ミケガモのブログ

業者への道。青黒リバイバー/白スノーフェアリー【デュエプレ】【レジェンド】【DMPP-17】

業者とは

「業者」とは、機械的にランクマッチを戦うデッキもしくはプレイヤーのことを指す。 言い換えると、個性的なデッキの開拓や難解なプレイングの駆け引きを楽しむのではなく、 星やレートを稼ぐ目的で無感情に作業を繰り返す遊び方のことである。 デッキの特徴で言えば、

  • 環境的に無難な選択である
  • テンプレ構築が普及している
  • プレイングが明快で回しやすい

のような条件を満たすものが特に業者らしいと言えよう。 歴代の環境デッキでは、【アポロヌス】【ガントラビート】【黒緑ドルバロム】【トリガーHDM】などが当てはまるだろうか。

注:どんなデッキにも、構築やプレイングは必ずある。むしろ、こういう構築・プレイのテンプレが固まっているデッキでその限界を超えていける人こそ、真の強者である。

業者という単語の出典は、ささぼー氏の配信である。 バトルアリーナ7,8th優勝の業者選手も、自身のHNをここから取ったと言っている。 しかし、配信内で「業者」の意味は特に定義されていない(はず)。 今回の説明は、業者という字面そのものと、熱狂的ファンによる配信内外での使用例を参考に、独断で定めたものである。 ここでの定義に従う場合、バトルアリーナでの業者選手はプレイが非常に難しい【デイガナイト】【ネクラ超次元】を使っていたため、本物の業者からは程遠いということになる。

デュエプレ強い上に爽やかイケメンってなんだよ。

業者になった理由

今期序盤に業者になった理由は2つ。

1つ目は、報酬のPR《ホーガン・ブラスター》が魅力的だったため。 今回はランクマッチ期間中にNDAD両方でレジェンドタッチを達成することでのみ、プレミアム版の《ホーガン・ブラスター》を4枚コンプできる。VRかつキリコの新規イラストということで、モチベーションが強く刺激された。いずれカードサプライ販売で入手解禁となる見込みはあるが、その際は莫大なDMポイントが必要となるので、本当に欲しいならレジェタッチするのが賢い選択肢となる。

ただ、ガチャ脳御用達の《ホーガン・ブラスター》は、安定と再現性を求める自分のビルドセンスとは真っ向から対立するカードである。 冷静に考えると、これを採用するデッキは一生組まないだろう。 ……何やってんだろうな。

2つ目は、17弾はランクマッチでいつものように謎デッキを回す時間的余裕がないため。 現状でも、カジュアルで試したいデッキが山積みである。 17弾は魅力的なカードの数が多すぎる上、レジェプレ2023や構築済みデッキの新規カードまである。 この環境においては、使いたいカード1枚を厳選し、たっぷり時間をかけてランクマでの戦いを楽しむという普段の取り組み方は、とてももったいない。

さらに、今月末にはレジェンダリーディビジョンまで開催予定である。 レジェンダリーディビジョンは年1回の激レアルール。 しかも、前回はレンタルデッキしか使えなかったのが、今回はプレイヤー自身によるデッキ編成が可能である。 構築自由度最大かつ期間限定のこのイベント、間違いなくやり込みがいのあるゲームになるだろう。 とてもランクマッチなんかやっている場合ではない。

以上の理由から、今月は月初めにランクマを駆け上がり、あわよくばレジェタッチまでして、以降自由にゲームを楽しめる状態にすることとした。

↓ 参考になりました。

業者となるためのデッキ選択

月初めにレジェタッチを狙う業者となるためには、デッキ選択が肝要である。 しかし、今期はレジェプレ2023と構築済みデッキにより、期間開始とほぼ同時に新環境が訪れた。*1 直前環境で強かったデッキが必ずしも強いとは限らないので、難しい選択を迫られた。

デッキに求める最も重要な条件は、1試合にかかる時間が短いことである。 勝率が多少劣っても、周回数で勝ち星を稼げばそれで問題ないからだ。 逆に言えば、高い勝率を出せるとしても、1試合に平気で20分かかるようなロングレンジデッキ(【白Nエクス】などが該当)は、RTA的思考の元では候補から外れる。

