導入
2020/9/17のアップデートで強化を受けた《太陽王ソウル・フェニックス》。
強化後《ソルフェニ》の可能性を確かめるため、10/1のシーズン切り替わりから10日間、ランクマッチで《ソウル・フェニックス》を150戦以上使い続けた。 この記事では、ランクマッチで回したレシピと、《ソウル・フェニックス》の実態を紹介する。
基本の赤緑型。記事閲覧数が多いのだが、完成度がそれにつり合っていない…。
デッキレシピ
黒ソルフェニ
最高プラチナ3-1。
《黒神龍メギラ》をフル投入して、4ターン目の最速召喚を狙う型。
《メギラ》のおかげで、確かに4t降臨の頻度は上がった。 が、1回目のT・ブレイクで除去トリガーを踏むと、《メギラ》が殴れないせいでその後の攻め手が足りなくなって負ける。 黒入りならやっぱり《デスフェニ》でいい。
青ソルフェニ
最高プラチナ3-2。
黒入りを切って、まず作ったのが青。
対ビートのトリガーとして《アクア・サーファー》、 天門から出てくる大型ブロッカーの対処札として《霊鳥と水晶の庭園》を積んだ。 《庭園》は、メイデンの序盤のテンポを乱すのに大いに活躍した。
押せ押せのプレイスタイルは楽しかったのだが、結局シータメイデンの劣化のような気がしてならなかった。
ソルフェニバジュラt青
最後に使っていた型。プラチナ3-1で終了。
《コッコ・ルピア》と軽量ドラゴンが入っているなら《超竜バジュラ》を入れてもよいのでは?と思って作成。 《バジュラ》はこれのために2枚生成した。
《バジュラ》のおかげで勝てる試合もちらほらあった。 気付いたら《ソルフェニ》より《バジュラ》を優先してプレイしようとする自分がいて怖くなった。 しかし、種が除去されると何もできなくなるのは変わらないので、根本的な解決にならなかった。
白ソルフェニ
最高プラチナ4-3。
マナを伸ばして中盤に《ソルフェニ》を立てるようにした白入りの型。《二角の超人》の安定感に助けられている。
リソースが確保しやすいので、他の型と比べるとだいぶ気持ちよくプレイできた。 《ソルフェニ》である必要は?と問われると…困る。
ソルフェニ速攻
最高プラチナ4-2。
トリガーをほとんど捨て、速攻風味に仕上げた。 速攻に無いパワーを《ソルフェニ》で補えるかと思ったが、やはり《エリクシア》がいるからダメだった。
ソルフェニメイデン
レシピを見かけ、その手があったかと思って作成。 《翔天妖精レチア》を、《ソルフェニ》と《クイーン・メイデン》の共通の種にするという着想である。 3戦回して《ソルフェニ》が出る気配がなかったため、すぐに崩した。
環境デッキとの相性
有利対面が存在しない。多分カードパワー不足のせい。
シータメイデン
五分。《メイデン》を《ソルフェニ》で殴り返す展開を狙う。 高い殴り返し性能を持つ《レチア》《バディ・ドラゴン》で耐え切りたい。 《レチア》《青銅》で序盤にシールドを1~2枚割るのがポイント。 先攻から《メイデン》を出されたり、トリガーを踏みまくると流石に厳しい。
ブリザード
五分。戦い方は対メイデンと大体同じ。
速攻
五分。 《サーファー》《テンペストザウルス》《ピアラ・ハート》らのトリガーで時間を稼ぎ、その間に急いで打点を生成する。
デスフェニ
《ピアラ・ハート》を入れれば五分。 カードパワーでは大きく後れを取っているが、分からん殺しで無理矢理五分に持ち込む。 最速で《ソルフェニ》を組み立てるより、マナを伸ばして横に並べてから殴る方が勝てる印象。
宝剣コントロール
微不利~五分。 運良く《ソルフェニ》が出せれば押し切れそうだが、種が潰されまくるため召喚が難しい。 トリガー《デーモン・ハンド》からの返し《裁》で壊滅したりもするので、全然安心できない。 召喚に手間取った場合、どうせ《炎槍と水剣の裁》が飛んでくるので、《レチア》《バディ》でさっさとビートするのが吉。終盤の《ジオドラン》が強い。《獄門》には注意。
ナーガ
微不利。《ドレインワーム》でバードが殺され、《ナーガ》で種クリーチャーがバタバタ倒れていく。 《ナーガ》は進化クリーチャーを除去できないので、《ソルフェニ》を召喚できれば優勢になるのだが…。 《コッコ》2体で軽減しながらの《バディ》《ジオドラン》で、バードとドラゴンを2-2くらい並べられれば勝機はある。
5c天門
不利。《エリクシア》無理。1回しか勝ったことがない。
ペガサス天門
微不利。《ソルフェニ》《エタフェニ》が《ペガサス》を殺せること、5c天門ほど《ヘブンズ》に特化していない=《エリクシア》が出てくる確率が低いことから、まだなんとかなる。
ウェーブストライカー
微不利。 《ゴリアック》《ラミエル》で《バディ・ドラゴン》が倒れると無理。 《ソルフェニ》や《エタフェニ》が出せれば高パワーで押し切れる…かも。
《ソルフェニ》の強いところ
ネガキャンばかりになるといけないので、先に良い所も挙げておく。詳しい考察は過去記事で。
- 3打点を1箇所にまとめることで、火力除去と殴り返しを拒否できる。
- SA付与により、次のデッキトップの価値が高まる。
- 除去されると場数が増えるため、シールドを0~1枚まで削り切った状態で除去すると逆効果になる。
- 一方、SA付与のおかげでシールドを削った後も生き残る意味がある。
- 《ソルフェニ》が除去されても、返しに種を再利用して《エタフェニ》を乗っけることができる。ロマン!!!
