ミケガモのブログ

デュエプレデッキビルド杯の選考基準の考察

はじめに

第4回ビルド杯の応募期間が終わったところで、ビルド杯選考基準に関する自分の見解を示しておこうと思う。

入賞作品は毎回しっかり研究しているので、そこそこ程度には的を射ているはずである。

まずは過去の入賞作とその特徴を整理して、その後に自分の推測する入賞条件を書いていく。

結果発表の際に公表されている選考基準はこんな感じ。

◆選考基準

最新パック収録のカードを1種以上使ったデッキの中から、デッキの強さだけではなく、コンセプトの斬新さや再現率の高さ*1、デッキのこだわりポイントなどを総合的に判断して選考いたしました。

第3回から、新たに「再現率の高さ」が文言として加わった。

過去の入賞作

まずは過去の入賞作品をリストアップ。 「分類」はのちほど解説。

第1回(9弾)

デッキ名 新弾カード(代表) 分類
『アシガルカディア』 《アシガ・ルピア》《クズトレイン》 4
『マッドネスティラノ』 《ヒャックメー》《アントワネット》 2
『ジェントルアイ』 《スケル・アイ》 1
『5cびっくり箱ビート』 メフィスト》《サードニクス》 1

※8弾EXから《スペル・デル・フィン》《ドルザバード》

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第2回(10弾)

デッキ名 新弾カード(代表) 分類
『ムキムキ☆スチムパンプ』 《レオポル・ディーネ》《デュアル・スティンガー》 2
『テクニカルサンクチュアリ 《アウグスト》《マルガレーテ》 1
『ロレンツォグール』 《ロレンツォ》《チェンジ・ザ・ワールド 4
『プルート・デス・ドンキ』 《ドンキノフ》《マクシミリアン》 1

※9弾EXから《スチムパンプ》

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第3回(11弾)

デッキ名 新弾カード(代表) 分類
『カウンタードデビル』 《サルトビ》《バイケン》 2
『逆転獄門バイオレンス』 《ガブリエラ》《オーロラ》 2
『雷撃ファイナル』 《ヴァルキリアス・ムサシ》《THE FINAL》 2
『魔弾の担い手達』 《ヴァルアーサー》《バクレツ・ストライク》 1
『バルクライキングダム』 ヴィルジニア》《アマテラス》 3
『水闇自然呪文墓地ソース』 《フェルナンド》《パンダ・ブーリン》 3

※10弾EXから《バルクライ王》《グローリー・ゲート》《バレット・バイス

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俯瞰・考察

入賞デッキのタイプは、今のところ大まかに

  1. 新たなデッキ基盤
  2. 人気ギミック・技巧派
  3. 人気ギミック・特化派
  4. その他

の4つに分けられる(※諸説あり)。

第1, 2回は、タイプ1の斬新なデッキ基盤が多くを占めていた。 まさに公式選考基準の「コンセプトの斬新さ」を満たすデッキたちである。 『アシガルカディア』『びっくり箱』『サンクチュアリ』のように、カード種類を散らす構築が多いのも特徴だった。

第3回は、認知度高めのギミックを活用したデッキが多かった。 ギミックを上手くアレンジして独創性を出すタイプ2は今までにもあったが、コンボに猪突猛進するタイプ3が新たに出現した。 また、『魔弾の担い手達』『バルクライキングダム』で4x10構築が入賞してきたのも印象的である。

ちなみに、『アシガルカディア』は「強さ度外視ロマン型」、『ロレンツォグール』は「変則グッドスタッフ型」と解釈している。

推測される選考条件

ここからは、ビルド杯選考条件について自分が推測していることを挙げていく。

SR冷遇

SRカードは入賞しにくい。 特に、その弾のトップSRは入賞しない。 マイナーSRも、それ1枚を主役にしたものは入賞しない。

入賞作のうち最新弾SRを入れているデッキの数は、第1回:0/4, 第2回:1/4, 第3回:2/6。 SRはデッキの核にしやすいカードが多いので、独創的なデッキが求められるビルド杯では敬遠されている可能性がある。

また、入賞作に入っていた最新弾SRは、《ロレンツォ》《チェンジ・ザ・ワールド》《バイケン》《ガブリエラ》。 このメンバーを見れば、いかにトップレアに勝機がないかわかるだろう。 さらにこれらもデッキのメインではなくて、あくまでギミックの1つとして採用されているにすぎない。 SRを使って入賞を狙うなら、何か別の特徴的な動きを仕込んでおきたい。