ただし実を言うと、プラチナ帯には連勝ボーナスがあるため、マスター帯よりも勝率の比重が大きい。 高い勝率のデッキで連勝しボーナスを得るほうが、速いデッキで1つずつ星をもぎ取るよりも効率が良い可能性も大いにある。 しかしながら、試合時間と連勝ボーナスを天秤にかけてマスター到達の最適解を見つけるというのは、非常に悩ましい問題である。 それこそ、無心でデッキを回し続ける業者のイメージとはかけ離れているではないか。 そこで今回は業者というコンセプトを重視し、連勝ボーナスのことは一旦考えないことにした。

ND環境

17.5弾ND環境の攻略は困難を極める。

環境を規定する【白Nエクス】は、《ホワグリ》《リュウホ》《永遠リュウ》などにより、ビート耐性が非常に高い。 加えて、レジェプレ2023で再録された《ヘブンズ・ゲート》《ミルザム》は、ビートダウンを完璧に封殺するラインナップである。 ビートダウン系統のデッキを使うことは絶対だったが、この環境下で苦しい戦いを強いられるのは目に見えていた。 プレイスアリーナで使っていた【トリーヴァラムダグライフ】をチューンする手もあったが、残念ながら《ラムダ》は直前のカップでのトップ100入賞報告なし。 業者的には、成功の確約されていない商品の取り扱いは避けるべきである。

直近で安定した実績があるビートダウンという条件で取れる選択肢は、【青黒リバイバー】か前寄せ【シータNエクス】くらいしかなかった。 この2択に絞った後、レジェプレ2023で《ゴーゴンシャック》を手に入れた【青黒リバイバー】を選択することになる。

【青黒リバイバー】は、ミケガモ的には「アグロだけど速攻じゃない」デッキに分類される。 【メイデン】や【ブリザード】などと同列で、ランクマを走るにおいてはよく使うアーキタイプだったりする。

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AD環境

AD環境を走るデッキは、【白スノーフェアリー一択だろう。 《カスケード》にナーフが入ったとは言え、出力の高さは健在だ。 直前のカップでも、【スノーフェアリー】は多くの上位報告があったデッキである。 速度も強さも、全くもって申し分ない。

しかも、自分は過去のランクマで《ブリザード》を何度か使ったことがある。 3弾では《ブリザード》ナーフ後のリペア型、6弾では赤入りタイプ(結局挫折した)、8弾では《ジェネラルマンティス》と組ませた型を研究していた。 構築やプレイングのノウハウは人並み以上にあるはずなので、自信を持って【スノーフェアリー】を選択した。

マナの計算に相当頭を使うため、完璧な業者デッキとは言えない。

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↓ 直前カップの最終TOP100デッキ分布。いつもお世話になります。

ND:【青黒リバイバー】

  • コンセプト:C
  • 完成度:S-
  • デッキパワー:S
  • 思い入れ:C

構築

《スタートダッシュ・リバイバー》を軸に、補助展開役として《ジェスタールーペ》を採用した普通の型。

《アツト》《メルゲ》《コダマンマ》《ルーペ》《リバイバー》《デスマーチ》《ドルゲドス》の7種は確定で4枚。 惰性で《ザビ・クロー》も4枚投入して残りスペース8枚。

新入りの《ゴーゴンシャック》はとりあえず4枚入れた。 まあまあ活躍してくれたが、思ったより万能ではなかった。皆構築段階で対策している様子。 《ゴーゴン》を立てたターンに横のクリーチャーで殴って《吸い込む》や《大地》を踏むことがあったので、立てたターンは殴らないほうが良いかもしれない。 【天門】相手に立てた試合は全て盾から《ヘブンズ》を踏み、立てられなかった試合は全て手撃ち《ヘブンズ》された。

残り4枚は、《ハルカス》と《ボーン・スライム》に振り分けた。 《ボーン・スライム》はミラー時に使われて強かったため急遽2枚投入したが、ミラー以外では進化速攻の種にしか使わなかった。

ソニックウェーブ》《ジャニット》はミラー以外での役割が少なかったため抜いた。 【刃】の《クルメル》、謎コンの《ベルリン》が邪魔に感じたら入れてもいい。

《ルーペ》の代わりに《ザビ・デモナ》を入れるのもアリだと聞く。 今の構築だと完全にノートリである。 大まかな構成を分かっている相手は打点が揃い次第ジャスキルを取ってくるため、そこで1枚トリガーする、もしくはマナ置きして警戒させるだけで試合展開が変わる。 地味に墓地進化の種が無いこともあるので、その確保としても使える。 ただし今は《ハルカス》を2枚しか積んでいないので、ドローソースの《ルーペ》をやすやすと抜くわけには行かない。 かといって《ハルカス》を増やすと、新入りの《ゴーゴン》とコストがぶつかる。 この近辺で頭を悩ませたくなかったので、テンプレである《ルーペ》のままにした。

