GENJIカップNDプラチナ帯で使ったものの、マスター到達を諦めたデッキ2つを供養。
『キリンデストラーデ』
- コンセプト:A-
- 完成度:S-
- デッキパワー:B
- 思い入れ:A
最高プラチナ2。一度プラチナ5に落ちたらその後全く上がれなくなった。
キーカード解説
《双流星キリン・レガシー》
DMPP-09収録。
紙で特に実績もないのに、何のアッパーも受けずに参戦した謎の生物。 これでVR降格ならまだ理解できるけど、何を思ったかSRで続投と来ている。
支援カードは、同じく9弾収録のオリカ《戦攻闘竜アルドロン》のみ。 効果は噛み合っているものの、カードとしては別に強くない。 使わせる気がなさすぎる。
こんな不気味さから、自分はこのカードをずっと避けてきた。そうこうしているうち、次でスタン落ちというところまで来た。 こういう「弱いけど何かできそうなカード」に手を出さなかったとあっては、マイナーデッカーとしての名がすたる。 ここにきてようやく《キリン》と向き合う覚悟を決めた。
《龍聖大河・L・デストラーデ》
14弾一番の問題児。 ターン1とはいえ、こんなに簡単にシールドが増えていくのはおかしい。 《ジュカイ》はマナ爆誕とマーシャル・タッチを束ねて専門デッキを成立させているが、 コイツは【白青ホーリーフィールド】というデッキを成立させた上で、 【赤ドロマーコントロール】【イモブレビートorコントロール】【ラッカドラヴィタ】など、 ほうぼうにグッドスタッフ要員として採用されている。
このデッキにおいて《デストラーデ》は、「強力な多色クリーチャー」としての《キリン》からの需要を受けている。 デッキビルド杯では《キリン》と《デストラーデ》を組み合わせた秀逸なレシピの数々に刺激を受けた。 《キリン》のND最後の舞台を飾るにふさわしいタイミングに現れた救世主……と言えるかも。
《キリン》と《デストラーデ》の相性について
《キリン》は、進化元になるべく強いcipクリーチャーを置きたいと思っている。 単体で盾追加&連鎖を持つ《デストラーデ》は、もちろんこの条件を満たす。
《デストラーデ》と《キリン》はマナカーブ的にさかさまの関係だが、 《キリン》は7~9マナ溜まったタイミングで「《キリン》+1体」として出すカードなのでさほど問題ない。
真にハッキリさせるべきは、「《デストラーデ》と《キリン》のカード相性はどうなのか」という点。
死ぬほど回した結論から言うと、「特段相性が良いわけではないが、この組み合わせでしかできない動きがある」。 出力は上がらないものの、変なプレイングができるようになるという感じ。
良い点
《デストラーデ》の連鎖で《キリン》の進化元が揃う。
連鎖した小さいクリーチャーを全体火力から保護できる。←《アブドーラ》
上手く《キリン》を出せば、1体の《デストラーデ》で2回シールドを増やせる。1回目で盾追いついて2回目で連鎖狙いも。
《アルドロン》が《デストラーデ》によるLO防止に役立つ。
墓地の《バースター》《セレスト》を《アルドロン》でデッキに戻してから《デストラーデ》で盾追加することで、トリガー率が高まる。
微妙な点
《デストラーデ》から連鎖で出てくる。 小型多色がかさばっているところに上手く踏み倒せると普通に嬉しい。 しかし、多色1体のところに《デストラーデ》を出して《キリン》が連鎖すると、強制的に《デストラーデ》を潰しながら進化しなければならない。その状況ではもうしばらく《デストラーデ》を残して連鎖や盾追加を狙いたいのでデメリットになる。 総合的にはデメリットが上回る印象。
LOが近いときに《キリン》進化で《デストラーデ》をキャンセルできるが、その後《キリン》MBで《デストラーデ》が山から出てくると確実に死。
《デストラーデ》のパワー不足を補える。しかし《キリン》自身もせいぜい12000のため、パワーに悩む。 環境だと《オーフレイヤー》《GENJI》《ディアス》などを叩ける一方、《グレート・チャクラ》《シーザー》《キリコ》《ライゾウ》などに負ける。
《デストラーデ》が埋めた盤面を《キリン》で圧縮できるのは嬉しい。 ただし、《キリン》は再展開を狙う能力なので矛盾する。
悪い点
《デストラーデ》の上に《キリン》を置いた場合、《デストラーデ》の連鎖が発動しない。 普通に《キリン》でないカードを出せば連鎖チャレンジできる。
《デストラーデ》がデッキをシールドに埋めていくため、《キリン》能力発動時に盾落ちでスカる可能性が増える。 《サイバゴン》で一度山の生存確認をしても、《デストラーデ》の能力を使えばその情報は不確定になる。
《デストラーデ》連鎖と《キリン》MBで盤面が埋まり、プレイ予定だったカードが出せなくなることがある。
