はじめに
やったぜ。
ついにボクの名を公式に売り込むことに成功した。
Twitterやビルド杯配信では思ったより反響が大きくて、お祝いのコメントも沢山いただいた。 みんなありがとう。
ボクがこのゲームを遊んだ証。 pic.twitter.com/xw3Ik7zGRO
— ミケガモ (@nusu_fkr453145) 2022年4月19日
異次元「略奪メルキス」
なんなら《ブルー・メルキス》が出た3弾の頃から構想してた。 紙ではトリガー呪文しか唱えられなかったが、デュエプレでは呪文なら何でもOK。 相手の超次元呪文を奪ったらさぞかし楽しいだろうというモチベーションで作ったこのデッキは、 紛れもなく自分で思いついたオリジナル作品だ。
ただ、選ばれたのがこのデッキであることについては、ちょっとだけ後悔がある。 なぜかというと、このデッキは自分が投稿した作品の中で唯一、構成カード同士にシナジーがないからである。
普段の自分は、特定のカード同士の奇妙なシナジーに注目してデッキを組んでいる。 その構築方針からしてみれば、このデッキは“ボクらしくない”。
また、自分はカジュアルデッキで「完結した自己表現」をするのが好きなので、 相手依存性が高いデッキやカード(【マッドネス】《アカシック・サード》など)を使わない傾向がある。 しかし、このデッキは超次元呪文をバリバリ使う相手にしか刺さらない。 刺さる相手には《マインド・リセット》《牢獄》で一方的な試合になり、 刺さらない相手に対してはただ超次元呪文を撃つだけのデッキに成り下がる。 このピーキーさは、いつもの方向性とは真逆だ。
おそらく12弾の究極進化同様、13弾のメインギミックである超次元を独創的に活かしているところが評価されたのだと思うが、逆に言えばそれだけでしかなかったりする。 こってりした濃い味のコンボを売り込めたら本当に最高だった。
……まあいいか。勝ちは勝ちだ。
今回の選考傾向
全体的にあっさり味(※ニュートラルな意味で)。
突飛なアイデアや濃厚なコンボというよりは、 「マイナー寄りのデッキをちょこっとアレンジ」タイプのデッキが多い。
『魔弾炸裂』は、《アクア・バースター》から《マルガレーテ》を発射する【ダヴィンチ】。 《ダヴィンチ》コスト減に貢献する《パンダ・ブーリン》は、オリジン軸【ダヴィンチ】では定番の《オリジナルネイチャー》の代わりを務める。 《パンダフル・ライフ》で《ダヴィンチ》のセルフランデスを緩和できるのもナイス。 ナイトを使った《ゼノン・ダヴィンチ》のデッキは他になかったが、そもそも《ダヴィンチ》を使ったデッキはどれも個性派揃いだった。
実は第2回『テクニカルサンクチュアリ』と作者が同じ。そして両方に《マルガレーテ》が入っている。
『【裏技】山札の下教えます』は、《プロメフィウスα》大量投入で《ランブル》を覚醒させやすくするデッキ。 闇雲に《プロメフィウス》を突っ込んでいるわけではなく、 3マナAT持ちサバイバーで《プロメフィウス》に意味を持たせたり、 きちんとトリガーや《フランツ》《ボンチャ》のブーストを入れてデッキの必要要素を保っているのがお見事。
これは他人の言葉で気付いたことだが、《プロメフィウス》多投の恩恵を受けられるのは、 「《ランブル》3枚表示で《プロメフィウス》が2枚以上めくれる確率が上がる」ことでしか無い。 2,3枚表示のときに正解率が上がることを考慮して計算すると、このデッキのクイズ正解率は約45.8%*1。 ちなみに4x10のレシピでも、偶然2,3枚表示されるぶんを入れれば正解率は約40.9%になる。 つまり《プロメフィウス》で改善されるのはたった5%ぶん、《ランブル》クイズを20回やってようやく1回恩恵がある程度である。
……計算しなきゃよかったな。
『蒼炎カゲキリ』は、一見スタンダードな赤青《カゲキリ》速攻。 注目すべきは、《ボルット・紫郎・バルット》とクロスギア。
などのムーブで、美しいマナカーブを組むことができる。 《カゲキリ》は確定除去トリガーに弱いが、それに対しては《エンペラー・キンタ》が強い。 速攻でありながら豊富なプランニングが魅力だ。
