はじめに
こんにちは。 私も苦戦中なのですが、緑神龍ダグラドルグランを使ったデッキが見てみたいです。
漫画の影響で好きなカードなのですが、組むたびにこれボルメテでええやん、となってしまい…なんとか活躍させたいのですが…
https://odaibako.net/detail/request/66bf7564-66da-4e93-8da2-751648b05821
やべーのが来ちまった……。
《緑神龍ダグラドルグラン》
6-6000, W・ブレイカーのアース・ドラゴン。 ブレイクしたシールドをマナ送りにする。 本家では「アクセル」(クロスギアがクロスされているとき~)で獲得する能力が、デフォルトで搭載された。 余談だが、「削ったライフがマナに行くシステムのTCG」は割とある(バトスピ、Wixoss, Z/Xなど)。
確実にトリガーを封じることができるのは、絶対的に見れば恵まれた能力といえる。 スペック的に厳しいカードや(例:《ギガベロス》)、発動条件が難しすぎるカード(例:《五元の精霊プラチナム》)と違って、 単体での使用にも耐えうるカードだ。 普通に使ってもある程度の強さが保証されている点は評価したい。
しかし、相手のマナを増やすというのは非常に危険な行為である。 今の環境だと、 《アポロヌス》《ツヴァイランサー》《ヴィーナス》などの展開系コンボが1ターンで成立してしまったり、 《サファイア》《アルファディオス》《ドルバロム》らのエンドカードを早く引き寄せてしまったりする。
《フェアリー・ギフト》からの召喚を試してみての感想だが、《ダグラドルグラン》を早出しして殴る展開は特にNGだ。 《ダグラドルグラン》には奇襲性が無いため、相手は《ダグラドルグラン》召喚を見てから、 マナが増える前提のプレイングへと切り替えることが出来てしまう。 ビートダウンを続けようとしても、序盤ならあり得ないような対処札の連射で動きを止められてしまうことが多い。
当然ではあるが、相手の増えたマナをなるべく活用させないようなゲームメイクを考えるか、 相手のマナを伸ばしてしまうことを逆手に取るようなアイデアをひねり出す必要がある。
さらにコイツの難しい所が、トリガー封じ能力を持つ他のクリーチャーたちの存在である。 先ほど、「"絶対的に"見れば恵まれた能力」という表現をしたのはこのため。 似たカードと比較したときの相対的な評価をしようと思うと、《ダグラドルグラン》の立場はやや厳しい。
まず、もっとも性能が近いのが《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。 1コスト上げるだけでシールドを焼却できるようになる。 トリガー逆転を許さずにじっくり相手を追い詰めるという戦術を取る場合、 その過程で相手にリソースを与えてしまう《ダグラドルグラン》よりも、《ボル白》の方が使いやすいのは明らかだ。 投稿者さんもここに苦しんでいるに違いない。
次に、別の方面で壁となっているのが《幻想妖精カチュア》。 タップスキルで《ボル白》《サファイア》を呼び出せるため、実質的にトリガー封じアタッカーと同じような運用ができる。 文明が《ダグラドルグラン》と同じ緑で、コストはあちらのほうが1軽い。 ワンショット的なコンボに専念する場合、より軽い《カチュア》に軍配が上がるだろう。
また、役割が被り得るのが《無双恐皇ガラムタ》や《陽炎の守護者ブルー・メルキス》。 上2つと違って、殴ったときに相手にリソースを与えてしまう(ことがある)のは《ダグラドルグラン》と同じ。 致命的な性能差に悩まされることはないとは思うが、一応存在は意識しておいた方が良い。
《ダグラドルグラン》を使うにあたっては、 これらのクリーチャーとの差別化が図られているかどうかにも気を配った方が良い。
ここからは、自分なりに《ダグラドルグラン》を採用する理由を見出せたデッキアイデアを5つ紹介しようと思う。 このお題には相当苦しめられたので、その恨み辛みを存分に吐き出させてほしい。
1. ドルグランパワーt白
- コンセプト:B
- 完成度:B
- デッキパワー:A
- 思い入れ:B
1つ目は、2021/1のアプデでコストが7になった《インビンシブル・パワー》と組む構築。 6マナ《ダグラドルグラン》→7マナ《パワー》と繋いで、シールドを4枚マナ送りにする。 お題をいただいた時にはまだ8マナだったのだが、自分が投稿を引き延ばしているうちに組めるようになってしまった。
アイデアとしてはかなり素直。 カジュアルマッチで他のレシピを回しているときにも、これと似たようなデッキに2回遭遇した。
単色構築縛りが要求される《パワー》を切り札に据えることで、《ボル白》や《カチュア》との差別化ができている。 ワンショットできるので、相手のマナが増えるのも気にならない。
少し気がかりなのが、《ガラムタ》と《パワー》でも同じようなコンボが組めてしまうこと。 あちらの場合、《青銅》→《ガラムタ》→《口寄》4ドロー→《パワー》で、割と安定した6キルが組めてしまう。 《ダグラドルグラン》だと最後に1枚残ったシールドからのトリガーを許してしまうが、《ガラムタ》なら全てのトリガーを封殺可能だ。
これとの差別化は、黒以外の文明をタッチして 今回選んだのは、以前も構築したことのある白。 確実に1ターン耐える《調和と繁栄の罠》、《アポロヌス》の攻撃をブロックするための《勇猛護聖ウォルポニカ》を積んでいる。
