ミケガモのブログ

【第4回】デッキビルド杯結果発表への所感

少し間が空いてしまったが、第4回デッキビルド杯の結果発表についてコメントを残しておく。

dmps.takaratomy.co.jp

『エンドレス邪眼王』

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イカズチ》と、攻撃時にクリーチャーを出すカードによる無限アタックコンボ。 選ばれたのは《バルクライ王》だった。

  • 場になんでもいいので1体
  • 墓地に《バルクライ》《アマテラス》
  • マナに《イカズチ》

の状態から、《ヴィルジニア》を出せばコンボ開始。 場に1体でもいればいいので、始動にあたって相手の妨害を受けにくいのが特長。 運ゲーではあるが、《キリコ》も始動役になれる。

ワンショットするためには、墓地に《アマテラス》+もう1体のナイトが必要。 もちろん《バルクライ》も落とさなければならないわけだが、 このレシピは墓地肥やしカードも落としたいナイトの枚数も少なめである。 ワンショットに専念せず、《イカズチ》の防御力で1ターン粘るパターンもあるかもしれない。

《バルクライ》は、直前のビルド杯でもメインカードとして入賞している。 《キリコ》はサブプランではあるものの、12弾の目玉SR。 さらに、《イカズチ》は公式動画で『パンダイカズチ』のデッキが公開されたばかりだった。 これまでの選考傾向を大きく覆す入賞である。

『エンドレス爆進ナーガ』

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爆進呪文を2種採用した青黒ビート。選考班に「エンドレス」好きがいるらしい。

《ガブラ・ハンド》のハンデスはビートダウン向けのカードではないが、 前回入賞の『デイガナイトビート』における《バレバイ》と同様、 うねうね動くためのカードとして期待できる。 《ポワワン》《ゴワルスキー》《ナーガ》もハンデス要素を持っているので、 このあたりと組み合わせて削るのもあり。

個人的な評価ポイントは《イルルカ》。 4枚めくったときに進化クリーチャーの期待値を1枚以上にしておきたいのだが(デッキに進化10枚以上)、《イルルカ》とマッチする進化クリーチャーをたくさん積むのは結構難しい。 そこでこのデッキは、序盤からビートしていける軽量進化クリーチャーを多く積んで、進化を11枚確保している。

使いやすい軽量進化を欲張って入れつつ、爆進呪文でアドもしっかり取る。 そして軽いカードたちの総締めを《ナーガ》に任せるという、堅実かつ濃密な構築になっている。

《ドナ》が墓地進化の補助になったり、 《ゴワルスキー》はいざとなればナーガになれたり、 《ポワワン》は《エンパペ》《ヒミコ》《ナーガ》のいずれの種にもなれたりと、 細かいところでも噛み合いが良い。

異なる種族指定進化が多いので、 スムーズに進化できるかどうかが課題か。

ちなみにこちらの方、前回の『チューターバルクライ』の作者でもある。 投稿歴や入賞歴が全く関係ないことが改めて確認できた。

また、《ナーガ》はビルド杯では2回目の登場。 《ネクロ・ワーム》《ドナ》《エンドレス・パペット》はいずれもスタン落ちしたマイナー寄りのカードである。 ビルド杯的には不利な要素が多いと思っていたが、それらを全て乗り越えてきた。

『水増しメテオ(駄洒落)』

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アンドラージ》《アスティマート》の上に《マーキュリー》を乗せて、メテオバーン回数を「水増し」しようというコンセプトである。

実際、《マーキュリー》は場合によって3回だと足りないこともあるので、水増し作戦は無駄ではない。 一方で刺さらない相手には全く刺さらないわけだが、そこは軽量進化のまま攻め込んでいくという選択肢が取れる。

《ハーゲンディ》は、6弾で出た《アクア・スクリュー》との差別化を迫られている悲しきカード。 コストで負けているので種族を活かすべきだが、《ハーゲンディ》自身が進化したときには効果が発動しないので、種族進化が単純な解決策にならないという難しさがある。 そこでこの構築では、進化GVのシンパシーに貢献できる。「進化せずに種族進化を補助する」という、理想の形である。まあ【ツヴァイ】の《スクリュー》もそうなんだけど……。

デッキ全体としては、青単の【グランド・デビル】とでも言うべきだろうか。 普通の【ドデビル】だと黒の枚数にも気を配らなければならない。 このデッキは青単に振り切ったことで、《マーキュリー》《アスティマート》《ネプチューン》を枚数多く採用できている。 対応力の高さゆえ、強さとしても申し分ない。

ちなみにグランド・デビルに注目したデッキは、【ドンキノフプルート】【カウンタードデビル】に続いて3連続での入賞。選考版にドデビル信者がいるに違いない。

《エボリューター》強化につき、《ブリザード・ムーン》を3枚ほど入れたい。 《ウェバリス》《アンドラージ》もあるため、《ブリム》はとても出しやすいはず。 純青単なら、《ビジョン》《テクノロジー》も候補になる。

