NEXT →
mikegamo.hatenablog.com
← PREV
mikegamo.hatenablog.com
はじめに
この記事では、DMPP-07環境を総括する。本記事は前回までと構成を変えて、
- 7弾の新デッキ紹介
- 環境に残った既存デッキの強化要素
- デッキ相性を考慮して環境を俯瞰
- 環境の特色を考察
という流れにした。
今環境は、New Division(以下 ND), All Division(以下 AD)という2つのフォーマットが導入された初めての環境である。
ただ、今回はスタン落ちしているのが1パック分だけ、しかもそれがカードパワー低めのDMPP-01であるために、
NDとADの環境には大きな差はない。
そこでこの記事では、基本的にNDとADを区別せずに解説することにした。違いがある所については、その都度補足を入れた。
また、今回はランクマッチの昇格が簡単になった初めての環境でもある。
前回までの環境総括記事では、適用範囲の目安を「プラチナ~マスター帯」としていたが、
プラチナやマスターに昇格する人数が増えたことで、
それらランク帯の様子が必ずしも型通りとは限らなくなってきた。
そこで、今回からは特にランク帯を特定せず、「突き詰めたガチ環境」についてまとめる。
ついでに、7弾環境は2020年12月10日~2021年2月17日という、
2か月と1週間続いたやや長めの環境だったということも記しておく(これまでの環境は2か月弱が標準)。
いつもの通り、これ以降の内容は1プレイヤーの視点による考察なので悪しからず。
また例のごとく、デッキのサンプルレシピはTwitterから適当に拾ってきたものである。
削除要請はコメントまで。
新しいデッキタイプ
7弾の事前カード公開は、それはそれはお粗末なものだった。
紙の暗黒期・不死鳥編のリメイクという期待がかかる一方で、強そうなカードがいつまでたっても公開されない。
ユーザーからは、焦りと落胆の声が多く上がっていた。
ところが、リリース直前の生放送で、諦めムードのユーザー達に希望の光が差した。
昔はロマンカードでしかなかった《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》が、
優秀な進化元を引き連れて参戦することが明かされたのだ。
さらに、リリース前日のカードリスト公開で、
《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》《超神星マーキュリー・ギガブリザード》にも優秀な進化元が配備されることが発覚。
それまでの予想とは一転して、7弾は環境が大きく揺れ動く気配がしていた。
【アポロヌス】
https://twitter.com/xrex0602/status/1360947016021340161?s=20
7弾環境が始まった直後、圧倒的な使用率を誇ったのは《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》だった。
進化元におあつらえ向きの《センチネル・ドラゴン》《ヘリオライズ・ドラゴン》が来たこと、
そして自身がシンパシーを得たことで、召喚が紙の頃とは比べ物にならないほど簡単になった。
その上、メテオバーンによるワールドブレイクを得たことで、
出したターンに《アポロヌス》1体だけでゲームエンドまで持ち込めてしまう。
「召喚すれば勝ち」というあまりにも豪快な効果は、実力問わず幅広いプレイヤーの支持を受けた。
《ルピア》→《センチネル》x2 →《センチネル》《アポロヌス》
などと繋げば、要求カード3枚にしてトリガー2枚条件の5キルも可能。
環境高速化の大きな一因となった。
主要な構成カードが赤に固まっているため、カラーリングの自由度が高いのも特長である。
サイドカラーとして、
あるいはこれらの複合など、色々な型が考案された。
そして特筆すべきは、《アポロヌス》にはトリガー《スパーク》が効かないということ。