《ソルフェニ》の弱いところ
《ソルフェニ》の限界が見えてきたので、どこがいけないのかを考察してみる。 カードプールが拡張されて、これらの問題が解決できれば《ソルフェニ》にもチャンスが巡ってくるかもしれない。
周りのカードが弱い
進化Vをメインに据えたデッキの強さは、進化Vの取り巻きのカードパワーに強く依存する。 進化元を除去され続ける、もしくはメインの進化Vがあまり刺さらない相手と戦うときには、周りのカードでどれだけ戦えるかが重要となるからである。
種指定が緩い進化Vたちの種には、序盤からカードアドバンテージを取れるものが揃っている。 2体目は文明指定のみなので、構築の自由度も比較的高い。 そのおかげで、進化V以外のフィニッシュ手段を確保するのにもさほど困らないだろう。
《デスフェニ》の場合、《神滅翔天ザーク・ゼヴォル》というお抱えの進化元がいる。 さらに、サブフィニッシャーに《神滅竜騎ガルザーク》。
これに対して、《ソルフェニ》はどうか。
種として一番優秀なのは、実質cip1ドローの《ボルシャック・バディ・ドラゴン》である。 5弾の他の進化Vには、進化Vと同じ色で、かつ2体の種の条件を両方満たすクリーチャーが収録されている。*1 ところが、これに相当するクリーチャーが《ソウル・フェニックス》にのみ存在しない。多分この枠は、《緑神龍ジオドラン》になっている。 こいつはこいつで弱くないのだが、自分のマナを削るのがキツいのと、どちらの種としても使える柔軟さが無いのが難しい。
また、これは自分の構築力の問題かもしれないが、サブフィニッシャーの問題も解決できていない。 《バジュラ》入りも試したが、進化元が除去されると動けなくなるのは変わらないので、根本的な解決にならなかった。
結論として、《ソルフェニ》は周りのカードに恵まれていない。
打点生成速度のライバル
《ソルフェニ》の強みは、打点生成の速さである。 SA付与の強化によって、その長所にさらに磨きがかかった。
だが、《ソルフェニ》は打点生成速度で《ガルザーク》に負けている。《ガルザーク》を使うと、例えば
《コッコ・ルピア》→《バディ・ドラゴン》&《ザーク・ゼヴォル》→《ガルザーク》
の流れで、5ターン目に6打点揃ってしまう。これは《ソルフェニ》を凌ぐスピードだ。 《ソルフェニ》のコンセプトは、《デスフェニ》のサブプランに勝てていない。 《ソルフェニ》の良さが光る場面もあるのだが、デッキとして決定的な差別化ができていない。
出たターンに仕事ができない
他の五王と《エタフェニ》は、バトルゾーンに出たターンから分かりやすく仕事ができる。 しかし、《ソルフェニ》だけは出たターンに能動的に仕事をすることができない。 一応、SA付与は常在型能力だが、この効果を《ソルフェニ》が出たターンから有効に使えるシーンは極めて稀である (マナを溜めて《ソルフェニ》+1体召喚するシーンはあるが、その場合も大体バード→ソルフェニ進化速攻になるのでSA付与を使わない)。
その分、離れるときに種が残る能力があるわけだが、これは通常クリーチャーをバラバラに3体出した状態から1体に確定除去が飛んできたのと同じになるだけなので、特にアドバンテージが取れているわけではない。
結局、できるのはただ突っ込むことだけなのが辛い。
パワー押しが効かない環境
《ソルフェニ》の一つの魅力は、五王最大のパワーである。 最速4ターン目にパワー13000の疑似除去耐性持ちが出てくるというのは、他の進化Vに無い強みとなる。 上で述べた通り、固有能力でアドバンテージを取れない分、力押しで攻めていくスタイルを取りたいところ。
ところが、今の環境には《剛撃聖霊エリクシア》がいるせいで、パワーに頼った攻撃は通用しない。 結局、《デスフェニ》《ナーガ》《ドルゲーザ》を上から叩けるくらいしか良い所が無い。
まとめ
強化を受けても、やっぱり《ソルフェニ》は厳しかった。
10日間、色々な構築を試してみたが、どれもプラチナ4付近を維持するのが精いっぱい。 プラチナ3付近からはほとんどがトップメタレベルのデッキになるため、これより上を目指すのは難しそうである。
環境入りできたか?という観点で言えば、《太陽王ソウル・フェニックス》の救済は失敗に終わったというほかない。
その一方で、SA付与が有効に働いたおかげで取れたデュエルも少なからずあった。 使う理由が見えてこないレベルから、まともな専用デッキが組めるようになったとは思う。
*1:《スターマン》には《電磁聖者ウォルミル》、《ナーガ》には《妖蟲麗姫ドナ》、《ペガサス》には《勇猛護聖ウォルポニカ》、《デスフェニ》には《ザーク・ゼヴォル》