ミケガモのブログ

【デュエプレ】《ボルバルザーク》にナーフは必要か?

追記:2020/9/18

制限になりました。

mikegamo.hatenablog.com

はじめに

DMPP-05環境現在、最もナーフに近いカードは何か?

その答えは間違いなく、無双竜機ボルバルザークだろう。

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この記事では、デュエプレの《ボルバルザーク》の問題点、およびナーフ(弱体化)の案を考察する。 こういう記事のお決まりだが、あくまで一プレイヤーの意見に過ぎないことに留意されたし。

《ボルバルザーク》(特に紙版)の功罪を知りたい人は、以下の記事を参考にしてほしい。

【DM wiki

《無双竜機ボルバルザーク》 - デュエル・マスターズ Wiki

ボルバル・マスターズ - デュエル・マスターズ Wiki

【DM:Akashic Record】

DM史:”ボルバルブルー”を携えて(前編) | DM:Akashic Record

“ボルバルブルー”を携えて(後編) | DM:Akashic Record

現状の《ボルバルザーク》の問題点

今のデュエプレの《ボルバルザーク》の問題点は、

追加ターンという超強烈なアドバンテージをあまりに簡単に得られる

ことにある。

条件は、ある程度待ってから《ボルバルザーク》を召喚するだけ。 即座に4打点を得られるし、横にクリーチャーが2体もいれば余裕の殴り切り。 《ホーリー・スパーク》などの一発逆転トリガーも全部拒否できる。 こんなカードがほぼデメリットも無く、一試合に何回でも使える。

デュエプレ独自のマナシステムのおかげで、「タッチボルバル」構築はとても簡単である。 そして、《ボルバルザーク》に匹敵する強さの汎用カードが他にないことから、あらゆる低~中速のデッキが《ボルバルザーク》採用を強いられる。

結果的に、《ボルバルザーク》はデッキ構築および戦術の幅を大きく狭めてしまっている。

少し大げさではあるが、現状のデュエプレは「10ターン目以降は《ボルバルザーク》を出せば安全に勝てる」というゲームになっている。 もはやただの1カードにとどまらず、ゲームシステムの1つと化してしまっているとすら言えるかもしれない。

また、ゲームバランス自体とは関係ないが、追加ターンという効果はどうしてもソリティアゲーに近くなる。 ユーザーが楽しめるゲームを作るという観点から見れば、やられている側の不快感が大きいというのも問題点と言える。 しかし、仮に追加ターンを得るのが難しかったなら、それはロマンカードとしてプレイヤーにすんなり受け入れられることだろう。やはり発動の手軽さが一番の問題である。

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バーレスク》を使われてキレる人はいないと思う。

ナーフは必要か?

さっさと私見を述べておこう。私の意見は、

「ナーフされたほうが良いと思うが、されなくても納得はできる」

である。

先に述べた通り、《ボルバルザーク》は今のデュエプレにおいて、勝つための手段としてあまりにも手軽かつ強すぎる。 これは構築や戦術の多様性を奪い、ついでに使われたプレイヤーの戦意を喪失させる。

メタゲームにおいても、3弾環境の白黒ボルバル、4・5弾環境の除去ボルバルに5c天門ボルバルと、《ボルバルザーク》がトップメタから陥落する気配は全くない。環境が停滞しているのも事実だ。

直近で追加されそうなカードによってこの状況が打開される可能性も低い。 収録時期が近いカードの中では、しばしば《聖霊王アルファディオス》《悪魔神ドルバロム》が《ボルバルザーク》への対抗札になると評される。

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だが、これらのカードも所詮は当時なりのカードパワーしか持っていない。 速攻・ビート相手に脆すぎるし、コントロール相手でも10マナ溜めて進化元まで用意するのは大変だ。 5c天門などのデッキパワーまで考えると、《ボルバルザーク》の牙城を崩すことはできないと思う。

大体、3弾のガルザークブリザード魔改造組がいてもこの状態なのだし、4弾でウェーブストライカードルゲーザが出た時だって、《ボルバルザーク》がいなくなると期待したら全然違ったではないか…。

このように、《ボルバルザーク》は今の時代にしては強すぎるカードである。 したがって、ナーフを施すのが望ましい。

しかしながら、ナーフされない可能性も十分に考えられる。 下の画像は、2020/9/5に有志開催された「第一回ささぼーCup」、および2020/9/12-13に公式開催された「第一回バトルアリーナ」のデッキ分布である。


