ミケガモのブログ

赤黒t白ドレイクアグロ【デュエプレ】【マスター】【DMPP-08exN】

デッキレシピ

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  • コンセプト:C
  • 完成度:A
  • デッキパワー:S-
  • 思い入れ:B

2021/05/03, スペル・デル・フィンカップのNDマスター到達。 まあまあやり込んだ。

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構築のきっかけ

8弾EXパック直後のスタートダッシュこそ良かったものの、 すぐに使われなくなったティラノ・ドレイク。 あまりに不憫である。 環境が固まった今、改めて使ったらどうなるのかを試してみたかった。

ベースとなったのは、カジュアルマッチで出会ったデッキである。 《疾風のスウザ》から軽量ドレイクをぽんぽん投げられて負けたので、 「もはやアグロ戦術を取れば勝てるのでは?」という考えに至った。

ちなみに、自分はそこまでティラノ・ドレイクという種族に思い入れが無かったのと、 すぐに飽きるかもしれないと思って、今回はデッキタイプごとの戦績を取らなかった。 今回も、後から怠けた自分を恨むパターンになった。

構築解説

このデッキの基幹部分はこう。

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《竜音のキラ》《深塊炎霊ロミュナス》の2枚でティラノ・ドレイクを軽減し、 《疾風のスウザ》でスピードアタッカーにして殴る。 f:id:mikegamo:20210503234850j:plainf:id:mikegamo:20210503234855j:plain

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軽量のドレイクとして、《竜音のゼクス。 その墓地肥やしから《ボーンブレイド・ドラグーン》に繋いで、上振れの大量展開を狙う。

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ブロッカーが来たら、《衝撃のロウバンレイ》で押し切る。

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上手く行けば、1~2マナのスピードアタッカーがどんどこ出てきてタコ殴りにできる。 ちょっと変なアグロとして動ければ良い。

手札を補充できる速攻要員として、《ヤット・パウルを引き入れることにした。

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トリガーは、《爆獣ダキテー・ドラグーン》《ホーリー・スパーク》の2種。 《ダキテー》は最強のクリーチャートリガーなので、文句は無いだろう。 今の時代は多くのデッキが過剰打点で殴りかかってくるので、《スパーク》でないと運命を変えられない。

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せっかくティラノ・ドレイクなので、欲張って大型のフィニッシャーも入れておきたい。 検討対象は、《覇竜凰ドルザバード》《超竜騎神ボルガウルジャック》《キラ・ゼクス・ドラグーン》の3体である。 《超神星プルート・デスブリンガー》は、リソースのキツいこのデッキではまともに出せないのと、《ボルガウルジャック》と役割が被るので一旦ボツにした。

さて、このデッキの基盤はアグロである。ならば、相手を殴り倒すために、打点が増えるカードを積むのが良い。 ちょうど《キラ》《ゼクス》の2枚も入っていることだし、 それらとのシナジーで2打点SAを生み出せる《キラ・ゼクス・ドラグーン》の採用がまず決まる。

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《ドルザバード》と《ボルガウルジャック》はどうか。 かなり悩ましい問題だが、最終的に自分は《ドルザバード》だけを取り、 《ボルガウルジャック》を採用しなかった。

《ドルザバード》のメリットは、状況が整った時にイージーウィンを狙えること。 さっさと2点だけ割って、5マナ溜めて《ドルザバード》を出せば必ず勝てる。 また、今流行りの【驚天ビート】はトリガーを多く積んでいるので、そこにもよく刺さる。

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一方、《ボルガウルジャック》が活躍するためには、

  • 相手がクリーチャーを2体以上出していて
  • こちらの場に進化元がいて
  • 《ボルガウルジャック》を出すマナが溜まっている

という状態になっていなければならない。 回してみて思ったが、これが意外と難しかった。 繰り返すが、こちらのベースはアグロである。 5~6マナでフィニッシャーを出す段階というのは、ゲームが終わる頃合いだ。 その状況だと、《ボルガウルジャック》で盤面除去という寄り道をするよりかは、 《ドルザバード》でさっさと殴り込みに行くのが良い。

また、他のパーツを見てみても、ブロッカー除去は《ロウバンレイ》、 トリガーカウンター用には《スパーク》が積んであるので、 《ボルガウルジャック》の除去は必須ではなかった。