構築
どうあがいても白青赤緑の4c。
タイミングの悪いことに、NDからは《ウルコス》がスタン落ちしている。 しかし有識者曰く「《ウルコス》は強いけど必須ではない」らしい。 そこにだけ目を瞑ればNDプールでも組めるので、今回はND構築。
特に議論の余地なく4積みしたのが、
最初はマヌケにも《ホッピ・ルッピ》でなく《フェアリー・ライフ》を積んでいた。 純粋なブーストカードとして見れば色を確保してくれる可能性のある《ライフ》だが、 このデッキでは《ホッピ》の以下のメリットを考慮して《ホッピ》にすべき。
ここまでで28枚。 これに加え、一般的に使用率低めなのに採用しているのが《スプラッシュアックス》。 《キリン》を活用するためのマナ、このデッキに足りない手札補充を担当する。 9弾当時の《キリン》のレシピ(※ほぼ無い)ではほとんど《サイバゴン》が優先されていたが、 当時は《ゲキメツ》《ジャック》のせいでパワー2000に人権が無かっただけで、今なら普通に3-4積みしていいはず。 適正枚数はちょうど3.5枚くらい。 《キリン》で呼ぶときにスカらないように多色クリーチャーは4積みしたいので、今回は4にした。
残り8枠。この埋め方は、
- 《キリン》x4, 《アルドロン》x4
- 《キリン》x3, 《アルドロン》x3, 《ドルボラン》x2
のどちらかだと思っている。
分岐の鍵は《ドルボラン》。 《キリン》と同期なのは、コイツを《キリン》に組み込めというメッセージに違いない。 ……いや両方マイナーSRだが?
マナが伸びる割に重いカードが少ないので、目指すべきゴール地点としてちゃんと入れておくのが良いように思う。
入れていたときは、唐突な2面除去&WBで、絶望的な状況を何度もひっくり返してくれた。 《デストラーデ》のドラゴンにシンパシーして7マナで出せたり、 重いので《デストラーデ》で付与された連鎖もほぼ確実に発動できたり、 今の環境だと《ディアス》を美味しく除去できたりと、八面六臂の活躍だった。
じゃあなんで入れない選択肢が残ってるの? というと、《ドルボラン》を入れてから明らかに《キリン》を出す回数が減ったからである。
《ドルボラン》のために削ったのは《キリン》と《アルドロン》。 《キリン》を出すのはゲーム後半だし、《アルドロン》も腐りやすいカードなので、4x10の構築で削るならこの2枚は至極妥当。 しかしそれらを減らしたことで、手札にたまたま《キリン》&《アルドロン》が揃ったときに無理矢理《キリン》出すパターンが激減。 せっかくの主役が活躍できなくなってしまった。
また、《ドルボラン》も多投が難しいカード(他の確定枠が堅すぎる)。 2積みが限界なら、《キリン》からの発射は非現実的。 なら共存する意味ある? となってしまって、「入れない」という選択が頭の中に残り続けている。
回し方
単色は16枚(全体の2/5)。 6マナ溜まるまでに単色マナを埋めて動けるタイミングは2回しか無いものと考える。 場合によっては2t目《ホッピ》や3t目《青銅》にこだわらず、多色を埋めるのを優先する。
ベストの入りは、《青銅》→《サイバゴン》or《スプラッシュアックス》→《デストラーデ》。 《サイバゴン》で単色を持ってくるか、《スプラッシュアックス》で次が多色埋めでも大丈夫なようにして、《デストラーデ》に繋ぐ。
最大出力低め、リソースも薄めなので、コントロール相手は積極的に殴る。 《キリン》を待たずに普通に殴る。
《キリン》を出すのは、ある程度展開できていて、なおかつMBをそのターン中に1回起動できるとき。 そんなの無理だろって? 正解。 実際《キリン》を「出すか出さないか」の判断がやってくることはあまり無くて、大半が「出せるか出せないか」の話になる。
《サイバゴン》はデッキに低コスト連鎖対象およびトリガークリーチャーが残るように、《デストラーデ》《キリン》などを優先的に持ってくる。 ただし、ハンデスの多い相手に対してはあえて《デストラーデ》をデッキに残し、トップから引けるようにする。 リソースが薄いため、迷ったら《サイバゴン》《スプラッシュアックス》を持ってくる。 また、《キリン》の効果を使うときのため、多色クリーチャーの生存確認もしておく。
墓地にトリガークリーチャーが落ちている場合、《デストラーデ》の盾追加より先に《アルドロン》を出す。
以下のように操作すると、《デストラーデ》の盾追加を2回使える。 1回目で盾枚数が追いつけば、2回目は連鎖も狙える;
普通のデッキだと《デストラーデ》2体出しはLOまっしぐらだが、このデッキは《キリン》への進化と《アルドロン》の回復で多少ケアできる。
