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SPルールマッチ・スタートチャージ10
特殊ルール下で戦うSPルールマッチ。
第3回(2020/10/5-14)となる今回のルールは、第1回と同じ「スタートチャージ10」。 ルールの概要は以下の通り。
- マナに5文明揃った状態で10マナの状態からスタート
- 初期手札は2枚
プレイヤー達には第1回のノウハウがあるので、序盤から完成度の高いデッキがバチバチ飛び交うことが予想される。
本記事では、ルールの特徴と、第1回の終盤に流行ったレシピ(キャントリップビート)と自分が使っていたレシピ(ドロマーエンジェル)の2つを紹介する。
ルールの特徴
過剰なマナ、足りない手札
このルールの初期状態は、マナに対して手札が不足した状態にある。 特に初期手札が2枚しかないため、そこでデッキを回転させるカードを引けないと後の展開が苦しい。 手札補充カードを大量に入れておこう。
また、いつもならマナに埋めるつもりで適当にトリガーを積めるのが、このルールでは初手トリガー事故を起こそうものなら確実な死が待っている。 トリガーの枚数にも気を配りたい。
マナを使い切れ
経験的に、1ターン中に7~8マナのカードを1枚だけ使う、という動きは強くない。 全くダメという訳ではないのだが、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《悪魔聖霊バルホルス》などを1枚だけプレイして満足していると手数で負けてしまう。与えられた10マナを使い切るような構築を目指そう。
一番簡単なのは、主要カードを4~6コストで固めること。 さらに手札補充を十分にしておけば、5マナx2 というマナを使い切る動きが安定するだろう。
次いで考えられるのが、3~4マナの手札補充カードを使って残りの7マナで動くこと。 7マナのカードを使いたければ、《エナジー・ライト》《アクア・ハルカス》《ブレイン・チャージャー》などで、 余る3マナもきちんと使い切れるように構築したい。
トリガーは必要
トリガー事故は危険だとコメントしたが、なんやかんやでトリガー頼みになる状況は多い。 全く入れないというのも危険なので、普通に構築するなら《デーモン・ハンド》くらいは入れておくのが吉。
特に強いカード
《腐敗電脳アクアポインター》
普通のルールでも強いが、お互いの手札枚数が勝負に直結するこのルールだと最強と言えるカード。 3ターン目くらいまでにこのカードを何枚使えるかが形勢を大きく左右する。
手札補充を過剰にする構築同士だと、中盤以降にたった1枚ハンデスしても効果が無いかもしれない。 それでも、最悪キャントリップとしての仕事ができるのは優秀である。
序盤に引けるか否かが大きく勝負を分けること、中盤以降も腐りにくいことから4積み推奨。 アドバンテージ+2。
《トリプル・ブレイン》《電脳聖者エストール》
《アクアポインター》には半歩劣るが、非常に優秀な5マナの手札補充。 アドバンテージ+2。
《エナジー・ライト》《ブレイン・チャージャー》《アクア・ハルカス》
やはり強いドローソース。 ただ、ここに挙げたカードはアドバンテージ+1にしかならない点に注意。 7マナ付近に使いたいカードがあるなら採用しよう。
《デモニック・バイス》
先攻で引ければ《ロスト・ソウル》。使われたら泣き寝入り。
ただし自分の手札が増えないので、一度手札を枯らしたあと、もしくは相手に大量ドローされた後に腐ってしまうのが難点。 4積みはしなくていいかも。
《炎槍と水剣の裁》
場にわらわら出てくる《アクアポインター》《エストール》《ハルカス》をまとめて焼いて手札補充。 手札が慢性的に少ないこのルールだと、5枚の上限に引っ掛かることは少ない。
劣勢をひっくり返せるのが魅力だが、自分が上手く展開できているときには腐る。
《破壊と誕生の神殿》
強いらしい。 相手の《アクアポインター》を破壊して自分の《アクアポインター》を出せるのは確かに偉い。 一方で、《二角》《ボルメテ》あたりが並び始めると腐る。 要チェックのカード。
第1回と環境は変わるか?
