ミケガモのブログ

デュエプレBA6th決勝ラウンドの所感【DMPP-11】

お題

6回バトルアリーナが終わってそれらの大会の記事についてご執筆されるかと思いますが、その中でも・メカオー・ドラゲリオン・グランドデビルのデッキについて重点的に読んでみたいのと(とくに前者2つは登場から1年後でも本大会に出場する点について)

そして「腐敗聖者ベガ」「破壊龍神」が今大会目立った活躍をしたと思うので大会の記事のときにそれらのカードも改めましてミケガモさん視点での所感を読んでみたいです。

https://odaibako.net/detail/request/1481a368-4f0a-4068-aaf9-6da8236ea822

これが来なかったら書いてなかったと思う。そういう意味ではありがとう。

【グレートメカオー】

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初出は7弾。

  • 展開の《ピラミリオン》
  • ドローの《ガトリンガー》
  • 攻守一体の《ミリオンパーツ》

の3枚は、標準的なカードから頭一つ抜けたスペックを持っている。

そこから繰り出されるフィニッシャーの《ヴィーナス》《マーキュリー》によって、相手のトリガーを封殺して安全に勝利可能。 《ミリオンパーツ》も合わせれば、完璧な布陣の【メカオー】を止める手段はほとんど残されていない。 盤面数制限のあるデュエプレにおいて、横並べした小型クリーチャーを進化GVで圧縮するというギミックも非常に美しいと思う。

デザイナーズデッキとしてあまりに完成度が高いため、一部では「松浦元気の最高傑作」と呼ばれ親しまれている。

環境においては、8弾EXの【4cアガピトス】【驚天ビート】に不利、7~9弾くらいの【パンダネルラ】に微不利をもらう程度で、あとは軒並み五分~有利で戦えていた。 《エル・カイオウ》《コロビナー》のおかげで速攻デッキにも不利がつかないため、本当に穴がない。

ただし、強さの割にはランクマでの使用率は高くない。 歴戦の猛者は【メカオー】に飽きているので、月末の順位争いのときくらいしか使わない。 ライト層はもっと単純もしくは派手なデッキを好むため、【メカオー】を使わない。 平常時の遭遇率が低めなおかげで、ヘイトを買わずに済んでいる。

また、シンパシー込のコスト計算やトリガーケアの方針など、細かいプレイングに熟練度が反映されるデッキでもある。 強い人が強さを引き出せるという点でも良いデッキだと言える。

今回ベスト8に残ったのは、タッチで黒トリガーを採用した構築である。 トリガーを厚くしているのと、《オボロカゲロウ》の手札入れ替え枚数を増やせるのがメリット。

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ようやく出てきた《ヴィーナス》のメタカード。

【アポロヌス】

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初出は7弾。

《アポロ》が殿堂してからも、リペア型がずっと環境に残り続けている。 《ボルシャック・バディ・ドラゴン》スタン落ちで多少勢いが弱まるかと思いきや、 《アカギガルムス》《ドボルザーク》といった新規カードでゆうゆうと食いつないでいるのが今期。 紙だとプレミアム殿堂するパターンだと思うのだが、デュエプレでは《アポロ》自身のスタン落ちまで逃げ切りそうである。

《スパーク》貫通、選択除去ペナルティが強すぎて、《アポロ》1枚でゲームが終わる。 進化元がドラゴン3体というのが大変そうに見えて(紙だと実際大変だった)、 ドラゴンとは思えない展開性能の《センチネル》、そこから0コストで出る《バルケリオス》のおかげで、下手な種族デッキよりも展開しやすい。 最悪《アポロ》が盾落ちしても、《センチ》《センチ》《バルケ》だけでそのまま殴りきれてしまうレベルに素のスペックも高い。

色々なカードでどうやってゲームに勝つかを模索するのが好きな自分としては、《アポロヌス》は「つまらない」カードである。 その一方で、出せば勝ちのド派手な能力は、プレイングや構築の妙よりもゲーム体験を優先するライト層への訴求力が高い。 そのライト層をデュエプレに引き止めているという点で、このカードの功績は大きいかも知れない。