これまでは、【ブリザード】や【ツヴァイランサー】が叩き出す異次元の打点数も、
《ホーリー・スパーク》で1回は止めることが出来た。
その常識は、《アポロヌス》の登場によって覆った。
今までトリガー《スパーク》にイラついていたプレイヤー達は、ここぞとばかりに《アポロヌス》に頼るのだった。
環境初期には天下無双の強さを誇ったが、
爆発力の源である《コッコ・ルピア》への対策が意識されるようになったり、
即死を免れるためのブロッカーも見直されたりした結果、環境に占める割合はほどほどに落ち着いてきた。
しかし、依然として強力なデッキであることに変わりはない。
7弾後半では、アグロ系統を受け切りながら上振れを狙う赤白型が人気だ。
簡単にG・ゼロできる《バルケリオス・ドラゴン》、
ブロッカー対策の《コメット・チャージャー》《ガルベリアス・ドラゴン》を積んで、環境を戦っている。
【グレートメカオー】
https://twitter.com/korinsei46/status/1359545623406497792?s=20
初めは派手すぎる《アポロヌス》に後れを取っていたが、もう2体の超神星も黙ってはいなかった。
7弾収録のグレートメカオーを詰め込んだ【グレートメカオー】が、わずかに遅れて環境に現れる。
《機動要塞ピラミリオン》《装甲支援ガトリンガー》の2枚によるインチキじみた展開力。
《キャプテン・ミリオンパーツ》による鉄壁とステルス。
そして、《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》《超神星マーキュリー・ギガブリザード》による圧殺。
デッキの8割が7弾のカードで構成されるこのデッキは、グレートメカオーと超神星のカードパワーをまさに体現している。
《ヴィーナス》は《サーファー》などの除去カードや殴り返しを、
《マーキュリー》は《スパーク》《ヘブンズ》などの呪文を封じる。
《ミリオンパーツ》と併せると、一方的にタコ殴りにしてゲームエンドとなることもしばしばだ。
デッキパワーそのものが高いことに加え、戦略の幅も広いことから、環境1軍デッキとして定着した。
構築の方は、早期召喚や使い分けを意識して、超神星2体を多めに6枚前後積むのが主流となった。
3マナ帯のカードは多少ブレるものの、概ね結論が出ていると言ってよい。
【パンダネルラ】
https://twitter.com/Bc5QyyRcMUEXmQb/status/1361127548671782919?s=20
超神星3体が暴れまわる一方で、
デッキから確実にドリームメイトを出せるようになった《独裁者ケンジ・パンダネルラ将軍》を軸とするドリームメイトデッキもちらほらと見られる。
グレートメカオーたちの魔改造っぷりとは違って、
ドリームメイトたちが本家から受けた調整は微々たるもの。
このご時世には珍しく、スタンダードなビートダウンデッキである。
準環境デッキではあるが、環境デッキと互角にやり合うだけのポテンシャルは持ち合わせている。
ドリームメイトの所属文明である赤緑で組むのが主流。
そこに《スパーク》や《サーファー》をタッチで積み込んだり、
思い切って赤を抜いたりするなど、バリエーションに富んだ構築が見られる。
https://twitter.com/yofe_ranta/status/1360977254805692422?s=20
2021/1のアプデでコストが1減り、新たに環境入りした《インビンシブル・テクノロジー》のデッキ。
7弾環境終盤に差し掛かったところで、にわかに好戦績の報告が相次いでいる。
ひたすらバウンスで凌いでから《テクノロジー》に繋ぎ、
《キング・アトランティス》、G・ゼロ《ルナ・コスモビュー》、さらには《マーキュリー》まで出して圧殺する。
既存のデッキタイプ
【ツヴァイランサー】
https://twitter.com/CandyNekura3_5c/status/1361143953362329602?s=20
6弾ですら手が付けられないほど強かったこのデッキが、
