はじめに
紙とは大幅な仕様変更がされたので、デュエプレのゴッドカードに対する所感や感想をミケガモさん考察文を交えてぜひ拝見してみたいです。
https://odaibako.net/detail/request/cacae120-609c-46e4-8aa1-294e217e632f
後でも何度となく主張するが、ゴッドカードは本当に良くできたシステムである。 ここではその魅力を、余すところなく伝えたい。
↓ 進化GVの考察
デュエプレのゴッドカードとは
ゴッドカードとは、クリーチャー・呪文に次ぐ第3のカードタイプである。
ゴッドカードを使うと、そのカードに書いてあるゴッドクリーチャーのいずれか1体を選んで、クリーチャーとして召喚することができる。
メインフェイズ中、未リンク状態で場にいる自分のゴッドクリーチャーをタッチすると、「G・リンク」ボタンが表示される。 これを押すと、対応する相方のゴッドを、コストを支払って召喚することができる。
ゴッドカードを手札からプレイするとき、およびG・リンクを発動するときのいずれも、 召喚しようとするゴッドのコストを支払う。 このとき、召喚しようとするゴッドの文明がマナゾーンで開放されている必要がある。
G・リンクしたクリーチャーは召喚酔いしない。「進化速攻」と同じく、1ターンに2体揃えると「リンク速攻」ができる。
ゴッドカードがバトルゾーンを離れるときは、リンクしているかどうかにかかわらず、1枚のゴッドカードに戻ってゾーンを移動する。
ゴッドカードは、書かれているゴッドクリーチャーすべての文明を持つカードとして扱う。
リンク後の姿は新規イラストで描かれているが、 ゴッドカードプレイ時の選択画面やリンク時の演出では、カード単体を横並びにしたイラストを見ることができる。
ゲームデザインとしては
「DCGらしい」形に
ゴッドカードの"スイッチ仕様"は、DCGの特色を活かしたギミックである。 DCGだからこそできるシステムに挑戦してくれるのは良いことだ。
G・リンクが呼び出し形式になったのも朗報である。 対戦中、ゴッドの片割れしか引けずにイライラする……といったことはなくなる。 確定山札サーチができないデュエプレでは、こうしないと本当にリンクできなくなってしまうところだった。 呼び出し形式によって、G・リンクというプレイ体験をストレスなく味わうことができる。
バトルゾーンを離れるときの仕様も、テンポよくかつ分かりやすくゲームを進める上で重要である。 紙版では、リンク中に場を離れるときは、どちらのカードを移動させるかを選択できた。 DCG版でこれをやろうとすると、選んだカードが「場を離れる」のか「場に残る」のかが、 直感的に分かりづらくなっていた可能性が高い。*1 また、場に出すのが基本的に自分のターンであるのに対し、場を離れるのは相手ターンであることが多い。 非ターンプレイヤーの思考が割り込むカードタイプが増えるのは、 対戦時間を短くしたい運営にとっては望ましくないだろう。 1枚のゴッドカードとして場を離れるという仕様のおかげで、スムーズなプレイが可能になっている。
目玉カードになれる
対戦中の要素ではないが、ゴッドカードをスーパーレアとして収録しやすくなったのも、 運営としては都合の良いことである。 紙版だと、スーパーレアのゴッドは極端に少ない。 2種類以上のカードを組み合わせるのが前提のゴッドは、 集めやすさの点からなかなかスーパーレアに設定できなかったのだと推測できる。
その点、デュエプレ仕様のゴッドは1枚で機能するため、気兼ねなくスーパーレアにできる。 目玉ギミックをトップSRに設定するという、紙版では惜しくもできなかった販促方法を取れるようになった。
対戦指向では
プレイの幅が広がる
ゴッドは状況に応じて好きな方をプレイできるので、プレイングの幅を広げてくれる。 左右でマナコストが同じゴッドは、まさに選択の マナコストの異なるゴッドは、基本的にマナカーブに従うことが多くなる。
紙版に比べて取れる戦術が減りがちなデュエプレにおいては、貴重な存在だと言える。
デッキスペースを食わなくなった
ゴッドは、リンクして初めて機能するものがほとんどである。 本家DMで2体リンクのゴッドをデッキを組む場合、両方のゴッドを3~4枚ずつ入れるのが標準であった。 普通のキーカード以上にデッキスペースを取る都合上、そのデッキは自ずと、そのゴッドを主軸に据えた形になる。 《ヘヴィメタル》のような汎用性の高いゴッドでさえ、 コントロールに投入するとデッキタイプが【ヘヴィメタル】と書かれるくらいだった。
デュエプレのゴッドは、通常のカードと同じくデッキスペースが4枚で済む。 紙の頃はデッキコンセプトにせざるを得なかったゴッドだが、デュエプレでは必ずしもその必要が無くなっている。
この自由度の高さは、デュエプレでリメイクされた五王(のうち《スターマン》《ナーガ》《ペガサス》の3体)に近いものがある。 色々な構築で運用できるというのは、デッキ構築が好きな人にはたまらない。
クリーチャーではないことの良し悪し
墓地回収や踏み倒しのことを考えると、最も扱いやすいカードタイプはクリーチャーである。 ゴッドカードはクリーチャーサポートの恩恵を受けにくくなってしまったため、この点では紙版よりも弱体化してしまった。
例えば、ゴッドカードを直接墓地回収できるカードは、DMPP-08時点では存在しない。 《キキカイカイ》のようなシステムクリーチャーゴッドをメインに据えたデッキを組む場合、 除去を連打された際にコンセプトが崩壊しかねない。
しかし、デュエプレならではの事情により、クリーチャーでないことがメリットに働く場合がある。 それは、探索を代表とするランダムサーチカードを採用するデッキだ。
