ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-04環境考察

はじめに

デュエプレ4弾の環境まとめ。目安はプラチナ~マスター帯。

いつもは環境が回り切った次弾リリース直前に書いているのだが、4弾環境はあまりにも複雑で、 月の下旬になっても環境が落ち着かないのではないかとすら思える。 現に私自身も、熾烈な環境を前に頭が混乱するばかりだ。 あと20日ほど戦う自分のための整理も兼ねて、今回は早めに記事を書くことにする。

デッキレシピはTwitter投稿、ブログ、動画から引用させていただいた。 削除希望にも対応するので、何かあればコメントまで。

NEXT →

mikegamo.hatenablog.com

← PREV

mikegamo.hatenablog.com

発売前

発売前に発表されたカードリストを見れば、新弾でプッシュされているデッキが何なのかは一目瞭然だった。具体的には、

の3デッキだ。

1~3弾環境は、速攻・ビートダウン・コントロールの基本3タイプに当てはまるデッキがすくみ合って環境を形成していた。 ところが、3体並べると大幅に強くなるウェーブ、コスト軽減とドローでリソースを稼ぎまくるドルゲーザ、巨大ブロッカーを踏み倒すヘブンズは、いずれも基本タイプには分類しがたい。 デッキ同士がどんな相性になるのか、また3弾以前のカードがこれらに対してどのように対抗していくのか、私には見当もつかなかった。

DMPP-04環境

DMPP-04環境は、パック名を体現したかの如く混沌を極めている。

パックリリース直後、ガルザークカップのラスト1週に大流行したのは、スタンダードなアナカラードルゲーザだった。

f:id:mikegamo:20200804233013j:plain

https://twitter.com/CCE_tcg/status/1276358212485144576?s=20

本家DMで《剛撃戦攻ドルゲーザ》が初めて環境入りしたときのデッキタイプ「シノビドルゲ」には、強力な黒シノビ《威牙の幻ハンゾウ》が入っていた。デュエプレのアナドルゲは、当時のデッキを思い起こして作られたに違いない。

このデッキが流行した理由は、3弾環境までを戦い抜いてきたガチプレイヤーの多くが《二角の超人》を4枚持っていたことだと思う。 そこに《ドルゲーザ》4枚を足しさえすればデッキが組めたので、(ガチプレイヤーにとっては)環境初期にも組みやすいデッキだった。 さらに、周りの出方が読めない状況において、大量ドローとコスト軽減による物量で圧倒する姿は分かりやすく強かった。 あまりにも繁茂しすぎて、一時は「巨人にしか人権が無い」とまで言われる環境になる。

ところが、リリース1週間が経ってドルゲーザカップが始まると、あれほどにのさばっていたドルゲーザは姿を消していた。 《西南》に対するメタカードとして《バキューム・ジェル》の採用率が上がってきたのと、《西南》を引けないとデッキの真価が発揮できないことが露見してきたのが原因だろう。

注目度が落ちたとはいえ、やはり《ドルゲーザ》のドロー力は目を見張るものがある。 天門やボルバルと組んだ亜種が開発されるなど、プレイヤーも試行錯誤を重ねている。

ちなみに現在までには、アナドルゲを改良したシータドルゲーザが出現。 f:id:mikegamo:20200804233102j:plain https://twitter.com/attkey33/status/1287490492507201537?s=20 速攻、ウェーブストライカーを踏み潰すために《クエイク・ゲート》を採用している。

さて、ドルゲーザが減ったところですぐに環境に現れたのが、リースウェーブストライカーである。

f:id:mikegamo:20200804233206j:plain https://twitter.com/bujin1w/status/1281945305072594944?s=20

デッキコンセプトはシンプルだが、5文明全てに優秀なWSクリーチャーが揃っていたため、最適な色の組み合わせを見つけるまでに少し時間を要したという形だ。

超優秀な2マナWSの《予言者ラメール》《アラーム・ラディッシュ》《マッチョ・メロン》、トリガーWSの《命運の伝道師ラミエル》《シェル・チャーチ》を積めることから、白と緑はほぼ確定。 そこに、攻撃と除去をバランスよくこなせる赤を加えたのがリースWSである。 直前まで流行っていたドルゲに対しても有利。《炎神兵ゴリアック》の5000火力は《西南》を焼き、《炎舞闘士サピエント・アーク》の「攻撃されない」は高パワークリーチャーからの殴り返し対策になっていた。

ウェーブストライカーは、4ターン目にパワー7000のW・ブレイカーが殴れる状態になる。 少しでも手札を与えようものならあっという間にハイスペッククリーチャーで場が埋まり、一斉攻撃で負けてしまう。 このぶっ壊れた序盤性能によって、それまでの並のビートダウンデッキは駆逐されてしまった。