あろうことか新たに《超神星マーキュリー・ギガブリザード》をゲット。
フィニッシュの安定感が増し、フィニッシャーを引けずに負ける試合も大幅に減った。
ADだと《ストリーミング・ビジョン》《クリスタル・パラディン》が生きているため、まさに天下無双。
NDでも、ドローソースを《エナジー・ライト》や《トリプル・ブレイン》で補いながら槍をブンブン振り回している。
《トラップ・コミューン》を積んだ黒入り型(※《パラディン》が積めないNDでの《ミリオンパーツ》対策か)、
1マナ軽くなった《インビンシブル・テクノロジー》を積む型など、亜種もいくつか存在する。
https://twitter.com/Accelerator3828/status/1361001793610801152?s=20
これまで毎回何かしらの強化を得てきた【ブリザード】。
7弾で手に入れたのは、《ソーラー・コミューン》だった。
スノーフェアリーがわらわら並ぶため、実質3マナの《ホーリー・スパーク》である。
序盤のタップキル戦術がさらに強化された。
https://twitter.com/keiichiro0423/status/1360924838102069252?s=20
https://twitter.com/nanopikonano/status/1361247298445996033?s=20
7弾で《インフェルノ・ゲート》を獲得。
《ロスト・チャージャー》とセットで、
最速5ターン目に《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を出せるようになった。
このコンボ、7弾リリース前はかなり危険視されていたのだが、
実際は他のデッキのインフレが激しすぎたせいで「結構強いムーブ」くらいの評価に落ち着いている。
なんてこった。
【4c・5c天門】
https://twitter.com/nontantan0828/status/1360940037190283268?s=20
https://twitter.com/Growcup/status/1358803173910089730?s=20
【4c天門】は、【除去サファイア】と同様に《ゲート》《サファイア》のギミックを取り込んだ型が出現。
【5c天門】は新弾カードなし。
《ボルバルザーク》が1枚になったリペア版である。
【カチュア】
https://twitter.com/BM_3375/status/1360790419928346629?s=20
7弾で《フェアリー・ギフト》を獲得。
《ギフト》のコスト減は、《カチュア》に対しては最大限には働かない。
しかし、そんなことは気にならないくらいに、
《ライフ》→《ギフト》《カチュア》で出てくる3ターン目《カチュア》は強力だった。
7弾環境になって、型はほぼ《ヘリオス》&《サラマンダス》搭載型に固定された。
【メカオー】【アポロヌス】【パンダ】など、強化版《ヘリオス》の6000火力が環境に刺さるというのと、
《ギフト》《ヘリオス》→《サラマンダス》のような柔軟なプレイングができるようになったためである。
《ギフト》《カチュア》を安定させるため、緑マナの《魅了妖精チャミリア》が4積みされる傾向にある。
《マイキーのペンチ》採用によってさらに前寄せする構築も多い。
【アウゼス】
https://twitter.com/conpeeeeeeto/status/1359781733617475589?s=20
《光輪の精霊 ピカリエ》のスタン落ちに伴い、AD環境が主戦場となった。
稀にND環境でも、《審門の精霊アールフリート》《神門の精霊エールフリート》でリペアしたデッキが見られる。
《ツヴァイランサー》や《サファイア》への対策札として、
《魔聖デス・アルカディア》が採用されることもある。
【グールガルザーク】
https://twitter.com/al_cas0/status/1350036311302803458?s=20