これだけ要素を詰め込んだ代償として、トリガーはゼロ。 前回入賞『オールムーン』も同じくだったが、大胆な構成である。
『異次元「略奪メルキス」』は、この中だと唯一All Division用の構築。 ちなみに前回は、がっつりAD仕様のデッキは2/5だった。
応募傾向・環境考察
※デッキ・カードのあとの(X)は投稿数(変態構築含む)。ただし分類は超適当なので参考までに。
応募総数733個。
【死神】【白騎士】のデザイナーズパーツが収録種類の3割を占めていて選択肢が少なかったにも関わらず(もっと言うと、9~11弾は直前のEXパックもあるので"新カード"が多かった)、 投稿されたデッキは過去一番に多様だった。 デッキのクオリティも確実に上がってきている。
ガチシーンでもお馴染みのデッキタイプとしては、【白騎士】(13)や【死神】(19)、 【NEX】(30), 【キリコ】(15), 【ジャイアント】(23)など。 《カゲキリ》《デスマーチ》《エドガー・オーライオン》などのパーツが増えたことで、速攻系(21)もいろいろなデッキが出てきた。
《アマテラス》《デスドラ》《NEX》などで長期間アレンジされてきた【ガントラビート】(2)は、今回大きく数を減らした。
【NEX】は《ブレイブ・ルピア》の呪縛から解き放たれたおかげか、ファンデッキらしい見た目をしているレシピが増えた。 《スターダスト・NEX》《ギャラクシー・ルピア》《ソウルバーン・ドラゴン》などのマイナーカードも活躍していた。
超次元メインのデッキは、ビート寄りが44個、コントロール寄りが32個。 投稿数は多いものの、構築の自由度が極めて高いため見ていて飽きなかった。 強いて言うなら前者は《スペルギア・ファントム》、後者は《アヴァラルド公》が特徴的だが、この枠に全く収まる気配はない。 ちなみに、デスマッチメビウス型を含む【グレイテストシーザー】(14)や、超次元をタッチした【ナイト(コントロール)】(8)は別計上である。
新出で人気のカジュアルテーマとしては、《魔龍バベルギヌス》(37)の蘇生や、《オロチム》《エンペラー・ギュルム》(計47)、《ジャパン》(16)の踏み倒し。 ただ、これらは公式ニュースレターで言及があったカードかつ、《バベルギヌス》は公式のサンプルレシピにもなっていたので、入賞狙いという点では不利だったかもしれない。
《バベルギヌス》はドラゴン軸・ドデビル軸・墓地利用軸などいろいろなアイデアが出ていた一方で、 山からランダムに出す《オロチム》《ギュルム》は構築そのものも難しそうに見えた。 《ギュルム》は《サイバゴン》と組んでビートしていく型が一番しっくり来た。
《ギュルム》繋がりで言うと、「CV:愛の戦士」のファンデッキが一定数見られたのは今回の特徴かも。
通好みなカジュアルデッキとしては、
- 新弾テーマ
- 過去弾テーマ
- 《進化設計図》や特殊進化系統(25)
- 超次元入り【フェルナンド】(15)
などがあった。《バロム・モナーク》に関しては、しっくり来る構築が見つからなかった。 ボクもさっぱり思いつかなくて困ってる。
↓相方有力候補と見込んでいた《粛清者モーリッツ》を使った型は、なんとこれしかなかった。
今回顕著に増えたデッキタイプとして、白緑ベースのエンジェル系(10)を挙げたい。 《フェアホ》《HEAVEN》を新規パーツに迎え、《ジャパニカ》から《アルファディオス》《ミルザム》《PG》などを飛ばす型が見られた。
また、《バベルギヌス》繋がりで【カチュア】(14)もいつもより数が多かった。
【マーシャルクイーン】【ダーツ】系(19)、【マッドネス】(16)、【ザガーン】(8)などは常連さん。
個別カードで言うと、
あたりは固定ファンを獲得している。特定カードで定点観測してみるのも面白いだろう。 今回《トゲ刺しマンドラ》を使うデッキが複数あったのだが、彼(?)もここに仲間入りするのか……?
