ミケガモのブログ

25弾は24弾より質が落ちたか【デュエプレ】【DMPP-25】

はじめに

デュエプレ24弾は、低レアのカードが淡白だった。 特筆すべきはやはり、パッとしないいくつもの文明サイクルが収録されている点である。 サイクルカードで雑に収録枠を埋める方策は、 カジュアル構築の意欲が高いプレイヤーから「サイクルハラスメント」と呼ばれ嫌がられた。 自分としても、24弾は全体的に渋いパックだったと思う。

その次のDMPP-25では、低レアにも比較的マシなカードが収録された。 25弾の収録内容は、「24弾と比べれば改善された」と評する声が多い。

しかし日が経つにつれて、自分は25弾の中身に疑問を覚えるようになってきた。 そこで今回は24, 25弾の収録内容を比較し、これらに対して抱いている不満を整理したい。

※カジュアル路線まで考慮した一個人の見解です。

サイクルハラスメント

25弾を批判する前に、24弾の問題であるサイクルハラスメントの状況を一旦まとめておく。

導入で述べた通り、24弾には効果が淡白な文明サイクルがやたらと収録されている。 そのせいで、低レアの収録枠が過度に圧迫されていた。

24弾のVR以下で3文明以上にまたがっているサイクルとその代表カードは以下の通り。 5文明サイクルx4, 3文明サイクルx4で、8サイクル・32枚ものサイクルカードがパックの枠を埋めている。

  • P6000進化サイクル:《ベル・ザ・エレメンタル》*1
  • マナ武装トリガードラゴンサイクル:《メッタギルス》
  • エスケープサイクル:《ヒビキ 18y》
  • 遊撃師団サイクル
  • スタートデッキ切り札サイクル:《エヴォル・ドギラゴン》※白黒赤のみ
  • スタートデッキ軽量進化サイクル:《ダースレイン》 ※白黒赤のみ
  • 盾多い時1ドロー呪文サイクル:《プロテクション・サークル》 ※白黒赤のみ
  • リサイクル呪文サイクル:《フェアリー・ダブルライフ》 ※青黒緑のみ

特に《ベル・ザ・エレメンタル》《メッタギルス》《プロテクション・サークル》に関して言えば、 これら3枚にはデザイナーズ的な使い道がある一方で、他のサイクル構成カードにはそうした用途が見いだせない。 活躍の見込めるカードが限られているのなら、それだけを厳選して収録してほしいものである。

どーしろっちゅーねん。


これに対し、25弾のサイクルは以下の通り。 文明ごとに毛色の異なるテーマを抱えていることもあって、サイクルは少なくなった。 性能も24弾に比べると良好である。 25弾ではとりあえず、サイクルハラスメントは解消されたと言える。

  • トリガークリーチャーサイクル:《デス・ハンズ》
  • Rev呪文サイクル:《Rev.タイマン》
  • マナ武装3サイクル:《ジャーベル》
  • 相手盾2枚以下侵略者サイクル:《タネタロウ》 ※青赤緑のみ

環境に与えた影響

25弾の最も残念な点は、環境に定着したカードが少ないことである。

新カードを軸に成立した環境デッキは、贔屓が露骨な【レッドゾーン】のみ。 既存の環境デッキに寄与したカードとしては《ブラックサイコ》《ジャーベル》《キリモミ・ヤマアラシ》などが挙げられるが、 それらも両手があれば足りる程度の数である。 デッキテーマでも汎用カードでも、25弾が対戦環境に与えた影響はかなり小さいと言えるだろう。

念のため擁護しておくと、上記以外のカードがてんでダメというわけではない。 《ドギラゴン》も瞬間的に話題になったし、《ネロ・ソムニス》や【白単連鎖】も十分戦える。 《チュートピア》《ガチロボ》《ベガスダラー》《ワラシベイベー》といった面々も、それなりの戦果は上げているようだ。 しかし、安定した強デッキかと言われると、残念ながらそうではない。 25弾では多くの新規テーマが提示されたにもかかわらず、その多くが環境一線級とは言えない。

がんばれ。


ここで24弾に目を向けると、実は環境的なインパクトがかなり大きかったことを思い知る。

メジャーデッキの点では、環境進出が約束されていた《モルトNEXT》は当然ながら、 【白単】の《ヘブンズロージア》、【黒単】の《ヘルボロフ》、【緑単】の《豪勇者》らは、 どれもデッキを成立させるのに欠かせないエースカードである。 また、【5c】を再興させた《デッドブラッキオ》も、環境への貢献が大きいと言える。