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第一回ささぼーCup

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第一回バトルアリーナ


《ボルバルザーク》の入ったデッキ=除去ボルバルと5c天門の合計と考えた場合、その割合は、ささぼーCupでは6割弱で、バトルアリーナでは4割に満たない*1。 個人的には《ボルバルザーク》がもっといてもいいような気がするのだが、現にこうなっているのである。

確かに、今がボルバル環境であることは間違いない。しかしこれは、「ボルバル一色」とは言い難い。 メタゲームの環境のみを考えるならば、ナーフが絶対必要とまでは言えないだろう。

とはいえ、カジュアル構築まで含めて全体を見渡すと、やはり《ボルバルザーク》は今のデュエプレにとって不健全なカードだというのは間違いない。

ナーフか枚数制限か

個人的にはナーフ派。

紙のTCGでは、一度カードを刷ってしまうと基本的に効果改変ができない。 そのため、強すぎるカードが出た場合には仕方なく枚数制限の措置を取る。 枚数制限にすると、「0か1か」という話になるため、構築の自由度が低くなる。 さらにデュエプレの場合、探索システムのせいでサーチが効かないせいで、枚数制限を敷くとひたすら運ゲーが加速するという問題もある。

対してDCGでは、効果改変が簡単に可能である。例え弱くなったとしても4積みできるままなら、そのカードを好きな人が使い続けられてハッピーである。

よって、ナーフで手を打つのが妥当である。

なお、「制限にするとせっかく集めた人の損失が大きい」という意見もあるが、 それはDCGなら「分解ポイントを引き上げる」ことで簡単に対処できる。

ナーフ方針

ここからは、《ボルバルザーク》がナーフを食らう前提で考察を進める。 ナーフ案を提示する前に、まずは押さえておくべきだと思うポイントを挙げよう。

「10ターン」という制約について

「10ターン」という数字の設定は本当に適切なのだろうか? なんとなく、キリが良いから「10」にしているだけなのではないだろうか?

本気でゲームバランスを考えるなら、この数字はゲーム開始時の手札やシールドの枚数といったゲームシステムそのもの、クリーチャーや除去カードのコストといった全体的なカードパワー、そして《ボルバルザーク》自体のスペックを入念に検査し、総合的に判断されるべき値である。

実際、現代の本家DMにおいては平均キルターンが4~5ターンだというから、デュエプレの《ボルバルザーク》を出しても全く問題ない、むしろ弱いだろう。一方、今のデュエプレでの《ボルバルザーク》の暴れっぷりを見るに、このカードにとって「10」という数字は小さすぎるように思える。

ただし、時限式で強化を得ること自体は悪ではない。これについては後で詳しく述べる。

デメリットを履き違えてはいけない

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本家の二の舞は避けたい。

紙版《ボルバルザーク》の問題点の一つは、《ボルバルザーク》を出すと確実にゲームが終わってしまうところにあった。 これについては、ゲームの強制終了(もしくはそれに等しい効果)にさえしなければ大丈夫である。

むしろ、デメリットを必ずつける必要も無いと思う。 今ついているトリガー放棄の効果は本家ボルバルに倣ったのかもしれないが、その雰囲気は「追加ターン効果はゲーム中一度しか使えない」などとしても十分に引き継げると思う。

テキストをこれ以上長くしない

今の《ボルバルザーク》はテキストが長すぎる。 条件をいくつもつけてテキストを複雑にすると、可読性が下がって“汚い”カードになってしまう。

カードの魅力を損なわないために、なるべくシンプルな記述でまとめるべきである。

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もっと長い奴もいるけど…。

追加ターンに拘る

本家には、《ボルバルザーク》のリメイクカードがいくつか存在する。 いずれもあくまでリメイクであり、《ボルバルザーク》の「cipで追加ターン」というカードは無い。

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もちろんこれもカッコいい。

デュエプレに収録されているのは《無双竜機ボルバルザーク》なのだから、原型を全くとどめない形にするのはよくない。

少なくとも、追加ターンを得る効果には拘った方が良い。

2つのナーフ案

ここまでの考察を踏まえた上で、自分からナーフ案を2つ出してみたい。

案1:純粋に弱体化

  • 7マナ 6000
  • W・ブレイカ
  • 召喚してバトルゾーンに出た時、10ターン目以降なら、このターンの後に自分のターンをもう一度行う。(この効果はゲーム中に一度しか使えない)

1枚で勝ちに近づきすぎるのを防ぐため、スピードアタッカーを削除。 SA削除を唱えている人はあまりいないように見受けるが、個人的には結構有効だと思っている。 SAのW・ブレイカーが欲しければ《ツインキャノン・ワイバーン》か《ボルシャック・スピード・ドラゴン》を使えばよい。 SAを取り上げたので、トリガー放棄のデメリットも不要。

