ミケガモのブログ

お題箱消化の雑記: MBと進化順 / 7,8弾デッキ分布 / 黒緑速攻

お待たせしてしまって申し訳ない。

メテオバーンの仕様について

【双流星キリン・レガシー】が出てメテオバーンで落とすカードが重要になったのでデュエプレのMBの仕様、重ねる順番の重要性を解説していただけないでしょうか? https://odaibako.net/detail/request/87ea057e-c9d7-4f9b-876c-4f912f5f033e

mikegamo.hatenablog.com

メテオバーンの仕様そのものは↑の記事を参照。

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《キリン・レガシー》の効果で先に選ばれるのは、1体目に進化元として指定したクリーチャー。 したがって、《キリン》を使う場合は、効果で出したいクリーチャーを先に重ねる。

メテオバーンを複数回使う進化クリーチャーでは、

  • 普通のバウンスを警戒するなら、手札に返ってこなくていいカードを先に
  • 能動的に墓地を触れるデッキなら、早く墓地に落ちてほしいカードを先に

して重ねる。

普通の進化クリーチャーの場合は、

  • バウンスで手札がこぼれるのを心配するなら、手札に返ってきてほしいカードを先に
  • 《龍炎鳳エターナル・フェニックス》《漆黒戦鬼デュランザメス》などの大量回収カードを使うなら、回収で返ってこなくてもいいカードを先に

して重ねる。

実戦的には、太字で書いたところを意識すれば十分。

7→8弾のデッキ分布

7弾と8弾の大会デッキ分布を見比べると「アウゼス 」「ウェーブストライカー」「ダイヤモンド・ブリザード」がひっそりと消えたことがわかります。 何故これらのデッキは不人気に変わったのでしょうか。

https://odaibako.net/detail/request/e1181e47-dd23-408d-879e-cf0091b7091e

【アウゼス】

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【アウゼス】の減少は、盤面制圧の強みを《超鎧亜キングダム・ゲオルグ》および《竜極神ゲキメツ》に上回られたのが主な原因である。

【アウゼス】の売りだったトリガー《ヘブンズ》からの制圧力においても、 【ゲオルグ天門】は《アガピトス》《エリクシア》を展開してから《ゲオルグ》に繋げば、ほぼ同等のパフォーマンスが得ることができる。 【アウゼス】の弱点であった序盤のもろさは《霊騎幻獣ウルコス》で、リソースの不足は《アクアン》で解消できる。

3000ラインで除去されにくかった《聖騎士ヴォイジャー》が、 8弾登場の《のろいとテラーの贈り物》に焼かれるようになったのも影響している。

なお、【アウゼス】は7弾環境時点でも、

  • 《光輪の精霊 ピカリエ》のスタン落ち
    • Newで使えなくなると、Allも使用者が減る傾向がある
  • 【白青メカオー】の台頭
    • 《キャプテン・ミリオンパーツ》《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》が重い

という原因で、環境での立場は良くなかった。 むしろ、7弾環境の大会で【アウゼス】がわずかながら見られたことが奇妙だと思っている。

ウェーブストライカー

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ウェーブストライカー】の減少は、赤黒系の【除去コン】と、 盤面制圧を得意とする《ゲオルグ》が大幅に増えたのが原因である。

盤面を広げるしかできない【ウェーブストライカー】は、《バジル》+《のろテラ》の2面除去をもろに食らう。 今までは十分だった6000前後のパワーラインも、《アガピトス》《ゲオルグ》の前には及ばない。

展開系コンボの【ツヴァイ】【メカオー】【アポロヌス】が抑圧された8弾環境は、 それらよりもシンプルな展開デッキである【ウェーブストライカー】にとっては地獄のような環境だった。

新規カードが追加されないため、飽きられて使われなくなったという側面もある。 デッキパワーそのものは高いのだが、登場から時間が経ったこともあって、色々と噛み合わなくなっている。

【ブリザード

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【ブリザード】の減少は、一部スノーフェアリーのスタン落ちと、 8弾中期の【トリーヴァパンダ】が似た系統のデッキであったことが要因である。