欲しいカードを探索で持ってくる確率を上げるには、デッキに入れるクリーチャー種類数を抑えなければならない。 その一方で、クリーチャーを少なくするとゲームに勝てなくなってしまう。 このジレンマは、探索を活かしたコンボデッキを組むときに特に悩ましい問題だった。
そんな悩みを解決してくれるのが、非クリーチャーでありながらバトルゾーンにクリーチャーを出せるゴッドカードである。 クリーチャー探索の精度を上げつつ、パンチャーを確保。 リンク後のゴッドはどれも比較的高パワーなため、攻め手不足に困っていたコンボデッキには持って来いである。
今まで構築に無理を強いられていた一部のデッキは、ゴッドカードによって新たな活路を与えられた。
テンポロスが怖い
ここまで褒めちぎってきたゴッドカードの仕様にも、紙版にはない明確な弱点がある。 それは、除去されたときのテンポアドバンテージのロスである。
リンク中に除去を受けたとき、紙版では構成ゴッドのうち1枚が場から離れるだけで済んでいたのが、 デュエプレではまとめて吹き飛ばされてしまうようになった。
カードアドバンテージは、実質1:1交換なので五分。 しかし、払っているコストは、ゴッド側が倍かそれ以上である。 特に、《封魔バルゾー》などのバウンスや、《魂と記憶の盾》といった軽量除去は非常に厄介だ。
同じく2体分のコストを払う進化クリーチャーだと、 進化元は2~3マナの軽量クリーチャーであることが多いため、ゴッドと比べるとテンポロスは多少マシ。 進化速攻はリンク速攻よりも必要マナが少なくて済むため、バウンスへの耐性は進化速攻の方が高い。 また、進化クリーチャーは、《魂と記憶の盾》《蛇魂王ナーガ》のような非進化指定の除去からも守られている。
ゴッドを使う側は、リンクしたゴッドに確定除去を撃たれても問題ないような状況を作るのが望ましい。 ゴッドを使われる側には、1体の時点で早めに除去するか、あえてリンクさせてから除去するかという駆け引きが生まれている。
ひとまとめ
1対のゴッドが1枚のカードに圧縮されたことで、構築やプレイングの自由度が高くなった。 デュエプレでは初めての「クリーチャーでないアタッカー」という点も、色々な示唆に富んでいる。 総じて、遊び方の幅を広げてくれる優良カードだと言える。
DMPP-08ゴッドの解説
ここからは、8弾に収録されているゴッドたちに対して簡単にコメントを付けていく。
《竜極神》
DMPP-08最強のゴッド。
《ゲキ》のコスト4以下蘇生、《メツ》の2000火力は、どちらも優秀な能力。 どちらも単体だと腐る場面があるかもしれないが、選択式なので有効なほうを優先して使えば問題ない。
リンク後の21000, Q・ブレイカーというサイズは、フィニッシャーとして文句なし。 相手プレイヤーに向かって殴れば、2ランデス&6000以下1体破壊(or手札全破壊)で、 3枚分のカードアドバンテージを取れる。 Q・ブレイカーで一気に4枚のカードを相手に与えてしまうのを帳消しにできる。
凄いのは、これをたった1枚のデッキスロットで実現できているということ。
【クローシスゲキメツ】のように《ゲキメツ》をメインフィニッシャーに据えるコントロールは勿論、 【5c天門】【アガピトス天門】【赤黒ドラゴン】【クローシスドルバロム】と、採用されるデッキは多岐にわたる。
《G・A・E》
手札を1枚増やしながら、除去耐性持ちのアタッカーを用意できる。 9000のW・ブレイカーは絶妙なサイズ感。 コイツだけで殴り切るのは難しいが、サブアタッカーとしては十分合格だ。 デッキを回しつつ、決定力を補完できるのがナイスである。
《ペガサス》で持ってこれるのが緑呪文というのがちょっとしょっぱい。 構築の完成度を上げるには、ここに価値を見出せるようにしておくと良いだろう。
《邪道外道神》
意地悪プレイヤーが好むコントロールカード。 《コマンダー・テクノバスター》と組ませたドローロックが有名。 《テクノバスター》と組まずとも、結構面倒くさいカードである。
ハンデス効果は自分がカードを引いたときに初めて発動するので、 低マナで出すと効果を使えるのが次の自分のターンの初めになる。 すぐに殴るカードでもないため、場に出してから働き始めるまでにラグがあるのが欠点。
個人的に、クローシス系のコントロールデッキに、ブロッカーの《キキ》を無理なく採用できるのが大きいと思っている。
《炎地武神》
シンプルなアタッカー。 ブロッカー破壊がスカった場合、コイツでアドバンテージを取ることは一切できない。 15000のT・ブレイカーであることを活かせる構築が良いと思う。
《金剛修羅王》
《修羅王ガラサラマ》は紙からコストが減ってマナカーブが良くなっている。
今のところ、cipも除去耐性も持たない唯一のゴッドである。 リンク後の能力も淡泊かつ、攻撃しないとアドバンテージを稼げないと来ている。
他と比べるとちょっと見劣りするものの、ゴッドカードとしての強さがあるため、ほどほどには強い。 4マナで《ガナストラ》を置くと、8000以下のアタッカーを強く牽制できる。
まとめ
ゴッドのシステムは、個人的に非常に高く評価している。
今出ているゴッドは、DM-24までに出た2色以下のゴッドのみ。 DM-25には《オットー&ドッコイ》サイクルの3色ゴッド、 DM-26には《ゼン&アク》、《ケミカル&プロティジー》ペアの4色ゴッド、 DM-27には《五元神》の5色ゴッドが控えている。
今後の展開もとても楽しみだ。
*1:トライ・G・リンクなどを考えると、離れるゴッドを選ぶ仕様になるだろう