ミケガモのブログ

超次元はデュエプレを壊したか【DMPP-15】

んなわけねーだろ(タイトル)。

はじめに

冒頭に書くのもちゃんちゃらおかしな話だが、まずは以下の記事を読んで、覚醒編の歴史を学ぶorおさらいしていただきたい。

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正直自分も、覚醒編に関しては負の思い出が強く残っている。 インフレに次ぐインフレにより、新規カードとそれ以外の格差がみるみる開いていった当時のカードプール。 古いカードやマイナーカードが好きな自分としては、プレイしていてとても辛かった。

時は変わって2022年、デュエプレではDMPP-13でついに「超次元ゾーン」が実装された。 デュエマ史における一つの転換点となったギミックは、デュエプレで一体どのようなポジションに収まったのだろうか。

紙での超次元

「超次元ゾーン」は、紙の覚醒編で初登場したギミック。 遊戯王では既に導入されていたエクストラデッキがついにデュエマにも導入されたといった感じだった。 「デッキが40枚だけで遊べる」という古来デュエマのこだわりが、初めて捨て去られた瞬間である。

同時に、超次元ギミックはそれまでのデュエマと隔絶的なカードパワーを持っていた。 旧来のコスト論を強烈にぶち破り、環境は瞬く間に超次元一色に染まっていった。 さらに覚醒編は、強いカードに対してさらに強いカードを被せるという、「恥の上塗り」方式でインフレを加速させていった。 最たる例は《チャクラ》←《GENJI》←《ディアボロス》。 あまりの露骨さとインフレ具合に、当時の自分もほとほと呆れていた。

それまでと隔たりが大きすぎるエキスパンションだったため、本格的に遊んでいるプレイヤーからは受けが悪かった。 パック売上は減少し、勝太編への移行を前にして見切りをつける人も多かった。

デュエプレでの超次元

"ちょうどよい"強さ

デュエプレのサイキックの大多数は、紙版から強化も弱体化もされず、そのままの効果で収録されている。 一部効果が追加・変更されているものはあるが、主要なサイキックはほとんど紙と同じスペックだ。 普通のカードがデュエプレに来る際は何かしら調整を施されること多い中、これは異例の事態である。

シールドを焼く必要がなくなった。

紙で大暴れしたサイキックたちを、そのままデュエプレにリリースして良いのだろうか?

……そんな心配は、全くの杞憂である。

デュエプレはカードプールこそ「古いデュエマ」でやってきたが、実際のカードパワーは新世代だ。 3弾の《ダイヤモンド・ブリザード》《神滅竜騎ガルザーク》からインフレの片鱗を見せ始め*1、 4弾のウェーブストライカー、6弾の《クリスタル・ツヴァイランサー》、8弾の《竜極神ゲキメツ》など、魔改造によって元環境の標準的パワーを逸脱する例は早くからあった。 直近だと、《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》《暗黒皇グレイテスト・シーザー》《超天星バルガライゾウ》《大邪眼B・ロマノフ》などは、 紙版から強化を貰ってデュエプレ環境に馴染んだカードである。 さらに覚醒編からの収録カードを見ても、紙で環境クラスだったにも関わらず強化された《爆竜 GENJI・XX》、 地味カードからぶっ壊れ手前まで超変身した《龍聖大河・L・デストラーデ》など、「サイキックとそれ以外の格差」を埋める努力がなされている。

自分で《HELL》を落として撃てるようになった。

際限なくシールドが増えるようになった。

このようにインフレが進んだデュエプレにおいて、相対的に超次元ギミックは「弱く」なった。 超次元のスペックだけがおかしかった紙デュエマと違って、周りのカードとのパワーバランスはまあまあ保たれている。 むしろ超次元カードをそのまま実装するのを目標に、インフレを早くから推し進めてきたと解釈できるかもしれない。

とは言ったものの、超次元ギミックの絶対的なカードパワーは確かなものである。 通常カードに比べ、コストパフォーマンスにおいて大きく秀でていることに変わりはない。

デュエプレの超次元は周りとバランスの取れた強さになった。 これに加え、超次元の仕組みや強さを紙デュエマで予習しているプレイヤーが相当数いるので、ユーザー全体がデュエプレの超次元に拒否反応を示すことは無い。 こういった要素が重なって、超次元は概ね問題なく受け入れられているように思う。

