五王は人々に夢を見せた。しかし、混沌の世界を変えるだけの力は持っていなかった。
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5弾環境前半(~9/16)
閉塞感。5弾環境前半を表現する単語はまさにこれ。
5弾の目玉・進化Vは、そのギミックにリソースを大きく割かねばならないことから、環境を塗り替えることはできなかった。
環境初期からトップメタに食い込んだ唯一の5弾デッキは、赤黒デスフェニである。
https://twitter.com/KTak75176645/status/1312645521350160384?s=20
《暗黒王デス・フェニックス》は、トップメタの5c天門に対して早期からシールド焼却することで優位に立てる。 同じく新規カードの《神滅翔天ザーク・ゼヴォル》とのコンビは、五王サイクルでも突出して強いデザイナーズコンボである。 さらに、3弾の魔改造カード《神滅竜騎ガルザーク》も装備。 《ガルザーク》が《ザーク・ゼヴォル》《黒神龍メギラ》らと好相性だったこともあって、環境入りするに足るデッキパワーを得た。 もはや「赤黒ガルザーク」と言ったほうが正確かもしれない。
しかし、デスフェニ以外のデッキは4弾環境そのままだった。 使われていたのは、
- 圧倒的カードパワーで環境トップを譲らない5c天門
- ビートを食らいつくすウェーブストライカー
- メタを張りつつとにかく《ボルバルザーク》をプレイする青黒ボルバル
- 手札を切らさず展開して殴り続けるダイヤモンドブリザード
- 速度とトリガースパークを押し付ける赤白速攻
と、4弾環境とほとんど変わらない顔ぶれだったのである。
これら既存のデッキのマイナーアップデートは以下の通り。
- 5c天門が《プリズム・ブレイン》を獲得。手札が潤沢になったことで、《フェアリー・ライフ》を積んだターボ型5c天門が出現
- ブリザードが《薫風妖精コートニー》を獲得
- 5c天門、青黒ボルバルが《英知と追撃の宝剣》を獲得
この環境下で開催された第一回公式大会「バトルアリーナ」では、ベスト8に5c天門が5人、ベスト4は全員5c天門という地獄絵図が完成してしまった。 (キャストやスタッフの努力により、配信そのものは面白かったので安心してほしい)
この事態を重く見た公式は、ついにカード修正での環境調整に踏み切る。
↑ 「閉塞感」の出所。
2020/9/16のアップデートで、《無双竜機ボルバルザーク》が1枚制限に指定。 さらに、《ゴースト・タッチ》《汽車男》がナーフを食らった。 デッキコンセプトを骨抜きにされた青黒ボルバルは、死刑宣告を受けることになる。
青黒ボルバル https://twitter.com/soranahiguumi/status/1305984343412621312?s=20
5弾環境後半
5c天門は、《ボルバルザーク》抜きでもカードパワーの暴力でまだまだ食っていけたため、環境後半でも堂々の環境トップを走っていた。 結果的に、青黒ボルバル以外のデッキは環境1軍から落ちることは無かった。
青黒ボルバルが消えたことで、それに抑え込まれていた5c天門、ウェーブストライカーの2デッキはさらに幅を利かせる、かに見えた。
ところが、環境後半に新たに環境1軍入りしたのは、まさかのシータスパークメイデンだった。
https://twitter.com/FGO_7746/status/1314574146911625216?s=20
もともとシータメイデンは、ビート耐性の無い青黒ボルバルを食い、ビートにめっぽう強い天門・ウェーブストライカーに食われるデッキのはずである(4弾で使っていた感想)。この認識でいた自分にとって、メイデンの環境入りは意外過ぎる結果だった。
今の自分の知見で天門・ウェーブとのデッキ相性を考察すると、次のような形になる。
天門から《ボルバルザーク》が消えたことで、トリガーすれば必ず1ターン耐えきれる《ホーリー・スパーク》の価値が上昇。 《クイーン・メイデン》《フォーチュン・ボール》《翔天妖精レチア》《一徹のジャスパー》らのおかげで、 手札・マナを確保しながら早めにシールドを削り切ることができるため、《スパーク》を踏ませた後の展開が強い。
さらに、天門側は緑マナの確保が難しくなり、《剛撃聖霊エリクシア》の召喚率が低下。 《悪魔聖霊バルホルス》と相討ちできるパワーの《メイデン》が若干止まりにくくなった。
ウェーブストライカーに対しても、さっさとシールドを削ってから《ホーリー・スパーク》を踏ませればワンチャンスが取れる。 《スパーク》をチラつかせるだけでも、殴るタイミングをシビアにさせる効果がある。
このように、不利対面をある程度克服できたことが、メイデンの躍進に繋がったと思われる。