満を持しての《黒神龍グールジェネレイド》登場で、《神滅竜騎ガルザーク》がさらにパワーアップ。
《グール》による除去コンへの圧倒的な優位性と、《ガルザーク》による攻撃力を両立している。
《ガルザーク》と《アポロヌス》が両方入っている構築もある。
そのため、【ガルザーク】を1つのデッキタイプとして計上しない人もいるかもしれない。
【赤緑速攻】【赤白速攻】
https://twitter.com/neng7neo8snow/status/1360901780368805891?s=20
https://twitter.com/muetali_owacon/status/1358790705196331008?s=20
【赤緑速攻】が、《究極兵士ファルゲン》《早食い王のリンパオ》《自由な旅人ベア子姫》《弾け山のラルビン》などの強化パーツで再興した。従来の【赤白速攻】も健在。
https://twitter.com/SlicedPudding/status/1360578786547257344?s=20
https://youtu.be/0_vYOvvgl_g?t=5515
強化要素は一切ない。
使用者もだいぶ減っている。
ランカーがレシピを公開したり、大型大会で優勝したりしたときに注目された。
環境俯瞰
私の見解によるDMPP-07環境のデッキランクはこうだ。
- 環境1軍
- 環境2軍
- 【アポロヌス】
- 【カチュア】
- 【4c・5c天門】
- 【アウゼス】(ADのみ)
- 【除去サファイア】
- 準環境
- 【パンダネルラ】
- 【赤緑・赤白速攻】
- 【テクノロジー】
- 【リースウェーブ】
- 【ネクラウェーブ】
- 【グールガルザーク】
環境1軍はデッキパワー重視で選定。
2軍と準環境は、1軍デッキへの刺さり具合と、使用率を考えて区別した。
DMPP-07の環境1軍デッキは、
- 【ツヴァイランサー】
- 【白ブリザード】
- 【グレートメカオー】
の3デッキである。これらは純粋にデッキパワーが高いため、明確な不利対面なく様々なデッキと渡り合うことが出来る。ちなみにこのデッキ同士では、
- 【ツヴァイ】vs【ブリザード】は、【ツヴァイ】の瞬間打点生成によるカウンター戦術が決まりやすいため、【ツヴァイ】有利。
- 【ブリザード】vs【メカオー】は、【ブリザード】側が先に展開&高パワータップキルが可能なため、【ブリザード】有利。
- 【メカオー】vs【ツヴァイ】は、【メカオー】がカウンター戦術を取る際の安定感で勝るため、【メカオー】有利。
という3すくみが成立しているとされる。
分類は、【ブリザード】がアグロ、【ツヴァイ】がやや早いミッドレンジ、【メカオー】がミッドレンジ。
ただし、いずれも種族専用カードで膨大なアドバンテージを稼ぐので、コンボ要素が強めである。
そのため、「コンボアグロ」「コンボミッドレンジ」といった表現が適切かもしれない。
このコンボフルな環境1軍デッキたちに対してどれだけ戦えるかが、今の環境を生き抜けるかを左右する。
ここから紹介する環境2軍デッキは、いずれかの1軍デッキに対して有利を付けうるデッキである。
【アポロヌス】は、タップ系のシールドトリガーを貫通できるため、【ブリザード】に対して無類の強さを誇る。
《コメット・チャージャー》《ガルベリアス・ドラゴン》といったメタカードを積めば、【メカオー】にも若干の有利を付けることができる。
上振れ時の打点生成速度も、間違いなく環境最強だ。
ただし、序盤の立ち回りが《コッコ・ルピア》に依存気味なので、安定感にやや欠ける。
【ツヴァイ】の小型ブロッカーにも弱めである。
【カチュア】と【除去サファイア】は、
全体火力と《サファイア》押しつけで【ツヴァイ】【メカオー】に対抗するデッキである。
《ツヴァイ》や超神星の着地に少し時間がかかる所につけ込み、
全体火力や早出し《サファイア》で先にゲームの主導権を握りに行く。
しかし、【ブリザード】相手はやや厳しい。
【カチュア】は豊富なタップキルで《カチュア》を潰されるのが苦しく、【除去サファイア】は速度に追いつけない。