実は《ザビ・クロー》はあまり強くない可能性がある。 【赤黒速攻】【黒緑速攻】のように速さ全振りの速攻なら文句なく採用できるのだが、 それらに比べると2,3ターン目の追い打ち性能が低い【青黒リバイバー】では、《ザビ・クロー》の殴りは中途半端に終わりがちである。 【青黒リバイバー】は継戦能力が売りなので、ただのアタッカーに手札を1枚割くよりかは、 何かしら生産性のあるカードをプレイしたほうがいいかもしれない。

他方、

  • 5マナ溜めて《リバイバー》進化速攻
  • 5マナ時に《ルーペ》が外れたときの保険
  • 3マナ時に《アツト》《マンマ》からくっつける

のような、マナを使い切るムーブに絡めるのはちょっと強かったりする。 採用枚数を減らし、基本的に1ターン目には出さないカードとして運用してみると面白い可能性がある。 しかし業者魂がテンプレを変えることを拒んだため、今回はずっと4枚のまま通した。

対面

思った通り【白Nエクス】【天門】がキツかった。 【Nエクス】系統には、コントロール体制に入られる以外にも、 ターボから《エクス》+《勝利ガイアール》などでジャスキルしてくるパターンでよく負けた。

【刃】には相性が良いはずだが、《クルメル》が出てくると意外と耐えられてしまう。

【青黒リバイバー】ミラーは、《リバイバー》で《ドルゲドス》を吊り上げ、 相手の《デスマーチ》を無効化しながら打点を組んで勝つイメージ。 カウンターパターンになることも多いので、後攻だからと諦めてはいけない。かなり頭を使う対戦。

全体として勝ち越してこそいるものの、強さとしてはパッとしなかった。 多分これは環境の答えではないんだろうな……と思いながらも回し続ける虚しさよ。

AD:【白スノーフェアリー

  • コンセプト:C
  • 完成度:S
  • デッキパワー:SS
  • 思い入れ:B+

《カスケード》について

《ブリザード》と《カスケード》。 それぞれ単体でなら許せるスペックだが、2枚が揃うとイカれた強さになる。

《カスケード》はナーフによるブレイク数減少が痛いものの、《ブリザード》から回収できるSA2打点というだけでも十分に仕事をする。 また《カスケード》自身が墓地・マナ回収の対象外となってしまったのもあるが、こちらに関しては全くと言っていいほど問題ない。 マナからの回収は《ブリザード》でいいし、墓地→マナの移動は《オチャッピィ》で可能。 なんなら《カスケード》効果起動時に自分のマナが減りにくくなったのは強化点と言えなくもない。まだまだ一線級のカードである。

白型と黒型

環境には、《スパーク》系統を積んだ伝統的な白型と、《デッドリー・ラブ》《ザビ・ミラ》を入れた黒型がある。 自分としては白のほうが強い、というかあえて黒を選ぶ理由がないとまで考えている。

黒型の強みと言えば、【ドロマー天門】【MRC】など、白型が苦手とするデッキタイプに対抗する手段を備えていること。 少し前のAD3強・4強体制では、上記2デッキを突破する手段として《ザビ・ミラ》《死海竜》は有効だった。 しかし、今やその体制は崩れ去っている。 必ずしも【スノーフェアリー】をメタったデッキタイプと当たるわけではないので、有象無象に対して強い素直な白型が良いと思う。

そして何より業者としては、面倒なプレイングは極力排除すべきである。 普通に殴るプランと《ザビ・ミラ》プランを使い分けるのは大変面倒くさい。 《ブリザード》《カスケード》だけで十分打点が揃うのだし、8マナの《ザビ・ミラ》を待たずにそのまま殴るべきである。

構築

スノーフェアリーを極限まで増やしたい。 マナに非フェアリーを置くたびにストレスが溜まることを知っているので、快適なプレイのためにもここは譲らない。

↓ このときの【白ブリザード】は回収対象26枚。

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《ブリザード》サーチ要員は《進化の化身》。何度も使ってきたので安心感がある。 《エボト》は高パワーの打点として優秀。《ピーチ》下だと軽減しながら出せたり、《ジャスミン》から2→4で繋がったりする。 加えて、確定で《ブリザード》を持ってこれるのが心強い。基本的にプレイしたいのは《ブリザード》なので、確実に拾うのは重要だと信じている。

