のW・ブレイカー。 攻撃時、マナゾーンからパワー3000以下のクリーチャーを踏み倒す。 面白い効果でありながら、地味に高スタッツなのが良い。

パワー参照の踏み倒しは珍しい。 やはり、コストが大きいカードを出せると美味しい。

こういう、明らかに何かできそうなカードほど、カッコよく構築するのが難しいものである。 それもあって、このお題が来るまでは《バグナボーン》から逃げていた。

構築解説

踏み倒し対象は、 パワーが上昇する前提である《剛撃聖霊エリクシア》《緑神龍ダクマバルガロウ》の2体をメインにした。 今の所、パワー3000以下で出せるカードとしては、8マナの《ギガルゴン》(クソザコ)に次ぐコストである。 オシャレコンボも特に思いつかなかったので、「なるべく重いカードを出したい」という欲求に素直に従った。 実際、この2体は普通に使いやすいので助かる。 2-2でしか積んでいないのは自分の資産の問題。最大6枚くらいまで積んでいいと思う。

どちらも緑なので、《神秘の宝箱》で落として踏み倒すというコンボは不可能。 パワー上昇するカードは大体が緑なので仕方あるまい。

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《バグナボーン》、さらには踏み倒したクリーチャーもスピードアタッカーにする《マイキーのペンチ》。効用が大きいので、安直だとしても入れたほうが良い。

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今の高速環境で、《バグナボーン》の7コストは重い。 そこで《フェアリー・ギフト》を投入。 《ペンチ》→《ギフト》《バグナボーン》の繋ぎが美しい。 《ライフ》始動かつ《バグナボーン》で《エリクシア》or《ダクマバルガロウ》を踏み倒せれば、 最速4ターンで殴り切りになる。 理論値であっても、環境デッキに対抗できる速度で決着をつけうるというのは大事である。 《ギフト》は《エリクシア》《ダクマバルガロウ》にも使えるので便利だ。

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ここまでの構成カードは、全てが《バグナボーン》を引ける前提で採用した。 残りの空いたスペースには、《バグナボーン》が無い時にも使えて、 しかも《バグナボーン》用のパーツと相性が悪くないカードを入れたい。

今回その枠に採用されたのは、《大勇者「二角牙」》。 《バグナボーン》と同じ7マナなので、同じマナカーブで運用できる。 《無頼聖者スカイソード》から繋ぐも良し、5マナで《ギフト》から出すもよし。 特に《ギフト》から出してやると、《二角牙》の過剰気味なリソース稼ぎが丁度いい塩梅になる。 ブーストは、マナを削る《バグナボーン》とも相性が良い。

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《アクア・サーファー》は、《エリクシア》のパンプアップのためと、 《バグナボーン》から出せる除去クリーチャーとして積んだ。 f:id:mikegamo:20210218024615j:plain

アナギフトドルバロム【デュエプレ】【DMPP-07N】

ふと、環境で通用するか気になった。

デッキレシピ

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  • コンセプト:B
  • 完成度:S-
  • デッキパワー:S-
  • 思い入れ:A

NDマスター帯で45勝40敗、勝率52.9%。 プラチナからマスターへの昇格には使えるけど、 レートをバリバリ上げるには向かないなぁ……という感触。

7弾環境ももう終わるので、供養しておく。

構築の背景

アナカラーの経緯

6弾環境で登場した環境デッキ、【青黒ドルバロム】。

《ロスチャ》《リバチャ》などを絡めて、最速6ターン目、 そこそこ安定して7ターン目に《ドルバロム》を降臨させるデッキである。

7弾環境では、準環境デッキと環境外デッキの狭間を生きている。 その理由は、やはり環境の高速化。 元よりアグロには間に合わずに轢き殺されていたが、 今ではミッドレンジ相手でも召喚が間に合わないケースが増えている。

しかし一方で、7弾環境のメジャーデッキの多くは黒があまり入らない。 《ドルバロム》を出すことさえできれば、大きく優位に立てそうである。

そこで思い出したのが、 カジュアルマッチで黒緑型の【ドルバロム】が使ってきた《フェアリー・ギフト》からの《バーロウ》。 7弾環境で【カチュア】を強化した《ギフト》の力を【ドルバロム】に取り込めば、 今の前寄せ高速環境でも通用するのでは?と考えて構築に至った。

《ギフト》を入れると、3→5→7の繋ぎから5t《ギフト》《バーロウ》という鬼のような繋ぎもできる。 が、条件が厳しすぎるので、基本的には6t召喚を狙うことにした。

6t《召喚》なら、ブーストは《ロスチャ》1回だけ撃てればOK。 ブーストを頑張る必要はないので、 ドロソとハンデスの要素がある青黒型をベースに、《ギフト》をタッチする構築にした。

結論から言うと、タッチ《ギフト》構築は割と成功だったと言える。 ちょい事故した【ブリザード】や【パンダ】にもギリギリ《ドルバロム》が間に合って勝ちを拾える試合が多かった。 青を残しておくことで、最強の中継ぎ役《腐敗電脳アクアポインター》、 パーツ集めの《エナジー・ライト》を使えるのもかなり良かった。

ただ、6t目の《ギフト》《バーロウ》はたられば感が強かった(予想していたほどではなかったが)。 前寄せ・上振れを狙分ければ生き残れない環境なのでそうするしかないのだが、 そんなに都合よく引けるデュエルばかりではない。

また、打点を一気に揃えて殴ってくる【ツヴァイ】【メカオー】【アポロヌス】相手だと、 結局《ドルバロム》を出せずに終わることが多かった。 こちらの《ドルバロム》はベストで6ターン目、安定は7ターン目以降。 一方、これらは最速4~5ターンでフィニッシャー降臨、ちょっと遅くても6ターン目には殴ってくる。 結局間に合わないのである。

デッキとしての欠陥

【ドルバロム】を初めて回してみて気付いたのは、 このデッキタイプには「特定のカードに依存しすぎている」という欠陥があるということだ。

《ドルバロム》を出すためには、《ロスチャ》《バーロウ》の2枚を絶対に引き込まなければならない。 《ロスチャ》が引けない間に、《ドルバロム》を2枚先に引いてしまったデュエル。 ガン有利対面にもかかわらず、《バーロウ》4枚が未公開領域15枚に埋まって落としたデュエル。 100戦もしていないのに、酷い事故を起こしてなにも出来なかった試合が3~4回ある。

速攻を除き、事故は全てのデッキに共通の要素である。 しかし、今の環境にいるコンボデッキは、「引ければいい」カードの種類が多い。 【アポロヌス】なら《ボルシャック・バディ・ドラゴン》で《コッコ・ルピア》を持ってこれる。 【ブリザード】は《進化の化身》持ち、【ツヴァイ】はドローソースが豊富で、【メカオー】は超神星6枚積み。 パーツを引き込める確率が高いので、割と事故が起きにくい。

これに対して、コントロール側は刺さるカードをピンポイントで手札に持ってくる必要がある。 ベストタイミングの《ファントム・バイツ》や《炎槍と水剣の裁》、【天門】なら《ヘブンズ》《ザーディア》。 対アグロならシールドから対処札を取れることもあるだろうが、コンボデッキは始動までシールドを割って来ない。 コントロール側にかなり分が悪い勝負なのが分かるだろう。

