はじめに
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この記事では、DMPP-09EXの対戦環境を総括する。 想定はガチ対戦である。
デッキレシピはTwitterの投稿から引用させていただいている。 削除要望等あればコメントまで。
リリース前
今回の目玉は、
- 《暗黒凰ゼロ・フェニックス》
- 《超聖竜ボルフェウス・ヘヴン》
- サバイバー
の3つ。いずれもパワーを感じるラインナップだった。
収録カード50種のうち24種がサバイバーで占められていることもあって、余計なカードは少ない。 この3種類のデッキ以外は出てこないように見えた。
さらに、パックリリースと同時に、《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》のDP殿堂が施行。 似たデッキとなるであろう《ボルフェウス》が、どれだけ《アポロ》の勢いを引き継ぐのかが注目されていた。
環境初期
【ゼロフェニ】
https://twitter.com/Miku_Yui_P/status/1418497178373279744?s=20
https://twitter.com/okosan_dmp/status/1421479777064480770?s=20
リリース初日から圧倒的な人気を誇ったのが【ゼロフェニ】。 ランクマ・カジュアルともに、大幅な強化を貰った《ゼロフェニ》で溢れかえっていた。 みんなシールド焼却好きすぎるだろ……。
早めに開発されたのは、 赤黒で素早く《ゼロフェニ》を出す高速型、 従来の【4cコントロール】に《ゼロフェニ》をタッチしたコントロール型。
少し経ってから、ADでは《ショック・ハリケーン》《のろいとテラーの贈り物》を積んだ自爆型が流行った。
高速型・自爆型は対応力が低いため、環境デッキとは言えない。 《ゼロフェニ》の攻撃速度が遅くて殴り負けがちなのと、 自ターン中の進化速攻ができないために除去を連打されると厳しい。
コントロール型は、比較的安定した成績を残した。 従来の「赤ドロマー」のコントロールが、フィニッシャーに《ゼロフェニ》を迎えた形である。
【赤白/ラッカボルフェウス】
https://twitter.com/miya24611073/status/1421486380799053824?s=20
https://twitter.com/G3Mrn/status/1418106979654856708?s=20
【ゼロフェニ】に次いで注目を浴びたのは【ボルフェウス】。 主に《インビンシブル・フォートレス》をぶっ放している。やはりシールド焼却か……。
【赤白アポロ】の血を引いた全力コンボ狙いの赤白型と、 《ヘブンズ》《ロードリエス》でデッキパワーを補強したラッカ型の2種類が登場した。
全体の使用率こそ【ゼロフェニ】が上だが、 デッキパワーとしては【ボルフェウス】のほうが高くまとまっている印象。
ただ、【ボルフェウス】も環境を独占するほどのデッキにはならなかった。 やはりコントロール対面に課題があるか。
【サバイバー】
https://twitter.com/angie_4869/status/1422711910525399045?s=20
3つ目のテーマデッキ、【サバイバー】も強かった。
割と見かけるのは、 《キング・ムーγ》《雲上の精霊オービスγ》で制圧する【トリーヴァ天門サバイバー】、 《ダーク・ティアラγ》のハンデスを軸にコントロールする【ネクラサバイバー】など。
【ウェーブストライカー】は主にリース・ネクラの2タイプに落ち着いたが、 【サバイバー】は強いカードが沢山配られたため、テンプレ構築はついに確立されなかった。
テンプレ構築すら怪しいうえ、《シータ・トゥレイト》や《オービスγ》を絡めた動かし方はかなり独特。 間違いなく強いテーマだが、普及率は低くとどまった。
環境中~後期
【ガントラビート】
https://twitter.com/iwaiwa213/status/1423115690567823360?s=20
新弾デッキの使用率が落ち着いた頃、 既存デッキで一番目立っていたのは【ガントラビート】。 キング・アルカディアスカップ終了のころには、使用率上位に名を連ねた。
9弾環境から構築が洗練された結果、青入りで《烈流神》を起用するタイプが主流となった。 上振れ狙いで《フェアリー・ライフ》を積む型もメジャーである。
《ゼロフェニ》《ボルフェウス》と、シールド焼却系カードが2種類実装されたにもかかわらず、 未だにこの【トリガービート】が元気にしているのは興味深い。 それだけ、この【ガントラビート】の基盤が優秀だということだろう。
【グレートメカオー】
https://twitter.com/G3Mrn/status/1423195817603600385?s=20
既存デッキといえば、 実装からもう8ヶ月になる【グレートメカオー】も絶好調。 強化パーツとして、《月光電人オボロカゲロウ》を手に入れた。
