ミケガモのブログ

デュエプレのゴッドノヴァがイケてない【DMPP-22】

※著者は紙のE3期をほとんど遊んでいません。エアプの戯言、余計なお節介などがあるかもしれませんが、ご容赦を。

紙のゴッドの歴史

「ゴッド・ノヴァ」は、デュエマのE3期に登場した種族。 極神編で登場した「ゴッド」と同様、複数のカードを「リンク」させて、1枚のクリーチャーにすることができる。

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極神編で登場したゴッドは、左右のペアが(ほぼ)決まっていた。 すなわち、特定の2枚を引いて初めてゴッドリンクできるという仕組みだった。 リンクすることでカードイラストが初めて完成する仕様は革新的だった。 他TCGでイラストが連結するカードがリリースされると、未だに「ゴッドリンク」とコメントが付くほどである。

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この斬新なギミックは一方で、カード収集のときも実際のデュエルでも、相方を引けないとただ空しいだけという残念さも併せ持っていた。 「相方引けない問題」を改善するアプローチとして、極神編では「ケミプロ」のようなデュアルリンクと、五元神が登場。 そこから2年後の神化編では、4/6体ゴッドリンクが収録された。これらは、設計段階から指定リンク先を増やす試みであった。

右端と左端も繋がります。

そこからさらに4年が経ち、E3で三度登場することとなったゴッド。

ゴッド・ノヴァという種族で実装された彼らは、驚くべきことにリンク先の指定そのものが取り払われた。 「左側」「右側」「真ん中」という大雑把なカテゴリで、複数種のカードとリンクできるようになったのである。

これにより、特定のペアを引かなければ何も起きないというゴッドの欠点は克服された。 無色カードの無個性さをリンクの自由度で体現する姿は、カードデザインとしても秀逸だ。 指定のペアを完成させる達成感と引き換えにはなったが、その場で自分だけのペアを作る創造的な体験ができるようになった。

ペアを意識しなくてもよいことで、副次的に、デッキをゴッド・ノヴァで埋め尽くすこともできるようになった。 強いかどうかは別として、そこそこ合理的な理由でゴッドを大量投入できるのはワクワクする。

さらになんと、ゴッド・ノヴァは一回のデュエル中にリンクの付け替えができる仕様である。パールジャム》をはじめとする一部のゴッド・ノヴァはリンク時に誘発する能力を持っているため、再リンクにも価値がある。 これにより、試合中にゴッドを何回もリンクし直し、組み合わせによってはアドバンテージまで取れてしまうという、心躍る体験ができるのである。 基本的には左Gリンクと右Gリンクで自由度高く試合を組み立てて、終盤で切り札的に中央Gリンクを割り込ませてゲームを決める。 中央Gリンク連中がオーバーキル気味な効果を持ちがちなのは、リンク形状が同じ《ヘヴィ》《デス》《メタル》を踏襲しているのだろう。 過去のゴッドの知見も存分に生かした、夢のあるギミックだったと思う。

しかし悲しいかな、ゴッド・ノヴァは環境を動かすようなカードパワーは持っていなかった。 二度あることは三度あると言うべきか、活躍にムラがあった極神編ゴッド、ロマンにとどまった神化編ゴッドの後を追うように、E3無色ゴッドもイマイチ活躍できなかった。 メタゲーム的には失敗と認めざるを得ない。 ゴッドはこの件で見切りを付けられたのか、その後ゴッドはちびちびと供給はされど、エキスパンション丸ごとで大々的にフィーチャーされることはなかった。

それでもなお、E3無色ゴッドは紙の枠組みでの工夫が詰め込まれた素晴らしいギミックであったと自分は考えている。

デュエプレでの極神編ゴッドの躍進、神化編ゴッドの消滅

所変わって、話はデュエプレに移る。

デュエプレの極神編期にあたる8-9弾には、当時のゴッドが「ゴッドカード」として実装された。 ゴッドカード1枚からペアのどちらか好きなほうをバトルゾーンに出し、場にいる片割れが追加コストを支払って相方とリンクするという仕組みである。 これは、大変画期的かつ実用的な変更であった。 以前に記事を書いているので詳しくは省くが、ゴッドカードはデザイン面でもメタゲーム面でも大成功だったと言える。

mikegamo.hatenablog.com

ところで、ゴッドカードはある課題を抱えていた。

それは、左右1組でないゴッドに対応していないことである。 これは皮肉にも、紙の頃の「工夫されたゴッド達」、すなわちデュアルリンクや五元神などを実装しにくいことを意味する。