【4c・5c天門】は、【ブリザード】【ツヴァイ】【メカオー】の3デッキ、
ならびに他の多くのデッキへの回答手段を用意したメタデッキとなる。
《ザーディア》《バルホルス》は、コンボデッキに対する盤面干渉になると同時に、
【ブリザード】を真正面から受け止められるカードでもある。
押し付けムーブとして、《ゲート》《サファイア》や《ボルバルザーク》などのパワーカードも確保。
ハンデスや軽量除去などのメタ要素も搭載した、対応力の高いデッキである。
ただ、満遍なく戦えるポテンシャルはあるものの、刺さるカードを上手くプレイできないと器用貧乏になってしまう。
ADで強力な【アウゼス】は、【天門】の安定感を削いで、代わりに盤面干渉力を強化したような立ち位置である。
以上が、環境におけるメジャーデッキとなる。
ここからの準環境デッキは、メジャーデッキに対して刺せる要素のあるものが名を連ねている。
【パンダネルラ】は、比較的スタンダードなビートダウンデッキである。
デッキパワーとしては準強くらいだが、環境的に使いやすいカードが多く揃っている。
今環境は、超神星3体や《サファイア》によってトリガーの価値が下がった。
中でも、無効化されやすい《デーモン・ハンド》の採用率は低下傾向にある。
そのため、「《デモハン》さえ踏まなければ強い」という《パンダネルラ》がかなり動きやすい。
また、《サージェント・クワガタン》のブロッカー大量破壊は、
【天門】は勿論、【メカオー】や【ツヴァイ】の軽量ブロッカーたちにも刺さる。
一方、刺さるところが少ない【ブリザード】や【アポロヌス】には、普通に殴り負ける。
【赤緑・赤白速攻】は、速攻耐性の不足につけ込むデッキである。
【メカオー】や【ツヴァイ】が軽量ブロッカーを出してきた場合は面倒だが、
上述のようにトリガーを減らす傾向もあって、全般的に戦いやすい相手が多い環境である。
7弾で存在感を増している【赤緑速攻】は、
信用性が低くなった《スパーク》と決別し、代わりにパワーと展開を重視しようという意図の型である。
【テクノロジー】は、爆発力の高い地雷コンボデッキである。
《テクノロジー》を撃つまではほとんどクリーチャーを出さないので、環境1軍のコンボとは全く別の対策が必要になる。
バウンスが刺さりやすい【カチュア】、リソース差でゴリ押しできる【天門】【除去サファイア】には相性が良い。
対アグロが厳しそうだが、《ルナ・コスモビュー》のG・ゼロを狙えればワンチャンあるのかもしれない。
【ウェーブストライカー】は、徐々にプレイヤーの記憶が薄れている4弾のカードパワーに目を付けたデッキである。
7弾環境では、【カチュア】【メカオー】【パンダネルラ】など、パワー4000~6000のクリーチャーが増えてきた。
これに対して、パワー6000~7000を簡単に叩き出せる【ウェーブ】に再び優位性が出てきたのだ。
天敵である【除去サファイア】が勢いを弱めているのも追い風。
環境1軍のデッキと比べるとリソースを取りにくいのが難点だが、その分相手への干渉力が高い。
速度と盤面干渉重視の【リースウェーブ】、ハンデスと墓地回収を備えた【ネクラウェーブ】、どちらも強力である。
【グールガルザーク】は、除去要素の多い相手、および力押しで突っ込んでくる相手に対して有利を取れる。
泥仕合になるほど強さを発揮するデッキだ。
しかし、環境1軍の3デッキには、ブロッカーをすり抜ける手段が用意されている。
速さに弱い部分は、《神滅竜騎ガルザーク》の打点生成速度でなんとかするしかない。
最後に、大型大会であるバトルアリーナ3rd, ささぼーNewYearCupのデッキ分布を載せておく(いずれもNew Division)。
https://twitter.com/dmps_info/status/1360808486670491649?s=20
https://youtu.be/LAvwKWA6dF4
環境の特色
環境高速化
7弾の環境デッキの上振れムーブは、次のようなものがある。