そして決め手が、《ドルザバード》は黒マナになるということ。 ティラノ・ドレイクの優秀トリガー、《爆獣ダキテー・ドラグーン》は赤マナである。 そのため、デッキ内は赤のカードが多くなる。 バランス的に黒を積みたかったので、《ドルザバード》を積むことにした。

《キラゼクス》は3枚、《ドルザバード》は2枚。 《キラゼクス》は"無くても勝てるカード"なので、4枚は積まなかった。 《キラゼクス》は4マナで出したいカードなので、アグロというアーキタイプの枠に収まるカードである。

《ドルザバード》は活躍できる状況が限られるため、《キラゼクス》よりもさらに1枚減らした。 仮にコイツをメインフィニッシャーに据えるなら、アーキタイプはミッドレンジになるだろう。 だが、このデッキはあくまでアグロ。 《ドルザバード》はご都合展開を狙うためのカードであって、メインの勝ち筋ではない。

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検討したカード

《超竜騎神ボルガウルジャック》

f:id:mikegamo:20210503235805j:plain 上述の通り、かなり悩ましいカード。 カードの性質としては、《キラゼクス》《ドルザバード》の補完となる良いフィニッシャーである。 ドレイクがもう少し後寄せの構築に向いていたら、これらの3本立てでデッキが組めていたかもしれない。 非常に惜しい。

《凶戦士ブレイズ・クロー》

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速攻だから要るかと思った。 結局軽減で《スウザ》《ゼクス》などが1-1000のクリーチャーとして出てくるので、 あまり旨味が無かった。

《ソフトナックル・ドラグーン》

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パワー3000のドレイク。枠が無くて、結局試さなかった。

《炎竜提督ガウスブレイザー》

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ハンデスメタ。 【除去コン】がとても少なかったので、ハンデスを切ることにした。 そもそもコイツを出せたところで、【除去コン】には勝てない。

《抹殺のサグ・パニール

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【メカオー】にボコられたあとに血迷って採用した。 コイツから倒されるだけなのと、 相討ちを取りに行ってもリソース差で負けるのとで無意味だった。

《ビトレイヤル・ドラグーン》

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ドレイクトリガーということで最初は積んでいた。 あまりにも非力なので抜けた。その非力さも可愛い。

《竜脈のダンジェン》

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入れようとも思わなかった。 《ボーンブレイド・ドラグーン》との相性も良くない。 速攻というコンセプトの下では、軽くて素早く展開できる《ボーンブレイド》に軍配が上がる。

各対面

マッチングしたデッキのみ。

【驚天ビート】

微有利。なるべく《ドルザバード》を待つ。 序盤に勇気の1~2点が必要。

【テクノロジー

相手のプレイ次第。 速攻なので分が良いと思いきや、パワーが低すぎて全てが《アクア・ハルカス》に取られる。 最近出てきた《魔皇アスティマート》軸も厳しい。 《ツヴァイ》カウンタープランを取られても死ぬ。

【4cアガピトスビート】

五分。扱いが難しいデッキなので、相手が自身のデッキに振り回されてくれればワンチャン。 《アガピトス》で半壊、《メツ》で全壊。 次にどちらかが来るマナまで来たら、覚悟を決めて全ツッパ。 《ロウバンレイ》を駆使しながらとにかく盾を0枚にして、トリガー《スパーク》を祈る。

【パンダネルラ】

微有利。最序盤から小型で殴りまくれば打点負けはしない。 《パンダ》にシールドを割ってもらって、 手札が増えたら《キラゼクス》や《ドルザバード》のカウンター。

【赤白速攻】

微有利。 トリガー《ダキテー》と、コスト軽減による展開力で勝てる。

【メカオー】

不利。この対面ばかりは《ボルガウルジャック》が欲しくなる。 うっかり《ミリオンパーツ》を出してもらえれば、《ロウバンレイ》で崩壊させられる。 ちなみにそれを決めた試合は、 序盤1枚目《コロビナー》→中盤2枚目《サーファー》→終盤3枚目《サーファー》の3連トリガーで負けた。