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『オールムーン』

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多色クリーチャーが複数の羅月に分岐進化できることに注目し、 4種の《羅月》を搭載したデッキ。 各《神羅》を全て複数枚積んだ構成はこのレシピだけだった。

《サンダー・ムーン》のコスト軽減が働けば、2体目以降の究極進化が出しやすい。 ロマン溢れる構築であると同時に、 進化元の多色クリーチャーはグッドスタッフ性が高いため、 回しやすいデッキにもなっている。

有効トリガーが一切ないのは驚き。 なぜか1枚だけ刺してある《エタガ》も目を引く。

意見したいのが、《バイオレンス・フュージョン》の採用について。 《サンダー・ムーン》の後に《神羅》を出す想定なら、《サンダム》が出た時点で勝つカードを入れないほうが良いと思った。 ベースが赤抜きなのに《HDM》が2枚あるのも美しくない。

《サンダム》で撃つ候補としては、《神羅》にお誂え向きの《ルナティック・ギャラクシー》がある。タップキルとフリーズでゲームを長引かせて次の《神羅》に繋ぐこともできる。 《フュージョン》関連の6枚は単色トリガーや進化元に充てて、こんな感じのレシピはいかがだろうか。

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『オールムーン改』

『走るなニャンパッタ』

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エンフォーサー》で《ニャンパッタ》を止めてドラゴンを踏み倒すコンボデッキ。 組み合わせとしては事前予想に入れていたが、外した。

ディオーネ》がいるため、スピードアタッカーを持つ《サファイア》は不採用。 出てくるのは《スペル・デル・フィン》《ディルガベジーダ》である。

《パラ・オーレシス》は、《ニャンパッタ》のパワーを上げて殴り返されにくくする。 《ライト・ゲート》採用で、《パラオレ》《ディオーネ》も繋がっている。

ここからツッコミ連打タイム。

各色の枚数が足りない。 4色構成なのに多色カードが3枚しかないので、このままだと色事故する。 序盤から使う色(このレシピだと全部だけど……)は13~15枚以上を目安にしたい。

手札踏み倒しなので、《ディルガベジーダ》は本領発揮できない。 3000マナ送りは、《エンフォーサー》の2000以下シャットアウトと範囲が被っている。

デッキを掘るカードが《エマタイ》しかない。 コンボパーツを集めたいこのデッキではもっと手札が欲しい。

《ニャンパッタ》からドラゴンを出す以外の勝ち筋がない。 《ニャンパッタ》を引けなかった場合にやることがないのと、 殴れるクリーチャーが《ニャンパッタ》を含めても10体しかいないという二重苦。

《デル・フィン》はともかく、《ディルガベジーダ》の除去耐性は実質ないようなものなので、コンボが決まっても割とすぐ崩されてしまう。

《火炎流星弾》は《デュアル・スティンガー》のほうがいい。 《エンフォーサー》もあることだし、《バルット》も一緒に積んでみてはいかがか。


ハッキリ言ってしまうと、実戦用の構築としては不合格である。 カードパワーを抑えてあるのもあって、これで勝とうとするのは無謀だ。

イデアを詰め込んだ鑑賞デッキとして見るのが正解だと思う。 実戦が二の次三の次なデッキは第1回の『アシガルカディア』以来だと捉えている。 本来ビルド杯としては、そういう路線であるべきかもしれない。

ところで、こちらの方は《ディルガベジーダ》(と《ディオーネ》)に未所持マークが付いた状態で投稿していた。 自分で試していないことが選考班にバレるとマズいと思っていたが、それも否定された。

note.com

選考傾向について

「(デッキへの)想い」が、公式の選考基準に新たに加わった。

傾向というか、「入賞できないジンクス」が大きく変わった。

  • 切り札が過去の入賞作と被ってもよい
    • 直前の回と被ってもよい
  • 目玉SRが入っていてもよい
  • ADプールでもよい
  • 未所持カードのまま投稿してもよい
  • 防御トリガーが0枚でもよい

おわりに

また入賞を逃してしまった。 ついでに入賞予想もほとんど外している。

考察した選考傾向、それを踏まえた自分の投稿方針、 そして自分の構築センスとデッキ審美眼、 諸々が噛み合わなかった。

デッキビルド杯はまさに自分のためのイベントだと思っていたのだが、 どうやらそうではないらしい。

もちろん入賞したデッキはどれも素晴らしい。 しかし、入賞できなかった自分のデッキが、それらに大きく劣るとは思わない。 選ばれなかった作品にも目を引くものはたくさんあったし、 逆に入賞した作品が全て完璧というわけでもない。

次回があったらまた投稿するつもりでいるが、 張り切りすぎると空回りしそうなので、 程々のテンションでやっていこうと決めた。

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