一応、最近のコントロールは《ゲート》《サファイア》の別ルートを取れるが、 【ドルバロム】は本当に《ドルバロム》を出すしかない。 そんなの事故るに決まっている。

【ドルバロム】に関して言えば、8弾の《ダンディ・ナスオ》で《ロスト・チャージャー》問題は少しマシになるかもしれない。 しかし結局、探索に悩まされるハメになりそうである……。 探索がなければ《バーロウ》もサーチしたいところだ。

構築解説

《ドルバロム》《バーロウ》《ロスチャ》《ギフト》のコンセプトカード4種は説明不要。

《ダーク・ライフ》

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黒入りの緑マナ。基本的にマナに埋める。 たまーーーに《ロスチャ》→《エナジー・ライト》から繋いで、3→5→7を狙ったりする。 《ギガヴォル》と棲み分けしていた時期もあったが、そのムーブを考えると《ダライフ》で良いだろうと結論付けた。

緑には入れたいカードが無いので、《ギフト》と《ダライフ》の2種8枚のみ。

エナジー・ライト》

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ドローソース。青黒型だと《アクアン》が使えるのだが、《ギフト》を引き込みたいのでこっち。 6マナ、すなわち《ギフト》《バーロウ》の直前のターンに3→3で動けるのは便利だったりする。

《ファントム・バイツ》

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妨害札。最初は入っていなかったが、やはり必要だと判断。

《幻槍のジルコン》

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《ドルバロム》を捨てるのはおまけ。

本命は《ドルバロム》で落ちない青マナ基盤……と見せかけて、実は《ドルバロム》後の詰めカード。 ブロッカーを立てて、軽量orトリガークリーチャーによる反撃を防ぐのが重要である。 黒緑型にすると詰めに《ジルコン》を使えないことになるが、どうするのだろうか。

《解体人形ジェニー》

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ハンデス。しかし、1回使ったくらいではコンボを止めることはできない。 カラーリング的にも警戒されるので、有効に働いたデュエルはほとんど無かった。 この型だと、詰めていくと抜けるかも。

青黒型の場合、《ジェニー》《ポインター》の連打で遅延するのが重要になるので、3積みくらいしたいかも。

《リバース・チャージャー》

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長期戦用。大体マナに埋めているので、これも要らないかもしれない。

《ダライフ》《ジルコン》で落としたクリーチャーを回収出来ると美味しいが、 このデッキはクリーチャーが少ないのであまり上手く行かない。

《腐敗電脳アクアポインター

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つえー。初手に来たら苦い顔でマナに送る。

《不浄の魔人ジャラ》

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黒クリーチャーのトリガー、たまにブロッカーになる。 それで十分。

《デーモン・ハンド》

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確定除去。《悪魔聖霊アウゼス》はこれで倒す。 《ドルバロム》後にちょろちょろ出てくるクリーチャーを刈り取るにも重要。

不採用カード

《ブレイン・チャージャー》

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上振れ5t《バーロウ》を狙うためのパーツ。 しかし、パーツをしっかり集めた方が良いのと、 《ドルバロム》によるセルフランデスで吹き飛んでいくのが意外と苦しかったのとで《エナライ》にした。

《アクア・サーファー》

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最初は入れていた。 マナにしても場に出しても結局《ドルバロム》で墓地送りになるのでサヨナラ。

《覚醒のタンザナイト

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青黒のマナ要員、兼コントロール対面でのリソース札。 《ジルコン》と入れ替える形で試験投入していたが、 コイツが《ジルコン》だったら負けなかった試合がすぐに来たので、即刻クビにした。

環境デッキとの相性

戦績から判断。ただし【テクノロジー】だけ理論値で補正(特大事故や明らかなプレイミスで負け越したため)。

  • 【5c天門】ガン有利
  • 【4c天門】有利
  • 【除去サファイア】有利
  • 【テクノロジー】微有利
  • 【パンダネルラ】五分
  • 【カチュア】微不利
  • 【赤白アポロ】微不利
  • 【赤緑速攻】微不利
  • 【ブリザード】微不利
  • 【ツヴァイ】不利
  • 【メカオー】不利

《ギフト》を入れてこれである。青黒型はどうやって戦っているのだろうか……。

ちなみに、85戦中【ドルバロム】ミラーが6回も発生した。 アナカラーはいなかった。 青黒型はリソース負けするので不利。 黒緑型はリソース勝ちするので有利。 謎の赤黒型には運良く勝てた。

おわりに

いけそうだと思ったデッキが微妙に勝ち切れないのは悔しいものだ。 同時に、勝てるデッキをビルディングできるプレイヤーは凄いと思った。

デュエプレ DMPP-07環境考察

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はじめに

この記事では、DMPP-07環境を総括する。本記事は前回までと構成を変えて、

  1. 7弾の新デッキ紹介
  2. 環境に残った既存デッキの強化要素
  3. デッキ相性を考慮して環境を俯瞰
  4. 環境の特色を考察

という流れにした。

今環境は、New Division(以下 ND), All Division(以下 AD)という2つのフォーマットが導入された初めての環境である。 ただ、今回はスタン落ちしているのが1パック分だけ、しかもそれがカードパワー低めのDMPP-01であるために、 NDとADの環境には大きな差はない。 そこでこの記事では、基本的にNDとADを区別せずに解説することにした。違いがある所については、その都度補足を入れた。

また、今回はランクマッチの昇格が簡単になった初めての環境でもある。 前回までの環境総括記事では、適用範囲の目安を「プラチナ~マスター帯」としていたが、 プラチナやマスターに昇格する人数が増えたことで、 それらランク帯の様子が必ずしも型通りとは限らなくなってきた。 そこで、今回からは特にランク帯を特定せず、「突き詰めたガチ環境」についてまとめる。

ついでに、7弾環境は2020年12月10日~2021年2月17日という、 2か月と1週間続いたやや長めの環境だったということも記しておく(これまでの環境は2か月弱が標準)。

いつもの通り、これ以降の内容は1プレイヤーの視点による考察なので悪しからず。 また例のごとく、デッキのサンプルレシピはTwitterから適当に拾ってきたものである。 削除要請はコメントまで。

新しいデッキタイプ

7弾の事前カード公開は、それはそれはお粗末なものだった。 紙の暗黒期・不死鳥編のリメイクという期待がかかる一方で、強そうなカードがいつまでたっても公開されない。 ユーザーからは、焦りと落胆の声が多く上がっていた。

ところが、リリース直前の生放送で、諦めムードのユーザー達に希望の光が差した。 昔はロマンカードでしかなかった《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》が、 優秀な進化元を引き連れて参戦することが明かされたのだ。 さらに、リリース前日のカードリスト公開で、 《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》《超神星マーキュリー・ギガブリザード》にも優秀な進化元が配備されることが発覚。

それまでの予想とは一転して、7弾は環境が大きく揺れ動く気配がしていた。

【アポロヌス】

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https://twitter.com/xrex0602/status/1360947016021340161?s=20

7弾環境が始まった直後、圧倒的な使用率を誇ったのは《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》だった。 進化元におあつらえ向きの《センチネル・ドラゴン》《ヘリオライズ・ドラゴン》が来たこと、 そして自身がシンパシーを得たことで、召喚が紙の頃とは比べ物にならないほど簡単になった。 その上、メテオバーンによるワールドブレイクを得たことで、 出したターンに《アポロヌス》1体だけでゲームエンドまで持ち込めてしまう。 「召喚すれば勝ち」というあまりにも豪快な効果は、実力問わず幅広いプレイヤーの支持を受けた。

