はじめに
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この記事では、DMPP-08(無印)の対戦環境を総括する。 想定はガチ対戦である。
今回は、ND・ADの両方に通用するデッキについては特に断りを入れず、 ADでしか組めないものについてはその都度注釈するという形式にした。 まだAD専用構築の数が少ないため、この形式でも脱線せずに解説できると思う。
デッキレシピはTwitterの投稿から引用させていただいた。 削除要望があればコメントまで。
リリース前
8弾のカードは、デザイナーズデッキがいまいち見えてこないラインナップだった。 シークレットカードに選ばれた《ロマネスク》《オルゼキア》は、 紙の極神編以降で活躍を収めた実績があるものの、 メインカードとなる性質のカードではないし、 そもそも激しくインフレしたデュエプレ環境で通用するかは不透明。 《超鎧亜キングダム・ゲオルグ》《超神星ネプチューン・シュトローム》《竜極神》などのフィニッシャー格のカードも、デザイナーズコンボとなるカードが見当たらなかったため、強さが完全に未知数だった。
個人的には、デッキがどのように開拓されていくのかが非常に楽しみだった。
環境初期
【リースパンダ】
環境で一番に使われ始めたのが、7弾の【パンダネルラ】の順当な強化系、【リースパンダ】。 活躍には一工夫必要な他のSR達と違い、 ドリームメイトデッキならほぼ5マナSAのWブレイカーとして運用できる《幻獣竜機ボルパンサー》は、 用途が非常に明白だった。 7弾で環境2軍に位置していた【パンダ】の攻撃力がアップし、まずは環境トップに躍り出る。
https://twitter.com/TAKA_T_DM/status/1378864455174418432?s=20
【除去ゲキメツ】
【リースパンダ】と同時期に流行ったのが、【除去ゲキメツ】(自壊コン、のろテラコンとも)。 6~7弾にかけては、呪文のカードパワーがクリーチャーに全く追い付いていなかったため、 コントロールというアーキタイプは氷河期にあった。 そこへ登場した《のろいとテラーの贈り物》は、今までにはなかった貴重な序盤の3000火力。 ここにpig効果にドローという、大量アドバンテージがついてくる。 さらに、cipで盤面を制圧しながら出てくる高汎用なフィニッシャー《竜極神》も強力だった。 久しぶりに環境に通用するコントロールデッキが成立したことで、 コントロール好きのプレイヤーが喜んで使っていた。
https://twitter.com/masaui874/status/1363051984484405249?s=20
ちなみに、しばらくして環境後期に差し掛かる頃には、ドローを《のろテラ》に任せ、青を抜いてコントロールに振り切った赤黒型も出現していた。 これが使われたのは特にAD環境。 《飛行男》を採用し、クリーチャーを出してこない相手にも妨害できるようにした型である。 場合によって《インビンシブル・アビス》まで入ることもあった。
https://twitter.com/Setudangggg/status/1383331136139526149?s=20
【赤白アポロヌス】
【リースパンダ】と【除去ゲキメツ】の2つに有利をつけるデッキとして浮上してきたのは、 7弾環境から変わらぬ強さを誇る【赤白アポロヌス】。 ビートダウンの【パンダ】には《アポロヌス》のカウンターで対抗。 【ゲキメツ】には選ばせハンデスの《バジル》《ポワワン》が入っていたので、 それに合わせて《翔竜提督ザークピッチ》を投げつけることでリソース勝ちできた。 圧倒的な制圧力を持つ《超竜騎神ボルガウルジャック》を加え入れ、 ビート殺しのコンボデッキという立ち位置を確立している。
https://twitter.com/onerike_/status/1363764192692461569?s=20