実際、開発班は8-9弾の時点ではこの課題に対して、明確な回答を用意できなかったようである。 デュアルリンクは仕様ごと削除され、《オービタル・アンダーワールド》が9弾に、《ケミカル・プロディジー》が20弾期に、それぞれ独立したゴッドカードとして収録された。 紙で人気だった《ヘヴィ・デス・メタル》は収録が11弾にまでもつれこみ、五元神はついに収録されなかった。

元はDM-26の同期。

特に、五元神が収録されなかったのは非常に不穏であった。

デュエプレ版ゴッドの仕様は、除去された時のテンポロスが大きいという弱点を持っている。 紙版ゴッドの仕様では、リンク中のゴッドが場を離れる場合、所有者が移動するゴッドパーツを1枚選ぶことができていた。 しかし、デュエプレ版ゴッドはリンク状態で除去をもらうと、丸ごと場を離れてしまう。除去を食らうことの損失が大きいのである。

そしてこの弱点は、リンクしているゴッドの数が多くなるほど顕著になっていく。 5体リンクで完全体となる五元神は、まさにその典型である。 《エメラルド・ファラオ》が選ばれない効果を持っているとはいえ、 《ファラオ》をリンクさせる前提でデザインすれば、リンクの多様性を奪うことになってしまう。 多数リンクが未収録となったことはすなわち、テンポロスの弱点をカバーする普遍的な方策が用意できていないということを暗示していた。

その悪い予感は見事に的中する。

神化編にあたるデュエプレ12-13弾には、神帝・神王・起源神らの4,6体ゴッドは収録されなかった。 極神編出身のゴッドカードの活躍がめざましかっただけに、神化編の彼らにも期待していたプレイヤーは多かっただろう。 しかしながら、デュエプレでは彼らに触れることすら叶わなかった。 未収録となった主因は五元神のときと同様、ゴッドの組み立て中に除去を食らった時の被害を抑える手法が考案できなかった故だと、自分は考えている。

代わりと言ってはなんだが、12弾では究極進化クリーチャーが、ゴッドカードのようにモード選択した上で成長できる「ルナティック進化」を引っ提げて登場した。 ここにゴッドの面影が部分的に再現されていると言えなくもないかもしれない。

mikegamo.hatenablog.com

デュエプレでのE3ゴッド、「中央G・リンク」

時は移ろい、デュエプレは三度目のゴッド到来のチャンス、E3期を迎えた。

極神編ゴッドの栄耀と、神化編ゴッドの消滅。

期待と不安が入り交じる中で発表されたゴッドの新システムは、デュエプレ版に仕様を改められた「中央G・リンク」だった。 一文で説明するなら、「はじめに真ん中を召喚して、その後バトルゾーンから左腕・右腕を選択して呼び出し、リンクする」というもの。 ゴッドカードにあったモード選択の風味を残しつつ、最初に出すのは真ん中で固定される仕組みだ。

youtu.be

発表された時、首を傾げた。「これ、大丈夫か……?」と。

20弾と21弾の実装後、自分も人並みにはデュエプレのゴッドノヴァを触り、ギミックへの理解を深めた。 遊んでいる中で、いくらか見方が変わった部分もある。 が、発表当時の印象は未だに払拭できていない。

自分の意見としてハッキリ言わせてもらおう。

デュエプレの中央Gリンクはイケてない。

中央Gリンクの良くない点

最も残念なポイントは、切り札的な存在であるはずの中央のゴッドを、必ず最初に出さなければならない点である。 紙の場合であれば、ゴッドを左・右とリンクさせたのち、そこに割り込ませる形でトドメに中央を置くという、 クライマックスに向かう高揚感と、完全体のゴッドを組み立てる達成感を味わうことができた。 ところが、デュエプレの中央ゴッドリンクは、はじめに置くのが「最後のピース」である。 ゲーム体験としてはやや興ざめではないだろうか。