《ルピア》→《センチネル》x2 →《センチネル》《アポロヌス》

などと繋げば、要求カード3枚にしてトリガー2枚条件の5キルも可能。 環境高速化の大きな一因となった。

主要な構成カードが赤に固まっているため、カラーリングの自由度が高いのも特長である。 サイドカラーとして、

あるいはこれらの複合など、色々な型が考案された。

そして特筆すべきは、《アポロヌス》にはトリガー《スパーク》が効かないということ。 これまでは、【ブリザード】や【ツヴァイランサー】が叩き出す異次元の打点数も、 《ホーリー・スパーク》で1回は止めることが出来た。 その常識は、《アポロヌス》の登場によって覆った。 今までトリガー《スパーク》にイラついていたプレイヤー達は、ここぞとばかりに《アポロヌス》に頼るのだった。

環境初期には天下無双の強さを誇ったが、 爆発力の源である《コッコ・ルピア》への対策が意識されるようになったり、 即死を免れるためのブロッカーも見直されたりした結果、環境に占める割合はほどほどに落ち着いてきた。

しかし、依然として強力なデッキであることに変わりはない。 7弾後半では、アグロ系統を受け切りながら上振れを狙う赤白型が人気だ。 簡単にG・ゼロできる《バルケリオス・ドラゴン》、 ブロッカー対策の《コメット・チャージャー》《ガルベリアス・ドラゴン》を積んで、環境を戦っている。

【グレートメカオー】

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https://twitter.com/korinsei46/status/1359545623406497792?s=20

初めは派手すぎる《アポロヌス》に後れを取っていたが、もう2体の超神星も黙ってはいなかった。 7弾収録のグレートメカオーを詰め込んだ【グレートメカオー】が、わずかに遅れて環境に現れる。

《機動要塞ピラミリオン》《装甲支援ガトリンガー》の2枚によるインチキじみた展開力。 《キャプテン・ミリオンパーツ》による鉄壁とステルス。 そして、《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》《超神星マーキュリー・ギガブリザードによる圧殺。 デッキの8割が7弾のカードで構成されるこのデッキは、グレートメカオーと超神星のカードパワーをまさに体現している。

《ヴィーナス》は《サーファー》などの除去カードや殴り返しを、 《マーキュリー》は《スパーク》《ヘブンズ》などの呪文を封じる。 《ミリオンパーツ》と併せると、一方的にタコ殴りにしてゲームエンドとなることもしばしばだ。

デッキパワーそのものが高いことに加え、戦略の幅も広いことから、環境1軍デッキとして定着した。

構築の方は、早期召喚や使い分けを意識して、超神星2体を多めに6枚前後積むのが主流となった。 3マナ帯のカードは多少ブレるものの、概ね結論が出ていると言ってよい。

【パンダネルラ】

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https://twitter.com/Bc5QyyRcMUEXmQb/status/1361127548671782919?s=20

超神星3体が暴れまわる一方で、 デッキから確実にドリームメイトを出せるようになった《独裁者ケンジ・パンダネルラ将軍》を軸とするドリームメイトデッキもちらほらと見られる。

グレートメカオーたちの魔改造っぷりとは違って、 ドリームメイトたちが本家から受けた調整は微々たるもの。 このご時世には珍しく、スタンダードなビートダウンデッキである。 準環境デッキではあるが、環境デッキと互角にやり合うだけのポテンシャルは持ち合わせている。

ドリームメイトの所属文明である赤緑で組むのが主流。 そこに《スパーク》や《サーファー》をタッチで積み込んだり、 思い切って赤を抜いたりするなど、バリエーションに富んだ構築が見られる。

【テクノロジー

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https://twitter.com/yofe_ranta/status/1360977254805692422?s=20

2021/1のアプデでコストが1減り、新たに環境入りした《インビンシブル・テクノロジーのデッキ。 7弾環境終盤に差し掛かったところで、にわかに好戦績の報告が相次いでいる。

ひたすらバウンスで凌いでから《テクノロジー》に繋ぎ、 《キング・アトランティス》、G・ゼロ《ルナ・コスモビュー》、さらには《マーキュリー》まで出して圧殺する。

既存のデッキタイプ

【ツヴァイランサー】

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※AD構築

https://twitter.com/CandyNekura3_5c/status/1361143953362329602?s=20

6弾ですら手が付けられないほど強かったこのデッキが、 あろうことか新たに《超神星マーキュリー・ギガブリザードをゲット。 フィニッシュの安定感が増し、フィニッシャーを引けずに負ける試合も大幅に減った。

ADだと《ストリーミング・ビジョン》《クリスタル・パラディン》が生きているため、まさに天下無双。 NDでも、ドローソースを《エナジー・ライト》や《トリプル・ブレイン》で補いながら槍をブンブン振り回している。

《トラップ・コミューン》を積んだ黒入り型(※《パラディン》が積めないNDでの《ミリオンパーツ》対策か)、 1マナ軽くなった《インビンシブル・テクノロジー》を積む型など、亜種もいくつか存在する。

【白ブリザード

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https://twitter.com/Accelerator3828/status/1361001793610801152?s=20

これまで毎回何かしらの強化を得てきた【ブリザード】。 7弾で手に入れたのは、《ソーラー・コミューン》だった。 スノーフェアリーがわらわら並ぶため、実質3マナの《ホーリー・スパーク》である。 序盤のタップキル戦術がさらに強化された。

【除去サファイア

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クローシス型。

https://twitter.com/keiichiro0423/status/1360924838102069252?s=20

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4c型。

https://twitter.com/nanopikonano/status/1361247298445996033?s=20

7弾でインフェルノ・ゲート》を獲得。 《ロスト・チャージャー》とセットで、 最速5ターン目に《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を出せるようになった。 このコンボ、7弾リリース前はかなり危険視されていたのだが、 実際は他のデッキのインフレが激しすぎたせいで「結構強いムーブ」くらいの評価に落ち着いている。 なんてこった。

【4c・5c天門】

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【4c天門】

https://twitter.com/nontantan0828/status/1360940037190283268?s=20

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【5c天門】

https://twitter.com/Growcup/status/1358803173910089730?s=20

【4c天門】は、【除去サファイア】と同様に《ゲート》《サファイア》のギミックを取り込んだ型が出現。

【5c天門】は新弾カードなし。 《ボルバルザーク》が1枚になったリペア版である。

【カチュア】

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https://twitter.com/BM_3375/status/1360790419928346629?s=20

7弾で《フェアリー・ギフト》を獲得。 《ギフト》のコスト減は、《カチュア》に対しては最大限には働かない。 しかし、そんなことは気にならないくらいに、 《ライフ》→《ギフト》《カチュア》で出てくる3ターン目《カチュア》は強力だった。

7弾環境になって、型はほぼ《ヘリオス》&《サラマンダス》搭載型に固定された。 【メカオー】【アポロヌス】【パンダ】など、強化版《ヘリオス》の6000火力が環境に刺さるというのと、 《ギフト》《ヘリオス》→《サラマンダス》のような柔軟なプレイングができるようになったためである。

