デッキレシピ
- コンセプト:B
- 完成度:A
- デッキパワー:S-
- 思い入れ:A
2022/8/15、ディアボロスZカップNDマスター。 1戦が長すぎる。
ぼちぼち。 pic.twitter.com/blp7dZ7IOo
— ミケガモ (@nusu_fkr453145) 2022年8月15日
キーカード解説
《時空の邪眼ロマノフZ》/《邪神の覚醒射ロマノフ・Z・ウィザード》
14弾環境半ばにリリースされた「マスター・オブ・ロマノフ」の目玉カード。 セットになっている呼び出しカードは、《超次元ロマノフ・ホール》。
墓地に10枚呪文(or黒クリ)を貯めると、墓地をリセットして覚醒する。 裏面は、攻撃時にトップから3枚を墓地に落とし、墓地からコスト5以上の黒呪文を唱える。
構築済みデッキには相性の良いカードとして、
- デザイナーズの《魔弾ロマノフ・タイフーン》
- 詠唱対象となる《英知と追撃の宝剣》
が収録された。15弾ではさらに、
- 新たなアクセス手段《ガード・ホール》
- 詠唱対象として《ガンヴィート・ブラスター》
が追加された。
コイツの強みは「メインフェイズで詠唱→アタックフェイズで墓地から再詠唱」ができること。 詠唱対象呪文が増えたことで使い勝手が良くなったはずなので、NDランクマで試してみた。
最初に言っておく。弱すぎる。
対となる《マスター・ルピア》は【NEX】を再興させた一方で、コイツをランクマで見たことは一度もない。 それも納得できるだけの弱さを体感できたので、ここで愚痴る。
まず、表がザコ。 7ホール専用のサイキックといえば、12000TBの《ストーム・カイザー》や除去耐性持ち9000ブロッカーの《ディアボロス》が出てくる。それに比べ、《ロマノフZ》のなんと非力なことか。 《ロマノフ・ホール》を撃つにしても、みんな《ディアボロス》に手が伸びるってもんでしょう。
次、覚醒条件がゴミ。 5マナホールから出てくる《ルナ・アレグル》は墓地に呪文6枚で良いのに、《ロマノフZ》は墓地10枚要求とシンプルに厳しい。 それに見合った強さと派手さが裏面にあればいいんだけど、そうじゃないからこんな記事を書いてる。
覚醒時の処理は、てんで方向性が合ってない。 覚醒後は墓地から呪文を唱える効果のクセして、なぜ自分から墓地リセットをかけてしまうのか。 デッキを回復した上でカードの再利用を促進する《アレグル》→《アレグリア》の美しさを見習ってほしい。
覚醒後のやる気の無さも凄い。 攻撃時3枚墓地肥やし程度では、唱えたい呪文が落ちる可能性は低い。 つまり、「覚醒したターン、手札に黒の重量呪文がある」という状態にしないと、ウィザードの活躍は約束できない。 ズタボロになりながらウィザードを覚醒させて逆転!っていう熱い展開、やりたいけどやらせてもらえない。
一応フォローすると、攻撃時の墓地肥やしが3枚なのは、何度も殴ったときにLOしないようにという気遣いだと思う。 ウィザード覚醒後にLOしかけたことが何度かあるので、これはガチ。
……それだったら解除つけてくれよ。 解除後にウィザードが肥やした墓地で再覚醒できれば、LOの心配なんていらねェんですわ。 覚醒条件がかなり厳しくて、覚醒後も活躍の保証が無いのに、なぜ除去耐性が無いのか。 解除を新装して、同期のサイキック・NEXとお揃いにするという発想はなかったのか?