8弾EXの背景ストーリーは「グレートメカオーに対抗するティラノ・ドレイク」という物語のようだが、 全然対抗できてない。

【除去ゲキメツ】

無理。何も起きない。 《ガウスブレイザー》が入っていたとしても望み薄。

デッキへのコメント

劣化ツヴァイ

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このデッキは劣化【ツヴァイランサー】である。 序盤から小型を展開するところは同じ。 《キラゼクス》の打点力と《ロウバンレイ》のブロッカー突破は《ツヴァイ》と、 《ドルザバード》のトリガーケアは《マーキュリー》と役割が被る。 ドローの有無の差で、こちらの方が一回り弱い。

環境に立ち向かえない

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【ティラノ・ドレイク】というデッキは、 《竜極神メツ》が存在する限り絶対に上を目指すことが出来ない。 ティラノ・ドレイクでグッドスタッフ性の高いカードは、すべてパワーが2000以下である。 どれだけ頑張って並べても、《メツ》1匹で盤面が壊滅する。

他にも、《連珠の精霊アガピトス》のタップキル、 《血風聖霊ザーディア》や《のろいとテラーの贈り物》といった火力除去にも無力。 場に並べにくいというのは、種族デッキとしては致命的な欠点である。

他のハイブリッド種族

他のハイブリッド種族4種は、次のようにして除去への耐性を高めている。

  • 《アラク・カイ・バデス》のパンプ、《マキシマムコブラ》の破壊置換
  • 《ジャンボ・アタッカー》のパンプ、《ヴィーナス》《マーキュリー》による除去耐性
  • 《メディカル・アルナイル》の破壊置換
  • 《ウルコス》《バンジョー》のcipアドバンテージ

一方の、ティラノ・ドレイクが持っているのは、 《ボーンブレイド》のリアニメイトと、《ダンジェン》の墓地回収。 呆れたことに、一度破壊されるのが前提になっている。 しかもこの2枚は、効果発動条件が限定的であるにもかかわらず、 グレートメカオーの《ピラミリオン》《ガトリンガー》以下のスペックしかない。 これでデッキを回せというのは無理がある。

進化Vフェニックスの二の舞

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これは個人的な見解なのだが、ティラノ・ドレイクは設計がDMPP-05の3体の進化Vフェニックスに近い。

《暗黒王デス・フェニックス》《太陽王ソウル・フェニックス》《龍炎鳳エターナル・フェニックス》は、 どれもコストが低いフィニッシャーである。 序盤から《コッコ・パルサ》や《黒神龍メギラ》といった小さいクリーチャーを並べていき、 そのままマナを伸ばさずに進化Vするというデザインである。

5弾環境を振り替えれば明らかなのだが、この設計はあまり上手く行かなかった。 《ソルフェニ》《エタフェニ》は環境2軍にすら上がってこなかった。 《デスフェニ》は環境1~1.5軍の間で奮闘していたが、 あれは《神滅翔天ザーク・ゼヴォル》というスーパーデザイナーズカードと、 《神滅竜騎ガルザーク》という根本的なパワーカードがあってこそのデッキだった。 《デスフェニ》単体では、環境入りまで届かなかった可能性が高い。

「リソースを取らずに低マナで戦う」という発想自体は非常に面白いし、 デッキタイプとしても非常に斬新だ。 しかし、デュエマはどうあがいてもカードゲーム。 後先考えずにクリーチャーを投げ続けていては、カードアドバンテージを取れずに戦局はどんどん悪化する。 その不利さをひっくり返すほどのカードパワーは、進化Vフェニックスたちには無かった。

一方のティラノ・ドレイクも、《竜音のキラ》や《深塊炎霊ロミュナス》などのコスト軽減を駆使して、 《キラゼクス》や《ドルザバード》などのフィニッシャーに繋ぐというデザインになっている。 上手く回れば強いことには間違いない。 だが、序盤に出した1000や2000のクリーチャーは、果たして5~6ターン目まで元気に生き残れるだろうか。

自分には、ティラノ・ドレイクが進化Vフェニックスの二の鉄を踏んでいるようにしか見えない。

じゃあ殴るしかない

では、軽量クリーチャーが倒されても良いようにするにはどうするか。

答えは簡単。

シールドをブレイクするしかない。

これが、ティラノ・ドレイクという種族に残された道である。

対戦動画

youtu.be

おわりに

プレイヤーの期待は裏切られるものである。 月初めに駆け上がれたので、全くダメなデッキでは無いと思う。 しかし、環境トップのデッキと比べるとあまりにもパワーが足りない。 といってもEXパックだし、このくらいがちょうど良いのかもしれない。