ミケガモのブログ

第6回デッキビルド杯 レビュー【デュエプレ】【DMPP-14】

少し遅くなったが、14弾のデッキビルド杯のレビューをしていく。

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入賞作品

1.『百獣王無双』

サムライ×モンスターの組み合わせが多いことに注目。 トリガー獣のモンスターも多いので、それを仕込める《アスラ》もいい感じ。 《ミリオンデス》でマナを飛ばした後も、《マッハアーマー》のコスト減&SA化のおかげでトップ勝負に持ち込める。

《ミリオンデス》と《ムラサメ》は確かに相性が良い。 しかし、《ミリオンデス》→《ムラサメ》の順で出すのは手札・マナのリソース的な問題で意外と難しい。 どちらかというと、メインギミックにはこだわらず、デッキの至るところに張り巡らされた細かいシナジーを組み合わせて立ち回れるのがよくできていると思った。

こういうデッキが「見た目の割に意外と回る」という風に価値観をアップデートする必要がある。

2.『サイキックサバイバー』

デッキ愛を感じるコメント。紙でのサバイバーはデュエプレよりずっと弱かったが、それでも愛用していたと考えると相当な猛者である。

《エクストラ・ホール》が間接的な墓地回収になるので、《グレイブ・ワーム》を含む黒が要らない。 《ドラヴィタ》《ジャパン》と相性の良い《オービス》は4枚。 一方の《ムー》は、おそらくスペースの都合でカットされている。

めちゃくちゃリソースが取れるし、《エクホ》で墓地回収&アウトケアもバッチリ。 ミケガモの好みにどストライク。

3.『退く退く独裁者』

読み方は多分「どくどくどくさいしゃ」。

後述するが、デッキ外にドリームメイトを用意できるようになった《パンダネルラ》は今回の注目カード。 《ボルパンサー》が確定で出せる……などと考えるのが普通だが、このデッキは違う。

14弾で登場したマーシャル・タッチには、なぜかドリームメイトが2種ある(同種族で共通のキーワード能力を持つカードが複数枚あるのは珍しい)。 さらにマーシャル・タッチとの相性が良く、《パンダネルラ》の次に出せる《ケロディ・フロッグ》。 超次元の《ジョン》まで入れて、新弾要素をふんだんに盛り込んだ美味しい構築になっている。

そしてデッキコメントにあるように、

《ケロディ》→リクルートの赤マーシャル・タッチ

という動きを繰り返すと、《ヤヌス》のループ覚醒をぶんぶんできるというギミックまで備えている。レシピを見ただけでは気付かなかった。

4.『絢爛ダ・ヴィンチ

オーソドックスな【ジャイアント】を、《絢爛の超人》《ダヴィンチ》でアレンジ。 こういうタイプのデッキが入賞するのは珍しい。

運営からのコメントにもあるように、《カンクロウ》が《ダヴィンチ》のおかげで腐りにくくなっているのが良い。《カンクロウ》は一見するとゴッドと大型サイキックへのメタカードだが、実は種族が3つとも優秀なので、これに限らずいろいろな使い方ができる。

前回も《ゼノン・ダヴィンチ》が入賞していたところを見るに、運営に重度のダヴィンチャーがいる。

ピックアップ

投稿作品の中から面白いと思ったものを拾ってみた。 毎度ながら数を絞るのが大変。 自分のお気に入りフォルダには今回だけで40デッキ以上の画像が保存されている。

『激流ペガサス』

《ペガサス》から《ホーガン》を発射。シンプルだけど、それが妙に心に響いた。 そのまま第二の《ペガサス》に繋いでいけたら素敵。 《ペガサス》はデッキ内のクリーチャー数を減らすように調整するのが筋だったので、 脳内で《ホーガン》と結びつきにくくなっていた気がする。

連鎖率を上げたいので、改造するなら《ヘブンズ》《ナチュトラ》は抜いちゃうかも。

《アガピ》で《テルス・ルース》をデッキから引っこ抜くと、《ペガサス》のみならず《ホーガン》のヒット率も上がるという小ネタがある。

『セゴタ三四郎

無限ループでシールドを全てブレイクする変態デッキ。

暇な人はどうループするのか考えてみてほしい。 ヒントは《無敵死神ヘックスペイン》の種族。

強いのか、決まるかといった思考から入ってしまう自分とは全く別次元にいる。 まさしく天才の仕事である。

KICK THE CAN CREW

マッドネス×《カンクロウ》。 《バビロニア》《リップ・ウォッピー》《グールジェネレイド》など、カード間のシナジーに無限の可能性を感じずにはいられない。

ガチ思考で改造する場合に確実に言えるのは、《カンクロウ》用の《ガミラタール》は絶対に要らないということ。

『人形劇の終"焉"』

《エンドレス・パペット》×《ブラック・ガンヴィート》。 攻撃時にオールハンデスし、その後自分だけドローできる。 《ブラック・ガンヴィート》と効果面で噛み合っている《ダーク・ジオス》を引き込もう。

《バロール》のチョイスが◎。 《ガンヴィート》を保護しながら《エンパペ》の進化元にもなれる。

環境考察

※デッキ・カードのあとの(X)は投稿数(変態構築含む)。ただし分類は超適当なので参考までに。

応募総数697個。

14弾では、「ホーリー・フィールド」「連鎖」「返霊」「マーシャル・タッチ」「マナ爆誕」というキーワード能力が五文明それぞれに配られた。 どれも魅力的な能力ではあったが、

  • 同じキーワード能力で固めると役割を食い合いがち
  • 各能力のエースが目立ちすぎていて、他のカードに立場がない

という困ったさんたちでもあった。こんなヤツらがパックの大半を占めているので、個人的にデッキ構築に苦労させられる弾だった。

これらのキーワード能力をフル活用したテーマデッキとしては、14弾のソリティアブラザーズである 【シロガシラ・ジュカイ】(23)【トワイライトΣ】(17)が目立った。

