ミケガモのブログ

あのデッキ、今どうしてる?【デュエプレ】【DMPP-12】

お題

いつも楽しく読ませていただいてます。 最近環境で見る機会が減っているロマノフサインやカチュアなどの環境には多くないけどまだ戦えるデッキについてミケガモさんなりに考察してほしいです。

https://odaibako.net/detail/request/ef504bc2-e194-48ef-80e5-1984ef04c570

デュエプレはもうすぐリリースから2周年と3ヶ月。 パックはEXも含めると計15弾リリースされ、デッキもそれ相応の数が蓄積されてきた。

今回は、過去環境に存在していたものの最近見かける機会が減ったデッキを考察していこう。

取り上げる基準は以下に示すとおり。

  • 過去に環境を取った、または高い使用率を誇った
  • 主要パーツに殿堂・ナーフ等がなく、今でも組める
  • 今でも通用するデッキパワーがある
    • 1弾の【シータ二角】、2弾の【青黒バロム】などは除外

考察では、

  • 環境から去った直接の原因は何か
  • 現12弾環境では通用するのか

を中心に、簡潔にコメントした。

サンプルレシピは全て自作。 多少リペアしているが、当時のコンセプトは忠実に再現したつもり。

【リーフビート】

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太古の「殴る《リーフ》」。 2弾環境では【赤リーフ】【緑リーフ】【白/ドロマーリーフ】などが考案された。

3弾ではアグロなら《ブリザード》が、 ミッドレンジより遅いデッキなら《ボルバルザーク》が使われるようになったため、 環境の一戦から退いた。

アタッカーとしての《リーフ》は力不足感が否めないが、cip3ドローでデッキエンジンになれる強みは失われていない。 上手くやれば、殴る路線でもリペアが組めるはず。 事実12弾環境では、《ブリザード・ムーン》《スカル・ムーン》を組み込んだビートダウンが環境後半になって考案された。 究極進化がピックアップされることはもう無いだろうが、《リーフ》は常に覚えておきたいカードである。

【白ブリザード

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現役。「息切れしないアグロ」という特異かつ屈強なデッキ。

パーツの更新は7弾で止まっているが、未だにADでは存在を無視できない。 《炎槍と水剣の裁》《地獄スクラッパー》《三途万力》など、 【ブリザード】を滅ぼすだろうと目されるカードが出たときも、このデッキは悠々とランクマを駆け抜けてきた。 本当にキツかったのは、《スパーク》を貫通してくる天敵【アポロヌス】が現れたときくらい。

【ブリザード】が弱い時代が来るとしたら、そのときには過去デッキ全てがゴミ同然になるスーパーインフレが発生している。

ウェーブストライカー

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デュエプレ3~4弾のインフレを象徴するデッキ。 テンプレは【リースウェーブ】【ネクラウェーブ】。

環境に姿は見せども大目立ちしなかったのは、コントロール耐性が低すぎるからである。 逆に言うとコントロールさえ踏み抜かなければ、自慢の展開力で相手をぐちゃぐちゃにできる。

ただ、デュエプレは横並べ系のテーマが定期的に供給されるゲームでもある(例:【ツヴァイ】【メカオー】【剣誠】【NEX】)。 それらが環境でどんな立ち位置にいるか、そしてそれらに対して【ウェーブ】が優位に立てる点があるのかを見極めたい。

12弾環境の場合、コントロールの勢力が弱いので比較的動きやすいだろう。 しかし対抗馬の【NEX】と比べると、パワーラインと打点生成速度でほぼ五分、リソースでは大きく【NEX】に軍配が上がる。 あえて【ウェーブ】を使う意義があるかは疑問である。

【シータメイデン】

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4~5弾環境を戦った正統派アグロ。 【ウェーブ】【ツヴァイ】【アポロ】といったカウンターコンボに悩まされながら、徐々に使われなくなっていた。

速度が武器なので、どの時代でも一定の強さは保証されている。 あとはその環境において、「パワー6000WB」のゴリ押しがどれだけ利くかがポイント。

最近はチャンプブロッカーでWブレイクが通りづらいのと、《武者》《剣誠》の6000火力が苦しいか。

【デスフェニ】

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5弾環境にのみ存在。当時は【5c天門】に対してシールドを焼くのが強かった。