これは逆に言うと、VR以下で面白そうなことができるカードからデッキを組め」ということでもある。 今回は自分も、課題カードは全てVR以下から選んだ。 結果的に《キリコ》《Bロマ》が入ってしまったデッキもあるが、それをメインに据えないという立場は通したつもりだ。

新ギミック枠なんてない

「新ギミック枠」は用意されていないものと思え。

第2回の入賞作のうち、10弾初登場のサムライ要素は、『ムキムキ☆スチムパンプ』で補助的に使われている《イダテン》《デュアル・スティンガー》だけ。 第3回に至っては、11弾初登場の城カードは1つたりとも入賞しなかった。

それぞれの弾でプッシュされているデッキタイプやギミックが有利になるかというと、全くそんなことはない。 デッキの純粋な面白さで勝負しよう。

要素を増やせ

デッキを構成する要素はなるべく多いほうが良い。

全般的に、ゲームプランや構成カードが多様な構築が評価される傾向にある。 特に、『ロレンツォグール』『雷撃ファイナル』のように、人気ギミックの複数の型を横断的にカバーしている構築は強い。

入賞発表はユーザーが投稿したデッキの総括であるから、ある意味で「最大公約数」的な選考が行われていると捉えることができる。

再現率は飾り

「再現率」は最低限確保されていれば大丈夫。

「再現率の高さ」は第3回から新たに加わった評価基準だが、現状さほど重視されていないように見える。 むしろ、『バルクライキングダム』の突き抜けた構築はその逆を行っている。

自分が思うに、再現率は、

  1. あまりに回らなすぎるデッキをはじく
  2. 同じコンセプトのデッキに対する比較材料にする

という程度の役割しか果たしていないと思う。 あくまでも第一要素は独創性である。

ADでもOK

AD仕様(スタン落ちカードを使っている)でもよい。

過去の入賞作には、AD仕様のものが存在している。

ただし、どこまでADカードが許されているのかは、正直言って分からない。

今までの入賞作構成カードのうち、それぞれの環境においてスタン落ちしていたのは、第1回の《幻想のジルコン》《無頼聖者サンフィスト》のみ。 第3回まで含め、それ以外は全てND対応のカードだった。 入賞作はアプリのデッキ作成画面にサンプルレシピとして掲載されるということで、古いカードが多いと良くないようである。

その一方で、第3, 4回で公式が出してきたビルド杯投稿例『龍聖霊ライゾウ』『ペリュトンダイダロス』には、 それぞれスタン落ちの《紅神龍ジャガルザー》《憤怒の猛将ダイダロス》が搭載されている。 《ダイダロス》に至っては完全にメインカードの立ち位置である。 このせいでADカードの扱いがますます分からなくなった。

公式がこういうことをするのであれば、どっぷりADなデッキも入賞させて辻褄を合わせてほしい。

ガチカードOK ※

"ガチカード"が入っていても良い。

『ロレンツォグール』の《ゲキメツ》《ゼンアク》、『逆転獄門バイオレンス』の各種ゴッドと《フュージョン》から分かるように、環境一線級のカードがあっても入賞しうる。 ガチカード自体が出入り禁止になっているわけではない。

ただ、構成カードのグッドスタッフ性が高いのはこの2デッキくらいで、全体で見ればガチカードの割合はかなり少ない。

またこの2つには、ガチカードを投入する合理的な根拠と、ガチカードがサブギミックとひと目で分かる構成がある。

「デッキの強さだけではなく」という公式選考基準の言う通り、基本的にマイナーカードに光が当たる場であることは間違いない。

ギミック再利用は△

過去の入賞作とギミックが共通している例として、 第1回の『マッドネスティラノ』と、第3回の『カウンタードデビル』がある。 どちらもマッドネスをテーマにした構築だ。

ただし同じギミックと言っても、構成パーツはほとんど被っていない。 マッドネス起動役に注目すると、『ティラノ』が《リドロ》《アントワネット》《ヒャックメー》、 『ドデビル』が《ジョーズジャクス》《アルフェラス》《サルトビ》で、1枚も共通していない。