なんで《ヨミ》から出さなきゃいけないんだ。

次に、その中央のゴッドが最初から強すぎるという欠陥がある。 これまでのゴッドは、単騎では通常クリーチャー程度のサイズで、それがリンクすることで初めて中~大型フィニッシャーになるというデザインだった。 これに対して、デュエプレでVicとして収録された2枚のゴッドノヴァは、以下のような単体スペックである。

  • 《神人類 ヨミ》:8-12000, TB, cip3ドロー
  • 《無法神類 G・イズモ》:9-12000, TB, 5以下の呪文をロック

サイズ感で言えば、これらは1体でも十分にゲームエンドを狙えるような図体をしている。 ゴッドリンクで確かにパワーアップはするが、その変化はTBがQBになったり5枚ブレイクになったりという、 スケールが大きすぎる世界でのちょろっとした成長なのである。 自分よりも非力な腕を後からくっつけてちょっぴり強くなるという動きには、どこか虚しさを感じてしまう。 これでは、リンクして強くなるというゴッドの醍醐味を味わうことができないだろう。 その点で言えば、紙ではリンクとパワーのかさ増し程度にしかならなかった《イズモ》は、逆にデュエプレの中央Gリンクとの親和性が高いと言える。

これはグッドデザイン。

さらに、紙のE3期におけるゴッドノヴァの工夫と利点がほとんど活かされていない。 左・右・中央を任意の組み合わせでリンクできるという自由度の高さおよびイラストの秀逸さは、デュエプレだとごく一部しか体験出来ない。 特に《ヨミ》《イズモ》《G・イズモ》それぞれの専属になってしまったゴッドノヴァは、その垣根を超えたリンクができなくなってしまった。 無色ゴッドを大量投入した豪快なデッキ構築は当然不可能。 リンクした時という能力も無ければ、リンクを付け替えるギミックも無い。 紙で楽しめていたことが、悉く封じられてしまっている印象がある。

紙だとリンクできる。

極めつけに、ゴッドパーツの単体運用ができなくなっている。 ゴッドカードは、手札からのプレイでは通常クリーチャーのように扱うことができた。 カードタイプがクリーチャーではないという一種の制約があるものの、使い勝手は普通のクリーチャーに近かった。 ところがデュエプレ版ゴッドノヴァは、中央Gリンクを設置しなければ左右のゴッドを出すことができない。 単体で呪文を踏み倒す動きが活用された《聖霊左神ジャスティス》、 墓地から左腕を吊って即リンクできた《悪魔右神ダフトパンク》、 恒久的にゴッドノヴァOMGトリガー化のプレッシャーを与えることのできた《精霊聖邪ライジング・サン》のように、 中央からの呼び出しのみでは勿体ない、むしろ呼び出すのではなく先にプレイしたいゴッドノヴァが多数いる。 これらのゴッドを楽しみにしていた人にとっては、とても残念な結果となってしまった。 ちなみに、《神聖斬 アシッド》に至っては、ゴッドノヴァ2体を呼び出して即リンクするという本来のデザインが閉ざされている。 問題はゴッドノヴァの内部だけにとどまらないのである。

超探索が濁ってどのみちダメという説もある。

最後に、収録枠の割に実質的なカード種類数が多いため、プレイヤーにとっては覚えるのが大変である。 20弾と21弾でゴッドノヴァに充てられた枠はわずか3枚だが、その中には驚くべきことに計17種類のカードが内包されている。 超次元カードやドラグナーは呼び出す対象が1対1, 覚醒リンクでも最大1対3だったのが、《ヨミ》《Gイズモ》は1対6である。 ただでさえ収録の周期が短いデュエプレにおいて、やたらとカードを増やして覚えにくくすると、ユーザーが振り回されてついていけなくなる可能性がある。 紙ではある程度認知されていた左右のゴッドも、デュエプレだと存在感が薄くなってしまっているのが気の毒だ。