最近では、青黒ナーガがじわりと勢力を拡大してきている。
https://twitter.com/jelishow/status/1315756512803864576?s=20
《邪魂王ナーガ》の盤面処理力は、メイデンをはじめとするビートダウンに良く刺さる。 盤面を削りながらシールドを徐々に割っていけるため、他のデッキに比べると《スパーク》に怯えることが少ない。 《妖蠱麗姫ドナ》《貴星虫ドレインワーム》《卵胞虫ゼリー・ワーム》らによって序盤の動きが安定している。 ここに《腐敗電脳アクアポインター》《凶骨の邪将クエイクス》といったハンデス要素を加えることで、コントロールっぽく立ち回ることもできるようになった。
最後に、4弾環境から使われていたデッキレシピも参考として載せておく。
5c天門 【デュエプレ】マスター到達デッキ紹介【速攻メタ5c天門】 - A.P.R. Boogie
リースウェーブ https://twitter.com/tutalike24/status/1316375609988186116?s=20
ネクラウェーブ mikegamo.hatenablog.com
白緑ブリザード https://twitter.com/Ehre_fivebuster/status/1313841413121994752?s=20
赤白速攻
https://twitter.com/482_matsuri/status/1316082793940611074?s=20
マイナーデッキ
5弾以降に開発された、ややマイナー目のデッキも紹介。
1つ目、ウェーブストライカーの新たな刺客・ドロマーウェーブ。 序盤の安定感を捨て、代わりに《アクアン》《アドラス》によるドローで持久力を確保。 コントロール相手にも戦えるようになった。 https://twitter.com/tadanosuzu/status/1315275053009838082?s=20
2つ目、公式大会のデッキ分布グラフに登場して話題を呼んだ(?)マーシャルクイーン。《アストラル・リーフ》から《マーシャル・クイーン》に繋ぎ、トリガークリーチャーを踏み倒す。タッチで《スパーク》が入っている。やはりスパーク環境か。
https://twitter.com/fuji_shimaR/status/1309975044014051329?s=20
3つ目、強化された《聖獣王ペガサス》を使うペガサス天門。《ペガサス》から《バルホルス》《ザーディア》らの踏み倒しを狙いつつ、サブプランで普通に《ヘブンズ・ゲート》を撃つ。 ブロッカー出すなら《ヘブンズ》特化でいいのでは?と思わなくもないが、自分は使ったことが無いので強みを理解できていないかも。 https://twitter.com/Ki2shells_girl2/status/1316142902695931905?s=20
4つ目、ひっそりと生き続けているソニアススターマン。《英霊王スターマン》《聖皇エール・ソニアス》を使い分けて殴る中速ビートである。カードパワーでは他のデッキに劣るが、環境前半は青黒ボルバルを、後半はメイデンをカモにできた。 mikegamo.hatenablog.com
最近見たこちらのレシピも中々良かった。
プラチナ帯からマスター帯にかけてスターマンデッキで20連勝しました。スターマンはハズレアでは無いぞ!!#デュエプレ pic.twitter.com/ipNnDVUyvM
— ZZ (@daburu_zeta) 2020年10月10日
5つ目、地雷デッキの獄門リーフ。《アストラル・リーフ》のドローを軸に、ビートダウンとカウンターを融合させたような不思議な構成を取る。 型も色々で、《スパーク》ガン積み、《光器ペトローバ》入り、エマタイデラセルナ入り、《腐敗勇騎ガレック》入りなどなど。構築やプレイングが読めないため、非常に戦いにくい。これを開発した人は本当に凄いと思う。
https://twitter.com/mhpatle54/status/1315154275773739008?s=20
その他、白入り4cボルコン、黒赤ドルゲーザなども見られた。 良い感じのレシピが見つからなかったので画像は省略。
まとめ
環境前半こそ停滞感があったが、後半はマイナーデッキまで含めて色々なデッキタイプが混在する良い環境になったと思う。 やはり《ボルバルザーク》は環境を狭めているカードだったということだろうか。
ただし、天門のカードパワーが頭一つ抜けている状況は変わらない。 次の弾でなんらかの調整が入ってもおかしくなさそうである。
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