超大型サイキックでも、《ファイナル・ストーム》のように解除がつかないことは確かにある。 でもそれは、EXターンは強すぎる能力だからとバランスが考慮されてのもの。 膨大な準備の上で攻撃時に黒呪文をたった1枚唱えるのが、EXターン並にゲームを動かすムーブだとお考えでいらっしゃるか。
墓地を大量に肥やすという大まかな方向性では、《MRC》が出てしまったのも残念。 詠唱範囲やクリーチャーの必要有無で差別化はできるものの、出力も安定性もダンチである。 スーパーデッキ発売から僅か1ヶ月で乗り換え先がリリースされるウィザード、あまりにも可哀想では。 ついでに、【MRC】の環境進出によりお清めトラップを巻き添えで食らう。 ふざけやがって。
そんな感じで、ほんとーーーに弱い。
超次元コントロールにデッキ回復役で入るか?と思いきや、 青が入るならどう考えても《アレグリア》が適任だし、攻撃が必要になるものの《ディアス》でも可。 挙句、同じコストで出せる《ディアボロス》でも多少はデッキ回復できてしまうという現実。 サイキックの枠と、詠唱対象となる大型呪文を入れる枠、両方を苦労して捻出するだけの価値は《ウィザード》にはない。
メインデッキ
とりあえず覚醒だけでも一苦労なので、特化構築で勝負。
【ネクラ超次元】と同じく、ブースト&《アヴァ公》&大型超次元がデッキ基盤になっている。 参考にしたわけではないが、自ずとこういう形になった。 《ウィザード》は弱くても基盤が強いので、ランクマッチでは普通に戦える。
《ガード・ホール》《ロマノフ・ホール》
8確。相手の除去札が底をつくまで、《ロマノフZ》を何回も出して押し通す。 《ウィザード》に覚醒できないとLO負けするので、絶対に覚醒したいという意志で8積み。 《ガドホ》が無い時代に《ウィザード》を使うのはムリだったと思う。
《ロマノフ・ホール》の良いところとして、《アンタッチャブル》《ストーム・G》といった《ガドホ》《ミカド》が効かない相手を処理できる可能性がある点を挙げたい。
また、《ガドホ》《ディアボロス》を《ガドホ》で返すようなメンコ勝負では、7ホール8枚態勢のこちらが優位に立てる。
《アヴァラルド公》
4確。ちょうど《ガード・ホール》のために白を入れるところでもある。 他にはクリーチャーを入れず、《ロマノフZ》の墓地肥やしで呪文が落ちる確率を極限まで高めている。
《フェアリー・ライフ》《ダーク・ライフ》
8確。《ダーク・ライフ》のほうが色が揃う・墓地を多く肥やせる・単色を落としやすいという理由で強い。 《ダライフ》は《ウィザード》覚醒後、唱えたい呪文を墓地に落とす目的でも使える。
《お清めトラップ》
適正枚数2.2枚。【MRC】へのメタカード。 自分は基本的にメタカードを積まないのだが、今回は例外。
積んだ一番の理由は、入れておくだけで対【MRC】の勝率が大きく上がるから。 【MRC】は結構な割合で当たるため、費用対効果で言えばメタる価値は十分あった。 1回撃った程度では《MRC》を止めきれないのが常だが、 《ドラヴィタ・ホール》で《お清め》を使い回せば、 《お清め》をガン積みしなくても十分対策できる。
また、対【MRC】以外でも地味に有用。 特定デッキへのメタだけに留まらない汎用性が、採用を後押ししてくれた。
- 9枚目以降のブーストカードとして使える
- 《GENJI》のTブレイク化を阻止できる
- 《ドラホ》の回収や《G・ライフ》のブーストを妨害できる
- トップ・ボトムの固定を解除できる
- 状況次第で相手のトップを弱くできる
《ドラヴィタ・ホール》
適正枚数2.8枚。中コスト帯の動き確保と、白マナのために入れた。 必須パーツとは思わないが、カードパワーが高いので入れて損はしないという感じ。
《リーフストーム・トラップ》
適正値1.5枚。 あんまり撃たないけど、緑枚数のために入れてる。
《アヴァ》《リフスト》《ピクシー・コクーン》の3枚セットは強力なデッキエンジンとなりうるのだが、このデッキは