暗記力が試される。


以上が、自分がデュエプレ版中央G・リンクの良くないと思っている点である。 腕を選択するシステムはよく頑張って実装してくれたと思うが、カードデザインそのものはあまり洗練されていないと感じる。 ゴッドカード的なモード選択にこだわった結果、かえって設計が迷走してしまったのではないか。

中央Gリンクの良い点と背景

批判ばかりではアンバランスなので、ゴッドノヴァの良い点と開発背景の考察もしてみよう。

褒めるべき点と言えば、3種類のゴッドノヴァは、どれも環境でそれなりの活躍を見せたことである。 《ヨミ》《イズモ》は【零緑ゴッド】の、《Gイズモ》は【ドロマーGイズモ】や【白緑Gイズモ】のメインカードとなり、環境ではいずれもTier2-3の立ち位置についた。 さらに、《ヨミ》は【オラクル】のサブフィニッシャー、《イズモ》は【零単】の中間カード、《Gイズモ》は【5cコン】の雑なフィニッシャーに起用された。 特に後者の用途においては、スペースを食わないフィニッシャーとして、旧来のゴッドカードに近い便利なポジションを獲得できたと言えるだろう。 ただし見方を変えれば、これはゴッドカードが既に達成していたことでもある。 既存の枠組みをなぞっているだけだという厳しい見方もできることだろう。

デュエプレ版中央Gリンクを実装するという前提であれば、《ヨミ》と《Gイズモ》についた自身のコストを軽減する効果も合理的である。 紙→デュエプレのカード能力調整において、格の高いカードはサイズダウンされない傾向が強い。 今回の《ヨミ》《Gイズモ》についても、その法則が当てはまる。 最初に出さなければならない彼らを条件付きで軽くしつつ、表記上のコストとパワーは維持して格を保とうというアプローチには納得が行く。

デザインの観点では、オラクルの最上位存在であるヨミやイズモが、ゴッドを自在に操る様子を表現できている。 紙の仕様の場合、下手をすると中央Gリンクが1枚も採用されないという構築がありえてしまう。 神人類ありきのゴッドノヴァ達であるという背景ストーリーを強調するには、中央の搭載が必須となるデュエプレの仕様は好都合である。

販売戦略的な観点では、デュエプレ版中央Gリンクの仕様は、収録枠を圧縮するという役割が大きいだろう。 デュエプレは収録枠が紙よりも少ないため、収録するカードを厳選する必要がある。 さらに18弾以降では、リバイバルのSecSRが収録されたり、VRの枠が12枚に増えたりしている。 こうした施策からは、少しでも多くのカードを収録してパックの魅力を高めたいという意図を読み取ることができる。 そんな中、もし無色ゴッドノヴァの全てを独立したカードとして収録すれば、やたらと枠を食って仕方ないのは事実である。 ゴッドノヴァは目玉となる《ヨミ》《Gイズモ》だけに集約し、他のギミックに枠を譲るというのが主な狙いだったのではないか。 そうして空いた20,21弾の枠に何が収録されているかは、各自で確認・考察してみてほしい。

デュエプレのゴッドノヴァ単体評価

《神人類 ヨミ》

総評

《インガ・ルピア》から綺麗につながる。 シンパシー:オラクルorオラクリオン により、【オラクル】でのドロソ兼サブフィニッシャーの役割もこなせる。 ただし、光臨特化の【ドロマーオラクル】にはあまり入らない印象。 採用頻度は程々だが、入れると種族デッキがぐっと引き締まるという性質は、《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》と良く似ていると感じる。(共感してもらえるだろうか?)

cip3ドローはシンプルに強力。《ヨミ》を除去されても後続が続くという点で、保険も利く。 一方で、手札を使わずに展開していくGリンクそのものとは全く噛み合わない。 《ヨミ》で一貫性のあるプレイングを取るためには、21弾収録の《ゴッド・ウォール》を引き込むのがよい。