- 3t《ブリザード》+1体、4t《進化の化身》、5t《ブリザード》進化速攻&《コミューン》
- 3t《ギフト》《カチュア》
- 4t《ツヴァイ》x1~2体、もしくは《マーキュリー》
- 5t《アポロヌス》《バルケリオス》《ルピア》のトリガー3枚条件
- 5t《ゲート》《サファイア》
- 5t《ガトリンガー》4~5ドロー、6t《ヴィーナス》or《マーキュリー》
速攻デッキでもないのに、少し引きが良ければ5~6ターン目には決着がつくデッキが多数ある。
しかも、1ターンのうちに全てシールドを割られたり、トリガーすら発動させてもらえなかったりする(この2つが両立することもよくある)。
こんなことをされては、普通のデッキは黙って見ているしかない。
カードパワーのインフレが進み、ゲームスピードがとんでもなく速くなってきている。
世はコンボデッキ時代
今のデュエプレは、
- 4弾のウェーブストライカーや《ヘブンズ・ゲート》
- 6弾の《ツヴァイ》《アルファディオス》《ドルバロム》
- 7弾のグレートメカオーや《アポロヌス》
のように、あまりにも強力なデザイナーズギミックがのさばっている。
これらのデッキは、ある条件・構築下で特定のカードをプレイすることに特化しているので、
「コンボデッキ」と呼んでよい。
本来、デュエマのゲームシステムでは、攻撃には大きなリスクが伴う。
しかし今のデュエプレでは、激しくインフレしたデザイナーズコンボにより、
攻撃のリスクを大きく上回るようなアドバンテージを一瞬にして叩き出せたり、
もしくはリスクをそもそも負わないような攻撃でねじ伏せたりできるデッキがいくつもある。
古のデュエマは「シールドを割ると返しのターンで場を制圧されてしまうことがある」というゲーム性だったが、
今のデュエプレは「手札を与えると返しのターンで即死させられる」という具合だ。
「下手に攻撃するな!」というところだけはちゃんと引き継がれているのである。
万能トリガーがなくなった
6弾までは、《ホーリー・スパーク》がトリガーすればどんな相手でも1ターンは足止めができていた。
しかし本編で述べたように、《スパーク》を貫通する《アポロヌス》、
呪文を封じる《マーキュリー》によって、必ずしも《スパーク》が有効トリガーにならなくなった。
《デーモン・ハンド》の信頼度も低下。
《ツヴァイ》複数展開を返せるカードとしての価値は、
【ツヴァイ】が《マーキュリー》を取り込んだことで半減した。
《ヴィーナス》にも効かないし、《アポロヌス》も選びたくない。
手撃ちどころか、とうとうトリガー《デモハン》も微妙な時代が来てしまった。
《アポカリプス・デイ》の汎用性も少し落ちた。
6弾では【ツヴァイ】【ブリザード】【アウゼス】などに間違いなく刺さっていたのが、
やはり超神星の登場で使用感が悪くなっている。
このように、環境のフィニッシャーを万能に止められるトリガーカードは無くなった。
《アポロヌス》には《アクア・リバイバー》《予言者リク》《ヘブンズ・ゲート》。
《ヴィーナス》には《スパーク》《コロビナー》。
《マーキュリー》には《サーファー》《コロビナー》。
【ブリザード】や進化GV召喚前には《アポカリプス・デイ》。
採用するトリガーは、意識する相手に合わせて考えるべきだろう。
《サファイア》の存在も考えれば、いっそトリガーを減らして立ち回りを強くしよう、
という発想が出てくるのもまた当然である。
7弾環境はコントロールが弱い環境である。
【除去サファイア】は使用者数が多いため一応環境2軍に置いたが、実際のデッキパワーは準環境デッキたちと並ぶかどうかも怪しい。
弱い理由は、クリーチャーのパワーインフレが呪文と比べて速すぎるためだ。
【アポロヌス】の《ボルシャック・バディ・ドラゴン》《センチネル・ドラゴン》は、
基本的に4マナでアドバンテージ+1、《ルピア》が出ていれば2マナで+1。
【メカオー】の《ピラミリオン》は+1に加えて踏み倒し、《ガトリンガー》に至っては+3~6のアドバンテージとなる。
