ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-18 環境考察メモ

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特に記載がない場合、デッキレシピは↓から引用している。

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ND

環境の遷移

【ターボゼニス】は新規性とゴールの明確さからリリース直後に大流行し、その後も一定の使用率を維持。

環境初期は、対応力と高出力を兼ね備えた【4cメンチ】と、 猛烈なコスト踏み倒しでフィールドを荒らしまくる【ルドルフ天門】のツートップ。 殴りが遅いこの2デッキに対し、《ババン・バン・バン》から大型裏サイキックで押し潰す【シータディメンジョン】が開拓された。

《ヘブンズ・ゲート》と《リュウセイ・ホール》により、ビートダウンは厳しく牽制された。 プレイヤーの思考は「大型同士の対決をどう制するか」が主となっていく。 すると、大型ミラーにおいてやや立ち位置の悪い【天門】は少しずつ数を減らした。

そんな中、【天門】が減った隙間に【ワイルド・ベジーズ】【青黒リバイバー】【赤白速攻】【赤緑ハンター】らのビートダウンが潜り込んだ。 依然として数の減らない《リュウセイ・ホール》を苦い顔で受け止めつつ、それぞれ固有の強みを発揮して細々と生き延びた。

環境後半には、【アナザビミラ】が開拓されて流行した。 大型ミラーはメタ要素で制しつつ、上述のビートダウン系統にも対抗できる防御力を備えている。

こうしてメタは回ったが、結局のところ総合力の高い【4cメンチ】が一番勝てる環境だったようである。

環境の特徴

デュエプレ始まって以来、過去一番のターボ環境。 象徴的なカードは《ババン・バン・バン》。 今までは末期の【5cフュージョン】、時々【青緑刃】に入っていたくらいだったのが、一気に環境カードに変身した。 【シータディメンジョン】で名乗りを上げると【4cメンチ】に輸入され、後発の【アナザビミラ】にも搭載された。 これらのミラーマッチでは、15~20マナを使い切るようにカードをプレイしまくるのが日常茶飯事であった。 「マナが伸びても手札がなければ仕方ない」問題は、《ホワグリ》《大地》やマナ爆誕リップル》からの《N・ワールド》で解決している。

ターボ中の脇の甘さとリソース問題を同時に解決するのが、リュウセイ・ホール》の基盤。 3つのモード、概ね5種類のサイキックの組み合わせで、万能とも言える対応力を持つ。 17弾中期、置きドロソ/ブーストの《パンツァー》《四つ牙》が追加されたのが躍進の一因だ。 また、トリガー&お手軽サイキック除去&手札調整の《吸い込む》も、汎用カードとして非常に多くのデッキに採用された。 この2枚に《N》とブーストカードを加えたシータ基盤は、18弾環境を支配した。

《N》を絡めた試合はしばしば長期戦になり、その中で《リュウホ》の選択や《吸い込む》の回収対象などの分岐点が無数に発生する。 プレイング難度も非常に高い環境だった。

18弾の環境デッキは、純粋にグッドスタッフ性とカードパワーで押してくる。 ビートダウンを使えば、《リュウセイ・ホール》を小型処理カードとして使われ、【天門】の《エル・ドラード》《ルドルフ》の並びに潰される。 コントロール系統は、先攻246《N》のぶん回りに圧倒され、一度制圧してもトップ《N》で状況を返される。 搦め手もカードパワーでねじ伏せられてしまうため、環境外デッキの立場はかなり悪かった。

メタカードとしては《ファンク》がよく刺さっていた。 立てておくだけで環境トップの《メンチ》完成を永久的に阻めるほか、一部のビートダウンを-1000で崩壊させられる。 《ヨーデル》がいてもサイキックを消せる《スーパーヒーロー》も強かったものの、こちらの自分のサイキックも巻き込んでしまうのがネックである。 また、ターボ環境においてはブーストを妨害できる《ジェットドリル》も悪くなかったが、《リュウホ》の3000火力モードで焼かれてしまう点、《ジェットドリル》を無理なく組み込めるデッキが少なかった点から、それほど使用率は伸びなかった。