3体リンクで寝かせれば相手のシールドブレイクを封じるが、一切の除去耐性が無いのでちょっと不安。

腕の強さ評価

強 ← → 弱

ストロークスリバティーンズ >> パールジャムダフトパンク > マッシヴアタック >>> ジャスティ

2面処理できる《ストロークス》が最強の腕。次いで、《パドンナ》などを溶かせる《リバティーンズ》が固有の役割を持てている。 《インガ・ルピア》などで軽減してこの2体を同ターンに出せば、最大8000火力を放つことができる。 相手の盤面に直接干渉できるこいつらが一つ抜けて強い印象。

リンク先が特に無い時に適当にくっつけるのが、ブーストの《パールジャム》。 右腕に《ストロークス》がいることが多いので、そこから適当に3体リンクしようとすると《パール》になるというだけ。

墓地にいいカードが落ちていれば、《ダフトパンク》も悪くない。 セイバーの《コットン》を吊る動きはちょっぴり強いが、たかが2コストの蘇生で喜んでいるのは甘い気もする。

マッシヴ・アタック》は《ヨミ》で既に3ドローしているのでちょっと微妙。

最悪なのが《ジャスティス》。《ヨミ》で3ドローした後に、山札をさらに5枚も持っていく。 軽さ目的で《パール》《マッシヴ》をリンクしたり、2体目の《ヨミ》を出して追加で3ドローしたりなどと動けば、LOは目前である。 《ヨミ》のシンパシーを活かす構築の場合、小型オラクルを沢山採用することになるので、《ジャスティス》で撃ちたい呪文がほとんど入らないのも現実。 紙では最も使われたゴッドノヴァだけに*1、この現状はなんとも哀れである。

火力系以外の4体は、いずれも戦況を組み立てる能力といえる。 マナや盤面がある程度出来上がってから《ヨミ》を出し、その後でさらにそれらを使いたいかと問われると、非常に微妙なところがある。

また、《ヨミ》の基礎パワーが12000もあるせいで、6コスト以上の腕を1つ以上くっつけてさえいれば、3体リンク時のブレイク数は5枚になってしまう。 しかも、7マナ2枚をくっつけたところで、パワーは28000で6枚ブレイクに届かない。 そのため、あえて7マナの《ジャスティス》《ダフトパンク》を選ぶ旨味が少ない。

余談

《ヨミ》のリンク先選択画面は、左右でコストの並び順が異なる。大変不親切な設計だ。

こうなった背景として、当時のCMでは《パールジャム》《ストロークス》がペアで映っていたというのがあるらしい。 が、これは紙で《パール》《マッシヴ》《ストロークス》《リバティーンズ》が全て6マナのサイクルゴッドに属していたからでもある。 《パール》《マッシヴ》のコストが下がったデュエプレでは、対応関係が変わっていることに留意したい。

《イズモ》

総評

紙ではバニラでパッとしなかったが、プレの中央Gリンクとは大変良い噛み合いを見せる。 本体が軽量のため、《インガ・ルピア》との相性もバッチリ。

4マナで置いておくと、相手の小~中型の殴りを強く牽制できる。 《ゲキメツ》や《ゼンアク》の単体を置いておく感覚と大変近い。大変デュエプレらしいゴッドである。

腕の強さ評価

強 ← → 弱

パールジャム > クラフトヴェルク = ディーヴォ > マッシヴアタック

《イズモ》の次に出して7マナを目指せる《パールジャム》が最も強い。 《クラフト・ヴェルク》に繋いで盾を仕込んでいけば、並のビートダウンは黙るしかない。

ディーヴォ》の山下送りも相当イカれたスペックなのだが、左腕の《パールジャム》と競合するため、やや出す機会に恵まれない。

最下位になってしまった《マッシヴ・アタック》だが、マナが伸びた後に手札が欲しい状況や、《ディーヴォ》の準備をしたいときには間違いなく使う。

どれがくっついても大差ない《ヨミ》と違って、腕の選択に割と頭を悩ませる。

2体リンク時は必ずWB, 5マナがくっついた3体リンクならTB, 両腕を7マナにするとぴったりQBとなる。出力のグラデーションが美しい。

《ヴェルク》《ディーヴォ》は、両方とも詰めに強い能力である。 ゲームエンドを狙う《ヨミ》と相性が良いのは、どちらかというとこっちな気もする。 《イズモ》が持っていてくれても支障はないが。