一方それを横目に、紙時代から人気の【ホーガン】(30)、実はガチカードだったデストラーデ】(47)はさらに人気を稼いだ。 《ホーガン》も《デストラーデ》も、キーワード能力に縛られない自由度の高さを持ったカードである。 下準備がいらなくてデメリットもない、しかも成功の見返りがわかりやすい連鎖は、他のキーワード能力よりもデッキが組みやすかった様子。 ちなみに《デストラーデ》は、連鎖対象かつそのまま進化できる《シデン・ギャラクシー》と組ませた構築が多数見られた。

14弾のもう一つの目玉といえば、超次元ゾーンの充実。 超次元を主体としたグッドスタッフ構築、超次元ビート(18)超次元コントロール(9)以外にも、 超次元ギミックを活用したデッキは数多く投稿された。

超次元系統で最も投稿が多かったのは【ディメンジョン・ホーン】(35)。 多くは《ババン・バン・バン》と組み合わせる準デザイナーズコンボで、大型サイキックを呼び出すもの(公式のサンプルレシピもこれ)。 ダイナミックな踏み倒しはいつの時代も人気である。 せっかく《ババン》を入れるならと、《バイオレンス・フュージョン》との二刀流もかなりメジャーの様子。 一方で《ババン》を積まず、7~8マナ付近で《ディメンジョン・ホーン》を起動する構築も意外とあった。

超次元の拡充を待ち望んでいたかのように投稿数を伸ばした既存デッキタイプもある。

まずは【ザガーン】(33)。 5マナホールから小型サイキックを2体ばらまく動きで、《ZAGAAN》の生贄を用意しやすくなった。 また、サイキックの《シュヴァル》は、デーモン・コマンドが必然的に複数体並ぶこのデッキにおいては容易に覚醒する。 《アスファル》を破壊して《シュヴァル》を呼ぶのは、もはや《ZAGAAN》のためのデザイナーズコンボにすら見えてくる。 個人的には5→7と繋ぐ《フェアリー・ホール》ほぼ一択だろうと決めつけていたが、実際には黒単や青黒など、緑を入れない構築もたくさんあった。

次に【マーシャル・クイーン】(24)。 トリガーかつ進化元を用意できる《サプライズ・ホール》×《マティーニ》は、このデッキが最も欲しかったギミックである。 《サプホ》から《シンカイヤヌス》と赤クリーチャーを同時出しして、SAを複数投げつける動きも可能になった。 《ポン吉》《ベルアリタ》ら、新参のトリガークリーチャーも個性派揃いである。 応募期間のときはトリガーWBの《腐毒の幻ハンゾウ》も革命児だったんだけど、今ではもう……。

《キル》で赤クリーチャーを用意できるようになった【ゼロフェニ】(5)も見られた。 このアイデアは紙の頃、赤クリーチャーが全体的に貧弱すぎたために【ゼロフェニ】界隈で《キル》が大歓迎された歴史をなぞっているんだと思っている。 デュエプレでは《ジャック・アルカディアス》《ボルシャリオ》など、非常にグッドスタッフ性の高い赤クリーチャーが既に登場しているのだが。

前回は《ジャパン》と組ませた白緑のエンジェルが多かったが、 今回は《ドラヴィタ》の影響を受けた赤白のエンジェルが多く見られた。 もっとも、《ドラヴィタ》は【アポロヌス】や【ボルフェウス】のサブプランになったり、【XX】や【NEX】と基盤が一部共通しているところがある。 一つのデッキタイプとしては括れないほど活躍の幅が広い。

そのほか超次元に着目したデッキタイプは、

  • デッキ内に積まなくて良い《ジョン》を進化元にし、踏み倒し先を充実させる【ビッグバン】(7)および【パンダ】(4)
  • 超次元呪文の整備と比例するかのように投稿が増えた【アレクサンドル】(8)

などがあった。

諸々の裏で今回大躍進を遂げたのが、【キリン・レガシー】(13)。 連鎖で大量展開できる《デストラーデ》、赤・青のクリーチャーを召喚しまくると美味しい《ヤヌス》、マナ爆誕で召喚を稼げる《陰陽の舞》。 基本的に単色推しの弾だったにも関わらず、多数の強化パーツをもらったことでビルダーたちを沼に引きずり込んだ。 ちなみに、《キリン》のプロが最も見込んだカードは《シルヴェスタ・V・ソード》だったようである。

マイナーどころだと、《陰陽の舞》で《鼓舞の化身》の効果起動を狙う【ビーストフォーク】(4)も良いアイデアだと思った。

そのほか新弾カードでは

  • ビルド欲を掻き立てる【ミリオンデス】(17)
  • 構築が白単に引っ張られる【ファイブスター】(12)
  • 数は少なめだがどれも個性的な構築の【ブラック・ガンヴィート】(8)

が人気だった。

それはそうと、ガチデッキ、テンプレデッキの姿が見えない。 前環境から環境上位に君臨する【Bロマ】(4), 【キリコ】(2)が少ないのは理解もできるが、 今弾で強化要素のある【バルガライゾウ】(3)【ツヴァイ】(2)ですらほとんど投稿されていないのは逆に不気味。 どこかこじらせた人ばかりが集うイベントになってきたか。

おわりに

今回も「裏デッキビルド杯 #1」の観戦配信をさせてもらったので、 よければアーカイブを見てほしい。 こっちも詳細にレビューするつもりだったのだが、キャパオーバーになりそうなので今回はパスかも。

youtu.be

大会入賞デッキはこちらのアカウントで紹介されているので、ぜひチェックを。