今となっては、カードを3枚使ってシールドを2枚焼く動きは悠長だ。 相性の悪い相手が増えたとか以前に、ただただインフレの波に飲まれていったデッキである。 最近では非破壊除去が増えたせいで《デスフェニ》が帰ってきにくいし、パワー9000もやや心もとない。

後述する【赤黒ドラゴン】に《デスフェニ》を忍ばせてやることはできなくもない。

【白黒/デイガアウゼス】

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6弾環境にのみ存在した、【ツヴァイ】【ブリザード】へのガンメタデッキ。 トリガー《ヘブンズ》からの返しで《アウゼス》を出して盤面を掃除するのが最強ムーブだった。 そんな【アウゼス】も7弾の進化GV連中をいなすことはできず、早々に引退。

盤面除去性能はピカイチなので、現環境でも【NEX】になら対抗できる可能性がある。 リソース問題も《ミルザム》や《ロリエス》である程度解消可能。 ただし、3マナまでの動きが弱すぎるという欠陥はそのままだ。

最終的に《アウゼス》を中心に中型エンジェルを並べて殴ることになるだろうが、 この手のデッキは《デスドラ》で甚大な被害が出るのも悩みのタネである。

また、今使うなら、似たような構成で環境にいる【ラッカボルフェウス】を超えられるかどうかが課題となる。 《ボルフェウス》《フォートレス》の鉄板ムーブに、《ミルザム》キャンセルしつつ盤面を一斉に掃除できる《ネプチューン》。 これに対抗するのはかなり難しそうだ。

【ツヴァイ】

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一応現役。

ただし、序盤の妨害に長けた【ナイト】、確定除去トリガーの多い【トリガーHDM】が台頭しているのがかなりキツい。 有利を取れていた【黒緑速攻】が弱体化したのも向かい風である。

動きの近いデッキとして【赤青剣誠】が出てきたのも不穏だ。 現状、【剣誠】を差し置いて【ツヴァイ】を使う理由があまりない。 《ビジョン》が戻ってきてプレイングの幅が広がればワンチャンあるかもしれないが……。

ゲートサファイア】

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環境を取ったかと言うと全然そんなことはないのだが、 《インフェルノ・ゲート》が出たばかりの7弾の頃は使用率が高かったので載せておく。

ビートダウンはますます速くなっているので、最速《ゲート》《サファイア》しようともその間に轢かれる。 最近のコントロールには《ジャック》《ビューティ》《デリンダー》《ブラッディ・シャドウ》ら軽量ブロッカーが採用されているため、 チャンプブロックで《サファイア》を簡単に防がれてしまう。

そもそもの話として、《サファイア》早期降臨なら【キリコ】や【ライゾウ】を使うほうが強い。

今では「ちょっと強いカジュアルデッキ」が関の山だと思う。 これがカジュアルデッキかというと諸説ありそうだが。

【パンダ】

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一応現役。

ここでは《ボルパンサー》を出すリース型を想定している。 これ以外には、7弾のトリガー多めタイプ、8弾の【トリーヴァパンダ】、8弾EXの【烈流パンダ】などもあった。

9弾環境で【ガントラビート】が登場するとそちらにプレイヤーが流れたが、それでも長らく高い使用率を誇っていた。 ただし12弾では、クリーチャーの量・質ともに【NEX】の後塵を拝することに。 【武者】【剣誠】の6000火力や、【トリガーHDM】の豊富な確定除去トリガーもキツい。

デッキの基盤は堅実に強いものの、段々と環境が合わなくなってきた。

【カチュア】

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今までに環境で活躍した【カチュア】は2種類。

1つは、7弾環境で流行した、《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》《ダーク・サラマンダス》入りのデアリガズ型。 当時優勢だった【ツヴァイ】【ブリザード】【メカオー】の小型展開に合わせ、《ギフト》まで入れて極限まで速度を上げていた。

もう1つは、8弾で手に入れた《バイオレンス・サンダー》を組み込む多色型(サンプルはこっち)。 デアリガズ型より速度は落ちるものの、《V・サンダー》の爆発力が魅力である。

「環境で見なくなった」とお題文にはあるが、このデッキの暴力的な押し付けは未だ唯一無二である。 《カチュア》に惹かれているプレイヤーが根強くいることもあって、AD環境ではそれなりに数が残っていると認識している。 現環境は特に「ヘリサラ」が刺さるわけではないので、主にいるのは5c型か。