環境最初期に流行った8弾のデッキは、【リースパンダ】【除去ゲキメツ】の2つだけだった。 唯一まともなテーマデッキになりそうだった【グランド・デビル】は、 《スナイプ・アルフェラス》の弱体化と、それ以外のデッキエンジンの乏しさで環境進出ならず。 【アーク・セラフィム】はパーツ不足気味の上、固有のデッキタイプの強みがなかった。 《ロマネスク》や《ゲオルグ》を活用したデッキもちらほら上がってきたが、 テンプレとなるほどのシェアにはならなかった。
ところで、7弾環境のTOP3である【ブリザード】【ツヴァイ】【メカオー】はというと、 どれも低調な漕ぎだしだった。 【ブリザード】はNDから《シャーマン・メリッサ》《マルル》が落ちたことで、デッキパワーが減退。 ADも含めて、【パンダ】に乗り換える人が多かった。 【ツヴァイ】は【パンダ】には有利なものの、【除去ゲキメツ】の軽量除去が苦しい。 【メカオー】は《エル・カイオウ》を手に入れたものの、【パンダ】のパワーラインも、【ゲキメツ】の除去も辛かった。 前環境の1軍デッキは、どれもあっさりと王座を明け渡すのだった。
環境中期(バランス調整前)
【ゲオアガピ天門】
【アポロヌス】が存在感を増すと、それを受けられるブロッカー、具体的には《ヘブンズ・ゲート》のデッキが研究され始める。 最終的に生まれたのは、8弾のパワーカードをぎっちり詰め込んだ【ゲオアガピ天門】だった。 《アガピトス》で《ウルコス》を出して《ゲオルグ》に繋ぐというのが、このデッキの一つの軸である。 そこに【天門】のパーツを追加して対応力とデッキパワーを高めている。 従来の【天門】と違って、《アガピトス》《ゲオルグ》のおかげで殴りが強いのが特色だ。 トリガー《ヘブンズ》さえすれば、 返しで過剰打点を作りながら殴り切れるのがこのデッキの恐ろしいところである。
このデッキは、久々にユーザーの手で開拓されたデッキである。 5色のグッドスタッフデッキということもあって、 レシピの開発・普及・安定には少しばかり長い期間を要したのがその証拠だ。 余談だが、このデッキはしばしば【ゲオルグ天門】とも呼ばれる。 しかし、《アガピトス》も構築に大きく制約を与えているし、 既存の【4c天門】【5c天門】にも《ゲオルグ》が投入されることもあるため、 このデッキは【ゲオアガピ天門】と呼ぶことにしたい。
https://twitter.com/WhoamI1012/status/1382355367938510853?s=20
【トリーヴァパンダ】
時を同じくして、もう一つの《パンダ》の形、【トリーヴァパンダ】が勢力を伸ばしてきた。 《ボルパンサー》の影に隠れていた《ジェネラル・クワガタン》が頭角を現したのだ。 《ジェネラル・クワガタン》や《バンジョー》の探索、 および《パンダ》のランダムリクルートを安定させるため、 デッキ内のドリームメイトの種類を少なく抑えているのが特徴。 空いたスペースはトリガーに充てて、防御を厚くしている。 トリガーと《レモン》でビートダウンとコンボデッキを抑え込み、 《ウルコス》《バンジョー》《パンダ》《ジェネラル・クワガタン》でガツガツリソースを取りながらコントロールを封殺する。 全方位に対応できる、万能なビートダウンデッキだった。
https://twitter.com/Srz08QWa9RBxgnf/status/1370413234612699141?s=20
この2デッキはかなり完成度が高かった。 バランス調整前までは、概ねこの2つが環境を牛耳っていたと言っていい。 2つのどちらにも入り込んでいるのが、《アガピトス》と《ウルコス》《フルメタル・レモン》のセットである。 《アガピトス》は、6マナでブロッカーと3打点を並べられる時点で強い。 そこから《レモン》で高速デッキを確実に抑え込む、 もしくは《ウルコス》で低~中デッキに対する後半戦の準備をする。 おまけに、半永続的タップキルまでこなせてしまう。 《アガピトス》は、プレイヤーたちの当初の予想をはるかに超えた活躍を見せた。