P.S. ここに上がらなかったデッキタイプを考えた人は独創性の点で優れているので、大いに喜んでほしい。
デッキメモ
惜しくも入賞を逃したデッキの中から、これはと思ったデッキを紹介させてもらいたい。
せっかくなので、↓の記事で紹介されているものと被らないように推薦している。 何もなければボクも取り上げようと思っていたデッキがいくつもあるので必見。 にしても略奪メルキスを当てるとはやりおるな。
『カチュアワンショット』
《ペンチ》下の《カチュア》で「《バベルギヌス》呼び → 《カチュア》を出し入れしアンタップ」とすると、デッキ内の《バベルギヌス》がすべて場に出てくる。 4体《バベルギヌス》を出して〆に《ガラムタ》を持ってくれば、トリガー封じで5打点&《ペンチ》で完封勝利。
《バベルギヌス》が手札に来てしまったら《ニンプウ・タイフーン》で送還。 速攻でもないのに入っている《火炎流星弾》は、マナ置きすることで相手に軽量ブロッカーを出させなくする効果が見込める。
『キリモミコスモビュー』
《ブリム》デッキに入りそうで入らない《コスモビュー》が、《キリモミ・スラッシュ》のおかげで居場所を見つけた。
《ブリム》前に手札をガンガン消費するせいで《コスモビュー》をキープしにくい問題は、 《ブリム》後《アスティマート》の手札リセットによって強引に《コスモビュー》を引きに行くことで解決している。
非常に信頼のおけるレシピなのだが、《ブレチャ》だけは常人のセンスを越えている。 《アスティマート》→《ブレチャ》→《ブリム》の線を見てるのか。
『赤単神羅NEX』『爆裂!W神羅セットアップ』
《ライジング・NEX》とは種族が噛み合わず、涙を飲んでいた《爆裂B-BOY》。 《ドラグ・ムーン》実装でようやく日の目を見ることになった……と思いきや、決別したはずの《ライジング》も同席することになった。
どちらも喉が乾きそうな色だが、それぞれにちゃんと手札補充カードが入っている。 これにはリソース警察のボクもニッコリ。
『サイバー流防衛術』
《クラゲン》で《シータ・トゥレイト》固定、《チェレンコ》でそのトップをシールドに仕込む。 どっちも単体で使うとしょっぱいカードだが、その2枚を組み合わせることでぐんと効用が上がるのが素敵。
《アマリン》がサバイバーとサイバーロードの2要素を繋ぎ止めている点、 《鬼面城》を《チェレンコ》で操作したシールドに要塞化できる点、 レジェプレ版《クラゲン》のおかげでND構築に対応している点など、細かい気配りも見逃せない。
《マルコ》入れれば形になるってそれ一番(ry
おわりに
ボクの愛したデュエプレというゲームに爪痕を残せてよかった。
ガチ勢ならランキングや大会で名を馳せることができるし、 そういう場で所属チームや練習相手を紹介したりもできるが、自分の遊び方だとそれは不可能。 選考について言いたいことは色々だが、ともあれ名前を乗せることができて、歓喜と安心に包まれている。
「名」は刻めたので、あとはこのブログなりYoutubeチャンネルなりで「実」を伴わせていこう。
参加者として入賞できたのも嬉しいが、観客目線でも投稿デッキから色々勉強できるのがこのイベントのいいところ。 ぜひ次回も開催してほしい。
ちなみに、今回一貫してつけたクサいネーミングは、東方Projectのスペルカードを意識したとかしてないとか。 投稿デッキの解説はまた別記事で。
*1:《フェアホ》《ボンチャ》が2-2なのも算入