基本の白青型だと2枚しか手札を交換できないが、 それでもデッキを回して《ガトリンガー》や《ヴィーナス》を引きに行くムーブは呆れるほど強い。
前環境に続いて【メカオー】が結論構築となる未来も見えている。
【黒緑ドルバロム】
https://twitter.com/KinakoDMP/status/1421482615580676097?s=20
9弾EX環境に入ってからよく見るようになったのが、【黒緑ドルバロム】。
新興の【ボルフェウス】【サバイバー】には、《ドルバロム》がぶっ刺さる。 【ガントラビート】は速攻ほどのスピードがないため、《ドルバロム》が間に合う。 元からポテンシャルの高かったデッキが、立ち位置が良くなって使用率を伸ばした形だ。
このデッキの躍進は、5~6ターン目にOTKしてくる【赤白アポロ】が消えたことも追い風となっている。
【パフェプラマザー】
https://twitter.com/boruborutaro/status/1421244128478711810?s=20
キング・アルカディアスカップ最終盤に開発されたのが、こちらの【パフェプラマザー】。 単に【5cメカオー】と呼ばれることもある。
《星龍パーフェクト・アース》で《五元の精霊プラチナム》をG・ゼロし、 そこに《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》を出せば、 相手から4回除去が飛んでくるまで絶対負けない布陣が完成する。
カジュアル用かと錯覚するこのデッキ、 なんとガチ環境での好成績報告が続々と上がっている。 《オボロカゲロウ》《デリンダー》でデッキを回せば、コンボは意外と決まる。 【ガントラビート】【メカオー】など、除去の薄いデッキを文字通り完封することが可能。
おもちゃ枠と侮られていた《パーフェクト・アース》が、ついに環境に嚙みついた。
【ラッカマルコ】
https://twitter.com/sissyo777/status/1429062427199512584?s=20
ユーザーズデッキの躍進はまだ続いていた。 最後に紹介するのは、バトルアリーナ優勝を飾った【ラッカマルコ】。
自分の観測している範囲では、 このデッキは9弾環境の頃から、一部の猛者によってぽつぽつと研究が進められていた。 結果はきちんと出ているものの、デッキタイプとしての知名度は低かったように思う。 バトルアリーナ優勝で、晴れて多くのプレイヤーに認知されることとなった。
正直、アリーナ優勝がなければ、「知る人ぞ知る良デッキ」のまま終わっていたと思う。
その他のデッキ
ND対応
ADのみ
- 【黒緑速攻】
- 【白ブリザード】
- 【カチュア】
環境俯瞰
9弾の環境に、 そのまま【ボルフェウス】【除去ゼロフェニ】【サバイバー】が乗り込んできた。
一番存在感があるのは、依然として【ガントラビート】。 押し込みの強さとトリガーの豊富さで、 どのデッキに対してもおおむね五分以上で戦うことができる。
次いで、赤ドロマーの【4c除去コン】の人気が高い。 【4c除去コン】は、《サファイア》/《ドルバロム》/《ヘブンズ》の選択肢に、 新たに《ゼロフェニ》が加わった形。 《エタガ》《ビューティシャン》《ベガ》で守りつつアド差を広げ、《ゲキメツ》に繋ぐ。
【ガントラ】に対して有利を取れるのは、【黒緑ドルバロム】【ボルフェウス】。 特に【黒緑ドルバロム】は、天敵の速攻デッキが《ジャック・アルカディアス》に駆逐されているため、 非常に動きやすかった。
【サバイバー】は謎。 暴れると強いカードが揃っているのだが、それらをどういうバランスで運用するのかの最適解が、 一つには定まっていない印象。
【メカオー】は、 《エル・カイオウ》の抑止力と《ヴィーナス》《マーキュリー》のトリガー封じで【ガントラビート】に有利かに見えるが、 《ガルベリアス》《烈流神》の2枚が重いためそうでもないのか。
【5cフュージョン】は、【除去コン】を狩るためのデッキ。 ビート系や【黒緑ドルバロム】に対しては相当厳しい。
ADは、【黒緑速攻】【ブリザード】の2デッキがあるため、 アグロの存在感が強い環境になっている。
これらに有利を取れる【ツヴァイ】は、NDよりも明らかに人気。
逆に、【黒緑ドルバロム】【5cフュージョン】といったランプ系は立ち位置が悪い。
【黒緑ドルバロム】が減った分、ADのほうがデッキの自由度は高い。 マスターランクはともかく、 月半ばのプラチナランクはもはやカジュアルマッチと見間違うほどに、 多様なデッキと戦うことができる。 まあ【黒緑速攻】がいるんだけど。
おわりに
9弾EX環境は過去一番といっていいほどいろいろなデッキが環境入りしている。 新しいテーマデッキ、既存の研究し尽くされたデッキ、新たなカードの組み合わせで環境に現れる斬新なデッキ。 これほど多様で読みづらい環境が、過去にあっただろうか。
9弾、9弾EXと、対戦環境はどんどん読みづらさを増している。 このままだと、自分のような考察勢には手が負えなくなってしまう。