ミケガモのブログ

デュエプレ ワンオペ杯 主催レポート【DMPP-17】

はじめに

22/12/27, デュエプレ個人大会「ワンオペ杯」を開催した。 驚くべきことに26人もの方に参加いただき、素晴らしいデッキとデュエルを見せてもらった。 一発開催のクソルールながらもメタ読みがあって、見応えのある大会だったと思う。 せっかくなので、簡単にレビューを残しておこうと思う。

とりあえずガチで勝つならどうなるかという視点で考察を進めるが、 実際の大会では、勝率や強デッキをある程度無視したり、特定の戦術にメタを張ってみたりと、 各プレイヤーがそれぞれの方針で大会に参戦しているのが面白かった。 所詮はクソルールなので、各々好きに楽しんでいただくのが一番である。

大会ページ

tonamel.com

観戦配信

youtu.be

注:主催者権限で、提出してもらったデッキレシピを適宜引用させていただく。

ルール

  • クリーチャー1種4枚のみ。他36枚はクリーチャー以外
    • クリーチャーを0-3枚にするのも禁止
  • ゴッドカード、超次元ゾーンの編成禁止
    • 「ワンオペ」の主旨に反するため
    • 超次元呪文の採用は可(何も出せない)
  • 1本勝負、スイスドロー全6回戦

なお、今回は未所持カードも使えるよう、期間限定で開催されているレジェンダリー・ディビジョンモードを使った。 構築ルールはADに準拠する。 レジェンダリー・ディビジョン下で効果の変わってしまうカード、 具体的には《驚天の超人》《ジェネラル・クワガタン》《剛勇王機フルメタル・レモン》は、今回使用不可とさせてもらった。 特に《驚天》はこのルールに適性のありそうなクリーチャーなのだが(相手の手札にクリーチャーが無い可能性が高いため)、 断腸の思いで追い出した。

ダメです。

ちなみにワンオペ杯を開くきっかけになった元を辿るとこちらに行き着く。 こちらのレシピが裏ビルド杯(カジュアル大会)の配信時に映った時、 誰かが「《アヴァ公》ワンオペか?」とコメントを打ったのがはじまり。

ルールの特徴

  • 呪文・クロスギアが多い環境になる
  • アタッカーが少ない。4体全て除去されたら終わり
  • 進化クリーチャーをほぼ積めない(手札/墓地進化は可能ではあるが……)
  • チャンプブロッカーを採用できない
  • 汎用性の高いシールド回復手段がない
    • 優秀な盾回復は《ベガ》《ミルザム》《デストラーデ》などクリーチャーに多い

クリーチャーを1種しか積めないため、勝つためにはとにかくそのクリーチャーを大事に扱わなければならない。 突破力の増強、除去への対策をしっかり確保したい所。

逆に、殴って勝つという路線を放棄するのも一つの選択肢。 このクソルールにおいては、ライブラリアウト(LO)も立派かつ蓋然性のある戦術である。

防御手段が非常に限られているのも特徴である。 防御専用のブロッカーは積みにくいし、シールド回復手段も普段使っているものは軒並み使用不可。 ロングゲームを狙う場合、どうやって攻撃を凌ぐかも課題となる。

除去カードは一見重要そうに見えるが、意外と腐りがちである。 相手のデッキに除去対象が4枚しか入っていないため、それが出てこない限りは死に札となるのだ。 しかも、このルールでは皆が入念に除去対策をしてくる。 いざクリーチャーを出されたものの除去札が効かない、という状況は往々にして起こりうるので、デッキを除去まみれにすると痛い目を見る。 一方、ワンショット系統のクリーチャーを止めるには除去トリガーがどうしても欲しい。 このあたりの塩梅が難しい。

環境考察・クリーチャー編

今回の大会参加者のデッキ(採用クリーチャー)分布、および結果を示す。

↓ デッキ分布。※印はLO狙い。

クリーチャー 人数
ロマノフ 4
PG 3
デルフィン 2
維新
Nワールド 1
ウンリュウ
エグゼドライブ
オーバースキル※
ゴーゴンシャック
シチューカ
タイガ
パフェスト
パルティア※
ファルピエロ※
フェルナンド
ベンケイ
ボルット紫郎
マグナム
マルドゥクス※