そんな中、4弾でプッシュされていた3つめのデッキタイプとして、5c天門が徐々に姿を現し始める。

f:id:mikegamo:20200804233314j:plain

https://twitter.com/kuro8086/status/1289632840745799680?s=20

出てくるのは、超絶パワーの《剛撃聖霊エリクシア》、無限ブロッカーかつ場を蝕む《悪魔聖霊バルホルス》、盾追加に小型処理まで備えた《血風聖霊ザーディア》の3体。 《ヘブンズ・ゲート》がリリースされた直後にもかかわらず《天海の精霊シリウス》が採用されないというのだから、全く呆れた話である。

元々ビートに強いのに、《バルホルス》《ザーディア》による盤面干渉でビートダウンはなす術がない。 究極的にはビート戦術を取るウェーブストライカーに対して、かなりの有利を取れていた。

攻められても余裕で耐久できるとあって、迷うことなく《無双竜騎ボルバルザーク》が採用される。 元々ドロマーで組まれるヘブンズに《ボルバルザーク》(と、《エリクシア》《ザーディア》)が入ったことで、《エリクシア》が楽々とパワー18000を叩き出すようになる。

巨大ブロッカー10枚前後および《ヘブンズ》《ボルバル》を除くと、あとはどんな風に組んでも良いという自由度の高さも売り。 《ホーリー・メール》でビートに厚くしたり、《ロスト・ソウル》《腐敗勇騎ガレック》でミラーを意識したり、《緑神龍アーク・デラセルナ》でハンデスをメタったり、今でも色々な型が使われている。

ただし、5c天門はご覧の通りの札束デッキである。 パーツに汎用性があるわけでもないことから、普及速度はかなり遅かった。 出現の瞬間は圧倒的環境トップのポテンシャルを秘めていたが、組める人が多くなったドルゲーザカップ終盤頃にはメタが張られるようになったため、環境を総なめしたとは言えない。

これに対し、ウェーブストライカー側も黙ってはいなかった。 天門がちらほら顔を出した辺りで、ネクラウェーブストライカーが現れる。 f:id:mikegamo:20200804233544p:plain

https://note.com/takumiwish/n/n21499e34a3b8

https://note.com/takumiwish/n/n0c7b100be2a4

3ハンデスの《略奪秘宝ジャギラ》、スレイヤー持ちの《邪口虫ラフレシア・ワーム》で天門を牽制。 《天使と悪魔の審判》により、先攻ゲーになりがちなミラーや、微妙に不安が残る速攻に対しても強くなった。 少し速度は落ちたが、ウェーブストライカーとしての強みは健在である。


4弾のパワーカードを使ったデッキは一通り出揃った。

これらをまとめて対策できるのは、一体どんな構築だろうか?

プレイヤーが辿り着いた答えは、やっぱり《ボルバルザーク》だった。

前弾環境でも活躍していた、青黒ボルバルの到来である。

f:id:mikegamo:20200804233716j:plain

https://twitter.com/Aruto_yukkuri/status/1290261596850122753?s=20

序盤の展開が肝であるWSに対しては、《ゴースト・タッチ》《ファントム・バイツ》でひたすら妨害し、《炎槍と水剣の裁》で息の根を止める。 手札消費の激しい天門に対しては、《エナジー・ライト》からの《腐敗電脳アクアポインター》《腐敗勇騎ガレック》で、《ヘブンズ・ゲート》をプレイさせない。 一応、ドルゲーザに対しても、ハンデスと《バキューム・ジェル》でリソースを稼がれる前に動きを止めることができる。

構築にはそこそこ幅がある。 ほぼ青黒にしてハンデスに特化するか、《フェアリー・ライフ》《二角の超人》を入れてバランスよく組むかはプレイヤー次第。 cip再利用かつ《火炎流星弾》《ピーカプのドライバー》で死なない《エクストリーム・クロウラー》もよく採用されている。

パワーカードをそもそも使わせないことと、《ボルバルザーク》による安定感抜群のフィニッシュ力で、展開的にも精神的にも安定して勝つことができる。 その魅力に憑りつかれた多くのプレイヤーが、今も青黒ボルバルを使っている。

ところがこの青黒ボルバル、メタにメタを張った結果として、ビート耐性がクソザコである。 環境を意識してかなり歪んだ構築になっているため、デッキ自体に穴があるというわけだ。

そんな青黒ボルバルの様子を見て出てきたのが、我らが女王、白ブリザードである。 元々、3弾環境でも青ブリザードの派生構築として組まれることがあったデッキなのだが、 マイナー寄りだったこの構築を今使おうと考えた人は凄いセンスだと思う。

f:id:mikegamo:20200804233855j:plain https://twitter.com/Yu02100830/status/1290116742388170752?s=20

ビート耐性の無い青黒ボルバルには当然有利。 さらに《光器ペトローバ》を投入することで、素ではパワー負けして殴り辛かったウェーブストライカーに対しても戦いやすくなっている。 天門は若干キツいが、《ホーリー・スパーク》《予言者コロン》のおかげで一応戦える。 全体火力が《サウザンド・スピア》から《炎槍と水剣の裁》に移ったことで、《ペトローバ》が破壊されづらくなったのも追い風である。