《ギフト》《カチュア》を安定させるため、緑マナの《魅了妖精チャミリア》が4積みされる傾向にある。 《マイキーのペンチ》採用によってさらに前寄せする構築も多い。

【アウゼス】

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※AD構築

https://twitter.com/conpeeeeeeto/status/1359781733617475589?s=20

《光輪の精霊 ピカリエ》のスタン落ちに伴い、AD環境が主戦場となった。 稀にND環境でも、《審門の精霊アールフリート》《神門の精霊エールフリート》でリペアしたデッキが見られる。

《ツヴァイランサー》や《サファイア》への対策札として、 《魔聖デス・アルカディアが採用されることもある。

【グールガルザーク】

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https://twitter.com/al_cas0/status/1350036311302803458?s=20

満を持しての黒神グールジェネレイド登場で、《神滅竜騎ガルザーク》がさらにパワーアップ。 《グール》による除去コンへの圧倒的な優位性と、《ガルザーク》による攻撃力を両立している。

《ガルザーク》と《アポロヌス》が両方入っている構築もある。 そのため、【ガルザーク】を1つのデッキタイプとして計上しない人もいるかもしれない。

【赤緑速攻】【赤白速攻】

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【赤緑速攻】

https://twitter.com/neng7neo8snow/status/1360901780368805891?s=20

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【赤白速攻】

https://twitter.com/muetali_owacon/status/1358790705196331008?s=20

【赤緑速攻】が、《究極兵士ファルゲン》《早食い王のリンパオ》《自由な旅人ベア子姫》《弾け山のラルビン》などの強化パーツで再興した。従来の【赤白速攻】も健在。

ウェーブストライカー

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【リースウェーブ】

https://twitter.com/SlicedPudding/status/1360578786547257344?s=20

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【ネクラウェーブ】

https://youtu.be/0_vYOvvgl_g?t=5515

強化要素は一切ない。

使用者もだいぶ減っている。 ランカーがレシピを公開したり、大型大会で優勝したりしたときに注目された。

環境俯瞰

私の見解によるDMPP-07環境のデッキランクはこうだ。

  • 環境1軍
    • 【ツヴァイ】
    • 【メカオー】
    • 【白ブリザード
  • 環境2軍
    • 【アポロヌス】
    • 【カチュア】
    • 【4c・5c天門】
    • 【アウゼス】(ADのみ)
    • 【除去サファイア
  • 準環境
    • 【パンダネルラ】
    • 【赤緑・赤白速攻】
    • 【テクノロジー
    • 【リースウェーブ】
    • 【ネクラウェーブ】
    • 【グールガルザーク】

環境1軍はデッキパワー重視で選定。 2軍と準環境は、1軍デッキへの刺さり具合と、使用率を考えて区別した。

DMPP-07の環境1軍デッキは、

  • 【ツヴァイランサー】
  • 【白ブリザード
  • 【グレートメカオー】

の3デッキである。これらは純粋にデッキパワーが高いため、明確な不利対面なく様々なデッキと渡り合うことが出来る。ちなみにこのデッキ同士では、

  • 【ツヴァイ】vs【ブリザード】は、【ツヴァイ】の瞬間打点生成によるカウンター戦術が決まりやすいため、【ツヴァイ】有利。
  • 【ブリザード】vs【メカオー】は、【ブリザード】側が先に展開&高パワータップキルが可能なため、【ブリザード】有利。
  • 【メカオー】vs【ツヴァイ】は、【メカオー】がカウンター戦術を取る際の安定感で勝るため、【メカオー】有利。

という3すくみが成立しているとされる。

分類は、【ブリザード】がアグロ、【ツヴァイ】がやや早いミッドレンジ、【メカオー】がミッドレンジ。 ただし、いずれも種族専用カードで膨大なアドバンテージを稼ぐので、コンボ要素が強めである。 そのため、「コンボアグロ」「コンボミッドレンジ」といった表現が適切かもしれない。 このコンボフルな環境1軍デッキたちに対してどれだけ戦えるかが、今の環境を生き抜けるかを左右する。

ここから紹介する環境2軍デッキは、いずれかの1軍デッキに対して有利を付けうるデッキである。

【アポロヌス】は、タップ系のシールドトリガーを貫通できるため、【ブリザード】に対して無類の強さを誇る。 《コメット・チャージャー》《ガルベリアス・ドラゴン》といったメタカードを積めば、【メカオー】にも若干の有利を付けることができる。 上振れ時の打点生成速度も、間違いなく環境最強だ。 ただし、序盤の立ち回りが《コッコ・ルピア》に依存気味なので、安定感にやや欠ける。 【ツヴァイ】の小型ブロッカーにも弱めである。

【カチュア】【除去サファイアは、 全体火力と《サファイア》押しつけで【ツヴァイ】【メカオー】に対抗するデッキである。 《ツヴァイ》や超神星の着地に少し時間がかかる所につけ込み、 全体火力や早出し《サファイア》で先にゲームの主導権を握りに行く。 しかし、【ブリザード】相手はやや厳しい。 【カチュア】は豊富なタップキルで《カチュア》を潰されるのが苦しく、【除去サファイア】は速度に追いつけない。

【4c・5c天門】は、【ブリザード】【ツヴァイ】【メカオー】の3デッキ、 ならびに他の多くのデッキへの回答手段を用意したメタデッキとなる。 《ザーディア》《バルホルス》は、コンボデッキに対する盤面干渉になると同時に、 【ブリザード】を真正面から受け止められるカードでもある。 押し付けムーブとして、《ゲート》《サファイア》や《ボルバルザーク》などのパワーカードも確保。 ハンデスや軽量除去などのメタ要素も搭載した、対応力の高いデッキである。 ただ、満遍なく戦えるポテンシャルはあるものの、刺さるカードを上手くプレイできないと器用貧乏になってしまう。

ADで強力な【アウゼス】は、【天門】の安定感を削いで、代わりに盤面干渉力を強化したような立ち位置である。

以上が、環境におけるメジャーデッキとなる。

ここからの準環境デッキは、メジャーデッキに対して刺せる要素のあるものが名を連ねている。

【パンダネルラ】は、比較的スタンダードなビートダウンデッキである。 デッキパワーとしては準強くらいだが、環境的に使いやすいカードが多く揃っている。 今環境は、超神星3体や《サファイア》によってトリガーの価値が下がった。 中でも、無効化されやすい《デーモン・ハンド》の採用率は低下傾向にある。 そのため、「《デモハン》さえ踏まなければ強い」という《パンダネルラ》がかなり動きやすい。 また、《サージェント・クワガタン》のブロッカー大量破壊は、 【天門】は勿論、【メカオー】や【ツヴァイ】の軽量ブロッカーたちにも刺さる。 一方、刺さるところが少ない【ブリザード】や【アポロヌス】には、普通に殴り負ける。

【赤緑・赤白速攻】は、速攻耐性の不足につけ込むデッキである。 【メカオー】や【ツヴァイ】が軽量ブロッカーを出してきた場合は面倒だが、 上述のようにトリガーを減らす傾向もあって、全般的に戦いやすい相手が多い環境である。 7弾で存在感を増している【赤緑速攻】は、 信用性が低くなった《スパーク》と決別し、代わりにパワーと展開を重視しようという意図の型である。