環境の特徴として、確定除去が極端に少ないことも挙げられる。 頻出のデッキでは、【ルドルフ天門】に《デス・ゲート》(&《陰謀》)が積まれているくらいである。 この環境は、グッドスタッフ目線だと黒のカードパワーが足りていない。 黒を運用する場合、【ルドルフ天門】【MRC】のように黒を含むメインカードとそれに連なるシナジーでデッキパワーを担保するか、 【アナザビミラ】のように《ザビ・ミラ》《ファンク》といった必要なカードだけを刺すかになってしまっている。 結果、確定除去が積まれるデッキが非常に限られている。 ちなみにターボ系デッキは、《吸い込む》のバウンスや《勝利プリン》のストップで除去をごまかしている。

環境デッキ

【4cメンチ】

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【4cメンチ】は、黒抜き4cのグッドスタッフランプ。 3+1呼称は強いて言えば「白シータ」だが、白もバランスよく積まれているので定義しづらい。

主な勝ち筋は、《ヨーデル》《四つ牙》を予め立てておき、 《ホワグリ》《カチコミ》で《リュウホ》回収→《紅蓮》で《メンチ》へPSリンク、《オレドラゴン》ほかで圧殺する流れ。

シータ基盤の強さは当然として、そこに加わる《ヨーデル・ワイス》が強い。 置きブーストの《四つ牙》が高確率で残り続けるため、早い段階から継続的にアドバンテージを取れる。

デッキの成り立ちとしては、17弾の【白Nエクス】の後継にあたる。 【白Nエクス】にはいくつか欠点があったが、

  • リソースが《N》依存→《パンツァー》《四つ牙》獲得
  • 白の役割が弱い→《ヨーデル》からの《四つ牙》ルート
  • フィニッシャーの不足→《メンチ》《オレドラゴン》《覇》《悠久》獲得

のようにして、17.5-18弾の新規カードがそれを埋めている。 18弾で《覇》《悠久》などを手に入れたことで詰め性能がアップし、環境トップに上り詰めた。

【ルドルフ天門】

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【ドロマールドルフ天門】は、17弾中期に《ヘブンズ・ゲート》が再録されてからNDにやってきたコンボ&コントロール。 トリガー《ヘブンズ》による桁外れの逆転力に加え、《エル・ドラード》《ルドルフ》の2体によるゲーム破壊力が売り。 この【天門】がいる限り、まっとうなビートダウンは一生環境トップになれない。環境を規定するデッキタイプである。

チャージャーによるブーストだけでなく、《特攻ジェニー》などのハンデスで序盤を凌ぐのが従来の【天門】との違い。 18弾の《おつかい》で、さらにハンデスコンの風味が強まった。 一方、《コアクマン》も《ルドルフ》下の自爆要員として強いので一長一短。

デッキ名がミスリードだが、一番ぶっ壊れているのは性能てんこ盛りの《エル・ドラード》にほかならない。 《ルドルフ》の役割は、《エル・ドラード》に唯一欠けている除去耐性を補うこと、および勝勢時にゲームをぐちゃぐちゃにして勝ちをより確実にすることである。

環境では17弾後期から引き続き残留。高いデッキパワーで半端なデッキを足切りした。 しかし【4cメンチ】【シータディメンジョン】【アナザビミラ】は、大量ブーストから規格外の出力で《エルドラ》《ルドルフ》をねじ伏せる。 これらにはトリガーケアギミックも搭載されていることから、環境中期以降【ルドルフ天門】はやや立ち位置が悪くなった。

なお、18弾には《ヘブンズ・ゲート》と組み合わせる想定であろう「ライオネル」系統のカードが多数収録されたが、残念ながら環境では全く見かけない。14-15弾AD環境の【ドロマー天門】では定番だった、《ミルザム》《バルカディアス》《ガード・ホール》といったパワーカード群すら入っていないことも指摘しておく。

【シータディメンジョン】

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【シータディメンジョン】は、《ババン・バン・バン》で過剰ブーストしてから《永遠リュウ》《ディメンジョン・ホーン》で一気に裏《ドラヴィタ》を投げつける。一見して要求値が高いコンボに見えるが、いずれかは《大地》でも良かったり、爆誕リップル》→《N》で手札を整えたり、最悪《永遠リュウ》の全軍SAで殴り込めたりするのでさほど問題なし。