8弾では《メリッサ》《マルル》の2枚がスタン落ちし、NewDivisionで、ひいてはAllDivisionで、 【ブリザード】を研究するプレイヤーが減った。

その減った層は、同じく展開・リソース確保・タップキルの3拍子揃った【トリーヴァパンダ】に乗り換えた。 【トリーヴァパンダ】は8弾環境前半のツートップを張る超強力デッキだったこと、 そこに入っている《パンダネルラ》《アガピトス》に《ブリザード》がパワー負けしていることも、 【ブリザード】離れを加速させた一因だろう。

ただ、他の2デッキと事情が違うのは、ADの【ブリザード】は未だに一線を張れるデッキだということ。 8弾環境後半で【トリーヴァパンダ】が崩壊してからは、【ブリザード】に戻る意味も出てきた。 また、AD環境開催のバトルアリーナ4thでも、【ブリザード】は決勝トーナメントに進出している。 使用者こそ減ったが、完全に環境外となったわけではない。

【黒緑速攻】について

黒緑速攻について解説していただけないでしょうか?3ターン目にマナブした次ターンにはリーサル以上の打点を余裕で形成され軽くトラウマになったので、この色の速攻の恐ろしさをミケガモさんの視点で読んでみたいと思いましたのでご一考をお願いします。

https://odaibako.net/detail/request/68cefa9a-573d-4886-939f-07306d23bb6a

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【黒緑速攻】は、DMPP-08環境のAll Divisionで開発された速攻デッキである。 デッキ誕生のきっかけは、8弾で実質1マナの《ダンディ・ナスオ》が追加されたこと。 黒と緑に多く存在する1コストクリーチャーの展開に特化し、 あわよくば《統率するレオパルド・ホーン》のG・ゼロを狙うのが主戦術である。

DMPP-09では、さらに

  • 1マナ黒クリーチャーの選択肢《緊縛の影バインド・シャドウ》
  • わずか2マナで実質1打点増やせる《無頼封魔アニマベルギス》

を加え、構築の幅を広げている。

このデッキの強みは、なんといっても最序盤の展開力。 2ターン目《ライフ》で順調な滑り出し、などと考えるターンに、 比較的安定して3体のクリーチャーが並んでいるというのは恐ろしい。

疑似手札補充の《ヤット・パウル》、 ブロッカー破壊の《封魔ヴィネス》、 軽量除去の《自由の旅人ベア子姫》、 超絶上振れ要員の《レオパルド・ホーン》と、突き進む以外の要素もきちんと備えている。

圧倒的な速度を持ちながら、メタ要素まで備えているのが凄い所である。

その一方で、

  • パワーラインが低い
  • スピードアタッカーが無い
  • トリガーが弱い

という分かりやすい弱点も抱えている。

まず、パワー2000以下のクリーチャーが大半を占めるため、 火力トリガーや軽量ブロッカーで比較的容易に対策可能である。 光ベーシックデッキをちょっと改造した程度のデッキにも、おそらく苦戦を強いられるだろう。

8.5弾のガチ環境までは、《地獄スクラッパー》や《霊王機エル・カイオウ》などを積める限られた構築だけが、 【黒緑】に強いデッキだった。 そこに現れた9弾収録の《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》は、 高汎用トリガーでありながら【黒緑】にもよく刺さるカードである。 今は《バインド・シャドウ》《アニマベルギス》を試す人が多い時期であろうが、 今後《ジャック・アルカディアス》がどの程度【黒緑】を抑え込むかに注目である。

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また、スピードアタッカーなし・トリガー弱めという弱点のおかげで、 止めることさえできれば他の速攻よりも楽に詰めていける。 気を付けるべきは、《レオパルド・ホーン》のパワー上昇と、不意の《ヴィネス》くらいだろう。

個人的な好みだが、勝ちに素直な速攻デッキが強い環境は、カードゲームとして健全で良いと思う。 速攻に勝てないデッキはデッキではない。 不利がつくぐらいはかまわないので、ちゃんと勝ち筋があるデッキを使いたいものである。