- はじめに
- 【リドロマッドネス】
- 【サードサファイア】
- 【リーフメビウス】
- 【パルティアLO】
- 【連ドラ】
- 【ドラグストライク】
- 【ギフトアルファディオス】
- 【キキカイカイロック】
- 【マーシャルトリガー】
- 【トリガービート】
- 【ダーツグレートブルー】
- おわりに
- 動画
はじめに
私は普段、斬新かつ面白いデュエプレのカジュアルデッキを紹介しようと奮闘している。 では、そうではないテンプレのカジュアルデッキをまとめているサイトは、どこかにあるのだろうか。 そう思って「デュエプレ ファンデッキ」で検索したところ、丁度いいページが見つからなかった。
そこで今回は、カジュアルマッチでそれなりの頻度で出会うであろう、 「ファンデッキとしてはメジャーなデッキ」を紹介する。
各デッキのテンプレのレシピに加え、そのデッキだと判断できるような特徴的なカードと、デッキとしての弱点を取り上げていく。 構築は、カジュアルマッチ想定でAll Division準拠とした。 弱点は、デッキを調整する際の改善ポイントである。 また、自分はどちらかというとこれらのデッキを「狩る」立場だ。 この視点だと、弱点はどうやって攻略すれば良いかのヒントにもなる。
実のところ、いつもの投稿では、こういった「テンプレのファンデッキ」は意図的に避けている。 ファンデッキの醍醐味は、自分のアイデアを表現することだと考えていることだからである。 その一方で、環境デッキを使い飽きたという理由で、テンプレでいいからファンデッキを組んでみたいという人もいるだろう。 今回は、そういう人たちにデュエプレのよくあるファンデッキを紹介したい。 その人たちがオリジナルデッキの構築に挑戦してくれる日が来るのを願って。
【リドロマッドネス】
概要
《血風戦攻リドロ》の破壊時効果で、マッドネスクリーチャーの大量踏み倒しを狙う。 おそらく最もメジャーな地雷デッキだ。
《リドロ》はブロッカーなので、殴ってくる相手にはブロックからのマッドネスカウンターを脅迫できる。 コントロール相手には、マッドネスカードによりハンデスを牽制できたり、 《裁》《ドルバロム》といった全体除去を躊躇わせたりできる。
盤面を溜めてから《ホーリー・スパーク》で突破しようとする相手には、トリガー《アポカリプス・デイ》で、 無理矢理《リドロ》を爆発させることも可能。
特徴的なカード
- 《無頼聖者サンフィスト》、ほか大量のマッドネス
- 《エマージェンシー・タイフーン》
- クリーチャーがあまり出てこない
弱点
破壊以外の除去、具体的にはバウンスや《魂と記憶の盾》などに弱い。
《リドロ》を起動できても、マッドネスで《サンフィスト》を出せないとそのまま殴り切られる恐れがある。 大量のパワー3000未満のクリーチャーで殴られると、《リドロ》が破壊されないためそのまま押し切られることも。
除去を警戒して《リドロ》を2体以上出すと、 それらが同時に破壊されたときにドローし過ぎてライブラリアウトする可能性もある。
《スパーク》への対抗策があるとはいえ、トリガー《アポカリ》が無ければ無力。 起爆から攻勢に移っても、結局相手の《スパーク》《アポカリ》には怯えることになる。
このように、隙が無いように見えて意外と抜け道がある。
さらに、殴って来ないデッキに対してやることが無い。 マッドネスギミックとは別にパンチャーを入れておかないと、 8マナ溜めて《ザークピッチ》を手出しするまで攻めに移れない。 妨害札も皆無なので、もたもたしているうちに対処札を準備されたり、より強力なコンボを発動されたりするかもしれない。
【サードサファイア】
概要
《無頼電磁アカシック・サード》の変身能力で、大型クリーチャーの踏み倒しを狙うデッキ。 相手がクリーチャーを出してきたら、軽量のタップカードを使って無理矢理バトルしに行く。 6弾で《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》が収録されてからは、もっぱら《サファイア》を呼び出すデッキと化している。 そのため、《サード》の青緑、タップカードの白、《サファイア》の赤で4色構築になる。
8弾のゴッド・カードの登場で、デッキに「クリーチャーでないアタッカー」を積めるようになった。 勝ち筋を他にも用意できるようになったことで、デッキの欠陥が多少克服された。 さらに、《運命の選択》もゲット。デッキから直接《サード》を引っ張り出し、 あわよくばスピードアタッカーを付与して奇襲できる。
特徴的なカード
- 《次元の霊峰》《運命の選択》
- 《ソーラー・レイ》《ドラコ・バリアー》
弱点
出して殴る素直なビートダウンデッキに対しては、ここぞとばかりに調子に乗り出すデッキ。
一方、クリーチャーが出てこないと、しぶしぶ《サード》でビートダウンを始めるしかない。 しかも、《サード》を除去され続けると完全に動きが止まる。
《サファイア》を踏み倒しても、そのターン中にはシールドブレイクできない点にも注意。 返しでバウンスや《魂と記憶の盾》をプレイされると、かなり苦しくなる。 《サード》の効果はバトル置換なので、スレイヤーや《パンダネルラ》のバトル置換にも無力である。