25弾由来のメジャーデッキが1個だけだったのに対して、24弾由来のものは5個もある。 いずれもちょうどよい強さで、環境常連のデッキとして今でも名を連ねている。

汎用カードの点では、24弾は若干劣るかもしれない。 とはいえ、《母なる星域》《GENJI・XXX》《ダブルライフ》など、重要なカードはそこそこある。

全体としてみれば、24弾が環境上重要なパックであることは間違いない。

つよい。

カジュアル構築の幅

もっと視野を広げて、カードプール全体でカジュアルまで含めた構築の幅を比較するとどうか。

25弾の収録リストを隅々まで眺め直すと、実は活用に苦しむカードが多いことに気付く。 25弾の低レアの多くは、一見すると固有の性能を持つ悪くないカードに思える。 しかしきちんと向き合おうとすると、具体的な面白い構築のビジョンが見えてこなかったりする。

例を挙げるなら《K・マノーミ》。 3マナcip1体バウンスは、《一角魚》《ツクモ・スパーク》を上回る革新的なコストパフォーマンスとして評価できる。 しかし、これで実際に何が組めるようになるかと問われると、よく分からない。

サイクルハラスメントや《ロックダウン》《孤高の圧》《邪帝の呪法》といった存在意義すら怪しい24弾カードと比べればいくらかマシなのだが、 デッキにならないという括りにおいては同列になってしまうように思う。

【トワイライトΣ】に入らないこともなさそう。


逆に、応用の幅が広いカードの数で言えば、24弾も意外と健闘している。

24弾は《リュウイーソウ》《龍素開放》《リンクウッドの魂燃焼》《成長の揺り籠》、 25弾は《ヘルクロー》《ランボンバー》《巨大設計図》あたりがこれに該当する。 こういった良カードの割合は、両弾ともどっこいどっこい、もしくはわずかに24弾が勝っている印象である。 24弾がサイクルハラスメントで枠を奪われていなければ、もっと沢山の面白いカードが入っていたに違いない。

あそべる。


ここで、非常に主観の強い話をさせてほしい。

自分は毎弾、デュエプレデッキビルド杯に投稿されたレシピをチェックしている。 その中でとりわけ感心したデッキは「バケモン」フォルダに保存して*2、 後で自分でもすぐ回せるようにキープしている。

そのビルド杯バケモンフォルダに保存されたデッキの数は、24弾が42個、25弾が31個であった。 この数字から見れば、25弾は「ミケガモが特徴的とみなすデッキ」が作られにくい弾だったと言える。

実はビルド杯への投稿数だけで言えば、25弾が890件、24弾が702件で、25弾のほうが200件近く多い。 しかしこの差は、25弾では紙でも愛好家の多い《ガチロボ》の投稿数が116件と極めて多かったことと、 ビルド杯初参入かつ1人で100件投稿した狂気の人がいたことで概ね説明できる。 ゆえに、カードパック全体の魅力が有意に現れたものではないと考えている。

無論、これはビルド杯投稿者の能力が低下したわけではない。 むしろ、投稿者たちの力量に信頼を置いているからこそ、収録カードの方に問題があるという結論を導いた。

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これに近い現象は、有志イベント「裏デッキビルド杯」でも起きていた。

25弾の裏ビルド杯投稿作は、全体的に粒揃いという印象を受けた。 参加者間の投票が接戦だったことからも、デッキの尖り具合が拮抗していたことが見て取れる。

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1位:12 『ドスコイベイベー』 20pt byオウドゥンヌ@AY

2位:26『撃滅のオーロラ』19pt by 蝉丸

3位:24『団子パーティ』17pt by保留状態

(25弾裏ビルド杯結果発表・一部改)

https://x.com/DMPcasualplays/status/1784226333054357651

一方で24弾の裏ビルド杯投稿作は、堅実なものから超個性的なものまでレパートリーが豊富だった。 1位獲得デッキの投票数が突出しているのは、路線がバラける中で強烈なインパクトを叩き出したからだろう。 ちなみに裏ビルド杯の投票結果としては、どちらかというとこのパターン(=1位が他を大きく突き放す)のほうがよく見られる。

これも構築レベルの高い参加者が定常的に参加するイベントだからこそ、原因をカードプールのほうに求めることができる。

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1位:29『最高傑作アルファリオン』 34pt byルーたん