環境は第1回とほとんど変わらないと思う。
第1回と違うのは、5弾のカードが追加されたこと。 ところが、5弾のカードは進化Vおよびそのギミックを推すものが多くを占めている。 前節で説明した通り、このルールは手札の確保が最も重要となる。 軽量の進化元を多く積まねばならない進化Vは、このルールに適さない。
強いて言うならば、最初から《英知と追撃の宝剣》が使えることに注意しておくくらいだろうか。 といっても、最初から10マナ溜まっている状態では《宝剣》のランデス効果は薄い。 さらに先ほど述べたように、8マナのカードを1枚だけ使うムーブはこのルールだとあまり強くない。 どの程度環境に食い込んでくるか、動向を見守りたい。
デッキ1:キャントリップビート
3~4マナのドロークリーチャーとスピードアタッカーで殴りまくるデッキ。 「キャントリップ」は、場に出た時にカードを引く能力のこと。
11~12マナにして、1ターンに3体のクリーチャーをプレイし攻撃し続ける。 安く組めて資産不足の人にも優しいし、プレイングも分かりやすい。
7マナ前後の大きいクリーチャーを並べることに夢中になるプレイヤーが多いので、意外と刺さる。 第1回では終盤に大きく数を増やした。
デッキ2:ドロマーエンジェル
自分が第1回の6日目くらいから使っていた構築。 5マナ前後のクリーチャーが強いエンジェル・コマンドを軸に組んだ。 体感勝率は7割5分。
ブロッカーが多めで、全体的に受けが強い。 上で紹介したキャントリップビートには負ける気がしなかった。
このルールの人権カード《腐敗電脳アクアポインター》は当然4積み。 さらに、《電脳聖者エストール》を3枚入れた。 こいつがいればビートダウンは簡単に殺せる。
このデッキを使おうと思ったのは、《アクアン》を使われて死ぬほど腹が立ったから。 ドロマーという構築の縛りがあるものの、一度に3枚も手札を補充するのは儲かりすぎである。 通常ルールと違って、SPルールだと最初から青マナが確保されているのも大きい。
エンジェル・コマンドには、《神門の精霊エールフリート》がいる。 このルールだと、《エールフリート》から《デモニック・バイス》《トリプル・ブレイン》に繋ぐことができる。 めちゃんこ強い。探索しうる呪文が4種類なので、たまに欲しいものが持ってこれない。
殴り手は《悪魔聖霊アウゼス》。シンパシーのおかげで3~4マナになる。 どでかいクリーチャーが出てきても、《ホーリー・スパーク》で簡単に処理できるのが偉い。
トリガーは必要なので、《ホーリー・スパーク》《デーモン・ハンド》はちゃんと積んでおく。
〆に《聖霊王アルカディアス》。 《デーモン・ハンド》などのトリガーを封じて確実に勝ちに行く。 普通の環境だと《ヘブンズ・ゲート》からの《剛撃聖霊エリクシア》が辛いが、手札不足・マナ過剰のこのルールでは、《ヘブンズ》でブロッカーを踏み倒す意味がほとんどない。ということで、《アルカディアス》は通常環境よりも活躍しやすいはずだ。 5弾の《アポカリプス・デイ》もちょっとだけ怖い。 しかし、めちゃくちゃ腐りやすい《アポカリ》を、初めの手札が足りないこのルールで採用する人がいるとは思えない。
オシャレ要素は《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《凶星王ダーク・ヒドラ》。 この2枚は、出したターンのうちにもう1体自分のクリーチャーを出せるととても強いカードである。 特に、《ミスト・リエス》の行き過ぎな手札補充はこのルールだと丁度良いくらい。
キャントリップビートに比べると、高めのカードが多いのが難点。 よく見たら構成カードが全部R以上だった。ゴメンナサイ。
低資産でこれをコピーする場合、構築としては《アクアン》と5マナ圏の手札補充カードがキーなので、それを基礎にして残りは持っているカードで組もう。《アクアン》は4枚生成する価値のあるカードなので、余裕があったら生成すべし。逆に生成するつもりが無いなら、ドロマーに拘る必要も無いだろう。
おわりに
初日にとりあえず数戦したところ、第1回から引き続きドロマーエンジェルで潜ればよさそうだ。 環境が変わったら随時更新する予定。