【テクノロジーは、爆発力の高い地雷コンボデッキである。 《テクノロジー》を撃つまではほとんどクリーチャーを出さないので、環境1軍のコンボとは全く別の対策が必要になる。 バウンスが刺さりやすい【カチュア】、リソース差でゴリ押しできる【天門】【除去サファイア】には相性が良い。 対アグロが厳しそうだが、《ルナ・コスモビュー》のG・ゼロを狙えればワンチャンあるのかもしれない。

ウェーブストライカーは、徐々にプレイヤーの記憶が薄れている4弾のカードパワーに目を付けたデッキである。 7弾環境では、【カチュア】【メカオー】【パンダネルラ】など、パワー4000~6000のクリーチャーが増えてきた。 これに対して、パワー6000~7000を簡単に叩き出せる【ウェーブ】に再び優位性が出てきたのだ。 天敵である【除去サファイア】が勢いを弱めているのも追い風。 環境1軍のデッキと比べるとリソースを取りにくいのが難点だが、その分相手への干渉力が高い。 速度と盤面干渉重視の【リースウェーブ】、ハンデスと墓地回収を備えた【ネクラウェーブ】、どちらも強力である。

【グールガルザーク】は、除去要素の多い相手、および力押しで突っ込んでくる相手に対して有利を取れる。 泥仕合になるほど強さを発揮するデッキだ。 しかし、環境1軍の3デッキには、ブロッカーをすり抜ける手段が用意されている。 速さに弱い部分は、《神滅竜騎ガルザーク》の打点生成速度でなんとかするしかない。

最後に、大型大会であるバトルアリーナ3rd, ささぼーNewYearCupのデッキ分布を載せておく(いずれもNew Division)。

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https://twitter.com/dmps_info/status/1360808486670491649?s=20

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https://youtu.be/LAvwKWA6dF4

環境の特色

環境高速化

7弾の環境デッキの上振れムーブは、次のようなものがある。

  • 3t《ブリザード》+1体、4t《進化の化身》、5t《ブリザード》進化速攻&《コミューン》
  • 3t《ギフト》《カチュア》
  • 4t《ツヴァイ》x1~2体、もしくは《マーキュリー》
  • 5t《アポロヌス》《バルケリオス》《ルピア》のトリガー3枚条件
  • 5t《ゲート》《サファイア
  • 5t《ガトリンガー》4~5ドロー、6t《ヴィーナス》or《マーキュリー》

速攻デッキでもないのに、少し引きが良ければ5~6ターン目には決着がつくデッキが多数ある。 しかも、1ターンのうちに全てシールドを割られたり、トリガーすら発動させてもらえなかったりする(この2つが両立することもよくある)。 こんなことをされては、普通のデッキは黙って見ているしかない。

カードパワーのインフレが進み、ゲームスピードがとんでもなく速くなってきている。

世はコンボデッキ時代

今のデュエプレは、

  • 4弾のウェーブストライカーや《ヘブンズ・ゲート》
  • 6弾の《ツヴァイ》《アルファディオス》《ドルバロム》
  • 7弾のグレートメカオーや《アポロヌス》

のように、あまりにも強力なデザイナーズギミックがのさばっている。 これらのデッキは、ある条件・構築下で特定のカードをプレイすることに特化しているので、 「コンボデッキ」と呼んでよい。

本来、デュエマのゲームシステムでは、攻撃には大きなリスクが伴う。 しかし今のデュエプレでは、激しくインフレしたデザイナーズコンボにより、 攻撃のリスクを大きく上回るようなアドバンテージを一瞬にして叩き出せたり、 もしくはリスクをそもそも負わないような攻撃でねじ伏せたりできるデッキがいくつもある。

古のデュエマは「シールドを割ると返しのターンで場を制圧されてしまうことがある」というゲーム性だったが、 今のデュエプレは「手札を与えると返しのターンで即死させられる」という具合だ。 「下手に攻撃するな!」というところだけはちゃんと引き継がれているのである。

万能トリガーがなくなった

6弾までは、ホーリー・スパーク》がトリガーすればどんな相手でも1ターンは足止めができていた。 しかし本編で述べたように、《スパーク》を貫通する《アポロヌス》、 呪文を封じる《マーキュリー》によって、必ずしも《スパーク》が有効トリガーにならなくなった。

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《デーモン・ハンド》の信頼度も低下。 《ツヴァイ》複数展開を返せるカードとしての価値は、 【ツヴァイ】が《マーキュリー》を取り込んだことで半減した。 《ヴィーナス》にも効かないし、《アポロヌス》も選びたくない。 手撃ちどころか、とうとうトリガー《デモハン》も微妙な時代が来てしまった。

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《アポカリプス・デイ》の汎用性も少し落ちた。 6弾では【ツヴァイ】【ブリザード】【アウゼス】などに間違いなく刺さっていたのが、 やはり超神星の登場で使用感が悪くなっている。

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このように、環境のフィニッシャーを万能に止められるトリガーカードは無くなった。

《アポロヌス》には《アクア・リバイバー》《予言者リク》《ヘブンズ・ゲート》。

《ヴィーナス》には《スパーク》《コロビナー》。

《マーキュリー》には《サーファー》《コロビナー》。

【ブリザード】や進化GV召喚前には《アポカリプス・デイ》。

採用するトリガーは、意識する相手に合わせて考えるべきだろう。サファイア》の存在も考えれば、いっそトリガーを減らして立ち回りを強くしよう、 という発想が出てくるのもまた当然である。

コントロールが弱い

7弾環境はコントロールが弱い環境である。 【除去サファイア】は使用者数が多いため一応環境2軍に置いたが、実際のデッキパワーは準環境デッキたちと並ぶかどうかも怪しい。

弱い理由は、クリーチャーのパワーインフレが呪文と比べて速すぎるためだ。

【アポロヌス】の《ボルシャック・バディ・ドラゴン》《センチネル・ドラゴン》は、 基本的に4マナでアドバンテージ+1、《ルピア》が出ていれば2マナで+1。 【メカオー】の《ピラミリオン》は+1に加えて踏み倒し、《ガトリンガー》に至っては+3~6のアドバンテージとなる。 《ピラミリオン》以外は、4マナでアドバンテージ+1の火力呪文《クリムゾン・チャージャー》の範囲外だ。 そのため、序盤は呪文コン側がアドバンテージ不利になりがちである。

これらを処理できるコントロール側のアドバンテージカードは、6マナの《炎槍と水剣の裁》となる。 6弾までの環境では、《裁》は【ウェーブストライカー】や【ツヴァイ】に対してきちんと役割を持てていた。 しかしその《裁》も、7弾で

  • 【メカオー】の《サーボルト》、パンプアップした《ガトリンガー》
  • 【アポロヌス】の《ヘリオライズ》《蒼神龍ノースグレイ》《バルケリオス》
  • 数を増してきた《カチュア》

などの3000超えのクリーチャーが多くなってきたことで、通りが悪くなりつつある。

これに加え、高速召喚される《ヴィーナス》《マーキュリー》や、 除去コン殺しの《グールジェネレイド》《翔竜提督ザークピッチ》など、 出てきたらどうしようもないクリーチャーが何体も登場。

