デッキレシピ
- コンセプト:B
- 完成度:S
- デッキパワー:A
- 思い入れ:A
2021/7/6, キング・アルカディアスカップのNew Divisonマスター到達。
キーカード解説
《太陽王ソウル・フェニックス》
4-13000, ドラゴンとバード1体ずつから進化。 味方にスピードアタッカー付与。 離れるとき、進化元を場に残す。
開発班から能力強化を貰ったにもかかわらず、環境に一瞬たりとも食い込めなかった悲劇のSRである。
かくいう自分も、昔ランクマッチで《ソルフェニ》デッキを回したことがあった。 しかし、その時は努力空しく、マスター到達を諦めざるを得なかった。
時は進んで9弾環境。 同期の《英霊王スターマン》は、現環境で《アポロヌス》を狩るカードとして密かに注目されている。 《ナーガ》《ペガサス》《デスフェニ》も、ランクマッチを100~200戦やれば1回くらいは当たるカードだ。
五王がスタン落ちするまで、残すところパック2弾分。 活躍の場がないまま終わるなんて、悔しいじゃないか。
《ソルフェニ》で勝ちたい。勝たせてやりたい。
連勝ボーナスの補助も活用して、マスターランクに再び挑むことにした。
環境整理
以前の《ソルフェニ》を苦しめていたのは、《剛撃聖霊エリクシア》である。 進化Vで獲得したパワー13000を、たった1枚で、しかも《ヘブンズ》でコストを支払わずに抑え込んでくる。
直線的な攻め方しかできない《ソルフェニ》にとって、力押しが通用しない相手はどうしようもなくキツかった。
9弾環境からは、その《エリクシア》がNDからスタン落ちした。 目の上のたんこぶがいなくなって、New Divisionはようやく《ソルフェニ》が動きやすい環境になったと言える。
その一方で、強力なライバル・《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》が出しゃばっているのは許せない。 《アポロヌス》召喚時のコストは3以下で、必ず《ソルフェニ》よりも軽い。 打点の作りやすさも、《アポロヌス》が圧倒的に上である。
《ソルフェニ》にしかできないことを探しつつ、 《ソルフェニ》をメインカードとして使って勝つデッキを探したい。
《ソルフェニ》にできること
ここでは、主に《アポロヌス》と差別化できる点を挙げていく。
- 最速4ターン目に攻勢に入れる。
《ソルフェニ》には、
2《コッコ・パルサ》→ 3《バディ》or《センチネル》 → 4《ソルフェニ》
の最速4ターン召喚ルートがある。
今のメジャーな軽量除去札は、4コストの《魂と記憶の盾》《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》。 先攻を取れれば、この2枚を使われる前に殴り込みに行ける。
- ドラゴン1体の状態から簡単に進化できる。
《ソルフェニ》は、場にドラゴンが1体しかいない状態からでも、
2マナバード → 4マナ《ソルフェニ》
と繋いで召喚できる。 除去で体勢を崩されかけているとき、特に次のターンに《炎槍と水剣の裁》が飛んできそうなときに、進化元を守りながら進化できる。
《アポロヌス》も《バルケリオス》を絡めればいけるって? うるせぇ。
- 《悪魔神ドルバロム》《インビンシブル・アビス》《聖鎧亜キング・アルカディアス》に耐性がある。
《アポロヌス》は実質的に選べないという強力な除去耐性を持っている。 しかし、《ドルバロム》《アビス》の全体除去を食らえば吹き飛ぶ。
一方、《ソルフェニ》は破壊されても進化元2体を残して継戦することが可能。 シールドを削っておけば、出てきた進化元で殴り切って勝てる。
また、《キング・アルカディアス》を出されてもなんとか立ち回れる点は評価できる。
《ソルフェニ》自身は多色なので、《キング》下でも問題なく召喚が可能。
さらに、場を離れた時に進化元を残す効果は、なんと「かわりに」と記述された置換効果。 「置換効果は連鎖しない」というルールにより、《キング》の置換効果を適用されることなく、 2体ともバトルゾーンに残すことができる。
何より意表が突ける
組んだ型
最終形の前に組んだ型が2つあるので、まずはそれらを紹介する。
リースドラゴン型
最初に組んだのが、 《龍仙ロマネスク》《無双竜機ボルグレス・バーズ》の2枚を軸にした【リースドラゴン】に、 《ソルフェニ》を載せた型。
通常、【リースドラゴン】のメインフィニッシャーは、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》。 しかし、せっかく高パワーのドラゴンが沢山並んでいるのに、 《サファイア》1匹に殴りを任せるのは勿体ない。