その一方で、環境がおおよそ固まってきた頃、その裏を突くように出てきたデッキもある。
【赤黒ドラゴン】
まず、【赤黒ドラゴン】。 【ゲオアガピ天門】【トリーヴァパンダ】がともに盤面重視のデッキなので、 そこに《ボルガウルジャック》が良く刺さった。 《竜極神ゲキ》のリアニメイトで、リソースの乏しさもある程度カバーできている。 もちろん、前からのギミックである《グールジェネレイド》や《ガルザーク》を絡めた強引な殴りも健在だ。 《光神龍ベティス》《アポカリプス・デイ》を混ぜ込んだデイガ型もよく見られた。
https://twitter.com/koooooooooga963/status/1381122760676573185?s=20
【青単テクノロジー】
次に、【青単テクノロジー】。 新規の《電脳海王ネオングライド》は、《テクノロジー》までの時間稼ぎとして最適なバウンスカード。 【ゲオアガピ天門】に対しては、《テクノロジー》後の物量および《マーキュリー》で押し切る。 【トリーヴァパンダ】にはスピードアタッカーがいないので、バウンスによる時間稼ぎがよく効いた。 本来苦手とする小型クリーチャーを展開するデッキが、 【除去ゲキメツ】によって軒並み数を減らしていたのも追い風だった。
《ネオングライド》登場でリキッド・ピープルの数が増えたのをきっかけに、 《マーキュリー》に加えて《ツヴァイ》まで採用する型が増えてきた。 以前から強さの片鱗を見せていたデッキがさらに安定感を得て、ようやく認知されてきた形である。
https://twitter.com/MatchaQc/status/1381815944935182337?s=20
【パンダ】【赤黒ドラゴン】【テクノロジー】のようなコントロール耐性の高いデッキが出てきたことで、 環境初期に大流行した【除去ゲキメツ】の立場は徐々に怪しくなる。 その影響で、【除去ゲキメツ】に抑え込まれていた【ツヴァイ】【メカオー】の割合も少しずつ戻ってきた。
【ツヴァイ】
【ツヴァイ】のレシピは前環境とほぼ同じ。 《神秘と創造の石碑》でコンボを狙う型もあったが、結局、青単・準青単に落ち着いた。 【ゲオアガピ天門】【トリーヴァパンダ】のどちらとも五分以上で戦えていた。 https://twitter.com/tadanosuzu/status/1384639147311173636?s=20
【メカオー】
【メカオー】は、《霊王機エル・カイオウ》が新規で入ってきている。 《深海機士ガニスター》は、最初流行る→結局抜ける→一周して時々入るといった感じ。 《秘精機士マンモキャノン》は、 パワーが低いのとブロッカーはこれ以上要らないというのであまり採用されない。 2マナメカオーを9枚にしたり、《機械提督サウンドシューター》を入れたりと、デッキの根本部分もまだ見直せるようだ。 この時点では、【ゲオアガピ天門】には概ね五分であるものの、 【パンダ】の高めなパワーラインと《パンダ》のバトル置換に依然苦しめられていた。
https://twitter.com/nXGFanM8WetJedt/status/1381214248769003523?s=20
【ブリザード】(AD)
ちなみに【ブリザード】はADで一定の強さを保っていたが、 リソースと殴りの強さという持ち味を【トリーヴァパンダ】に奪われてしまったような格好になっていた。
https://twitter.com/Yu02100830/status/1383739472290803712?s=20
【カチュアサンダー】(AD)
さて、4月中旬の公式大会がADルールで開催されるとあって、プレイヤーの関心は徐々にAD環境に向かっていく。 そんな中、環境中盤からADで流行り始めたのが【カチュアサンダー】だった。 他デッキとの相性やデッキパワーが云々というよりは、 シンプルに強い押しつけムーブを決めて、試合を荒らしに行くデッキである。