《ピラミリオン》以外は、4マナでアドバンテージ+1の火力呪文《クリムゾン・チャージャー》の範囲外だ。
そのため、序盤は呪文コン側がアドバンテージ不利になりがちである。
これらを処理できるコントロール側のアドバンテージカードは、6マナの《炎槍と水剣の裁》となる。
6弾までの環境では、《裁》は【ウェーブストライカー】や【ツヴァイ】に対してきちんと役割を持てていた。
しかしその《裁》も、7弾で
- 【メカオー】の《サーボルト》、パンプアップした《ガトリンガー》
- 【アポロヌス】の《ヘリオライズ》《蒼神龍ノースグレイ》《バルケリオス》
- 数を増してきた《カチュア》
などの3000超えのクリーチャーが多くなってきたことで、通りが悪くなりつつある。
これに加え、高速召喚される《ヴィーナス》《マーキュリー》や、
除去コン殺しの《グールジェネレイド》《翔竜提督ザークピッチ》など、
出てきたらどうしようもないクリーチャーが何体も登場。
相手の動きをコントロールしきるのが困難な環境になってしまったのだ。
もはやコントロール側も、《インフェルノ・ゲート》からの《サファイア》早期着地を押し付けるデッキと化しつつある。
《ロスチャ》《ゲート》《サファイア》のコンボをメインルートにして、
残ったスペースにわずかな望みをかけて全体火力を大量投入するのが、今の【除去サファイア】(というか【ゲートサファイア】?)である。
【天門】に影差す
環境トップを走り続けてきた【天門】も、今では環境1軍とは呼びづらくなってきた。
5弾後半からメジャーとなった【4c天門】は、
【除去サファイア】のコントロール成分を残しつつ【ブリザード】を受ける手段を確保して、
全ての環境デッキに対応するという狙いのデッキだった。
ところが、【4c天門】は新デッキの【メカオー】に対してやや不利がつく。
ブロッカー否定の《ミリオンパーツ》、そもそも呪文を撃たせない《マーキュリー》によって、
コンセプトがぶち壊されてしまうためだ。
メジャーデッキでこそないが、【パンダネルラ】の《サージェント・クワガタン》にも粉々にされてしまう。
【天門】は、7弾で出てきたデッキとはあまり相性が良くない。
白を採用できる【4c天門】には、
【カチュア】に対抗できる《魂と記憶の盾》《アクア・リバイバー》を積めるという長所もある。
しかし、最近では【カチュア】意識でこれらに枠を多く割く必要が出てきたせいで、
《悪魔聖霊バルホルス》の枚数が減りがちという事態に陥っている。
結果、速攻や【ブリザード】相手に貫通を許すことが増えてしまった。
対策したい相手が増えすぎて、どっちつかずの面が露呈している。
この状況を打開しようという試みの産物か、環境後半になって【5c天門】が再び注目されている。
緑の《剛撃聖霊エリクシア》《無双竜機ボルバルザーク》でフィニッシュ力を確保し、
《ロスチャ》《ゲート》《サファイア》のギミックを撤廃。
デッキスペースを空けた分、対応力を高められるようにしている。
ここに来ての《エリクシア》の採用には、次のような背景があると考えられる。
- メインギミックである《ヘブンズ・ゲート》の押しつけ力を高めたい
- 除去カード入りデッキの割合が減ったことで、《エリクシア》の場持ちが良くなった
- 《エリクシア》が環境外になっている間に、高パワークリーチャー(今は超神星)が再び環境で使われるようになった
しかし、緑を入れるせいで事故率は上がってしまうし、プレイングもさらに難しくなるので一筋縄ではいかない。
【天門】陥落とまでは言わないが、【天門】のパワーに対抗できるデッキは少しずつ増えている。
おわりに
6弾に続いて、さらにインフレが進んだ7弾。
コントロールが弱くなり、ゲームスピードが大幅に加速した。
もう少しのんびり遊ばせてほしい。
参考
最近、環境考察の記事やツイートを投稿する方が増えている。
多すぎて拾い切れていないが、その一部をここに載せておく。
どれも勉強になるものばかりだ。
note.com
pompomblink.github.io