【グランド・デビル】

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まさかの決勝進出に界隈は大きく盛り上がった。

一応、デッキタイプとしてはそこそこ強くて、ランクマッチでも戦える程度の性能は持っている。 しかし、メジャーデッキに比べると実力が一回り劣るため、登場以降環境に現れたことはない。 実質同期の【グレートメカオー】【ドリームメイト】が種族デッキとして完成度が高すぎたため、 わざわざ【グランド・デビル】を選ぶメリットもあまりなかった。

11弾では、《バイケン》でマッドネスギミックが強化された。 が、それだけで劇的に【グランド・デビル】が強くなったとまでは言えない。

【グランド・デビル】の強みとしては、未開拓ゆえに実質的に候補カードがとても多いことである。 小型では採用クリーチャー以外に《フォルカロル》《アガシオン》《ハリセンモン》、 トリガーでは《エマタイ》《サルトビ》、 フィニッシャーでは《アスティマート》《グレンベルク》《ネプチューン》《マーキュリー》《プルート》。 カスタマイズの幅が広いし、相手視点でも構成カードを全て読み切ることはできない。

これに加えて、実戦ではマッドネスを持っているか否かのブラフをかけることができる。 大会放送を見ると、使用者yuzuru氏のアグレッシブなプレイングが光っていたように思う。

ここまで勝ち進んでこれたのは、「戦い慣れていないデッキとの一本勝負」という強みを、使用者のyuzuru氏が最大限に引き出していたからだろう。

【赤青t白サムライ】

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お題には来ていないが、BA6thの入賞デッキではこちらの【サムライ】もなかなか見ない構成である。

《剣誠》4積みではなく、《武者》と棲み分け。

さらに、普通の【赤青剣誠】から《メモリー》《コテガエシ》のスペースを削って、《ムシャ・ルピア》《ホーリー・スパーク》のスペースを捻出している。

白が5枚しか無いので《ムシャ・ルピア》は出しにくい。 特にビート相手に早い段階で出したいことを考えると、この構成はかなり型破りである。 さらに、多色クリーチャーなのは【赤青剣誠】のデッキにとってかなりネックなはずだ。

2積みの《スパーク》はトリガーを全力で狙いではなく、無警戒な相手に不意打ちでトリガーさせたり、 マナ置きして4積みを匂わせたりという撹乱的な要素になっている。

スタンダードな【赤青剣誠】が相当数エントリーしていたであろう中で、これが決勝ラウンドに残ったのは非常に興味深い。

《腐敗聖者ベガ》

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《ベガ》が活躍したのは、↑の【ギフトHDM】。

紙ではビートダウンが少なかったのでそこまで強くなかった。 所変わって、デュエプレではビートが強い。 ライフを増やしながらリソースを削るという対ビートに特化した《ベガ》は、大きく評価を上げた。

《ヘヴンとバイオレンス》《花籠》といったコントロール側が採用しやすいトリガーも多いので、《ベガ》は一層使いやすいカードになっている。

9弾の《ベガ》《ジャック・アルカディアス》《ビューティシャン》、9弾EXの《デリンダー》がコントロールにもたらした恩恵は凄まじい。 どれも《キング》の進化元になれることも合わせて、コントロールデッキはこれらのカードのおかげで戦えるようになったと言っても過言ではない。

それにしても、《ベガ》4積みはかなり尖った構築である。 環境を読み切った構築を持ち込めるのは、予選スイスドロー免除となる前回覇者の特権だ。 それで本戦決勝まで残っているのだからまた凄い。

《破壊龍神

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性能面での評価は、前に書いたときから大きく変わっていない。 やはりこのカードの決定力は目を見張るものがある。

しかし、特にお互いが《破壊龍神》を採用したコントロール同士だと、完成したところで勝負が決まるわけではない。 ワールドブレイクからトリガーで取り巻きが除去され、返し《ヘヴィ》で打開されるパターンも大いにありうる。

これがよく表れているのが、準決勝第1試合。 特攻するリスクと山札枚数を天秤にかけた試合運びからは目が離せない。

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