↓ 結果。全6戦中、4勝以上したもののみを掲載。

順位 デッキ 勝-負
1 維新 6-0
2 ロマノフ 5-1
3 ロマノフ 4-2
4 ロマノフ
5 デルフィン
6 PG
6 ロマノフ
8 ウンリュウ

以上を参照して、このルールで強いクリーチャー/戦術を以下のように結論付けた。

《ロマノフ》は4人で出場数最多かつ、使用者全員が4-2以上、トップ8に入った。 このルールの覇者と言ってよいだろう。

トップ8の残り4人は、出場被りがあった《維新》《デルフィン》《PG》と、 絶対に被りが出るだろうと思われた《ウンリュウ》がそれぞれ1人ずつ入賞。 この辺りが次点の強カードだと言える。

3勝からは非常に多様。いろんなカードが活躍できたりできなかったりしていて、実に面白い。

《ロマノフ》

環境でも活躍した【ロマノフサイン】、やはり強かった。 盾落ちがなければワンショット可能、失敗してもWBが2-3体並ぶ。 《エタサイ》《インフェルノ・サイン》《ロマノフ》と、始動カードを複数積めるため安定性も抜群。 《エタサイ》のおかげで破壊耐性が高いのもポイントだろう。

《PG》にブロックされても、続く《ロマノフ》が《エタサイ》で蘇生することで無傷で突破可能である。

《パーフェクト・ギャラクシー》

通称PG。場を離れないという最強の除去耐性を持つ。 物量突破しにくいルールのため、"シールド・フォース"の持ちが非常に良い。 ルール上で貴重なブロッカーを自前で持っているのも特長。

無策だと完全な詰将棋をされる。 その分メタは張られやすいため、環境トップにはならなそう。

《ウンリュウ

元よりワンオペ。 《クサナギ》《マッハアーマー》《ウンリュウ》と繋ぐと、最速4ターンでのワンショットが可能である。 しかしながら、《ウンリュウ》のサーチカードを入れると《ウンリュウ》の成功率が下がるのは悩ましい。

ボクの開く大会に出る層は物好きが多いだけで、本来ならもっと使用者が多いはず。

《維新》

ギアを盤面に2枚用意しておくだけで容易に5枚ブレイク可能。 除去を撃たれてもギアを身代わりにして生き残れるし、ギアでムキムキになればバトル負けも無い。

ただし完全なワンショットではなく、殴った後相手にターンを渡す必要がある。 シールド追加などで粘られる可能性はあるか。

《スペル・デル・フィン》

呪文率が高い環境のため、ロック力が異様に高い。 《ロマノフ》やLOコンには有利が取れる。 一方でそれ以外の戦術、具体的にはクロスギアビートなどには弱い。 自身がとても重いのもあって、実はピーキーなカードだと思っている。

環境考察・非クリーチャー編

ここからは、ワンオペルールで存在感のある非クリーチャーカードを紹介する。 どのクリーチャーを使うかも重要だが、実際にデッキの大部分を占めるのはクリーチャーではないカードである。 カードプールの把握が必要なのはむしろこちらかもしれない。

《魂と記憶の盾》

非常に回収が難しい盾送り除去。 極論、相手クリーチャーを4体盾に幽閉すれば攻撃手段はなくなる。 進化クリーチャーも原則いないので、除去対象も万能。 回収方法は《逆転のオーロラ》からの《ピクシー・コクーン》、もしくは《コダマンマ》。

《ジャミング・ビート》

除去はほぼ呪文なので、クロスすれば実質選ばれないようなもの。 さらに相手の呪文コストを上げて妨害できる。 クロスギアは盤面を埋めてしまうのが弱点だが、このルールでは盤面圧迫は気にしなくていい。

《ソイル・チャージャー》《死の宣告》

どうせ除去対象は1種類しかいないので、布告除去で十分である。 《ジャミング・ビート》をクロスされていても大丈夫。 例外的に、《ロマノフ》が走ってきた場合には確定除去が必要になる。

《オーガ・フィスト》《センジン・スタリオン》

クリーチャーの数が少ないので、それを強化するクロスギアはとても重要。

《オーガ・フィスト》は打点増強の筆頭である。

《センジン・スタリオン》は、殴るデッキの《PG》対策。 《デュアル・スティンガー》では破壊できないし、打点を溜めにくいこのルールでは《スパーク》一点突破も狙いにくいので、《センジン》がベストの選択肢となるだろう。 しかし《PG》の9000ラインを超えないと話にならないため、小型クリーチャーにとっては苦しい環境。 《インビジブル・スーツ》の実装が待たれる。