さらに、ゲーム中に一度しか使えない効果を追加。

「10ターン」の妥当性についてじっくり議論しておいてだが、ターン数は据え置きにした。12ターンくらいにしようかとも思ったけれど、正直3箇所弱体化はやりすぎ感があるのと、SAも複数回使用も無いなら10ターンでも丁度良い強さになるだろうという見込みである。

タッチボルバル構築を完全に締め上げることはできずとも、これでだいぶ抑止できるはずだ。カードパワーが低くなれば他のデッキも活躍しやすくなる。

案2:構築の差別化

  • 7マナ 6000
  • スピードアタッカー
  • W・ブレイカ
  • バトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンに火文明のカードが7枚以上あれば、このターンの後に自分のターンをもう一度行う。(この効果はゲーム中に一度しか使えない)

構築を縛る効果に変更。

どのデッキにも入ってしまう現状を改善したうえで、専用構築をすれば今より強力になりうる効果にした。 将来的に環境が高速化してキルターンが早まったときにも、マナ加速カードで追いつく可能性を残せる。 このくらい尖った条件なら、ゲーム中一度の制限も不要かもしれない。

個人的にはこの路線で行ってほしい。

問題視しなかった要素

デュエプレの《ボルバルザーク》を強カードたらしめている要因は、《ボルバルザーク》の効果そのもの以外にもいくつかある。 その要因の中で、問題視する必要は無いと判断したものを3つ挙げておく。 この3つを批判しなかったのは、《ボルバルザーク》関連以外における恩恵が大きいからである。

1つ目は、デュエプレのマナシステム

プレイを円滑にするため、デュエプレのこのマナシステムは必要不可欠。 個人的に、このシステムは本家よりも気に入っている。 《メルニア》タップイン埋めからの《アクアン》など、プレイングがよりストレスフリーになっているからだ。

また、タッチ構築が簡単なのは、《ボルバルザーク》問題の本質ではない。 タッチ構築が強いなら、なんでタッチ《ブルー・メルキス》構築が流行らないんだ?という話になる。 しかも、《ボルバルザーク》を召喚する頃には、なんだかんだで赤も緑も確保できていることが多い。 やはり《ボルバルザーク》自体に問題があるのだ。

2つ目は、時限式で強化を得るという効果

開発班によれば、デュエプレは1試合が7分で終わるように調整されている(※要出典)。 ゲームの長時間化を抑止するという点で、この手の効果は良案である。 また、時限式効果はマシン側が自動でターン数を数えてくれるDCGならではの能力で面白い。 先攻ゲー加速と言われることもあるが、それは速攻ミラーや《ロスト・ソウル》などにも言えることである。

3つ目は、場の7体制限

《ボルバルザーク》を使わざるを得ない理由の一つに、 場の7体制限のせいで「10体くらい大量展開して一斉攻撃」という戦術が取れないことが挙げられる。 正直、光文明好きの自分としてはそういうゲーム展開をしたいので、7体制限はいつも邪魔に思っている。 が、アプリの処理や操作性を考えると、制限を設けるのは仕方ないことだろう。

まとめ

《ボルバルザーク》はナーフされるのが望ましいが、調整が入らなくてもおかしくはない。

ナーフ案は、SA削除、追加ターンは1回限定、ターン数増加、構築縛りなどが合理的である。

おわりに

この記事を書こうと思った当初は、紙版まで含めた《無双竜機ボルバルザーク》にまつわる全てをまとめようと思っていた。でも収集がつかなくなりそうなのでやめた。

この記事では《ボルバルザーク》だけに注目したが、今のデュエプレには他にもヤバいカードがいっぱいある。 依然環境に居座るブリザード、2体並べばこの世が終わるガルザーク、カジュアル殺しのウェーブストライカー、《ボルバルザーク》がいなくても強すぎる5c天門など、3弾以降にはぶっ飛んだパワーを持つデッキが現れるようになった。 その中でも《ボルバルザーク》は頭一つ抜けて良くないカードではあるのだが、《ボルバルザーク》さえ消えればゲームに平和が訪れるかというと、全くそうではない。

ナーフを求めるということは、今の均衡状態を根底からひっくり返そうと願うことである。 本気でナーフを望むなら、環境がどんな形になっても文句を言ってはいけない

*1:「その他」にいる《ボルバルザーク》搭載デッキを合わせるともう少し多くなる