裏《ドラヴィタ》により、【4cメンチ】の《ホワグリ》《リュウホ》《吸い込む》、【ルドルフ天門】の《ヘブンズ》や《ルドルフ》のKM呪文を封殺可能。 この2デッキに強いデッキとして使用率を伸ばした。3色に収まっているため事故りにくいのも特長。

リュウホ》《クルメル》《スーパーヒーロー》があるとは言え、防御力は低め。 【シータディメンジョン】の登場によってビートダウンにも活躍の目が出てきたと考えることもできる。

【ターボゼニス】

https://twitter.com/DMHOutofservice/status/1633787208229330944?s=20

【ターボゼニス】は、ブーストからゼニスを投げつけるシンプルなランプ。 確定除去が少ない環境というのもあって、置きブーストの《ハングリー・エレガンス》が強力。 《エレガンス》の自己軽減を狙うため、アンノウンを多めに積むのが良いようだ。

最終的な環境で言えば、《ババン》召喚がほぼ必須な【シータディメンジョン】【アナザビミラ】に対しては速度勝ち可能。 【ルドルフ天門】にも《ローゼス》《ウェディング》がよく刺さる。 特定の相手にはちゃんと有利が取れていた。

しかしながら、所々に欠陥があるためにランクマ最上位を狙うのは厳しかった様子。 《リュウセイ・ホール》基盤に比べると、ブーストの過程も、ブースト後の動きも、共に単調である。 対【4cメンチ】に関して言えば、《メンチ》は9マナでリンク可能なので、ブースト対決で遅れを取る可能性もある。 守備担当の《ライオネル》がアレなせいといっては失礼かもしれないが、アグロ耐性の低さも宿命の課題。 環境を読み切って運用した猛者もいたようだが、大勢としてはゼニスの魅力に惹かれたエンジョイ勢用のデッキという印象が否めない。

ランクマガチ勢は早めに見切りをつけていたため、カラーリングすらテンプレが定まっていない。 比較的よく見るのは、《N》《クルメル》の青緑、《ヨサコイ》で軽減する白緑か。

【アナザビミラ】

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【アナザビミラ】は、ブーストと展開から《ザビ・ミラ》《死海竜》で〆るランプ。 「アナ」と言いつつ黒はほぼ《ザビ・ミラ》と《ファンク》のみで、基盤は青緑。 色マナに余裕があるため、サブプランとして《ウェディング》が1積みされている構築もよく見る。

環境的に《ファンク》のメタ性能が高いこと、 実質2色基盤のため動きが非常に安定していること、 立ち回りにサイキックや大型を使わないため《吸い込む》を食らっても損害が小さいことなどが特長である。

前身は16-17弾の【トリーヴァザビミラ】、および17弾の【青緑刃tザビミラ】。 前者は《デストラーデ》、後者は《刃》が、防御と展開を同時に狙うキーカードだった。 しかし、今環境は殴り合いが少ないため、防御力は多少下げても問題ない。 《ファンク》で【赤白速攻】【青黒リバイバー】に致命傷を与えればあとは《クルメル》で十分というのが、このデッキの回答である。

【ワイルド・ベジーズ】

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【ワイルド・ベジーズ】は、《ドン・グリル》を主軸にしたビートダウン。通称「野菜」。 タッチ青、タッチ白、緑単などの構築が見られる。

テーマと言うには18弾のベジーズ収録数は少なめだったが、結局は《カクタス》の探索安定化のために搭載種類を削りたいことを考えると、この収録内容で概ね問題なかった。

《ドン・グリル》自体はナーフ前《ツヴァイ》に鼻で笑われるスペックである。しかし、《カクタス》のサーチ、《ゴーヤマ》の展開力、《ゴスティーヌ》のリソース補充があるおかげで、デッキ全体として見ればちゃんと固有の強みを持っている。デッキの性質としては【ツヴァイ】と【ジャイアント】の間を取ったようなイメージ。