手札と盤面を同時に刈り取りながら次の動きを確保する《極仙龍バイオレンス・サンダー》で、 ビートダウンやコンボデッキの息の根を止める。 さらに、《ウルコス》⇒《カチュア》⇒《ゲオルグ》からの《サファイア》射出で、 5t目にシールドを全て焼却しながらそのままトドメを指すというとんでもないムーブも備えている。 7弾の【デアリガズカチュア】よりも速度と安定感を欠くが、代わりに回ったときの手の付けられなさが増している。
https://twitter.com/duelyamamon/status/1382496461334581252?s=20
環境後期(バランス調整後)
バランス調整の影響
ランクマッチの情勢を見てか、2021年3月25日にバランス調整が入った。 調整を受けたのは計5種。
- AD【ツヴァイ】粛清として、《ストリーミング・ビジョン》DP殿堂。
- 《アガピトス》の使用率を抑える意図で、《レモン》弱体化。
- 実質不死身はやりすぎと判断されたか、《ジェネラル・クワガタン》弱体化。*1
- 前弾SR、《アルグロス》強化。
- ドデビルのドローエンジン、《アルフェラス》強化。
バランス調整については別記事を書いているので、こちらも参考に。
まず、《ジェネラル・クワガタン》ナーフをきっかけに、【トリーヴァパンダ】が消滅した。 環境後期の【パンダ】は、ほとんどが《ボルパンサー》を採用したリース型となった。 ただし、トリーヴァ型自体は7弾環境からあったので、 《クワガタン》がいなくてもそこそこ戦えるはずだというところは気になる。 多くの人がリース型に乗り換えてしまったのだろうが、 トリーヴァ型でリペアに挑戦する選択肢もあったのではないかと、 非パンダ使いの自分は思う。
【トリーヴァパンダ】消滅により、【メカオー】はだいぶ動きやすくなった。 【除去ゲキメツ】も若干息を吹き返した……ような気もする。
次に影響があったのは《レモン》の弱体化。 発売前は、《レモン》をネタカードと決めつけるプレイヤーが多かった。 しかし、環境が高速化したデュエプレにおいて、山札8枚で確実に1ターン延命できるのは強すぎた。 特にコイツが目の上のたんこぶだった速攻デッキは、 このバランス調整でようやく人権を回復したと言っていいだろう。 コイツのせいで、前にもまして【天門】を突破できなくなっていた【アポロヌス】にとっても良い知らせである。 しかし弱体化したとはいえ、《アクアン》で落ちない青緑マナというのを買われて、 その後も【ゲオアガピ天門】に2枚ほど採用されることが多い。 【ゲオアガピ天門】に関して言えば、デッキパワーにさほど影響は無い。 また、《アガピトス》の新たな呼び出し先として、《血風神官フンヌー》も注目された。
《ビジョン》殿堂は、大して影響がなかった。 【ツヴァイ】は除去系統のデッキに勝ちづらくなったが、言ってしまえばその程度である。 《エナジー・ライト》で代用も利く。 もはや、【除去コン】対面を切ってドロー呪文を削ったり、 逆に【テクノロジー】にして《ツヴァイ》を4積みしたりと、 両極端な構築さえ見かけるようになってきている。
上方修正の2枚は、特に環境を変えていない。
【黒緑速攻】(AD)
バランス調整後、公式大会の少し前に新たに流行ったのは、ADの【黒緑速攻】。 大会に向けてADルールの研究が進む中、ユーザー主催の大会で準優勝を収めて一気に注目を浴びた。
実質1マナの《ダンディ・ナスオ》も絡めて頭数を増やし、《統率するレオパルド・ホーン》まで投げつけて殴りかかる速攻だ。 パワーが低いのが弱点だが、《地獄スクラッパー》を積んだデッキがいなかったためさほど問題にならなかった。 《レモン》の弱体化も朗報だっただろう。 最終的には、公式大会ベスト8にこのデッキが2枠進出するという大躍進を遂げた。
https://twitter.com/yoshu_da/status/1384633136160546823?s=20
環境俯瞰