相手の動きをコントロールしきるのが困難な環境になってしまったのだ。

もはやコントロール側も、《インフェルノ・ゲート》からの《サファイア》早期着地を押し付けるデッキと化しつつある。 《ロスチャ》《ゲート》《サファイア》のコンボをメインルートにして、 残ったスペースにわずかな望みをかけて全体火力を大量投入するのが、今の【除去サファイア】(というか【ゲートサファイア】?)である。

【天門】に影差す

環境トップを走り続けてきた【天門】も、今では環境1軍とは呼びづらくなってきた。

5弾後半からメジャーとなった【4c天門】は、 【除去サファイア】のコントロール成分を残しつつ【ブリザード】を受ける手段を確保して、 全ての環境デッキに対応するという狙いのデッキだった。 ところが、【4c天門】は新デッキの【メカオー】に対してやや不利がつく。 ブロッカー否定の《ミリオンパーツ》、そもそも呪文を撃たせない《マーキュリー》によって、 コンセプトがぶち壊されてしまうためだ。 メジャーデッキでこそないが、【パンダネルラ】の《サージェント・クワガタン》にも粉々にされてしまう。 【天門】は、7弾で出てきたデッキとはあまり相性が良くない。

白を採用できる【4c天門】には、 【カチュア】に対抗できる《魂と記憶の盾》《アクア・リバイバー》を積めるという長所もある。 しかし、最近では【カチュア】意識でこれらに枠を多く割く必要が出てきたせいで、 《悪魔聖霊バルホルス》の枚数が減りがちという事態に陥っている。 結果、速攻や【ブリザード】相手に貫通を許すことが増えてしまった。 対策したい相手が増えすぎて、どっちつかずの面が露呈している。

この状況を打開しようという試みの産物か、環境後半になって【5c天門】が再び注目されている。 緑の《剛撃聖霊エリクシア》《無双竜機ボルバルザーク》でフィニッシュ力を確保し、 《ロスチャ》《ゲート》《サファイア》のギミックを撤廃。 デッキスペースを空けた分、対応力を高められるようにしている。

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ここに来ての《エリクシア》の採用には、次のような背景があると考えられる。

  • メインギミックである《ヘブンズ・ゲート》の押しつけ力を高めたい
  • 除去カード入りデッキの割合が減ったことで、《エリクシア》の場持ちが良くなった
  • 《エリクシア》が環境外になっている間に、高パワークリーチャー(今は超神星)が再び環境で使われるようになった

しかし、緑を入れるせいで事故率は上がってしまうし、プレイングもさらに難しくなるので一筋縄ではいかない。

【天門】陥落とまでは言わないが、【天門】のパワーに対抗できるデッキは少しずつ増えている。

おわりに

6弾に続いて、さらにインフレが進んだ7弾。 コントロールが弱くなり、ゲームスピードが大幅に加速した。 もう少しのんびり遊ばせてほしい。

参考

最近、環境考察の記事やツイートを投稿する方が増えている。 多すぎて拾い切れていないが、その一部をここに載せておく。

どれも勉強になるものばかりだ。

note.com

pompomblink.github.io

金剛草【デュエプレ】【DMPP-07A】

ダイヤモンドの和名は「金剛石」。

デッキレシピ

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  • コンセプト:B
  • 完成度:A
  • デッキパワー:C
  • 思い入れ:A

スターライト・ツリーデッキ。

あからさまなファンデッキは↓以来かもしれない。

mikegamo.hatenablog.com

キーカード解説

スターライト・ツリー。 植物モチーフでありながら、光文明の無機質な雰囲気も漂わせているという幻想的なイラストが特徴である。

デュエプレではもちろん、本家まで含めても種族関連のギミックは一切なし。 言わずもがなの、どマイナー種族だ。

中点の位置は「スターライト」と「ツリー」の間なので、この点お間違えの無いようお願い申し上げる。 名前の読み方もカッコいいのだが、ちゃんと全部読める人はいるのだろうか。

《碧玉草》

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読み:エメラルド・グラス。

「碧玉」は、不純物を含んだ石英の鉱物。 英名は「ジャスパー」。ブルーサファイアの和名として使われることも。 どちらにせよエメラルド関係ないじゃん。

DMPP-01収録。 1弾環境では環境に通用するスペックだったが、ベーシックデッキに相互互換の《鎮圧の使徒サリエス》があったため、 わざわざこちらを選んで使うプレイヤーは稀だった。

2弾以降はイニシエートに強化が入ったため、完全に《サリエス》に出番を譲ることになる。 2-3000ブロッカーとして《碧玉草》を使うにしても、イニシエートデッキに偽装できる《サリエス》の方が良い。

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「ジャスパー」……?

《紅玉草》

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読み:ルビー・グラス。

「紅玉」はルビーの和名。

DMPP-01収録。ターン終了時にアンタップできる。 しかしプレイヤーを攻撃できないので、自力だとアンタップ能力が活かせるのはタップキルをした時のみ。 1弾環境でも誰も使っていなかったと思う。

実は今回の主役。 分解してしまっていたので、泣きながら4枚生成した。

翡翠樹》

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読み:ジェイド・ツリー。

翡翠(ひすい。英名:ジェイド)」は、深緑で半透明な宝石。 デュエプレ組のスターライト・ツリーの中では唯一、「草」ではないカード。

DMPP-01収録。3マナ4000のブロッカー。 1弾環境では、《奇襲兵ブルレイザー》《ペコタン》などを一方的に倒せるパワーを見込まれ、 環境トップの【デイガボルコン】に起用されていた。

実は、コイツの完全相互互換はまだ収録されていない。

琥珀草》

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読み:アンバー・グラス。

琥珀(こはく。英名:アンバー)」は、黄~茶色の宝石。

ベーシック収録。4-3000のトリガークリーチャー。 1弾のカードプールでは、トリガークリーチャーの基礎パワーは3000が最大(《シェル・キャノン》除く)。 そのため、トリガービートに採用されることもあった。

《日向草》

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読み:ソーラー・グラス。

宝石関係なし。

DMPP-03収録。 ターボラッシュ能力で、ブロックされなかったときに味方を全てアンタップする。 スターライト・ツリーらしからぬ、特徴溢れる能力を持っている。 現時点で最強のスターライト・ツリーだ。

このデッキでは、殴り手を実質的に増やすことで展開力を補完するという、 ごく基本的な働き方をしてもらう。

構築解説

スターライト・ツリーは淡白なカードばかりなのが寂しい。 だが、軽量ブロッカーが多いために《光器ペトローバ》が使いやすいのは救いだ。 種族デッキとしては比較的組みやすい方である。

《光器ペトローバ》

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種族デッキの意義その1。 これが無かったら組んでいない。

現在、2-3000, 3-4000のブロッカーを両方抱える種族は、スターライト・ツリーとイニシエートのみ。 序盤から軽量高パワーのブロッカーでガチガチに固められるのは、この2種族だけだ。

イニシエートと比較した時のスターライト・ツリーの強みは、《日向草》を持っていることである。 《日向草》が、火力除去・ブロック・殴り返しに怯えることなく攻撃できるだけでも、《ペトローバ》を入れる価値がある。

《ソーラー・コミューン》

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種族デッキの意義その2。 こちらは7弾で新たに手に入れた新兵器。