カジュアル含むデッキ構築

デュエプレにおいても、超次元がデッキ構築にもたらした影響は大きい。 5マナの超次元呪文たちは、それまで不足気味だった中コスト帯の汎用パーツとしてデッキインフラを整備した。 さらにそこから出てくるサイキックにより、デッキのフィニッシュ力も補強される。 超次元との融和は、たとえそれがカジュアルデッキであっても、構築の完成度を高めてくれる。

カードとしての性質は、デュエプレオリジナルギミックの「ゴッドカード」と共通するものがある。 プレイに選択肢が生まれる点、汎用フィニッシャーになりうる点。 非クリーチャーでありながら打点になるため、クリーチャー種類を絞りたい構築(【アカシック・サード】など)のサブプランになる点も共通だ。 他方、超次元はデッキ回転率や要素補完にも有用と来ている。 扱いやすさまで含めれば、超次元はゴッドカード以上の使い勝手である。

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ただし、基本的に単色のため色基盤になりにくい点、公開情報である超次元ゾーンからデッキの中身が透けうる点には注意したい。 呪文メタや踏み倒しメタにもほんのり気を配るべきだろう(紙の頃ほど苛烈ではないが)。 15弾には呪文にも反応するように強化された《百発人形マグナム》が収録され、少し話題になった。

むしろ元のはなんだったの?

紙の頃と同様の悩み、すなわち、超次元を取り込めないデッキは肩身が狭い、あるいは超次元にデッキを乗っ取られそうになるといった事態は起こりうる。 しかし相対的にではあるが、特にマイナーデッキにとって超次元ギミックのありがたみは、紙時代より増しているのではないかと思う。 というのも、デュエプレのインフレは特定のデザイナーズテーマが猛威を振るうパターンが多く、マイナーデッキがパワーカードを摂取できる機会は貴重だからだ。 乗っ取られが怖くても、「出てくるサイキックまで含めてデッキ基盤」と割り切って超次元との融和を考えるほうが、構築は上手くいくはず。

基本カード。

……冷静になると、こういう考えになるのはデュエプレのインフレに慣らされているからかもしれない。 本来なら紙の頃と同様、超次元のとんでもないカードパワーに打ちひしがれ、マイナーカードを使う意義を見失ってもおかしくないはずだ。 にもかかわらず(自分が)そうならないのは、中堅およびマイナーデッキたちがデザイナーズの圧倒的な強さに絶望する光景を何度も目の当たりにしてきたゆえだろう。 過酷な環境への適応と諦めは既に済ませてある。 その覚悟さえしておけば、超次元の到来はむしろありがたくさえ思えるのだ。

それと、産廃レベルのどうしようもないカードは、そもそもデュエプレには収録されないというのもあるのだが……。まあそっちはいいや。

どうしようもないカード代表。

環境とプレイ体験

超次元ギミックがリリースされて以降、正統派のコントロールが環境入りするようになった。*2 コントロールは1戦にかかる時間が長いため、ソシャゲ運営としては流行らせたくないアーキタイプである。 実際デュエプレ史において、グッドスタッフカードの充実によってコントロールデッキが強くなるのはかなり珍しいことだ。 にもかかわらず、運営はこれを許容している。 本来運営にとって不都合なのに、紙で「失敗」した超次元ギミックを適正な環境で遊べるよう整備してくれているのだから、とてもありがたい話である。

また、デュエプレでは探索や強制効果のせいで、部分的にプレイングの自由度が下げられてきた経緯がある。 そこに、紙とほぼ変わらない使い勝手で、状況に応じてサイキックを出し分けることのできる超次元ギミックがやってきた。 紙と同等の自由なプレイ体験が保証されていることから、「あの頃のデュエマ」という観点では今までになく再現性が高い。

コントロール復権、プレイング幅の拡張といった要素を求めてきた紙デュエマ古参勢やコントロール中毒者は、今こそデュエプレをじっくりプレイすべきである。 まあもうすぐ16弾環境になるんだけど。

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↑ リリースから2年半が経ってなお、「探索」の是非を巡る議論は続いている。

デュエプレ超次元の良くない点

排出関連

デュエプレの超次元ギミックは、「メインデッキ用の呼び出すカード」と「呼ばれるサイキック・クリーチャー」がセットになって排出される。 メインデッキ用のカードがパックから出てきて、それに紐付けられたサイキックが同じ枚数だけもらえるという仕組みだ。