2位:11『黄金の遊撃師団』15pt by 蝉丸

3位:13pt

4『魂燃焼バーンメテオバーン』byじーく

19『いきなりドルバロムD』by墓石N

28『ダイシャリンドンキノフループ』byくるめ

(24弾裏ビルド杯結果発表・一部改)

https://x.com/DMPcasualplays/status/1761398616344969363


こうなった事情として、25弾が革命編相当の1個目のパックであることも関係している。

E1シリーズにあたるデュエプレ16弾で特に顕著だったように、シリーズ1つ目のカードパックはデザイナーズ色が濃く出る。 事実、パックを通してのテーマ性は25弾の方が強い。 今回もそのパターンが適用されているとすれば、25弾で独創的なデッキを構築するのが難しい理由の一つとなっているかもしれない。

ハンターとエイリアンの弾


以上のような視点から、自分は25弾のほうが構築の幅が狭いという見解に至った。 24弾はしょうもないカードが目についてイライラするが、だとしても作れるデッキの数は24弾のほうが多いのではないかと思う。

収録種類数

環境とカジュアル、どちらの目線でも24弾のほうが優れているという結論が出そうだ。 そこに決定的な後押しをする要素が一つある。

それは、25弾でカードの収録種類数が増えたことである。

これまで、デュエプレのパックから直接排出されるカード種類数は、 以下のように推移してきた(1弾とEx弾を除く。また、超次元ゾーンの付録カード、リバイバル枠のSRは含まない)。

カードパック 種類数
2-15弾 85枚
18-24弾 95枚
25弾 110枚

単純に考えて、収録枚数が多ければ、その分だけ環境級のカードや面白いカードも多く封入されているべきである。 ところが実際は、環境入りしたデッキは直前の弾よりも少ないし、カジュアルデッキが組みやすいとも言えない。 収録数を増やしておきながらこの有り様とは、なんとも情けないではないか。

はっきり申し上げて、自分は収録種類数が増えることに批判的である。

2ヶ月に一度90枚前後のカードを追加するだけで、カードプールの拡張速度は紙以上であり、十分である。 増えるカードプールが魅力的なら素直に喜べるのだが、先述の通り、直近の弾の低レアは質の低いカードも多い。 これでは目当てのカードが当たりづらくなるだけで、むしろ迷惑な話だ。 さらに、カードを増やせば当然不具合も増える。現状に鑑みれば不安な要素しか無い。

勝舞編時代は、収録カードの厳選と、活躍できるようなアッパー調整が念入りに施されていた。 その労力と手腕に感心していたあの頃に比べると、最近はカード開発のコストを削っているのではないかと疑心暗鬼に陥りそうだ。

収録種類数まで考えてカードパックの質を議論するなら、25弾はさらに不利な立場へと追いやられる。

レアがなかなか揃わない。

終わっているカード

ここまで、パック全体の評価としては24弾のほうが高いという論旨であった。 しかし24弾にはその評価を覆しかねない、この世の終わりのような呪物が収録されている。

《龍覇龍 デッドマン=THE END》である。

ゴミ(周知の事実)

そろそろ名前も聞き飽きた頃だと思うので多くを語りたくはないが、《THEEND》の完成度の低さは他の追随を許さない。

《オオザワ》を出すために要求される一連の動きは、理解に苦しむほど弱い。

そこに加わるのが、異常なまでの不具合の多さである。 度重なる修正の末に、以前できていたことができなくなることもしばしばある。 本記事執筆中、すなわち次の弾が出てからもなおバグが発見されるという惨状である。*3

能力調整でも技術面でも、開発力の低下を示唆して余りある存在なのは間違いない。 単体の評価が低すぎる《THEEND》は、24弾の評価を大きく下げる要因になっている。

ただ、テキストが沢山書いてあるぶんだけ「遊べるカード」であるのもまた事実である。 よって、24, 25弾の評価を逆転させるまでには至らないと判断している。

参考①:できていたことができなくなる www.youtube.com

参考②:未だにバグが見つかる youtu.be

まとめ

デュエプレ25弾は24弾と比べると、環境への影響度が小さく、構築の幅も広いわけではない。 カード種類数が増えたことまで加味すれば、25弾のほうが全体的なパックの質は低いと言える。 ただし、カードを個別に見れば24弾の《THEEND》は評価が著しく低い。

おわりに

24弾と25弾、皆さんはどちらが良いパックだとお考えだろうか。 今回は24弾と25弾の比較に終始したが、歴代で見れば両方ともやや質が低めなパックだというのが自分の意見である。 26弾以降は濃密で充実したパックがリリースされることを期待したい。

*1:デュエプレのこのサイクル担当は《ゴウ・グラップラードラゴン》だが、紙ではこの立ち位置は《ゴウ・ブレイクドラゴン》である

*2:フォルダ名は毎弾適当に変わる

*3:有志により検証が進んでいる