バランス調整後の最終的なデッキバランスを考えると、
- 【ゲオアガピ天門】
が少しだけ抜けた強さを持っている。 受け身になりがちだった従来の【天門】に、《アガピトス》《ゲオルグ》という攻めの軸が加わったこと。 トリガー《ヘブンズ》さえ引けば、どこからでも勝ちを拾えること。 環境デッキの中だと、唯一《ボルバルザーク》を無理なく組み込めることなどが、このデッキの強みである。 極端な不利対面もなく、どのデッキに対してもきちんと勝ち筋があるのが特長である。
それ以外のデッキに関しては、どれも甲乙つけがたい。 なんとなく序列を付けた上で、順番に2~3コメントしていきたい。 有利不利は明白かつ特徴的なもの。
- 【メカオー】
- 【黒緑速攻】には、軽量ブロッカーがあるため、有利。
- 安定感高め。
- 《超神星》で殴るタイミングなど、プレイングに熟練度が出るとされる。
- 【黒緑速攻】(AD)
- 新時代の速攻。
- 安定感高め。
- これのために《地獄スクラッパー》や《バースト・ショット》が見直されている。
- 【テクノロジー】
- 【カチュアサンダー】(AD)
- 【ツヴァイ】
- 【黒緑速攻】には、3~4ターン目の《ツヴァイ》暴発で勝てるため、有利。
- 【除去コン】には、小型が除去され続けるため、不利。
- 爆発力高め。
- 【赤白アポロヌス】
- ビートダウン全般には、《アポロヌス》のカウンターがハマるため、有利。
- 【メカオー】には、《ボルガウルジャック》などが刺さるため、有利。
- 【ゲオアガピ天門】には、《ザーディア》や《レモン》を突破できないため、不利。
- 爆発力高め。
- 【リースパンダ】
- 低速デッキ全般には、《パンダ》《ボルパンサー》で押していけるため、有利。
- 安定感高め。
- 《サージェント・クワガタン》のブロッカー複数破壊が特徴的。
- 【赤黒ドラゴン】
- 【除去ゲキメツ】
- 展開系のデッキに有利。
- 除去に強い要素を備えたデッキに不利。
- 得手不得手がハッキリしている。
- 幅広い層から人気がある。
- 【白ブリザード】(AD)
- 【メカオー】【カチュア】には、序盤のタップキルがよく刺さるため、有利。
- デッキパワーは高いが、使用者が少ない。
準環境デッキ
環境に通用するものの使用者数が少ない、準環境デッキを紹介しておく。
【青黒/クローシスドルバロム】
https://twitter.com/soundwave64/status/1383591241351254020?s=20
青黒型は、《電脳封魔マクスヴァル》によってビート耐性が向上。 赤入りは、《竜極神》をサブフィニッシャーに添えている。 【天門】【テクノロジー】といった一部デッキをカモにできる。
【リースドラゴン】
https://twitter.com/GT2sHBMoJfkf7MQ/status/1380472473859235841?s=20
《龍仙ロマネスク》《無双竜機ボルグレス・バーズ》でリソースを取りまくるドラゴンデッキ。 強化《アルグロス・クリューソス》も採用されうるか。
【グランド・デビル】
https://twitter.com/DemiDemi8823/status/1363656829343920135?s=20
強化《スナイプ・アルフェラス》と《超神星ネプチューン・シュトローム》が持ち味。 8弾EXパックでの活躍に期待。
【赤白速攻】
https://twitter.com/ymkLagia_Magia/status/1382203067848790016?s=20
引き続き続投。《放浪兵エルジージョ》が強化要素。
【赤緑速攻】(AD)
https://twitter.com/DBVTnZIKC5Hyvm6/status/1366319503898861572?s=20
こちらも続投。《エルジージョ》《ナスオ》が強化要素。
【除去サファイア】
【除去ゲキメツ】で環境が低速化したことにより、前環境よりも少しだけ立場が良くなったか。