ここで不評だったのが、紙のSRサイキックと紐づける超次元呪文をSRカードに格上げしてしまった点である。

例えば、紙で《シャイニー・ホール》《チャクラ》の組み合わせを使いたければ、スーパーレアは《チャクラ》1枚のみ、あとはコモンの《シャニホ》を4枚集めるだけで済んでいた。 しかしデュエプレでは、《シャニホ》をデッキに4枚入れて戦うためには、SRの《シャイニー・ホール》を4枚入手しなければならない。 紙の「SRサイキックは頑張って1枚集めればOK」という良心的仕様から一変、プレではメインデッキでの必要枚数をきっちり請求してくるようになった。 ちなみに、《シャニホ》を4枚入手すると《チャクラ》も4枚手に入る。そんなにいらない。

「普通のSRでもメインカードとして4枚作るし別に変わらなくね?」と考える人もいるかもしれないが、それは誤りである。 超次元呪文は汎用性が高いため、採用の枚数と頻度が多いのだ。 メインのSRを揃えた上でさらにSR超次元呪文が10枚前後必要になることもしばしばだし、 5文明それぞれのデッキを組みたければとりあえず各色の超次元呪文は準備しておきたくなる。

必要性の高いカードをSRにどかどか置かれたことで、プレイヤーの資産的負担は増えた。 これが具体的にどう影響したかまでは分からないが、少なくともプレイヤー目線で歓迎されるものではなかった。

また、デュエプレ運営への理解が深い人ならお察しだろうが、セット排出の仕組みは既定路線のごとく不具合を生んだ。 今までのところはこんな感じで、いずれも対処済み。

  • ヤヌス・クロウラー》を生成しても《シンカイヤヌス》がついてこない
  • 試練の塔報酬で《グレイトフル・ライフ》があるのにセットの《時空フィオナ》が無い

このくらいで済んでよかった。……いやよくねーよ。

実装関連

個人的に、超次元ギミックのゲーム内での操作はちょっとだけ面倒だと思っている。

  1. 呪文を唱えようとする
  2. 出すサイキックを選ぶ
  3. 呪文処理
  4. サイキックが場に出てくるアニメーション

というステップは、1枚のカードをプレイするだけにしては微妙にテンポが悪い。 また、裏面(覚醒後)を直接出す操作は初見だと分かりにくい。 紙を神化編以前でやめてしまっていたプレイヤーは超次元呪文と出せるサイキックの組み合わせも覚える必要があるため、習熟が負担になるだろう。 しかしながら、カード効果が全体的に複雑化してきたデュエプレでは、今更大した問題にはなっていないのかもしれない。

また、サイキックはゲーム外での取り回しも悪い。

デッキ構築に慣れるまでは、超次元ゾーンにサイキックを入れ忘れるミスが頻発。 超次元呪文を撃ったら何も出せず、実戦で恥をかいたプレイヤーは数知れず(3敗)。

カード検索では、

  • 複数のコスト・文明を持つカードなのでやたら検索に引っかかる
    • しかも通常カードに比べるとコスト・文明が意味を持たない
  • レアリティが無いカードなのでレアリティ指定の検索に引っかかる
    • これはプロモカードもそう
  • 余剰カード分解で砕いてくれない
    • サイキックはポイントに変換されないので砕く意味はない
    • しかし5枚以上持っている意味もない

などの不便さがある。デュエプレユーザーならもう驚かないと思うが、UIはやはり残念だ。

↑ 15弾でようやく対応。「こそこそ話」じゃねーんだわ。

その他

  • 《エナホ》《フェアホ》《ロマノフ・ホール》は、ドロー/ブースト/相手の破壊の結果を見る前に、出すサイキックを選ぶ。
  • 《リバイヴ》《ドラホ》は、回収カードを確定させた後に出すサイキックを選ぶ。

どれも不確定要素を含むカードだが、挙動が違うので注意が必要。

おそらく仕様として、探索処理がある場合はサイキックの選択がその後になる。 探索のランダム性にプレイヤーが対応できるようにという気遣いか、あるいは技術的に「探索→サイキック選択」という順番でしか実装できなかったためか。

ちなみに紙の《フェアホ》は2022年6月に、マナ落ちを見てからサイキックを選べるように裁定変更されている。

2020年8月時点。

deneblog.jp

2022年6月時点。

dm.takaratomy.co.jp

13-15弾環境における超次元の立ち位置

ここからは、超次元が実装された13弾から、主に超次元ギミックが環境に与えた影響を見ていく。

13弾

記事序盤にサイキックをだいぶヨイショしたが、正直に言おう。 超次元、あんまり目立ってなかった。

サイキック初登場ということで、注目度はかなり高かった。 さらに直前の12弾を超高速環境に仕立て上げていた【NEX】【剣誠】にもメスが入り、環境はやや低速化。 超次元が活躍するための舞台が整ったかに見えた。 しかしそれでもなお、超次元の使用率は高くなかった。

