ミケガモのブログ

【デュエプレ】龍聖大河・L・デストラーデについて

ボクはデュエプレの《龍聖大河・L・デストラーデ》が嫌いだ。

嫌いポイントその1。あまりにも雑なシールド追加。 《スカイソード》のサイクルは、デュエプレ参戦に際しシールドが6枚を超えないように制限がついた。《スターマン》や《ムシャ・ルピア》などに制限は課されなかったが、彼らは元からアタックトリガーというリスクを負っている。受けが有利なデュエマにおいて、「山札をシールド化」はそれだけ慎重になるべき能力なのだ。ところがこの《デストラーデ》は、自身が出たときのみならず、置いておくだけで毎ターン1枚ずつシールドを増やしていく。6-6000の通常クリーチャーという、手頃なサイズであるにも拘わらずである。これは不健全極まりない。

嫌いポイントその2。自重を知らない。 元の《デストラーデ》は、連鎖付与条件を満たせない時のみ必要最低限のシールドを追加するという、とても慎ましい能力をしている。しかしデュエプレの《デストラーデ》は、既にホーリー・フィールドによる連鎖付与が発動していようと、相手にどれだけシールド差をつけていようと、お構いなしにシールドを増やす。挙句、シールド枚数上限になってもシールド化をやめようとせず、デッキを自ら削り続ける。叡智を極め《バジュラ》を倒せるようになった《スターマン》には、「シールドが9枚以下なら」と丁寧な注意書きが追加された。紙でプレミアム殿堂し、デュエプレでは別ベクトルのやべー奴になったあの《ミルザム》でさえ、「上限枚数まで」「離れたらシールド5枚飛ばす」と、ギリギリのところで理性を保っている(※保ってない)。それなのに《デストラーデ》と来たら、まるで節操がない。

紙版。

嫌いポイントその3。強い。 テキストが洗練されすぎたせいで分かりづらいが、その実態は上記のようにとてつもなく凶悪である。「置きシールド追加」という許し難い能力を有した上で、クリーチャーを出すたびに上振れを試す運ゲー連鎖が始まる。デュエプレで時折発生する「凶悪カードを取り込むためにデッキカラーを歪める」現象は、この《デストラーデ》にも少なからず起きていた。*1デストラーデ》がイカれたカードであることは、紛れもない事実だ。

デッキカラーを歪める人。

さて、そんなアイツがNewDivisionを去ってから、既に2ヶ月が経とうとしている。 もちろんボクに未練はない。理不尽なシールド追加に苦しめられることはもうなくなった。 こんな歪んだカードの相手をしなくていいと思うと、胸がすく気分だ。

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19弾・ミケガモが組んだデッキ【デュエプレ】 - ミケガモのブログ

そう、未練なんてない。

ふとした拍子に《デストラーデ》が頭をよぎるのは、未練があるからじゃない。環境のビートダウンに刺さっているんじゃないかと思えたり、デッキビルド杯に洒落たレシピが投稿されたりしていたからだ。間違っても「《デストラーデ》の堅さが信頼できる……」なんて思っちゃいない。ボクはアイツが嫌いなんだ。

しかしなぜだろう。どういうわけか、《デストラーデ》との思い出が頭に染み付いて離れない。

《キリン・レガシー》でのマスターを泣く泣く諦めたとき。

mikegamo.hatenablog.com

《シデン・ギャラクシー》をマスターへ導いたとき。

mikegamo.hatenablog.com

プレイスアリーナで初めてFINALステージ5勝を達成したとき。

mikegamo.hatenablog.com

ヨーデル》や《ミランダ》から6マナサイキックを投げ、ヨダレを垂らしながらデッキトップをめくり続けたとき。

mikegamo.hatenablog.com

いつでも、《デストラーデ》が側にいた。

デストラーデ》の連鎖付与が盤面を賑やかにしてくれた。(カガヤケ!) 《デストラーデ》の増やしたシールドがボクを守ってくれた。(セーナルマモリヨ!) 不可能に思えるコンボも、《デストラーデ》がいくつも叶えてくれた。(クラウノデス!)

ボクが何度《デストラーデ》に悪態をついても、《デストラーデ》は気を悪くせずボクに力を貸してくれていた……?

そもそも、《デストラーデ》は壊れカードだったのか? 異常な性能であることは周知の事実だが、その一方で環境を支配したことはなかった。 《GENJI》や《ライゾウ》に正面突破されたり、《デスドラ》《DDZ》《激竜王》に場を壊滅させられたりで、わずか一歩及ばずな所があった。 むしろ、こうした破滅的な攻撃力を持ったデュエプレのイカれカードたちを一人で抑え込み、環境を整備してくれていたのではないか?

そして、《デストラーデ》はつまらないカードだったのか? 確かに、トリガークリーチャーと《イモータル・ブレード》でひたすら耐久されて頭が沸騰した時もあったかもしれない。しかし、《デストラーデ》に救われたデッキもまた、この世には沢山あったはずだ。特に味方への連鎖付与は、唯一無二かつ応用の幅が広い効果である。そのおかげで成立した独創的なコンボやデッキを、ボクはいくつも見て、作ってきたじゃないか。アイツが犯した罪だけでなく、アイツが切り拓いた世界にも目を向けるのが公平ってもんじゃないか。アイツも、色々なデッキを支える良いカードだったんじゃないのか?


……どういうことだ。なんだ今のは?


ボクは今、デュエプレの《デストラーデ》を肯定してしまった……? アイツはいい奴だと、そう思ってしまった……? 馬鹿な、ありえない。ボクは……ボクはデュエプレの《デストラーデ》が嫌いなんだ。 アイツを許したくない。アイツは良カードなんかじゃないんだ……。


それなのに、胸が騒ぐ。 際限なくシールドを増やすアイツの姿を思い出すと、胸が……騒ぐんだ。

そう、ドキドキするんだ。


なんだ、この気持ちは。


誰か、教えてくれ。




注:本記事は↓のパロディです。

www.maebarasenuta.com

*1:注:【トリーヴァグレイトフルライフ】【トリーヴァ大地ザビミラ】などは、白青成分がほぼ《デストラーデ》に集約されている