《ハタフリ・ハフリーズ》《グロリアス・ヘブンズアーム》

逆に守りを固めるクロスギアはこのあたり。

《調和と繁栄の罠》

相手の使うクリーチャーが判明すれば、トリガーのみならず手撃ちでも確実に1ターン延命できる。 効果はプレイヤー自身に付与されるため、スピードアタッカー持ちが出てきても防御可能。

連射されると冗談じゃなく詰む。 《デルフィン》でロックするか、ハンデスで連射体制を崩すしか無い。

《天使と悪魔の墳墓》

2体並べてきたら実質《インビンシブル・アビス》。特に《ロマノフ》メタとして優秀。 《ウンリュウ》《維新》《PG》には無力。

ポチョムキン

《ウンリュウ》メタ。 《PG》には無効で、《ロマノフ》は完全に逆効果。

《吸魂バキューム》

《PG》メタ。装備が不十分な《維新》も取れる。 刺さらない相手には紙切れ。

《エクストラ・ホール》

こいつを許したのがバカだった。 本ルールでは超次元ゾーンの編成を禁止しているが、実は超次元呪文を積むのは許されている。 これを回す目的で《ドラヴィタ・ホール》まで積む人もいた。何も出ないのに。

その実態は、非クリーチャーで自分のデッキを回復する唯一の手段。 両プレイヤーが使うと容易に千日手を生む諸悪の根源である。

アホな主催なので、無限ループや時間超過による試合打ち切りの扱いを大会規定に書くのを忘れていた。 《エクホ》搭載を認めることを事前に想定しておきながらである(そのためにわざわざ「超次元関連カードの禁止」という記述を避けた)。 しかも当日やたらとLOコン同士がマッチングするものだからさあ大変。 LOミラーらしきルームを見つけたら途中から観戦に入り、LOのプロ(※大会参加者)のコメントも参考にしながら主催者権限で引き分けコールをかけるという、 マヌケな大会進行を余儀なくされた。

とはいえ、これもクソルールの醍醐味。 冒頭にも書いた通り、LOはこのルールだと蓋然性のある戦法であって、私自身もそれを完全に肯定している。 LOデッキを選択したことに後ろめたさを感じることは全く無い。 それに、試合を早く終えた参加者の方、および不運にもマッチングした当事者には申し訳ないが、観戦者視点ではひたすらに面白かった。 配信のコメント欄も盛り上がっていたように思うので、全然オッケーである。

……流石に次は対策するよ?

いなかったデッキ

【ゲートボルメテウス】

《ホワイト》が4往復、もしくは《サファイア》が3往復したら勝つ。 《ゲート》《サファイア》に手が伸びそうだが、《ゲート》の撃ち所を逃すと《サファイア》手出しになってしまうので、《サイン》2種が積めて手出しも簡単な《ボル白》のほうがいいような。 どのみち《ロマノフ》には遂行速度で勝てず、《PG》には止められるだけの人生か。

【獄門イングマール】

14マナ《逆転のオーロラ》《獄門》《イングマール》でGG。 《マルドゥクス》のデッキに《獄門》が入っていたが、《獄門》に特化したタイプはなかった。 《維新》対面は《オーロラ》不要、《ロマノフ》はトリガーで止めさえすれば《イングマール》で全処理、《PG》も普通に突破可能。 メタを整理したあとだと強そうに見える。ただLOコンに弱そう。

《ジャスパー》

ちくちく系デッキ。《エグゼドライブ》はこれに近いかも。《PG》が重たい。

まとめ

環境トップは《ロマノフ》。《PG》《維新》《ウンリュウ》《デルフィン》がそれに続く。 特定のカードにメタを張ることは可能だが、得てしてそれ以外への刺さりが悪いので、対策は一筋縄ではいかない。 おそらく次回は《エクホ》が出禁。

おわりに

実はTonamelのスイスドローは、大会中の戦績が近い人同士がマッチングしやすくなっている。 Tier上位のデッキをメタった地雷デッキを作ったら、それと当たれないまま負けが込んでしまって試せずじまい、というパターンもあったと思う。 またわずか6戦しかないので、上振れ・下振れを引き続けた人、マッチング運に恵まれなかった人もいるだろう。 悔しい思いは次のデッキビルディングに向けてほしい。

ガチガチに煮詰めると真にクソルールであることがバレてしまうので、大会前の考察や練習は程々にして楽しむのがいいんじゃないかな。

次回のクソ大会にもぜひご参加ください。それでは。