一方、最近は《進化設計図》《未来設計図》のレシピも多い。 これらは小回りが利く点、《オチャ》でマナに返しやすい点がポイントである。 試すのが本来の筋だと思うが、業者なので決め打ちで《エボト》にした。

フェアリーは《ポレ》《ジャス》《ピーチ》《オチャ》の4種が4枚確定。 このレシピだと《ポヨ》x4, 《コトニ》x1, 《クラック》x2の計7枠が自由枠となる。

《サエポヨ》は超高パワーになれるのが偉い。 高パワー枠では実質P5000固定の《マッド・サクラン》がライバルだが、《生姜》《エクス》《昇龍》などの5000-6000ラインを考えると、可能性としてでも7000以上になれる《ポヨ》のほうが有効に思える。 《メリッサ》《パルティア》は《カスケード》との相性が微妙なので却下。

《クラック》は《カスケード》の過剰なマナ回収を緩和するために後から入れた。 実際には後攻時のマナ追いつき、《ブリザード》で回収しての進化速攻に役立った。

白トリガーは削りに削って5枚。 手撃ちが視野に入る《コミューン》2枚と、《ガガ・アルカディアス》下でもトリガーできる《コルテオ》を3枚。 もし困ることがあれば、1挿しの《コートニー》の枠を6枚目の白トリガーにする。

《DNA・スパーク》は不採用。手撃ちでは《コミューン》、トリガーでは《コルテオ》の強さを超えない。 アグロ寄りのこのデッキでは、シールドが1枚増える強みもほぼ無い。 《スパーク》の良いところと言えば、コントロールされ切った状態でトリガーし、 返しに空っぽの場から《カスケード》《ブリザード》の大展開で逆転するというパターンが組める点になる。 しかし現環境では、《バルカディアス》、《シューヴェルト》、《ガガアルカ》、《死海竜》、《ジョンジョ・ジョン》や《勝利リュウセイ》、 《ホワグリ》からの《スパーク》仕込みなど、コントロール側がその逆転パターンを封じる手段が多すぎる。 《スパーク》を入れるくらいなら、まだ《アポカリ》のほうが良いと思う。

対面

【MRC】は、少なくとも普通に勝つのは無理。 《ヴォルグ》からの《MRC》アタキャン《シュヴァル》覚醒を突破できない。 《シューヴェルト》が立つ前提で、溜めて殴るプランを取るしかないのだろうか。 でも相手はトリガーが厚いというジレンマ……。

【天門】も普通にキツい。 対【天門】が頻発していた15弾初期環境では、《アポカリ》を撃ち込んで再展開するパターンがあり得た。 しかし【天門】ばかりと当たるわけではない現環境、《アポカリ》を積むメリットは極めて薄い。 対面としては諦めて、運悪く当たったら《コミューン》を絡めたうっかり貫通を狙うのが良い。

【白Nエクス】や【5cコン】対面では、先4《勝利リュウセイ》で《ブリザード》のマナをタップインにされるのが苦しい。 詰みとまでは言わないが、展開速度が大幅に落ちてしまう。 これがあるので、【スノーフェアリー】関連のパーツが弱体化することはないと思われる。

【エイリアン】は、トリガー《ザビ・デモナ》からの《ジョンジョ・ジョン》、ブチギレ《ガガ・アルカディアス》が負け筋。

あとは全部有利。キツい相手が多いように見えるが、勝率は65%前後あった。 昔は苦手だった速攻相手も、《オチャッピィ》を手札に用意できれば捲れるようになった。 ちょっと負けが込んでも、デッキ選択を間違えた気配を全く感じさせないのは流石である。

まとめ

NDは【青黒リバイバー】で2022/12/17に、ADは【白スノーフェアリー】で2022/12/18にレジェタッチ成功。 この2日間は完全に業者だった。

【白スノーフェアリー】は間違いなくAD環境トップクラスのデッキである。 一方、【青黒リバイバー】はNDだとそこそこ止まりに思えた。 もう1段上に行くには、プレイングや《ザビ・クロー》の扱い次第を見直す必要がありそう。

おわりに

レジェタッチは3弾環境以来、通算2回目である。 レジェタッチ圏内に入るための「魂の一戦」、やはり緊張感が半端じゃない。 今回は幸運なことにNDADどちらも一発でクリアできたものの、もし何度も負けようものなら発狂である。 今後ランクマ報酬に魅力的なプロモが登場したとしても、この体験を何度もしたくないという理由でスルーするかもしれない。

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*1:正確には、メンテ日の0-10時までは旧環境での新カップだった