主流の除去が《吸い込む》ゆえ《ドン・グリル》が止まりにくい、《ゴーヤマ》《ゴスティーヌ》の5000ラインが地味に強い、ビートダウンへのガードが下がっているなどの点で、実は環境的に立ち位置が良かったりする。【天門】だけはどうあがいても絶望のため、そこだけ割り切る。

以下は既存デッキなので簡単に。

【赤白速攻】

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《クルト》の相互互換、《ラプソディ》が収録されたことで速度アップ。 環境の隙間を縫うように戦果を上げている。

【青黒リバイバー】

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《ゴーゴンシャック》に加え、《バトウ・ショルダー》で呪文メタ要素が豊富になった。

【赤緑ハンター】

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《トイプーちゃん》が新戦力。 速さは相変わらず一級品だが、《ファンク》のせいで《激竜王》《星竜王》が狙いにくくなったのは向かい風。

【ドロマーエイリアン】

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ブースト《N》も《リュウホ》もキツすぎるはずなのに、地味に戦績がいいようである。 《ファンク》を組み込みやすいこと、早出し《ガガアルカ》が今でも強いことが勝因?

【MRC】

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強化要素、スタン落ち等は特になし。 デッキ強度としては未だに最強クラスなのだが、そろそろ飽きられたのか使用者が激減している。 真面目に考察すると、《N》採用デッキと頻繁に遭遇するのがキツい……のかもしれない。 露骨なメタとして収録された《流離鬼流院》は誰も使ってない。

その他

18弾テーマでは、「赤黒ヒューマノイド」は環境と非環境の境目をさまよっている。 「ドラゴン・ゾンビ」「ボルメテウス」「ライオネル」はガチ環境に進出できていない。

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【赤黒ヒューマノイド】ビートの人権を取り戻そう【デュエプレ】 |クアルト

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環境俯瞰

ND環境に

  • 【白/黒ブリザード
  • 【バルガライゾウ】
  • 【黒緑速攻】
  • 【プレキリ/キリコ】

を混ぜたような環境。

NDに比べると相対的に《N》の採用率が低いため、【MRC】も動きやすいようである。

環境デッキ

【バルガライゾウ】

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18弾の強化要素は、《覇》《悠久》《ミツルギブースト》。 ここまでドラゴンのレパートリーが増えると、もはや構築にも頭を悩ませる。

19弾には強化パーツが収録されすぎている。 《バルガライゾウ》の片翼がもがれる日もそう遠くない。

【シータプレキリ】

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《プレキリ》の収録された17弾中期から活躍。 《ギフト》が使えるADが主戦場である。 8マナで 5《ラリコ》《ギフト》→3《プレキリ》が狙える。

スノーフェアリー

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相変わらず使用率トップ。 《ソラコ》《サプホ》を入れる白型、《ザビ・ミラ》で〆る黒型が主流。実は緑単や青型もある。 デッキパワーは圧倒的なものの、《リュウセイ・ホール》基盤のデッキが増えたことで、そこから出てくる《勝利リュウセイ》に苦しめられることも多い。ビート同士の殴り合いが減ったにつき、遅いデッキを確実に潰せる黒型にシフトしているか。

【黒緑速攻】

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まあ強い。

その他

《ミルザム》《バルカディアス》を積んだ旧型の【ドロマー天門】は、ほぼ【ルドルフ天門】に席を奪われた。

【ガントラビート】は《勝利ガイアール》もあってほぼ絶滅している。

【5cフュージョン】は《HDM》が《オレドラゴン》にパワー負けするため、「撃てば勝ち」ではなくなっている。

早出し《マーキュリー》の刺さりがいいらしい。

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【5cアヴァコン】や【アヴァ入り4cメンチ】など、《アヴァラルド公》もパワーカード。

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参考

beans-duelplays.com

beans-duelplays.com

おわりに

18弾環境初期のADランクマで《GOLDEN》ばかり使っていたせいで、全体的にスケジュールが遅れてしまった。 とりあえずライオネルカップのADはマスターに上げたので、NDも早めに上げておきたい……。