【カチュア】が環境で活躍できるかのポイントは2つ。

1つが、「5マナ4000」が除去されやすい環境かどうか。 今は《武者》《剣誠》《デュアル・ザンジバル》《アルカディア・エッグ》が多いので、過去環境と比べると動きづらい。

もう1つが、《カチュア》を出せなかったときの【5c】としての動きが強いかどうか。 現環境は【5c】があまり活躍していないことから、その点でも苦しめなのかもしれない。

【赤黒ドラゴン】

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8弾環境にいたマイナー寄りの強デッキ。 9弾環境で《ガルザーク》がスタン落ちしたときに影が薄くなり、そのまま忘れられた。 当時のレシピでは《ゲキメツ》が複数枚入っていることが多かったが、 別に1枚でも戦えるし、なんなら《HDM》でその枠を埋めることもできると思っている。

当時の環境では、対ビートダウン・展開系には《ボルガウル》で制圧し、対コントロールには《グール》で粘り強く戦う構えが強かった。 しかし、現在流行りの【キリコ】【Bロマ】【ライゾウ】らは小型を並べないコンボデッキで、こちらから刺していける要素が無い。 《ガルザーク》で素早く殴り切るほかないだろう。

【パンダ】同様、基盤が優秀だが環境との噛み合いが悪い。

【リーフメビウス

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9弾初期環境の害悪系デッキ。 環境で目立っていたのは、9弾で《ビューティシャン》が出てから、半月後に《驚天》《アガピ》《ゲオルグ》《テクノロジー》規制されるまでの間だけだった。 その間に活躍できた理由は、

  • 人気白熱の【5c】に強かった ←《フェアリー・ミラクル》登場直後のため
  • 《驚天》に対して《サファイア》を投げることができた
  • 【テクノロジー】に《宝剣》《ロスソ》で対抗できた

といったところ。

制限改定以降は、増えてきた【メカオー】【アポロヌス】に対処できず数を減らした。 9弾EXで《ゼロフェニ》が登場すると、害悪系としての需要は【ゼロフェニ】に移行。 そしてその【ゼロフェニ】にも弱かったため、ガチ環境での使用者はほぼいなくなった。

遅いデッキには非常に強い一方、ビートダウンに弱いという原初的な弱点を抱えているので、相当変な環境にならない限り復権は無い。

ちなみに、9弾環境では同じく害悪系デッキとして【パルティアLO】が環境にいた。 こちらも9弾EXの《ゼロフェニ》にお株を奪われたのち、10弾で《エタガ》を没収されて息を引き取った。

【ロマノフサイン

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10弾環境のデッキ。 性能だけ見れば環境トップでは無かった。 【ゲートサファイア】同様、人気でメシを食っていたタイプである。 無難なクローシス型と、尖らせたデイガ型が使われていた。

普通の構築だと、《ロマノフ》リレーが始まるのは6ターン目以降。 ベストムーブでさえちょっと遅いのに、スタートラインに立つのがもっと遅れることもあるし、走り始めても探索次第ではバトンタッチに失敗する。 また、リレー重視の場合、強さの根源は《マッハアーマー》だ。 しかしメタカードも出てきた今となっては、《マッハアーマー》を運用するなら【赤白武者】【赤青剣誠】くらい突き抜けた強さが欲しい。 撃つ呪文を工夫しようにも、《ロマノフ・ストライク》は《デスドラ》に、《ソウル・アドバンテージ》は《Bロマ》によって、差別化への道が阻まれてしまう。

メタゲームを走ることを考えるなら、10弾の時以上にしんどい。

おわりに

今回設定した条件に該当するデッキは網羅できたはずだ。 これ以上増えると考察量的に厳しくなってくる。

実は【マルコビート】を取り上げようか迷ったのだが、あまりにも自由度が高すぎてサンプルレシピが作れなかったため、今回はナシにした。

AD環境は既に、ガチ勢が研究し尽くす暇なく次の弾が出るというルーチンである。 かくいう自分もND/AD制施行直後は全てのAD限定デッキに気を配っていたのだが、最近はそうも行かなくなっている。 そろそろ公式大会か何かをADで開いて、プレイヤーたちの熱量がAD環境に向くように仕立ててもらいたい。