詰めのフェーズでは《バースター》《セレスト》が大事。 基本的に《バースター》でテンポを取り、最後の最後で《セレスト》の2体タップで押し切る。
結論
無理。一時はプラチナ2まで上がったが、そこが頂点だった。
環境で一番なんとかなるのが【超次元ビート】系。 《デストラーデ》の盾追加と《キリン》の殴り返しが上手く機能する。
コントロール系統は、《デストラーデ》の連鎖がハマれば勝てるので五分。
【ライゾウ】【キリコ】はちょい不利。 【デイガナイト】はめちゃんこ不利、【Bロマ】は完全に無理。
当たり前のことだが、強さのほとんどを《デストラーデ》に依存している。 《デストラーデ》が上手く回れば勝てるし、引けなければほぼ勝ち目はない。 最終的に諦めた原因も、この出力不安定の壁を乗り越えられる気がしなかったから。
14弾ND環境において「《キリン》が活躍できる中で最も強いデッキ」がこれだが、それでも環境には届かない。 それが自分の結論。
《キリン》に「シンパシー:多色」がついてたらなぁ……と思ってたけど、 仮にそうだとしても3色だから3マナより軽くならなくて微妙な気分になった。
《ウルコス》について
今回採用を諦めた人。
《ウルコス》は《キリン》から発射してもそんなに強くない。 ただ、コイツがいればもっと《キリン》を出しやすくなるとは思う。 実際、《青銅》+《デストラーデ》+ 《セレスト》 みたいな盤面はよく見る。 「弱いクリーチャー」である《青銅/ウルコス》を《キリン》に変換するというのは、《キリン》を採用する明確なメリット。
その一方で、《青銅》にも単色カードとしての強みがある。 《青銅》を《ウルコス》に差し替えると多色が増えすぎるので、その分どこかでバランスを取るべきだと思う。
この後《ウルコス》入りでも遊んでみて、どうチューニングするのがいいか考えたい。
『白青サンゾンver.14』
- コンセプト:B
- 完成度:A
- デッキパワー:B+
- 思い入れ:A
最高プラチナ3。
こっちはあっさりめに解説。
キーカード解説
《烈風の求道者サンゾン》
9弾収録、ブロッカーデッキの総大将。次期スタン落ち。
何故か読みが「ぐどうしゃ」だったり*1、 命名が進化メカサンダーのそれだったり*2とツッコミどころはあるが、 デュエプレで新規メカサンダーを収録してくれたことに改めて感謝したい。
《キリン》がダメならコイツ、と思って目をつけた。
《封魔ベルアリタ》
ブロッカーが2体並ぶかもなトリガー。 上手く行けば《サンゾン》が連鎖できるかも。 《ヘブンズ・ゲート》の代わりとまでは行かないが、似た路線での活躍を期待できる。
構築解説
やはりNDで構築。《アガピトス》はちょうどスタン落ちしたため使えない。
組むにあたって、デッキビルド杯で見かけたこちらのレシピを大いに参考にした。 《タラリラ》はその名残。
《デストラーデ》はカラーリング的にスッと入ってくる。 今の時代、防御がブロッカーだけでは心もとない。 低コストブロッカーで固めて《サンゾン》でドカンというゲームプランにも合っている。
《シンカイドーベル》はコマンドを軽減。 ここから《ロードリエス》→《デストラーデ》or《サンゾン》と繋ぐベストムーブのために起用されている。 6枚積みたい。
《ウッズ》は、《サンゾン》だけだと打点不足になるので投入。 原案だと《シャニホ》《チャクラ》で同じことをやろうとしている。 《チャクラ》の場合、押されていると覚醒できない、5マナ帯が多すぎるということで《ウッズ》。 とはいえ《サンゾン》と合わせて6枚しか無いので、除去を引かれ続けると殴れずに死ぬ。
《エフィア》は気休め程度に《Bロマ》メタ、地味なアタッカー。
問題点
単純にコイツが無理すぎる。知ってた。
100歩譲って【超次元ビート】に大苦戦するのは許すとして、 【バルガライゾウ】までご都合《GENJI》を投げつけてくる。 勝率は低迷を極めた。 せめて《ヘブンズ》があれば、トリガーで《サンゾン》出してカウンターパンチもできるんだけどね。
また、《デストラーデ》《ロードリエス》のコンビがものすごい勢いで山を削っていく。 《デストラーデ》が《サンゾン》《ウッズ》をシールドに埋めてしまって、結果殴り切れずにLOする。 この辺は《ウッズ》増量で対応可能なものの、その分だけ連鎖率が下がるのが迷いどころ。
デッキパワーとしては『キリンデストラーデ』よりも高いはず。 とにかく環境、というか《GENJI》が悪い。
おわりに
マスター到達を途中で投げたことはほとんど無かったのだが、今回2つもやらかしてしまった。 両方とも《デストラーデ》でデッキパワーの底上げを図ったものの、デッキ中4枚だけのカードに頼っているようではダメみたい。 紙の頃ほどではないが、超次元を使わないデッキの厳しさを感じた。