《G・イズモ》

総評

呪文ロック&場を離れない&ブロッカーで、単体の詰め性能は抜群。 メタゲーム的にはシータ基盤の《吸い込む》《リュウホ》を牽制しに来たように見えるが、 実際は《Gイズモ》が出るよりも先に《リュウホ》を撃たれるわ、《ダンシング・フィーバー》からの《ドラゴ大王》に倒されるわで、さほど直接的な抑止力にはなっていなかった。

特化構築もアリだが、ほどほどにゴッドを入れておいて7マナで召喚し、次のターンに8マナで本格的にリンクを狙っていくのが最も効率的であるように思える。 8マナあると、ビートをこてんぱんにする《マックス》か、サクッと呪文ロックする《ソニア》《ラウド》の2つの選択肢が取れるのが嬉しい。 《ヨミ》と違って小回りが利くのも、《Gイズモ》のグッドスタッフ的な採用を後押ししている。

腕の強さ評価

強 ← → 弱

マックス > サマソニア = オメガ > ラウドパーク = ビッグディアウト >>> ライジングサン

2枚盾追加&2体フリーズのイカれスペックを持つ《マックス》を最上位に置いた。

次いで、軽量かつドロソの《サマソニア》、鉄壁の《オメガ》が肩を並べている印象。 《ラウドパーク》は3体リンクを狙う数合わせ要員。

《ビッグディアウト》は、役割が似ていてより強力な《マックス》にお株を奪われがち。 《ビッグディ》を出すとブロッカーを付与できなくなることにも要注意。 ただし、7マナしか払えない状況でほぼ確実に2面処理できるのはしっかり強い。 ちゃんと実用的なのに影が薄いようで、対面している相手が《ビッグディ》の存在を忘れたプレイングをしてくることがしばしばある。

ライジング・サン》はギャグ。 紙では単体設置に価値があったのに対し、デュエプレの中央Gリンクの仕様、さらにそれに伴う自身の効果改変で、ほとんど使い道がなくなってしまった。 《Gイズモ》は他の腕の防御力が高すぎるため、余計に役割がない。

可哀想に。

余談

シークレット版は、《マックス》《Gイズモ》《オメガ》がイラスト違い、残りの4枚は通常版と同じとなっている。 どれであってもフルフレームの派手なイラストなので、あまり気にならない。

《インガ・ルピア》

ゴッドノヴァではない鳥さんだが、デュエプレのゴッドノヴァサポートを代表する1枚として紹介しておく。

紙から強化を受け、ゴッドを2軽減できるようになった。 4マナで2軽減と言えば、《キリノ》《ヴォイジャー》《チャーマジュン》《アシュライガー》などが思い浮かぶ。 《キリノ》は2体目以降の《キリノ》を軽減できるので強い。 《ヴォイジャー》はcipドローがついているので強い。 両方の性質を併せ持つ《チャーマジュン》はアホほど強く、どちらも持たない《アシュライガー》はイマイチ活躍できなかった。

《インガ・ルピア》は《アシュライガー》タイプに属すると思っていたので、自分の評価は低かった。 しかし実際は、デュエプレのゴッドカードの仕様のおかげで、軽減効果を連続で使うことができる。 次の5マナで《ヨミ》が繋がったり、2《イズモ》+3《パールジャム》というダブルアクションが取れたりするのは、間違いなくデザインのうちだろう。 中央Gリンクがゴッドカード的な性質を持ったことの恩恵を受けている。

おまけ1:収録状況の比較

E3期に中央Gリンクを持っているカードは全部で6枚あるが、デュエプレに来れているのはそのうち3枚。 デュエプレ版の仕様にするにあたって、専属となる腕の選定が難しかったのかもしれない。

ちなみに極神編期のゴッドは、デュエプレ実装済みが9対、未実装が7対。 未実装のうち5対は文明サイクルで、あとは五元神とアンコモンの象さん。 象さんは《烈流神》に変換されたと換算すれば、だいぶ頑張ってくれていたことが分かる。