この時代の環境はトップが【Bロマ】、その後ろにランプ系と速攻が控える形。 超次元を入れた低~中速デッキは《Bロマ》ぶっぱがキツかったのと、【キリコ】【バルガライゾウ】【フュージョン】らのタイムリミット系に不利をつけていた。 超次元ビートは、同じくミッドレンジ【Bロマ】と比べ総合的なデッキパワーで劣っていた。 決して7マナサイキックたちが弱いわけではないのだが、それらをグッドスタッフ的に運用しようと思っても良い基盤がなかった。 結果として、既存のデザイナーズデッキたちのほうが強く仕上がっていた。

結局、最も超次元を使いこなした環境デッキは、《リバイヴ》を2-3枚刺した【デイガナイト】だった。 一部猛者は13弾時点で【ドロマー超次元】にも注目していたが、広く普及するのは14弾の話。

《時空の雷龍チャクラ》

紙では「チャクラゲー」とまで揶揄されるほど圧倒的だったが、デュエプレではそうでもなかった。 というのも、《チャクラ》並みに押しの強いビートダウンはこれまでにも沢山あったからだ。 具体的には、

  • 4t目にはWBが2体並ぶ【ウェーブストライカー
  • 手札を抱えた上でガチガチの除去耐性で殴ってくる【グレートメカオー】
  • 4t《パンダ》が殴るたび打点が確定増殖、本体は殴り返し耐性を持つ【パンダネルラ】
  • グッドスタッフアタッカーでゴリゴリ殴る【ガントラビート】
  • 《マッハアーマー》によって毎ターンSAが襲ってくる【武者】【剣誠】

などなど。

これらに慣れたデュエプレプレイヤーからすれば、5マナで除去耐性持ちTBが1体出てくるくらい許容範囲である。 また、デュエプレではこれらビートダウンの対策としてトリガーを多めに積む構築が主流のため、「トリガー&返し除去」で《チャクラ》が退かされるパターンが増えた。 紙の頃はほぼ考慮しなくてよかった《ベガ》などのシールド追加で覚醒を阻止される現象も、無視できない程度の頻度で発生した。

環境的にも、《デスドラ》のMB2枚で溶かされたり、《バルガライゾウ》の当たり先を作ってしまったりで、「チャクラビート」は安定択ではなかった。 何かのサブプランとしてなら上手く運用できたのかもしれないが、13弾のうちは《チャクラ》を積むのにちょうどいいデッキがなかった。 そうこうしているうちに、14弾では天敵《GENJI》、新敵《デストラーデ》がやってきてしまった。

《時空の尖塔ルナ・アレグル》

表は別人、裏は本人。 紙では非常に限定的なデッキでのみで採用できる覚醒条件だったが、プレでは呪文コン全般で運用できる条件に大幅変更された。 元は《ジャパン》とも路線が被っていたので、この改造には大いに賛成である。

簡単に組み込めるアウト回避手段かつ、覚醒できれば超有利。 14弾で超次元コントロール向きのパーツが拡充されたことで、めでたく環境入りした。

《時空の賢者ランブル》

3択クイズで当たりやすくなった。 純粋な1/3のくじ引きなのだが、「表示カードがデッキに残り何枚?」という余計な思考に囚われて混乱に陥るプレイヤーが発生した。

《時空の火焔ボルシャック・ドラゴン》

ビートダウンへの牽制力が半端ない。が、役割対象が環境にいない。

《時空の剛腕ジャパン》

裏面はただの《ディメンジョン・ゲート》だったのが、重量級をピンポイントでリクルートできるようになり、見違えるように強くなった。 しかし、デッキに小型も大型も入れておく必要があるため、構築は難しかった。 14弾の小型サイキック登場によって問題はある程度解決したものの、覚醒できる頃には普通に勝っているという現実は変わらない。

14弾

サイキックとして、

が追加された。選択肢の充実により、超次元ギミックの本領発揮。 ちなみに破壊時にサイキックを呼ぶ「次元院サイクル」クリーチャーも収録されたが、黒と赤は存在を抹消された挙げ句、白緑青も環境では見かけない。

