ミケガモのブログ

《剛撃聖霊エリクシア》がアカンという話

5c天門で大活躍中の《剛撃聖霊エリクシア》。

f:id:mikegamo:20201005043439j:plain

正直、3弾でコイツが実装されたときはナメていた。 今のデュエプレ環境において、6コスト以上のカードは《デーモン・ハンド》で除去されたときにテンポアドバンテージを失うためにあまり強くない。しかも《エリクシア》は、同弾収録の《無頼勇騎ウインドアックス》《腐敗勇騎ガレック》で即死する。 強いシーンはあれど、除去か物量突破でなんとでもなるという程度の認識しかなかった。

そんな状況が、4弾で《ヘブンズ・ゲート》が実装されて一変した。 一緒に来た《悪魔聖霊バルホルス》《血風聖霊ザーディア》のおかげで、小型の一斉突撃に弱いという弱点を完璧に克服。 一躍トップメタに躍り出た。

コイツの一番の問題点は、コスト7のブロッカーが単体で18000というパワーを出せてしまう点である。 このパワー設定は、後々に控えている花形カードたちの活躍を妨げる。

デュエマにおけるT・ブレイカーのパワーラインは12000である。 T・ブレイカー以上を持つことの多い花形カードたちは、必然的に12000~15000周辺のパワーのカードが多くなる。 実際に、転生編~覚醒編の代表的な目玉カードのパワーを見てみると以下のような具合である。

  • 聖霊王アルファディオス》 15500
  • 《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》 12500
  • 《竜極神ゲキ&メツ》 14000
  • 《暗黒皇グレイテスト・シーザー》13000
  • 神羅ドラグ・ムーン》 15000
  • 《勝利の覚醒者ボルシャック・メビウス》 12000

あえて書いていないだけで、18000以上のカードも無いわけではないのだが、それもごく一部である。 大半の目玉SR達は、《エリクシア》のパワーを超えることができない。

これらのクリーチャーは、進化元を2体3体と用意したり、特定のカードを2体場に出したり、難しい条件を達成するなど、場に出すために大きな労力をかけなければならない。 一点集中しなければならない分、一度召喚したら高いパワーで力押しできるというのが本来の姿である。

ところが、《エリクシア》は無慈悲にもその力押しを許さない。 《エリクシア》はブロッカーを持つため、先に出されていると攻撃すらさせてもらえない。 さらに、《エリクシア》がいないところで攻撃したとしても、《ヘブンズ・ゲート》から出てくると返しのターンで突然死することになる。

これが《ヘブンズ・ゲート》でしか出てこないならともかく、コイツのコストは7。 《ヘブンズ》から出てきたところをバウンスしても、次のターンにパワー18000のブロッカーを普通に召喚されてしまうのである。

ちなみに、紙のDMにおける《ヘブンズ・ゲート》の対象は、長らく《天海の精霊シリウス》だった。 11マナという《ヘブンズ》専用のコストなので、バウンスさえできればしばらくは出てこない。 そして、《シリウス》の12000はT・ブレイカーの最低ラインにあたるため、多くの巨大フィニッシャーはパワー勝ちできていた。 巨大フィニッシャーを使うデッキは、むしろ天門デッキに対しては有利だったとすら言える。

3弾以前のデュエプレでは、クリーチャーのパワーラインは

  • 2000~5000の小型ライン
  • 7000~9000の中型ライン

の2種類しかなかった。本当なら、カードプールの増加に伴って12000~15000の大型ラインが追加されるはずだった。 巨大フィニッシャーが場に出る回数は多くない。 お互いが巨大フィニッシャーを出すというレアな状況の行方が、 それらの微妙なパワー差で決まるというのが一つの面白さになってほしかった。

その大型のパワーラインをまとめて踏み潰すのが《エリクシア》なのである。 3弾実装時、巨大クリーチャーはほとんどいなかったため、大型ラインの存在は軽視されていたのだろう。 事実、3弾環境においては、パワー18000が存分に生かされるシーンはあまりなかった。 その状況は、5弾の進化Vや6弾の転生獣たちがリリースされたことで変わりつつある。

現状、《バルホルス》《ザーディア》もカードパワーが異様に高いため、5c天門は当分の間環境に残り続けるだろう。 ヒロイックな大型クリーチャーが活躍できるようにするためには、《エリクシア》のスペックをなんとかしないことにはどうしようもない。

ただ、「5色で18000になってぴったりQ・ブレイカー」という《エリクシア》のカードデザイン自体は綺麗である。 天門以外で使われるカードでもないので、ここにわざわざ調整を入れてくるとも考えにくい。 大型ラインのカッコいいカードを使うのは諦めるしかないのだろうか。

以上、《太陽王ソウル・フェニックス》が《エリクシア》に止められ続けてため息をついているプレイヤーの愚痴でした。