劇的ビフォーアフター

おまけ2:どんな効果で実装すればよかったのか

ゴッドノヴァをどういう路線で作れば面白かったのかを妄想してみる。 自分が作るとするなら、次の条件を守りたい。

  • デッキ内にゴッドを沢山投入できるようにする。
  • リンクの組み合わせパターンを確保する。
  • 中央リンクは基本的に最後に出すが、単体で出しても多少は仕事をする。

その上でデュエプレのゴッドカードの仕様にもあやかると、こんな具合になるのではないか。

右神群も同様。オリジナルのゴッドも混ぜて、「神群」が両サイドに4-5種類くらいあると良い。

腕の性能はこんな感じで。

~~

  • 《妖精左神パールジャム+》
    • 4-2000
    • 出た時またはリンクした時、1ブースト。
    • 右または中央Gリンクを持つカードが出る時、このカードをそれにリンクし直してもよい。(←長いのでキーワード能力化)

~~

  • 《封魔左神リバティーンズ+》
    • 6-5000
    • 出た時またはリンクした時、相手1体のパワーを-3000。
    • (リンクし直し能力)

~~

問題の中央Gリンクはこんな具合で。 総じてオーバースペックに見えるかもしれないが、左右中央を別々に引き込む苦労を考えれば納得行くのではないか。

~~

  • 《イズモ+》
    • 4-3000 PB
    • 中央Gリンク
    • G・ゼロ - 場にゴッド1体以上
    • 出た時、山札からゴッドカードをランダムに1枚手札に加える。

~~

  • 《神人類 ヨミ+》
    • 7-9000 PB
    • 中央Gリンク
    • G・ゼロ - 場にリンクしているゴッド1対以上
    • 出た時、カードを2枚引く。
    • 3体でリンクかつタップしている時、自分のシールドはブレイクされない。

~~

  • 《無法神類 G・イズモ》
    • 9-12000 PB
    • 中央Gリンク
    • 召喚コストは、マナのゴッドにつき1、場の単体ゴッドにつき1、リンクゴッドにつき2少なくなる。
    • ターンに一度、マナゾーンからゴッドをプレイしてもよい。
    • 相手はコスト5以下の呪文を唱えられない。
    • 3体リンクしていれば、自分のリンクゴッドは場を離れず、相手は呪文を唱えられない。

~~

除去を受けたときの仕様は紙と同じにする。 8弾当時はテンポ重視の思想がまだ根強かったが、今となっては面倒で時間を食うカードも増えている。 離れる対象を選ぶのでも問題なかろう。

まとめ

デュエプレ8-9弾で実装されたゴッドカードは、紙のゴッドの欠点を補う良ギミックだった。 しかし、2体リンク以外のゴッドには上手く適用できない。 テンポロスという弱点を克服できなかったためか、五元神や四神などは未だ実装されていない。

20-21弾で実装されたデュエプレ版ゴッドノヴァは、ゴッドカードのギミックを部分的に取り入れた。 その結果、紙版ゴッドノヴァの工夫と利点がなくなってしまった。

ただ、ゲームバランスの観点ではある程度の成功を収めている。 この仕様が生まれた裏側には、背景ストーリーの遵守や、収録枠の圧縮という目的もあったかもしれない。

おわりに

ちょっと残念な点があるデュエプレ版ゴッドノヴァではあるが、実装された以上は付き合っていくしかない。 なるべく良いところに注目しながら、この仕様でしかできないデッキ構築を目指していきたい。

要望にはなるが、このままでは神化編ゴッドが報われないので、神帝や起源神を収録してほしい。 もっと言うと、神化編ラストの目玉であった「究極進化MAX」(究極進化クリーチャーの上に進化する)もまた収録されていないので、こちらもどうかお願いしたい。 もし収録される際には、デュエプレ版ゴッドノヴァの良し悪しをしっかり振り返って、洗練されたデザインで登場してくれると大変嬉しい。

参考

画像引用元 melkiss063.blog.fc2.com

TCGでのゴッドリンクへの言及 ameblo.jp

*1:裏付け:DMVaultのデッキ投稿数が最多