- 《コクーン》は墓地を肥やせないので優先度↓
- 青入れてスペースが減ったことで《リフスト》の採用枚数↓
- 《ロマタイ》でドロー可能
という理由で不採用。単に除去札として《リフスト》を積んでいる。
《ロマノフ・タイフーン》
適正枚数0~4枚。よく分かんないカード。 構築初期は2枚で、《宝剣》を抜いたりなんだりしているうちに4枚に増えていた。 一応、このデッキに青が入っている理由。
チョイスの際は9割方ドローを選択して、手札+1, 墓地+3する。 《ウィザード》覚醒後には、唱えたい呪文を探して捨てるムーブもある。 ドロソになることと墓地を増やして《ロマノフZ》の覚醒を早められることがメリット。
カードパワーとしては正直微妙。 《ロマノフZ》が即除去されたり、アンタップ破壊の除去対象がいなかったりするので、 ダブルの効果を有効に使える場面は少ない。
《ガンヴィート・ブラスター》
適正枚数2.2枚。 【MRC】に撃ってトップ勝負に持ち込んだり、【ネクラ超次元】の除去札を切らせたり。
《ウィザード》で唱えたくて入れたが、そちらは結局ホール呪文ばかり撃っていた。 基本的に手撃ちするカードという認識。
《ジェニー・ダーツ》
【ネクラ超次元】の《バルカディアス》に抗うために入れたカード。 出される直前に上指定で抜く。
枚数的にご都合枠だが、そこそこ活躍するので抜くに抜けない。 適正枚数2枚。
《エクストラ・ホール》
《宝剣》を全く撃っていないことに気付いてこれに差し替えた。
一番の用途は、自分の墓地の《ロマホ》《ガドホ》を山札に返すこと。 《ロマノフZ》が一度も覚醒できずにLOしたデュエルがいくつもあったので、 LOを防ぎつつ《ロマノフZ》に再チャレンジできるようにしたかった。
ただし、この用途だと8マナの《ガンブラ》が邪魔になる。これについての折り合いは、自分の中でもついてない。
理論上はほかにも、
といった使い道がある。どっちもやったことはない。
《策略と魅了の花籠》
ただの色合わせ。
超次元ゾーン
- 《ロマノフZ》
- 《ディアボロス》
- 《シュヴァル》
- 《ドラヴィタ》
- 《ガンヴィート》
が確定枠。
《マティーニ》は完全に《エクホ》用。
《チャクラ》は《ドラホ》からしか出せない。 チャクラゲーや除去吸わせもさることながら、一番の役割は速攻相手のブロッカー要員。 これがあったおかげで勝てた試合があるので、できれば外したくない。
《ランブル》は詰めで強い。《ウィザード》で撃った呪文がボトムに行くのですぐに覚醒できるというシナジーもある。
《ディアス》
《ミカド》を入れてないからという理由で入れずに来た。 殲滅返霊が《ウィザード》への覚醒を妨げるというのもある。
ただ【MRC】対面を考えるとあったほうがいい。《ランブル》と入れ替えるべきかも。
《ギャラクシー》
《バルカディアス》が入ってないから要らないだろうと決めつけて試してない。 詰めで強いかもしれないのと、《ガドホ》で裏面を出して耐えるプレイングがありうる。
《ストーム・G》
コスト20の《ウィザード》の上に乗せることができる。 でも苦心して覚醒させた《ウィザード》の上に乗せるかと聞かれるとNO。
不採用の候補カード
《英知と追撃の宝剣》
微妙なカード。
このカードが強いのは相手マナが6くらいのとき。それ以降はマナ回収の手助けになりうるため撃ちたくない。
手撃ち→《ウィザード》から詠唱で1ターン中に2回唱えれば強いが、そうすると自分の盤面は全く展開できない。 Tブレイクで3アド与えてしまい、《ウィザード》がトリガーや返しの《ガンヴィート》で処理されると、なんやかんやジリ貧になって負ける(1敗)。
このデッキは除去が多いので、《宝剣》の盤面除去効果が腐りやすくもある。
こういった欠点ばかりが目について、構築初期に2積みしていた《宝剣》は全部抜いて0枚でマスターに到達した。