また、ボルバルまで含めた環境全体を対策するドロマーメルキスも見かけるようになった。 f:id:mikegamo:20200804233939j:plain

https://youtu.be/dqni9SS3B8E

青黒ボルバルと天門に対して良く刺さる《陽炎の守護者ブルー・メルキス》をフィニッシャーに据えた、メタコントロールである。 白を入れることで、かのドロマーイニシエートほどではないがビートダウン耐性も確保できている。 ウェーブストライカーやブリザードを「軽量ブロッカー+《天使と悪魔の審判》」で壊滅させられるのも強い。


ここまでが、DMPP-04リリースからの環境推移である。 ところで、この推移とはあまり関係なく一定数存在する「裏デッキ」もある。

裏デッキの1つ目は、赤白速攻f:id:mikegamo:20200804234049p:plain

https://twitter.com/Bakushiman0415/status/1289534328376942593?s=20

メジャーデッキとして見ている人も多いだろうが、私自身があまり出会わないのと、デッキとしてのパワー・安定感がやや足りていないという印象からこの位置づけにした。

4弾で《予言者クルト》《血風神官フンヌー》を得たことで、パーツがようやく整ったのがこのデッキ。 「構築の甘さを突く」という速攻のコンセプトは、どんな時代のどんなプレイヤーに対しても等しく突き刺さる。

一番のポイントは、《ホーリー・スパーク》をガン積みすることによってどんな相手にもワンチャンス残せるようにしてある点である。 場持ちの良い《クック・ポロン》と合わせて、最後まで勝ち筋を残しておけるのが厄介だ。

ただし、天敵の天門が環境にいる以上、大暴れはできない。 とにかく試行回数を稼いで星を取るデッキである。

裏デッキの2つ目はクイーンメイデンf:id:mikegamo:20200718135818j:plain

mikegamo.hatenablog.com

《ジャスパー》と組めるシータカラーがメジャーだが、稀に《メルニア》を入れたアナカラーや、《スパーク》《サンフィスト》を積んだ白入り4c構築も見かける。 3マナ効果持ち進化W・ブレイカーの《メイデン》は、コスト論には非常にハイスペックなクリーチャーである。 コスト論に則ったデュエルをする赤白速攻・青黒ボルバル・ドロマーメルキスには有利がつく。

その一方で、コスト論を踏みにじるウェーブストライカーに対してはどうあがいても無力。 スタンダードなビートダウンのため、天門も辛い。

メジャーデッキに対する得意不得意がハッキリしているため、環境が読めれば星を伸ばせるデッキだ。


以上が、DMPP-04環境の全貌である。 新しく出現したデッキが環境を完全に塗り替えているかのような書き方をしているが、実際にはそんなことはない。 初期からいたデッキも、対策を重ねたり試行回数を稼いだりしてまだまだ環境に残っていることに注意が必要である。

前弾の環境デッキは?

mikegamo.hatenablog.com

前弾で使用率の高かった白黒ボルバルは、4弾最初期のドルゲーザの展開力に踏み潰されたという印象。 ただし、環境がだいぶ変わった今なら、きちんと組み直してワンチャン取ることもできそうである。

青ブリザードは最初こそ多かったが、ウェーブストライカーや天門の普及で徐々に減少。 今は「《ブリザード》を使うなら白」という風潮があるが、 《フォーチュン・ボール》《霊鳥と水晶の庭園》という強化パーツもあるし、青でもまだ全然勝てると思う。 前環境で不利だったドロマーイニシエートも減っている。

3c/4cガルザークは、そこそこ使用者が残っている。 しかし、《コッコ・ルピア》がWS対策の《ファントム・バイツ》に焼かれたり、 《黒神ゾルヴェール》が天門メタの《腐敗勇騎ガレック》に破壊されたりと、やや環境に合っていない感がある。 天門相手に明確な回答が無いのも辛いか。

ドロマーイニシエートは、 天門に対しては《ペトローバ》によるパワー制圧が効かないこと、 青黒ボルバルに対してはそもそも有効な制圧対象がいないことから、環境に合わず使われなくなった。 ウェーブストライカー、赤白速攻に対しては順当に強い。 魂はドロマーメルキスに引き継がれているはず。

赤緑速攻はほぼ見なくなった。ウェーブストライカーと天門のせいなのだろうか。はっきりしない。

まとめ

全体として、使用率はボルバル≧天門≧WS。 時々ブリザード、ドロマー、赤白、メイデン、ドルゲといった印象。

WSと天門がビートダウンを封殺するため、ビート系のデッキはとても動きづらい。 そのWSと天門を、青黒ボルバルが狩っていく。 しかし青黒ボルバルはビートダウンに弱い。 かなり歪んではいるが、一応3すくみになっている。

そして、いずれのデッキにも対応可能と思われる白ブリザード、ドロマーメルキスが美味しい所を持って行こうとしている。

細かいプレイング、対策による相性の変化などまでは追い切れていない。 DMPP-04環境の結論構築が何になるのか、まだ全然分からない。