低コストで複数体のタップキルができる。 軽量ブロッカーの多いスターライト・ツリーの特色を生かした戦略である。

《光神龍ダイヤモンド・グロリアス

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6-7000。プレイヤー攻撃制限を永続的に解除する。

なぜ今になってスターライト・ツリーデッキを組むのかと言えば、7弾環境でコイツがリリースされたから。 プレイヤーを攻撃できない《碧玉草》《紅玉草》《翡翠樹》の3種を、アタッカーに変身させる。 《日向草》やトリガー《琥珀草》も合わせて、相手の打点数計算を狂わせて奇襲しよう。

特に《紅玉草》との相性の良さは随一。 プレイヤー攻撃制限付きかつターン終了時にアンタップするのは、全カード中《紅玉草》のみ。グロリアス》下では、《紅玉草》が攻守一体のクリーチャーとして八面六臂の活躍をすることが期待される。

一応、《ダイヤモンド・カッター》でも、《紅玉草》の効果を活かすことは可能だ。 だが、《カッター》は使ったターンにしか攻撃制限が解除されないことから、そのターン中に決めきる意図で使うのが基本である。 次のターンが来ることを想定していないということは、 すなわち《紅玉草》の効果も無駄になりやすいということなので、少々噛み合わない。 一方、永続発動の《グロリアス》なら、次のターンまで見据えた上で《紅玉草》で攻撃を仕掛けることができる。

《英霊王スターマン》

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「スター」繋がりで1枚挿した。

↓の構築では、《スターマン》を2積みにして、トリガー枠をサイバーロードの《メカピン》に変えた。 一方、今回のように1積みならば、進化元は《アクアン》4枚で十分である。

mikegamo.hatenablog.com

改良点

ドロソが薄すぎる。 でもこのくらい割り切らないと多分勝てない。

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おわりに

鉱物の説明は全てWikipediaを参照した。無駄な努力。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

ボル白コントロール / 赤緑ドラゴンwithバイラス【デュエプレ】【DMPP-07A】

今回は旧時代のフィニッシャー2体。

使いやすいカードは素直に組むに限る。

ボルメテウスコントロール

この前はグールジェネレイドのデッキありがとうございました。 めっちゃ使ってます。楽しいです!

今回はボルメテウス・ホワイトドラゴンについて、です。 現状サファイアという上位互換やデスフェニなどなどが台頭していてお株を奪われている状況ですが、SSRを引けたこともあってどうにか使ってみたいんです。でもカチュアで使うならサファイアでいいしとなって困っています。 ミケガモさんの案を見せて欲しいです。欲をいえばグールジェネレイドと組めれば…(笑) ぜひご一考ください。

https://odaibako.net/detail/request/52826b61-2591-4665-b6c7-b51e7f7d4b97

mikegamo.hatenablog.com

↑ 前回の記事。

デッキレシピ

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  • コンセプト:C
  • 完成度:B+
  • デッキパワー:S-
  • 思い入れ:B

レシピ自体は改めて語ることもない。

解説

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《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。 7マナ7000のドラゴン。シールド焼却能力の元祖である。 1弾の【デイガボルコン】、2弾の【クローシスボルコン】では凶悪なフィニッシャーとして君臨した。 その絶望感で、数多のプレイヤーを引退へ導いたとかなんとか。

環境が進んだ今では、その役割を転生版の《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》にバトンタッチしている。 コントロールデッキでは、多くの場面において《ボル白》よりも《サファイア》の方が使いやすいからだ。

まず、コントロールというアーキタイプは、 「妨害を続け、優勢を揺るがぬものとしてから最後に攻撃する」というのがコンセプトである。 デュエルが長引きがちなので、コストが《ボル白》よりも3重くなってもさほど問題ない。

次に、《サファイア》は出るのこそ遅いが、決着自体はスピーディーだ。 シールドを全焼却するまでにかかるターンは、《ボル白》が4ターン、一方の《サファイア》はわずか2ターン。 相手に抵抗の時間を与えず、迅速にゲームを終わらせることが出来る。

さらに、《サファイア》は相手クリーチャーへの殴り返し役としても機能する。 相手の攻撃を抑えながらフィニッシャーを出す、という理想的な動きができるわけだ。

しかし、だからといって、《ボル白》が《サファイア》の下位互換という訳ではない。

《ボル白》には、コストが軽いという利点がある。 例えば、速攻相手に瀕死の状態まで追い込まれ、場のクリーチャーを休まず除去し続けなければならないとき。 《サファイア》を出すターンが無かったとしても、 《ボル白》なら10マナ溜めて《ファントム・バイツ》と同時に2枚プレイできるかもしれない。

コストの話をするなら、 同じく7マナの《インフェルノ・ゲート》で《サファイア》を吊ればいいのでは?と思われるかもしれない。 だが、その《ゲート》は《ロスト・チャージャー》とのセット採用が必須。 両方合わせて7~8枚のデッキスペースを割くと、除去コントロールとしてのデッキ性能は落ちるだろう。

これらを踏まえると、除去カードの割合を極限まで高めた構築にした上で、 《サファイア》と2-2などで棲み分けて積んでやると良いと思う。

追加リクエス

では追加のリクエスト、《ボル白》を《黒神グールジェネレイド》と組み合わせるのは……。

力量不足で申し訳ないのだが、私が自分で満足できるレシピは作れなかった。

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《ボル白》は、シールド焼却という質の高い打点を作るカード。 一方、《グール》は雑に打点を確保するカード。 2枚のコンセプトは正反対である。

結局普通のアタッカーで殴るのなら、《ボルメテウス》系のカードをデッキに入れる意味は無い。 《ボルメテウス》でシールドを焼くつもりがあるなら、 余計な打点など作らず、可能な限り《ボルメテウス》だけでシールドを削る覚悟をすべきだ。 《ボルメテウス》は孤高のカードなのである。 《グール》を入れている枠があったら、相手の除去札を刈り取るハンデスか、 やられた《ボルメテウス》を墓地回収するカードを入れたい。

さらに、赤と黒の2色を使うことになると、どうしても《神滅竜騎ガルザーク》がデッキに入ってくる。 《ガルザーク》は《グールジェネレイド》との相性が抜群。 打点の数で押すという点でも、《ガルザーク》と《グールジェネレイド》は方向性が同じだ。 この2枚だけでもパンチ力は十分にあるため、あえて《ボル白》を入れる必要は無い。

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実際にデッキを作ろうとするとどうなるか。

1つ目に浮かぶのが、《ロスチャ》で《ボル白》と《グール》の2体が落ちうるようにするというもの。 前回の《グール》と同じようなコンセプトだ。 《サファイア》入りだと《グール》が落ちえないので、そこを差別化点とする構築である。

だが、この場合、《ボル白》が落ちた時の損失が大きすぎる。 落とした《ボル白》を回収してさらに召喚、と3ターン掛けるほどの余裕はない。 そのくらいなら《サファイア》を1枚だけ積んで《ゲート》の先を確保し、 2発目以降の《ロスチャ》で確実に《グール》が落ちる構築にした方が良いように思う。 《サファイア》なら、《サファイア》で3枚焼却→《グール》で残りの2枚を割るで綺麗に5枚ブレイクできるので、 相性問題もまだマシだ。