そこで、《サファイア》の代わりに《ソルフェニ》を採用し、 デカブツドラゴンでパンチするイメージでデッキを組んでみた。
基盤となっているのが【リースドラゴン】なので、デッキパワーとしては当然強かった。
しかし残念なことに、肝心の《ソルフェニ》を出す機会がとても少なくなってしまった。 意識すれば召喚自体はできるものの、《ソルフェニ》のおかげで勝てた試合はほとんど無かった。 しかも、そういう状況は大抵《アポロヌス》を出したほうが簡単に勝てていた。
また、《コッコ・ルピア》を進化元にしてしまうと、 大型ドラゴンを1ターンに2体以上展開することが出来なくなって不便だった。
もう少し練りようもあったかもしれないが、 自分は《ソルフェニ》をもっと必要とするデッキを組みたかったので、 一旦ボツにした。
シータ型
初心に帰って、素直なビートダウンである青入りバージョンを組んでみた。 結論のリースの構築も、30枚近くがこれと同じ構成。
青入りで肝となるのが、 最強トリガークリーチャーである《アクア・サーファー》と、
ブロッカー破壊をこなす《電脳勇騎マグナス》。
特に《マグナス》は、前に【チューターソウル】を組んだ時に喉から手が出るほど欲しかったカードだ。 《無頼勇騎ウインドアックス》でマナを伸ばすよりかは、《マグナス》のドローで後続を持ってくる方が強い。
勝率は悪くなかった。ぼちぼちプラチナ3くらいまでは来れたのだが、
- 【赤白アポロ】に100 %勝てないこと
- 【4cアガピキング】がブロッカーを大量展開してきた時に詰むこと
の2点が厳しかったため、構築を見直すことにした。
青型で他に検討していたカードは、
- 《ストリーミング・チューター》:大量ドローソース
- 《電脳海王ネオングライド》:バウンスによる突破要員&ドラゴン
- 《アクア・ウェイブスター》:同じくバウンス
など。ただし、メインパーツが多い都合上、3色目である青に割けるスペースは多くない。
《電磁昇天ピピッピ》は、待望の高パワーバード。 しかし、この構築だと青を多く確保するのが難しいため、序盤に引いても出せない。
構築・解説
繰り返すが、今回は「《ソウル・フェニックス》で勝つ」ということに強くこだわっている。
目指したのは、《ソルフェニ》がメインプランとして最も活躍できる構築である。 《ソルフェニ》がサブプランやタッチになってもいいなら、 これよりもデッキとして強い構築は作れると思う。
リースにした理由は、白のカードのところで説明する。
《太陽王ソウル・フェニックス》
コンセプトなので4積み。
《コッコ・パルサ》
2マナバード。ドラゴンのコストを1下げる。
4ターン最速《ソルフェニ》、2+4《ソルフェニ》の2パターンで使える重要カード。4枚。
《翔天妖精レチア》
5枚目の2マナバード。 2ターン目に手札に来ても、コイツを頑張って出す必要は無い。
滅多に出さないが、《口寄》のドロー枚数を稼いだり、《キング》下で召喚したりする。
《コッコ・ルピア》
定番のドラゴン軽減バード。 《ルピア》《センチ》《センチ》は、このデッキでも当然強い。
が、コストの高いドラゴンが《ボルガウル》くらいしかいないため、 普通のドラゴンデッキに比べると恩恵を受けにくい。
《青銅》とコストが被るのもあって、3枚。
《青銅の鎧》
出た時1ブースト。
《ルピア》に頼らなくて良いのが《ソルフェニ》のメリット。 ブーストで手堅く下準備をして、安定したゲームメイクを狙いたい。
《ソルフェニ》は全クリーチャーをSA化できるので、後半に引いてもこのカードに価値が生まれる。反対の理由で、呪文の《フェアリー・ライフ》は不採用
次の5マナで、《パルサ》/《ルピア》と《バディ》/《センチ》をセットで出そう。
可能なら6枚積みたいカード。
《ボルシャック・バディ・ドラゴン》
《ソルフェニ》と一緒に収録された4マナドラゴン。 実質キャントリップのカードとしても大事。
4積み。
《センチネル・ドラゴン》
憎き《アポロヌス》のために生まれてきたカード。 とはいえリソースが取れる4マナドラゴンなので、《ソルフェニ》にとっても有難いカード。
234《ソルフェニ》を狙う構築にできたのは、コイツが出てきてくれたおかげである。
自分自身をデッキから引っ張ってくるので、当然4積み。
《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》
白を入れた理由その1。