この弾から、超次元を主体としたコントロールデッキが環境に進出。 《ディアス》《ドラヴィタ》が覚醒前から活躍できるオーバースペックなシステムクリーチャーだったこと、そして対ビートダウンに《シュヴァル》という詰め要員を獲得したのが大きい。 また、呪文軽減の《ミル・アーマ》、安定したハンデスの《ジェニー・ダーツ》が収録されたのも追い風だった。

環境では、素直に《ミル・アーマ》《ドラホ》を運用する【ドロマー超次元】。 そして、《リーフ》《ビューティシャン》《爆進ガブラ・ハンド》などでハンドアドバンテージを意識した【青黒リーフコン】のコントロール2種がメタゲームに入った。 相変わらず、《リバイヴ》(と時々《ミカド》)を挿した【デイガナイト】も環境に残り続けた。

特に【青黒リーフコン】は、《リーフ》のドローで削れた山札を《アレグル》《ディアス》で回復できる点がよく噛み合っていた。 なお、【青黒リーフコン】の《ビューティシャン》は15弾でスタン落ちしたため、NDで目立って活躍したのは14弾環境のみとなる。

超次元ビートは、超次元呪文でパワーアップするようになった《GENJI》の下支えもあって環境入り。 環境初期はブーストから5マナホールおよび《GENJI》に早期アクセスする【リース超次元】がよく見られたが、 トリガーを厚くしてじっくり立ち回る【ラッカ超次元】が次第に割合を増やしていった。

《時空の戦猫シンカイヤヌス/ヤヌスグレンオー》

デュエプレで花開いた。

主に【ラッカ超次元】で真価を発揮するカード。 3t《シンカイヤヌス》→4t《オーフレイム》により、4t目にTブレイク、何もなければ5t目にダイレクトまで行けてしまう。 13弾時点では《オーフレイム》はサイクル中最弱だったが、14弾以降はダントツで最強。 これもデュエプレオリカの《超次元オーフレイム・ホール》のおかげである。

《時空の霊魔シュヴァル》

ほぼ能力変更なし。むしろ盾追加に関しては枚数制限が付与されて弱体化している。 しかしながら、ビートダウンの割合が多いデュエプレにおいて、盾追加は強力かつ腐りにくい能力だった。 覚醒条件は同じくサイキックの《ドラヴィタ》《ディアス》で満たせるので、白黒の超次元呪文さえ積んでおけばどんなデッキでも運用できてしまう。 コントロールが《スパーク》入りのビートダウンに対しても安全に詰めていけるようになったのは、ひとえに《シュヴァル》のおかげである。

《時空の精圧ドラヴィタ》

プレミ誘発機。うっかり呪文を撃って無駄な犠牲を出した回数は片手に収まらない。

表裏ともに能力はそのままだが、覚醒条件が大幅に緩くなった。

  • 紙: フレイム・コマンドと《NEX》合わせて2体
  • プレ: フレイム・コマンド、光ドラゴン、火ドラゴン合わせて2体

流石に《シュヴァル》ほど簡単には覚醒できないが、白ホールを持ってこれる《聖霊竜騎ボルシャリオ》、 14弾屈指のパワカ《龍聖大河・L・デストラーデ》などは、グッドスタッフ路線で積める覚醒条件充足カード。 これらを組み合わせた【ラッカドラヴィタ】は、絶対数こそ多くないものの環境に食い込むポテンシャルを持っていた。

カジュアル目線では、《竜装 ムシャ・レジェンド》《無双龍聖ジオ・マスターチャ》などで《ドラヴィタ》にドラゴンを付与し、 《ドラヴィタ》自身を覚醒条件にカウントするコンボも可能になった。

《時空の神風ストーム・カイザーXX》

効果は紙とほとんど変わらないが、ドラゴンを大量投入する強デッキ【バルガライゾウ】が存在したことで環境入りした。 旧来の《バルガライゾウ》本体のぶっぱに加え、《ライフ》→《エコ・アイニー》2ブースト→《ストーム・ホール》の繋ぎから最速5t目にEXターンを得る理不尽ゲーのパターンが増えた。

当然、【バルガライゾウ】には大きなヘイトが集まった。ところが実は、主なヘイト先は《バルガライゾウ》本体であった。 《龍の呼び声》《エコ・アイニー》の成功率確保、資産節約の意識などが作用したのもあって、《ストーム・ホール》自体の最頻値は2-3枚だった。

一応《ストーム・ホール》の方は《NEX》《XX》を3枚マナ置きすればトリガー化するという強化を貰ったが、実戦で有効に働くシーンは多くなかった。

15弾

《超次元ガード・ホール》《時空の支配者ディアボロスZ》登場。 確定除去の超次元呪文と、表面から除去耐性持ちの凶悪なサイキックの組み合わせは、予定調和的に環境入りした。 これより凶悪な《バイス・ホール》《ディアボロス》ができた紙デュエマ、本当に終わってる。