ちなみに、なんで前回は2択を許容したのか?というと

  • 《ダーク・ジオス》はG・0できればテンポが良い。
  • ゲーム展開によっては出さなくてもいいカードである。

という理由である。

2つ目に思いついたのが、《ボル白》《グール》両方共が恩恵を受けられる《トット・ピピッチ》を軸にしたドラゴンデッキ。 だが、連ドラっぽくすると能動的に《グール》を墓地に送るカードを積むスペースがなくなる。 一方、グッドスタッフっぽくするとやはり《ガルザーク》で良くなってしまって、《ピピッチ》も要らなくなる。 ここでもやはり、《ボル白》を1アタッカーとして起用することの難しさがネックになる。

以上、私の構築理論だと《ボル白》と《グール》は共存できない理由を説明した。 ただ、どちらも高いスペックを持つカードではある。 理詰めで構築すると両立は厳しいが、2つを強引に積み込んでも罰は当たらない。 戦地でロマンを求める勇気があるなら、↓のように、一般的な【ガルザーク】に《ボル白》を1~2枚挿して使うのはいかがか。

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赤緑ドラゴンwithバイラス

初投稿です。 いつも参考にさせて頂いております。 無理を承知でバイラステンペストのデッキを組んでみてくれないでしょうか。

https://odaibako.net/detail/request/c6631087-64c1-44af-8abb-63ed488bcaf9

デッキレシピ

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  • コンセプト:B
  • 完成度:S
  • デッキパワー:A
  • 思い入れ:B

しっかり考えた上でのド直球な構築。

解説

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全オリカの中で最も美しいイラスト。

《超神龍バイラス・テンペスト

8-12000, T・ブレイカー。 出したときおよび攻撃するとき、相手のクリーチャー1体をランダムに選んでマナに送る。

インフレが進んだ今でも、出たターンに2体盤面を減らせるのは素直に強い。 破壊でなくマナ送りなのも、《ガルザーク》下で闇ドラゴンを破壊せずに済んだり、 《アクア・リバイバー》のようなカードを処理できたりするという点でメリットがある。

旧世代のスペックとはいえ、サイズや能力で役割の被るカードは無い。 「無理を承知で」というほど使えないカードではないと思う。

ただし、ひねりのある能力ではないので、このカードの特色を前面に押し出した構築を作るのは難しい。 そのため、《バイラス》が活躍できるデッキというのはどういう路線か?という視点で考えていくべきだろう。

強力であると述べたマナ送り能力だが、「シールドをブレイクしながら相手のマナを増やす」という行為はかなり危険である。能力を使った後は、相手に増えたマナを活用される前にとどめを刺したい。 また、対象はランダムに選ばれるため、クリーチャーに攻撃すると 「攻撃対象に選んでいたクリーチャーがマナに送られてしまった」というマヌケな自体にもなり得る。

このことから《バイラス》は、ビートダウン中に出してそのまま押し切るためのカードとして使うのが適切である。

ちなみに、2弾環境では知る人ぞ知る【ネクラ二角】のフィニッシャーとして起用されたことがある。 場数を減らす《緑神龍ジオブリード》、当時はブロッカーとしても優秀だった《黒神ゾルヴェール》などから進化していた。 どちらかというとビート向きな《バイラス》がこのような使われ方をしていたのは、 当時はT・ブレイカーを持つカードが貴重だったこと、パワー12000がほぼ敵なしだったこと、 環境が遅かったことなどが理由である。

今では、相対的に《バイラス》や種ドラゴンのグッドスタッフ性は低くなっている。 その分、ドラゴンのサポートカードが大量に増えているので、ドラゴンで固めたほうが強いデッキが組める。

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【ネクラ二角】のサンプルレシピ。

単体の能力を一通り見たところで、毎回恒例の差別化考察タイムだ。 一番のライバルは、コストが同じ進化ドラゴンの《超竜ヴァルキリアス》。 《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》をタダ出しできるので、単純な攻撃性能はあちらの方が高い。 また、軽量ドラゴンが多くなってきた場合は、《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》も意識したい。

《ヴァルキリアス》との差別化点は、バトルゾーンへの干渉力。 《バイラス》はブロッカーを退けながら殴ることが出来る。 《バイラス》以外にもアタッカーを用意して、手数で一気に押し切れるようにしよう。 また、《ヴァルキリアス》を使う場合、探索を安定させるために投入するドラゴンの種類数を抑えることになる。 こちらはそんなつまらないことは気にせず、好きなようにドラゴンを積める。

《アポロヌス》との差別化点は、特定パーツへの依存度が低いこと。 《アポロヌス》は、《コッコ・ルピア》が生き残るのを前提に、4~5マナのドラゴンを大量展開するという動きを取るしかない。 ならばそれに囚われない立ち回りをしたい!ということで、今回活用したいのが《龍の呼び声》。 マナ自体を伸ばすことで、《ルピア》に依存しない安定した立ち回りを可能にする。 こちらは進化元を展開する必要が無いので、少し重いが強力な《フレイムバーン・ドラゴン》なども入れておくと良い。

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さらに、《ヴァルキリアス》《アポロヌス》に共通するのが、 フィニッシャーとするカードだけでシールドをブレイクしたいということ。 《サファイア》や《アポロヌス》で攻撃するなら、それらを出す前は攻撃を控えたいはずだ。 これを逆手に取ると、中盤からシールドを割り始めることにもメリットがある、 例えばアタックトリガー持ちのカードを使うような構成にすれば、これらと差別化したデッキが組めるわけだ。

ドラゴンに強力なアタックトリガー持ちのカードはいるか。

もちろんいる。《無双竜機ドルザーク》だ。 自分のドラゴンに、アタックトリガーで5000以下のクリーチャーをマナ送りにする能力を付与する。 昔ながらのビートダウンドラゴンが組まれなくなってからというもの、コイツも環境から離れて久しい。 しかし、5000以下を軽々と場からどかせるのは間違いなく強力である。

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《バイラス》だけでは除去が追い付かないほど展開してくる相手には、《ドルザーク》も併用して場を掃除する。 《ドルザーク》に除去されまいと思って出てきた大型クリーチャーは、《バイラス》で狩る。 小型を除去するのが得意な《ドルザーク》と、サイズに関係なく場数を減らす《バイラス》は、相性補完関係にある。

ということで、《ドルザーク》入りのスタンダードなドラゴンデッキに《バイラス》を突っ込んだデッキが完成した。

回した感触は良好。 基本的に《ドルザーク》と《ガルベリアス・ドラゴン》の押しが強いので、それだけで勝ててしまうデュエルが多い。 《バイラス》は、除去トリガーを踏んでも《バイラス》に除去が向かない状態(=何もしなければ殴り切り)を作った上で出したい。

息切れ待ったなしだった赤緑ドラゴンも、 《翔竜提督ザークピッチ》を手に入れてドローソースを確保できるようになった。

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話がややこしくなるので差別化の所では触れなかったが、 実は《バイラス》に一番近い役割を持つのは《超神龍アルグロス・クリューソス》だったりする。 《バイラス》と同じく、場の2体を破壊せずに処理できるからだ。 今回は赤緑で組んだので問題にならないが、光を入れる場合は一応注意。 差別化点は、色、パワーとブレイク数、メテオバーンの回数制限など。 まあ、あっちもカードパワーが控えめなので大丈夫だと思う。

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