最初の役目は、《アポロヌス》に対して勝ち目を残すためのトリガーカードだった。 しかし、いざ使ってみると、それ以外にも役割を多く持てることに気が付いた。
- 《アポロヌス》意識でなくとも、普通にトリガーとして強い。
- 相手の《ジャック》《ビューティシャン》《ムルムル》を焼いて突破口を開く。
- 《ボルガウルジャック》と併せて、相手の場を制圧する。
1枚でこなせる仕事が多いということは、その分だけデッキスロットを圧縮できるということである。 あまりにも便利なカードだ。4枚。
《緑神龍ハルクーンベルガ》
このデッキは、基本的に《ソルフェニ》を素引きするしかない。 そこで、《ソルフェニ》が引けない時のサブプランとしてコイツが必要になってくる。
4マナドラゴン連中が引けない時には、《ソルフェニ》の種にもなれる。
コスト論的に見てもだいぶ強いカードなので、採用する価値は十分にある。
と言っても時々使いたいというレベルなので、2枚。
パワーアップ中のこのカードから進化した場合、そのターンはパワーアップが進化後にも引き継がれる。 《ボルガウルジャック》に進化すると、《ボルガウルジャック》攻撃時の火力範囲が通常よりも高くなる。 実戦で役立ったことは無い。
《ホーリー・スパーク》
白を入れた理由その2。
オールタップでブロッカーを突破する。 でも、《クイーン・アルカディアス》や《マーキュリー・ギガブリザード》を出されると結局詰む。
用途的には、《バリアント・スパーク》の方が理に適っている。 7マナで《ソルフェニ》が出ているときに、何か+《バリスパ》で殴りに行けるのが便利。
しかし、7マナに達していない状況で《スパーク》のトリガーを祈ることも多かった。
今回は、悩んだ結果《ホリスパ》を選択。
《超竜騎神ボルガウルジャック》
このパワーカードを積むのは気が引けたが、 ビートダウンやコンボデッキに対して戦うために必要だと判断した。
《ソルフェニ》が倒れた後、バトンタッチで進化して殴りに行くこともできる。
頼り過ぎないように2積み。
《口寄の化身》
ドローソースゼロは流石にマズいと思って、1枚だけ挿した。 出せた試合では結構活躍してくれた。
ただ、これ以上スペースは割けない。
《ナチュラル・トラップ》
緑の確定除去トリガー。
初動となるカードが《コッコ・パルサ》《青銅の鎧》なので、緑マナは多めに確保しておきたい。
初めは4積みだったが、《ハルクーンベルガ》や《口寄》と枚数を折半して3枚に。
採用しなかったカード
ここからは、相性が良さそうに見えるものの採用に至らなかったカードを紹介する。
《パッピ・ラッピー》
フェニックスをサーチしてデッキトップに置く。
《ソルフェニ》をサーチしたい局面はあるのだが、 このカードを出すタイミングが無い。
即効性が無いのが痛い。
《ピアラ・ハート》
1000火力のバード。
一発逆転の筋を作るトリガークリーチャーとして見どころがある。
《ソルフェニ》のテンポ良い召喚には貢献できないこと、 《ジャック・アルカディアス》と役割が少し被ることから、 今回は不採用。
《霊騎幻獣ウルコス》
《青銅》がもっと欲しいなら入れれば良いのでは?という発想。
ただ、白マナが少なくて序盤に出せない可能性が高いため、今回はやめておいた。 多色事故も避けたい。
《ヘリオライズ・ドラゴン》
フェニックスサーチ。
直接手札に持って来れるのは良いが、重い。 持って来れるのが《ソルフェニ》一択なのも渋い。
《エタフェニ》と二刀流にするなら、考えてやらないことも無い。
《緑神龍ジオドラン》
本当は入れてやりたいのだが、2コストバードが少ない構築になったため却下。
《パッピ》《ピピッピ》《レチア》をいっぱい積んで遊ぶのも楽しそうではある。
《翔竜提督ザークピッチ》
《バディ》からのサーチ兼手札補充。
コントロール系の相手に有効なカードだと思っていたのだが、 《ビューティシャン》を使ってくる相手が思ったより少なかったので抜いた。
《コッコ・ルピア》が少なめのこのデッキでは、《ザークピッチ》を6マナにして召喚するのも難しい。
《龍炎鳳エターナル・フェニックス》
まず、スペースがない。
4t《ソルフェニ》を狙いたいので、《ソルフェニ》は4積み確定。
このデッキはファイアー・バードが意外と少ないため(8枚)、 バード進化を5枚入れると手札で持て余す可能性がある。
次に、赤ではないカードが多い。
《コッコ・パルサ》《青銅の鎧》《ハルクーンベルガ》を回収できない、 これらを進化元にしていた場合は、次の進化が狙えなくて困ることになる。
そして、マナの伸びないこのデッキでは、エターナル効果を活かすことが出来ない。