環境では、《ガード・ホール》を最も上手く運用できる【ネクラ超次元】がトップに躍り出た。

タップスキルでサイキックを呼ぶSPサイクルは、デュエプレではそこそこの強さにアッパーされた。 というか、タップスキル発動時にもコストを払わされる紙版は意味不明すぎる。

《時空の不滅ギャラクシー》

デュエプレでは「不滅オロチ」こそ存在しないが、8マナに軽くなった《悪魔神王バルカディアス》の種、 《グレイトフル・ライフ》から飛ばせる除去耐性持ちアタッカーといった具合に、固有の活躍を見せている。

《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》

《ミカド》《ガンヴィート》や《ガドホ》《ガンヴィート》のビート殺し性能は健在。 紙の頃、頑張って出して殴ったクリーチャーが5マナの汎用カードで処理されるのは本当に許せなかった。

しかし意外にも、15弾環境において「《ガンヴィート》のせいで死滅したビートダウン」は存在しない。 【ラッカ超次元】は【ネクラ超次元】をやや苦手とするが*3、それは《ガンヴィート》単体というよりは【ネクラ超次元】に入っているカード全般がキツい。 【トリーヴァグレイトフルライフ】は《グレイトフル・ライフ》がやられる分にはまだ戦えるし、 【Bロマ】はトップ《進化設計図》や《Bロマ》で継戦可能、【スノーフェアリー(ND)】に関しては破壊された分が将来のリソースとなって返ってくる。

キツくないと言えば流石に嘘になるが、デュエプレの屈強なビートダウンは《ガンヴィート》1枚で機能停止などしないのだ。

《超時空ストームG・XX》

紙時代はメインデッキに入れなくていいエンドカードとして、数多のフィニッシャーの役目を奪った。 だがデュエプレにおいては、コントロールに入れるのは微妙と評される。

その理由はデュエプレ特有の、《スパーク》《コルテオ》を積んだビートダウンの存在。 《ラスト・ストーム》自身は盤面処理ができないため、これらがトリガーしてくると普通に止められて、返しにカウンターパンチを食らって負ける目が大きい。 そうならないよう、超次元コントロールは《シュヴァル》や《ディアス》で安全にちまちま詰めていくゲームメイクを迫られる。

《スパーク》をケアできるワールド・ブレイカーなんて、1年9ヶ月前から出てるんですよ。

一方のコントロールミラーでは、《ストームG》を除去されたらめちゃくちゃ苦しい。 運良く《ラスト・ストーム》に覚醒して攻撃できても、トリガーで《ギャラクシー》処理&覚醒、返しに《バルカディアス》を出されたら、負ける可能性が全然ある。

結局、コントロール目線で《ストームG》を積極的に出したい相手がいないので、《ストームG》は採用されない。

《ストームG》を環境で運用しているのは、主に《ケロディSP》を使って最速降臨を狙うデッキ。 覚醒条件が 3体召喚 → 3体場に出す に大幅緩和された《オーシャン・G・ホーガン》によって、5t目開始時に《ラスト・ストーム》への覚醒が狙えてしまう。 これは普通に強い。

  1. 5マナホールで《キル》《タッチャブル》
  2. 《ケロディSP》タップスキルで《オーシャン・G・ホーガン》
  3. 3体出たのでエンド時《ホーガン》覚醒、つられて《タッチャブル》覚醒で《ストームG》。 ※ 横にバウンスメタの《キル》あり

その他

この弱すぎる2枚に解除をつけてくれ。大至急。

おわりに

冒頭で紹介した記事にはいたく感銘を受けた。 書かれたのが最近にもかかわらず、語り口や熱意といった記事の質感からは当時のインターネットの雰囲気を感じ取れるようで、ただ昔話を聞いた以上に懐かしさを覚えた。 最近はお題箱なり動画投稿なりに気力を割かれ、しばらく長編記事を書いていなかった自分だが(この記事が15弾末期に書かれているのもそのせいである)、 あの記事を読んだことで執筆のモチベーションが大幅に供給された。 今後ともちゃんとブログを書いていきたい所存。

*1:《ボルバルザーク》は紙でもプレでも強すぎるため保留

*2:個人的に【デイガナイト】は"正統派"ではない

*3:プレイと回り次第で全然戦える