参考:大型大会デッキ分布
↑ 4/18開催の公式大会「バトルアリーナ4th」のデッキ分布。フォーマットはAD。
↑ 3/6, 7開催(バランス調整前)の非公式大型大会「ささぼーCup」のデッキ分布。フォーマットはAD。
環境の特色
ユーザー主体の環境
冒頭で述べたように、8弾は環境レベルのテーマデッキが組めない一方、 グッドスタッフカードが多く収録されているパックだった。 そのため、環境デッキがユーザー主導で開発されていった。 バランス調整前の2強、【ゲオアガピ天門】【トリーヴァパンダ】の形を、 発売前に予見できたプレイヤーはそういないはずだ。 結局この2デッキは強すぎたわけだが、 バランス調整後は多様なデッキが活躍する良い環境になったと思う。
この多様かつ独創的な環境は、カードリストを見れば想像がつくようなデッキばかりが蔓延っていた7弾とは対照的である。 個人的には非常に面白かったし、同時にメタが読み辛くて勝ちにくい環境だったとも思っている。
ゲームスピードの低速化
7弾環境は、【ツヴァイ】【ブリザード】【メカオー】【アポロヌス】のように、 5~6ターン目には余裕を持ってゲームセットできるデッキが多かった。
8弾環境は《のろいとテラーの贈り物》により、 これらのデッキのコンボパーツを序盤から除去できるようになった。 おかげで、早期決着コンボ一辺倒だった環境が、わずかながら低速化した。 【テクノロジー】が本格的に目立ってきたこと、 AD構築の【カチュア】が速度重視のデアリガズ型から爆発力重視の5c型になったこと、 やはりAD限定ではあるものの《ロスト・ソウル》がよく検討されるようになったことが、 その証拠である。
ただし、《ゲキメツ》や《ゲオルグ》など、中~高コストのフィニッシャーもインフレしてきている。 早出しが減った《カチュア》も、暴力性がさらに強まった。 ゲームスピードが低速化したとは言ったが、デッキパワーがデフレしているわけではないことに注意されたい。
低速化の引き金となった【除去コン】は、実は非常にピーキーなデッキである。 間違っても、これに環境が支配されることは無いだろう。 が、公式大会のデッキ分布を見ると、やはり【除去コン】は根強い人気があるようだ。 ガチ環境に臨むなら、【除去コン】の存在は無視できない。
SRが強い
DMPP-08のSRは、どれも優秀なものばかりだった。
《アガピトス》《ゲオルグ》《ボルパンサー》《ゲキメツ》は、環境トップを走るパワーカード。 《ロマネスク》《オルゼキア》は、環境で最低限の使用率を維持している。 《ネプチューン》《ボルグレス・バース》は、準環境デッキの強さの源である。 初めはハズレ枠と言われた《バイオレンス・サンダー》ですら、 【カチュアサンダー】に拾われてトップメタ入りを果たした。 環境外のまま終わったのは《ビッグバン》くらいだが、 これもランキング狙いなどに拘らなければ全然戦えるカードである。
SRが強いのは、基本的に良いことだ。 頑張って当てたカードが強いのは、ライトユーザーにとっても嬉しいはず。
しかし表裏一体として、構築費用が軒並み上がっていることも見逃せない。 しかも8弾環境は、主に最新弾カードだけで組める環境デッキというのが存在しない。 低資産のプレイヤーには優しくない弾だったのも事実である。
おわりに
DMPP-07環境では、トップメタの固定化が早かったため、デッキタイプを淡々と解説するしかなかった。 一方、今回のDMPP-08環境では、リリース後に時間が経っても、ユーザーが開発したデッキが続々と現れた。 6弾以前と同じく、時系列順でデッキの発祥を解説する形式にできたので、書いていて流れを作りやすかった。
この記事は、EXパック前に一旦畳むことにした。 シャドウバースのアディショナルパックはわずか17枚の追加だが、 デュエプレのEXパックは50枚。割と環境が変わる予感がしたからである。 EXパックも楽しみだ。