本当に弱いのか検証するため、マスターに行った後に4積みの特化構築を試してみた。 結果から言うと、【ネクラ超次元】をランデスして《バルカディアス》を阻止するのにそこそこ役立った。 あとは2体処理が役に立つ場面が時々ある?くらい。 思ったほど弱くはなかったけど、じゃあこれで大幅に勝率が変わるかと聞かれるとそこまで……という感じ。 入れるか入れないか、ギリギリのラインにあるカード。
《ミカド・ホール》
この枠を削って《ロマホ》を入れている。7マナまで到達できれば《ロマホ》のほうが強いと思う。
《フェアリー・ホール》
出すカードが《シュヴァル》しか無い。
《シャイニー・ホール》《ホーリー・スパーク》
タップで《ウィザード》の当たり先を作れる。 スペースが無い。
《ボーンおどり・チャージャー》
《ダライフ》の下位互換。最初は入れていたが、要らないことにすぐ気付いた。
デッキの特徴
採用カードに被りが多い【ネクラ超次元】と比較。
《ウィザード》覚醒後の展開力が高い。 《ガドホ》を2連射して《シュヴァル》即覚醒も。
《ウィザード》が覚醒できればLOしない。 一方、覚醒できないと自身の墓地肥やしのせいでLOが近づく。
墓地に呪文を溜めたいので、小型呪文を沢山入れている。 そのおかげで、《アヴァ》のヒット率が高い。また、初動が非常に安定する。 逆にトップが弱いのはデメリット。
7マナホール8枚体制で、除去を撃ち合うシーンで優位に立ちやすい。 《ロマホ》は《ガドホ》が除去できないカード(《アンタッチャブル》や進化クリーチャー)を潰せるというメリットもある。
4cにした都合で、多色が多め。
《バルカディアス》が出たら詰み。 このせいで、【ネクラ超次元】との疑似ミラーにおいて不利。
プレイングメモ
共通
とりあえず《ウィザード》の覚醒を目指す。 覚醒後に撃つのは基本的に《ガドホ》か《ロマホ》。 Tブレイクしながら《ランブル》《シューヴェルト》《ディアボロス》あたりを展開し、次ターンに物量で勝つ。 ホールを抱えていない状態で覚醒した場合、殴らないほうが良い。
《アヴァ公》が来たら絶対にプレイする。
《ダライフ》はまずマナの色確保、次に《アヴァ公》が墓地に落ちないようにする。 《ロマノフZ》覚醒時に墓地呪文がデッキに戻ることを考えて、有用な呪文を墓地に落とす。
【ネクラ超次元】
《バルカディアス》を出されたら詰み。《ジェニー・ダーツ》《ガンヴィート・ブラスター》のハンデスで頑張って落とす。 12マナ付近まで伸ばせれば、《ギャラクシー》に《ガドホ》《ロマタイ》を当てて進化を拒否できる……かも。
《バルカディアス》さえ出なければ、立ち回りはこちらが有利。
【MRC】
《お清め》を引いて《ドラホ》で使い回す。 《アヴァ公》に加えて《ロマタイ》もあるので、普通の【ネクラ超次元】よりはデッキを掘りやすい。
《ダライフ》《ロマノフZ》などのこちらの墓地を増やすカードを使うと、相手の《MRC》のコストが下がってしまう。 サイキックは《ランブル》や《ドラヴィタ》から入って、有利状況を作ってから《ロマノフZ》を立てたい。
より確実に勝つなら超次元ゾーンに《ディアス》を入れるべき。 というかなんで入ってないんだ?
【ラッカ超次元】
ブーストから《ディアボロス》を出して粘り、《シューヴェルト》を立ててから殴る。
《アンタッチャブル》を《ロマホ》で破壊できるので、普通の【ネクラ超次元】よりもだいぶ戦いやすいはず。 《ロマホ》を重点的にキープ。
速攻
ブースト連打から《ディアボロス》。 《ミカド》《ガンヴィート》が無いのが欠陥だが、 代わりにいっぱい入っている軽量ブーストを絡めて4t《ディアボロス》したい。
おわりに
《アレグル》や《時空ホーガン》が上手く調整されてデュエプレに来たのに、《ロマノフZ》と来たらもう……。 こんなのが構築済みデッキの目玉で良いんだろうか。 可能ならアッパー調整、具体的には解除の追加を求む。