ただ、《パワー》が7マナになったことで、以前よりも守りを固めて時間を稼ぐ必要性は薄くなってきた。 6弾の《怒号するグリンド・ホーン》に加え、7弾で登場した《自由な旅人ベア子姫》まで積めば、 白を入れなくても耐え切れる試合が多いのではないか。
2. 日向草ドルグラン
- コンセプト:A
- 完成度:A
- デッキパワー:B
- 思い入れ:B
2つ目は、《日向草》と組んでワンショットを狙う構築。 《ダグラドルグラン》でトリガーを封じることで、《日向草》のターボラッシュを確実に発動できる。
↓ 昔の構築。 mikegamo.hatenablog.com
この構築では《トット・ピピッチ》を積み、SA化クリーチャーを6枚体制にすることでコンボを狙いやすくしている。 《ピピッチ》は5枚目以降のトリガー封じアタッカーとして積んだ《ボル白》もSAにしてくれる。 これは《ペンチ》&《カチュア》型には無いメリットである。
強く無いし、それこそ《パワー》でいいような気もしてくるが、ほとんどの相手にワンチャンス取れる構築。
3. ドルグランメルセウス
- コンセプト:A
- 完成度:C
- デッキパワー:C
- 思い入れ:B
3つ目は、増えた相手のマナを利用して、《栄華の精霊メルセウス》でこちらもブーストするというもの。
これは死ぬほど弱かった。《ダグラドルグラン》召喚 → 次ターンに攻撃 → その次のターンにようやく《メルセウス》召喚 → 増えたマナが活きるのはさらにその次……という具合で、コンボを決めるのにとんでもなく時間がかかる。そしてコンボしても全然強くない。 伸ばしたマナで《アルファディオス》を出したいが、 ロックをかけるなら《ダグラドルグラン》のトリガー封じが意味をなさなくなる。
こんなカードがあれば話が変わる。
4. ソウルドルグラン
- コンセプト:B
- 完成度:A
- デッキパワー:B
- 思い入れ:B
4つ目は、《太陽王ソウル・フェニックス》と組んで、 《ダグラドルグラン》をビートダウンの最後の一押しとして使う構築。 《ダグラドルグラン》主体で殴ると危険なので、ある程度別のクリーチャーで削ったところに出てきてもらおうという算段である。
なんだかんだで《ソルフェニ》は5~6マナの時に出ることが多い。 その場合、次のターンには《ダグラドルグラン》が出せる。 《ソルフェニ》のT・ブレイクが決まっていれば、残りの2枚を《ダグラドルグラン》で安全に削る構えだ。
場合によっては、《ルピア》→《ドルグラン》→《ソルフェニ》と繋いで、 《ソルフェニ》の下に厄介な《ダグラドルグラン》を控えさせておくこともできる。
《ボル白》とはコストで、《カチュア》とはスロット削減で、 《ガラムタ》とはブレイク数で差別化ができている。 ライバルカードとの差別化に関しては、この構築が最も無理のない形で成功している。
《ソルフェニ》のほうをベースに考えた時に《ダグラドルグラン》が入るのかとか、 そもそも《アポロヌス》で良いとか、そういう目で見ると話がややこしくなってくるので止めておく。
5. ネクラドルグランコントロール
- コンセプト:B
- 完成度:B
- デッキパワー:B
- 思い入れ:A
5つ目は、《ダグラドルグラン》をコントロールのフィニッシャーとして使う構築。
この場合、《ボル白》との差別化のために赤を入れてはいけないという制限が生まれる。 コントロールのアドバンテージ源である全体火力を使えないコントロールって……とボヤきたくなるが、 ここは迷いを断って構築を進める。
赤以外で盤面処理によるアドバンテージを取れるカードとして浮かんでくるのが、 軽量ながらにして2枚除去の可能性を秘めた《天使と悪魔の審判》である。
ただ、《審判》は使う前にクリーチャーを出しておかなければ真価を発揮できない。 《審判》自体が多色カードであることも考えると、最序盤に安定して色を揃えられる構築にしておくべきだろう。 そこで、4色目となってしまう水文明は切って、《審判》+《ダグラドルグラン》のネクラカラーで組む。
ネクラカラーは、全体火力の赤も、ドローの青も使えない。 アドバンテージを取れるカードを目ざとく見つけなければ、コントロールを名乗る資格は無い。
アドバンテージ源として入れているのは、《雷鳴の守護者ミスト・リエス》。 《審判》で序盤を凌いだら、除去を食らわないことを祈ってコイツを立てる。
ハンデスカードは《デモニック・バイス》。 今の高速環境だと、《ロスト・ソウル》を撃つ前にゲームが終わるのでこっち。
緑でコントロール向きのカードを探していたら、《霊光の化身》が目に留まった。 《審判》で使ったタップキル用のクリーチャーを再利用して、永続的に盤面を制圧しよう。
デスパペットが《光線人形ストリウム》《解体人形ジェニー》の2体いることもあって、 《ガラムタ》との差別化が若干怪しい。 《ダグラドルグラン》には、手札を与えない点、パワーが1000高いためタップキルに参加しやすい点、 緑単色で事故りにくい点で役割を持たせたい。
おわりに
《百発人形マグナム》の時もそうだったが、レシピを大量投下することとなったのは、 自分で満足のいくベスト構築を見つけられなかったからだ。 本当なら、コンセプトの秀逸さ・使用感の良さの2つを高い水準で満たすレシピを1つ作るのが理想である。
今後の展望としては、相手のマナを増やすことで大きなメリットを得られるカードが出てくるかどうかに注目したい。