過去の作品と似すぎているレシピは入賞の目が薄いと思う。

複数投稿OK

複数投稿してもよい。

1人1デッキという縛りはない。 また、近いコンセプトのデッキを組み直して再投稿しても問題ないことが確認できている。

入賞経験ありでも可

過去に入賞経験があってもよい。

第1回『ジェントルアイ』と第3回『雷撃ファイナル』は、製作者が同じである。*2

実際、この方の他の投稿作を見れば、多様かつ安定したデッキ構築力を持っていることが分かる。 良いものが作れればそれだけでいいということを示してくれている。

後出しOK

構築が秀逸であれば、後出しになっても勝機はある。 「投稿は早いほうが良いのか?」という問いに対しての自分の答えは「NO」だ。

似たデッキコンセプトの中で後発の投稿でも、入賞を勝ち取った例がいくつかある。 入賞作の投稿日を調べると早い日付のものが多いが、それはイベント開催直後に投稿が集中するというのが主な原因である。

デッキの特徴の説明は大事

デッキの特徴は詳しく書いたほうが良い。 デッキへの思いはテキトーでもいい。

投稿文章はデッキの動きを文字で説明できる貴重な要素なので、しっかり書いたほうがよい。 パッと見ただけだとデッキの動きが分からないことがあるのは、自分のビルド杯配信で何度も体験した。

過去の結果発表を見ても、デッキ説明がおざなりになっている作品は無い。 ツイート140字の中で、できる限りアピールしよう。

一方、デッキへの思いは入賞作でも差が激しいので、あんまり関係ないと思う。

そのほか、投稿文章に関して言えそうなことは以下の通り。

  • 実績報告(〇〇連勝とか××達成とか)は要らない。
    • あると不利になるかは分からない。
  • カード名などが誤字っていてもよい。
  • ユーザー発祥の用語を使ってもよい。
  • コンプラに引っかかる文は流石にアウト?

お題

デッキビルド杯の選考基準についてミケガモさんの考えてることを聞きたいです。 ・新弾要素が初動(クサナギなど)1種類だけのデッキは入賞し得るか? ・受けやメタカード等デッキの主題とは関係ない部分はどれだけ必要か?一切なくても問題ないのか? ・ツイート文章はどの部分がどれだけ影響を及ぼすか? あたりが個人的には気になります。

https://odaibako.net/detail/request/0f3a7ea7-1eef-45a7-8d1d-af9b3412c295

こちらのお題にも直接回答しておこう。

新弾要素が薄すぎるデッキは入賞しない。 『ジェントルアイ』を除く入賞作には、新弾カードが2種類以上入っている。 最低ラインは『ムキムキ☆スチムパンプ』『カウンタードデビル』が参考になる。

受け札は、対人戦に持って行ける程度には必要。 これはマナブーストやドローなど、デッキの基本要素全てに同じことが言える。 コンセプトの実現可能性も確保するべきなので、頭でっかちすぎる構成はイマイチなはず。

一方、メタカードは不要。 対策にスペースを割くくらいなら、自己表現に徹したほうが良い。 ただし、《ガブリエラ》と《ラスト・アヴァタール》のように、 デッキ内での相性補完を意識してカードを入れるのはむしろ推奨される。

投稿文章は、「デッキの特徴」の部分が重要。 「デッキへの思い」はなんでもいい。 デッキ名の評価はよく分からないが、万一コンプラに引っかかるといけないので、 無難な名前にしておくと良いと思う。

まとめ

ビルド杯で入賞を狙いたければ、次の意識で投稿しよう。

  • VR以下のカードで組む。
  • 斬新な基盤が作れるならそれがよし。
  • 競合しそうなコンボなら、ギミック追加か理想ムーブ追究で差をつける。
  • 要素を多く取り込む。
  • ADカードは多すぎないほうがいいかも。
  • あとは思うがままに構築・投稿すべし。
  • 投稿文ではしっかり説明。

おわりに

以上、過去3回の結果から見たデッキビルド杯の選考基準の考察だった。 お題は応募締切の前に来ていたが、ビルダーの皆には各々のセンスで投稿してほしかったので、締切が過ぎてから投稿した次第である。

過去記事や配信でも何度も言っているが、別にこれらの基準に従って投稿しないといけないわけではない。 あくまでお祭りイベントなので、自分の投稿したいものを投稿するのが一番だ。 それに、第2回から第3回にかけて確実に選考傾向が変わってきているので、 この記事の考察が丸々ひっくり返るような結果になる可能性も否定できない。

第4回ビルド杯に関する記事は入賞予想と結果発表に続く予定なので、お楽しみに。

参考

mikegamo.hatenablog.com

mikegamo.hatenablog.com

mikegamo.hatenablog.com

mikegamo.hatenablog.com

*1:第3回のみ

*2:TwitterIDが変わっていることに注意