デッキレシピ
- コンセプト:A
- 完成度:B
- デッキパワー:B
- 思い入れ:A
来いよキング。ロックなんて捨ててかかってこい。
《双流星キリン・レガシー》
5-12000, T・ブレイカー。 自分の他のクリーチャーを召喚した時、メテオバーン発動。 墓地に送ったクリーチャーと同名のクリーチャーを、山札からバトルゾーンに出す。
1回目のメテオバーンでは、進化元として1体目に選んだ方が場に出るという仕様になっている。 《キリン》を召喚するときは、早く出したい方を先に指定しよう。
同じく9弾の《戦攻闘竜アルドロン》とはデザイナーズコンボ。 《キリン》を召喚した後にG・ゼロで《アルドロン》を出せば、すぐに《キリン》の効果を1回使える。
使い辛い効果
《キリン》は、矛盾や欠陥を複数抱えた扱い辛いクリーチャーである。
1つ目に、《キリン》は進化元の質が重要になるという点。 踏み倒しのことを考えると、《キリン》の進化元は強いクリーチャーにしたい。 一方、進化することだけを考えると、進化元は軽くて弱いクリーチャーのほうが楽である。 進化元に求めたい要素が、決定的に矛盾している。
2つ目に、出すのが大変なくせして、効果の発動が不安定であるという点。 《キリン》の効果は、次にクリーチャーを召喚した時にようやく発動する。 進化Vの《キリン》を出すだけでもひと手間かかるというのに、 出した後のことまで考えてデッキ構築・プレイングをしなければならないのが厄介。 単体ではただの12000バニラなのが余計にタチが悪い。
3つ目に、効果発動安定化のための構想自体も矛盾がある点。 《キリン》の能力を安定して(《アルドロン》に依存せず)発動させるには、 マナを十分伸ばしておいて、《キリン》を出したターン中にもう1体クリーチャーを召喚できるようにしたい。 しかし、そこまでマナを溜めているなら、 おそらく《キリン》の進化元になっている《霊騎幻獣ウルコス》《無頼電脳スプラッシュアックス》は、 《キリン》の効果で場に出す価値が低くなっている。 しかも、マナを伸ばす過程でデッキを削っているため、踏み倒す対象が山札にいない可能性も高まる。 効果発動を安定させる行為が、別の所で《キリン》に不利益を与えてしまっている。
4つ目に、《キリン》の複雑な効果がデュエプレに合っていない点。 初めの方で述べたように、メテオバーンで墓地送りにするカードが自動選択になったデュエプレでは、 《キリン》に進化するときの選択順を気にしなければならない。 また紙の方だと、《時空工兵タイムチェンジャー》をはじめとする「進化クリーチャーの下にカードを仕込む効果」で、《キリン》とのコンボを組むことができたが、デュエプレではそういうカードは登場していない。 この2つの問題は、カード操作の自由度が低いデュエプレが、《キリン》の複雑な効果に対応しきれていないために発生している。 ちなみに、進化元の選択順に関する注釈は、カード内にはおろか、デュエプレ公式FAQにも載っていない。
《聖獣王ペガサス》の存在
極めつけに、《キリン》に類似した進化V、《聖獣王ペガサス》がいるのも苦しい。 どちらもサイズが5-12000、ともに山札からクリーチャーを踏み倒す能力を持っている。 しかし、能力の使いやすさの差は歴然。
《ペガサス》は、どんな状況で出そうと、相手に除去されようと、最低2回の踏み倒しが確約されている。 そこから出てくるのは、アタリ枠がその時代の重量カード、ハズレ枠が進化元用の軽量クリーチャーである。
対する《キリン》は、準備ができていないと最低0回、最高でも2回の踏み倒し。 出てくるのは、進化元のクリーチャーだけ。
《ペガサス》が一度強化を受けているとはいえ、その4弾分も後に出た《キリン》がこんなスペックでいいのだろうか。 考えるだけでも頭が痛いが、《ペガサス》との差別化を意識して構築するのは必須である。
構築解説
《ペガサス》との差別化の鍵となるのは、
- 踏み倒し対象が確定していること
- 攻撃しなくても良いこと
- 文明、種族
などである。この辺りを念頭に置いて、《キリン》の効果が活きるように構築したい。
《キリン》で出したいのは、強力なcip持ちクリーチャーである。 そこで、重量級のcip持ち多色クリーチャーを検索すると、 《戦攻竜騎ドルボラン》《血風聖霊ザーディア》などが引っ掛かる。 この2体は、リソースを取るだけでなく、それ以外のところでアドバンテージを取ってくれる良カードである。
その傍ら、《キリン》の効果発動を安定させるため、マナを伸ばすカードも積みたい。 マナは、《キリン》+1体の召喚や、《ドルボラン》のことを考えると、8~9マナ前後は欲しい。 《霊騎幻獣ウルコス》《無頼電脳スプラッシュアックス》辺りは堅いとして、 《龍仙ロマネスク》のようなターボカードがあっても無駄にはならない。
ところで、《ザーディア》《ロマネスク》のテキストを見ると、 「自分のターン中」という条件が共通している。 この条件の制で、トリガーからの《ヘブンズ・ゲート》で出したときには、彼らの効果は発動できない。
ここで気付く。
「この2体をトリガー《ヘブンズ》で出して《キリン》を乗せれば、使い損ねたcipを利用できるのでは?」
《ヘブンズ》であれば、コストを支払わずに大きいクリーチャーを進化元として用意することができる。 確定で強いクリーチャーが出てくるなら、《ペガサス》には出来ない 《ザーディア》の火力で場を制圧しながら、 《キリン》がシールドを割らずにこちらの場を広げていくというイメージもできた。
ここまで挙げた分で、入れたいカードは十分に集まった。 後は、デッキの要素を調整していけばオーケー。
このデッキは、単色カードが非常に少ない。 余ったスペースは全て単色カードにした上で、 多色カードのスロットを少し削って単色の枠を確保した方が良い。 本来、《キリン》安定化のためには4積み構築にした方が良いのだが、 今回は多色事故を避けるために一部カードの枚数を減らした。 それでも、《ザーディア》《ドルボラン》の2種類は、4積みした方が良いかもしれない(持ってない)。
単色枠として選んだのは、マナを伸ばせる《フェアリー・ライフ》、 ほぼ3ドローが見込める《プリズム・ブレイン》。 《ナチュラル・トラップ》は、気休めの確定除去。
別案
別案1:《キリン》+白黒で、《五元の精霊プラチナム》のG・ゼロを達成する。
《腐敗聖者ベガ》《邪脚護聖ブレイガー》などと組み合わせるアイデアを、Twitter上で確認した。 デュエプレには来ていないが、実装が近いかもしれないカードだと
《母なる星域》→《キリン》→《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》G・ゼロ→《プラチナム》
というのを思いついた。
別案2:フェニックスも回収できる《無双竜機ボルグレス・バーズ》を入れる。 《バーズ》は多色で進化元にもなれる。《ロマネスク》のブーストとも相性が良い。
おまけ:スタンダードな構築
SR13枚の富豪構築になってしまったので、普通に組める《キリン》のレシピも置いておく。
おそらくデザイナーズの、《闘竜山脈マグマハンマー》によるSA化コンボを狙う。《キリン》から出てくるのは多色で確定しているので、《ペガサス》との差別化もできている。