《青銅の鎧》こそあれど、《エタフェニ》の本領を発揮するには、マナが足りない。
以前組んだ《ソルフェニ》には必ず1枚以上挿していたが、今回は断腸の思いで不採用とした。 《パッピ》《ピアラ》を入れるレシピなら多分入る。
《超神龍アルグロス・クリューソス》
リースドラゴン型で強さを再確認した。
カードスペックとしてめちゃくちゃ強いし、 ガン不利の【アポロ】【メカオー】に対する有効打にもなる。
マナが伸びないという理由で採用していないが、 もしかすると1枚くらい入れたほうが良いのかもしれない。
ただ、いざ入れると《ソルフェニ》の活躍の場が減るようにも思われるため、難しい所。
改良点
ない。この型はこれが完成形。
強いて言うなら、《バリスパ》か《ホリスパ》のどちらがいいのかを吟味するくらい。
ゲームプラン
《ソルフェニ》を絡めたビートダウンで勝つ。
覚えておきたいルートは、
- 2t《パルサ》→ 3t《バディ》/《センチ》→ 4t《ソルフェニ》or《ハルクーン》
- 3t《青銅》→ 4t 《ルピア》/《パルサ》&《バディ》/《センチ》or 《ハルクーン》 → 5t《ソルフェニ》or《ボルガウル》
- 3t《ルピア》→4tドラゴン→5t《ソルフェニ》or《ボルガウル》
の3つ。優先度は上の方が高い。 特に、最速ルートを追える手札なら、 ギリギリまで追うこと(例えば「次のトップが緑単色なら……」という条件でも狙う)。
《青銅》スタートかつ相手がコントロールの場合、 除去警戒で5マナ時の行動はドラゴン1体にする。 ここで《バディ》を出して《パルサ》を呼び、次ターンの2+4《ソルフェニ》を狙うのがベスト。
コントロール相手の3t《ルピア》は、先攻を取れているときにのみ召喚する。
あまり試合が長引くと勝てないが、マナを伸ばすと9マナで 軽減バード→4ドラゴン→《ソルフェニ》の1ターン降臨ができる。
《バディ》でサーチするバードは、《ルピア》と《パルサ》どちらにするかよく考えること。 6-4くらいで《ルピア》の方が優勢だが、《パルサ》の方が良い場面も割とある。 具体的には以下。
- 2《パルサ》3《バディ》と繋いでいるときは《パルサ》。
- 6マナで2+4《ソルフェニ》を狙うときは《パルサ》。
- 緑マナが見えていないときは《パルサ》。
基本的に、場にバードしかいない、もしくはバードとドラゴンが1体ずつの時は殴らない。 今の環境は、《ジャック・アルカディアス》の採用率が非常に高い。 ワンパンでトリガーを踏んで台無しになるケースが多いので、攻めすぎた殴りは控える。 ドラゴンが2体以上並んだら殴ってOK。
なお、相手シールドを4枚にしておくと、
《ソルフェニ》トリプル → 除去で分裂してジャスキル
というムーブも可能ではある。でも変なブレイクは止めよう。
戦績・相性
今回はちゃんと統計を取らなかった。
直近100戦が、49勝51敗。 お世辞にも強いとは言えないが、ランクマッチで概ね5割勝てていると考えればまあ上出来だと思う。
- 【メカオー】【アポロヌス】
不利。《ボルガウルジャック》が暴れればワンチャンあるが、引けないなら無理。
- 【4c除去コン】
《アガピトス》入りが微不利、それ以外が五分。
《ソルフェニ》の着地しやすさで勝負したい……が、結局出せないこともある。
トリガー《デモハン》で大体負け。 《スターマン》を出されても負け。 《ソルフェニ》を《デモハン》で処理せずに放置してくれる相手だとやりやすい。
- 【パンダネルラ】【トリガー烈流神】【ガントラビート】
五分。ただしどちらかというと不利寄り。
引けているなら《ボルガウルジャック》優先。 無いなら《ソルフェニ》で突っ込む。
ランプデッキとして括った。ビートダウンなので基本有利。
【フュージョン】【5cミラクル】は《裁》の採用率が高いため、撃たれる前に《ソルフェニ》を着地させたい。 《裁》のニオイを嗅ぎ取ったら、《バディ》《センチネル》よりも《ハルクーンベルガ》を優先して立てる。
おわりに
ちゃんと「《ソルフェニ》で勝てる」構築で走り切れて満足。
今回のデッキは、完走に少しだけ苦労した。
強化前《アルグロス》よりは難しかった。
【グレートブルー】よりは簡単、 【ペガサスキングサファイア】に比べれば何の苦労も無かった。
前期、6/10のバランス調整前にマスターまで走ったウェーブストライカーと《サンゾン》は、 バランス調整後に環境での立ち位置が良くなった。
《ソルフェニ》も、《アポロヌス》が下方調整を食らって相対的に価値が上がったりしないかな……。