【リーフメビウス】
概要
古代デュエマではガチデッキだったこともある、ある意味では由緒正しいデッキタイプ。
《アストラル・リーフ》を出してから《メビウス・チャージャー》に繋ぎ、手札・マナを大量に確保。 後は《英知と追撃の宝剣》《ロスト・ソウル》《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》などの、 高コストコントロールカードをどかどか使う。 極めて性格の悪い人向けのデッキである。
特徴的なカード
対策
ビートダウンに死ぬほど弱い。 ブロッカーはパワー1000の《フェアリー・キャンドル》のみ、殴り返し要員も《リーフ》くらいしかいない。 シールド回復手段も無いため、《宝剣》連打態勢に入るまでにシールドをガツガツ割られるとただのサンドバッグになる。 コントロールミラー専用のデッキだ。
進化元のサイバー・ウイルスや《リーフ》を除去されるのも地味に痛かったり。
【パルティアLO】
概要
デッキ内をコントロール呪文で埋め尽くして、相手のライブラリアウト(山札切れ。LO)を狙うデッキ。 自分は《神楽妖精パルティア》で山札枚数を回復する。 【リーフメビウス】同様、極端に意地の悪い人向けのデッキである。
特徴的なカード
- 《パルティア》
- 《新星の精霊アルシア》
弱点
【リーフメビウス】同様、純粋なビートダウンに弱い。 テンプレのレシピは赤抜きなので、物量展開されると苦しいタイプである。
基盤はオーソドックスな除去コンなので、序盤さえしのげればカジュアルデッキ相手には一方的な試合展開になる。おそらく《パルティア》を出す前にリタイアされるが。
【連ドラ】
概要
《紅神龍バルガゲイザー》や《インフィニティ・ドラゴン》の能力で、「連続でドラゴンを出す」デッキ。 古代から愛され続けた、ロマン溢れるカジュアルデッキである。 デュエプレでは7弾の《インフィニティ・ドラゴン》登場で、ようやく本来の戦い方を取り戻したと言える。
画像はリース型。黒や青を入れたり、進化ドラゴンをもっとたくさん入れたりと、改造の余地は多くある。 デュエプレでは強力なドラゴンが多数登場しているので、チューニングと割り切り次第ではランクマッチもこなせるかもしれない。
特徴的なカード
- 《バルガゲイザー》《インフィニティ》
- 《龍の呼び声》
- ドラゴンの比率が異様に高い
弱点
爆発力が高い分、事故りやすい。 《ルピア》を除去された場合、5~6ターン目まで動きが止まる。
《バルガゲイザー》《インフィニティ》の理想ムーブは相当強いものの、 それが決まらないならもっとマトモな構築のドラゴンデッキを使った方が良くなる。
堅いように見える守りも、《セブンス》が剥がされると割とザル。 《スパーク》や《アポカリ》も苦手である。 ちなみに全体除去を食らった場合、《インフィニティ》の効果は《インフィニティ》自身に対しての1回しか発動しない。
【ドラグストライク】
概要
《爆竜兵ドラグストライク》で、高コストドラゴンの踏み倒しを狙うデッキ。 みんな大好き《サファイア》に加え、《極仙龍バイオレンス・サンダー》も踏み倒し対象となる。
画像は《裁》《マルドゥクス》で起爆するクローシス型。 除去コンに《ドラグストライク》を差し込んだ形である。
赤緑にして、《無頼剣兵ドラグイノセント》まで入れて脅迫ビートダウンするという型も。
特徴的なカード
- 《ドラグストライク》《ドラグイノセント》
- 自壊用カード
弱点
破壊以外の除去に弱い。ランダムハンデスもしんどい。
《サファイア》を出すだけなら《ロスチャ》&《ゲート》の方が速くて確実な時代になってしまったので、 差別化を図る必要がある。
ビートダウン耐性が無いのも課題だったが、《サンダー》を積むと多少マシになる。
【ギフトアルファディオス】
概要
《聖霊王アルファディオス》を最速召喚することに懸けるデッキ。 《ライフ》→《ヴォイジャー》→《エールフリート》→《ギフト》《アルファディオス》で、 最速5ターン目に《アルファディオス》が降臨する。 遅めのデッキが多い環境なら、環境トップとも渡り合えるポテンシャルがある。
やることがシンプル過ぎて、プレイングの幅は狭い。 また、《アルファディオス》の対処手段が無いデッキに対しては、出すと即リタイアされる可能性が高い(特にカジュアルマッチ)。 そういう点で、使っていて飽きが来るのは早いかも。
特徴的なカード
- 《エールフリート》
- 緑のカードと《ヴォイジャー》が共存
弱点
勝ち筋が早出し《アルファディオス》に偏り過ぎている。 理想ムーブは最強クラスだが、パーツを引けないとどうしようもない。 《ジェニー》で《アルファディオス》を落とされたら泣き寝入りである。
《ヴォイジャー》への依存度が高いのも困りもの。 最近、《のろいとテラーの贈り物》《ルーレット・ビーム》のような軽量3000火力が出てきたのが向かい風となっている。
白系のデッキ、特に【天門】【アウゼス】が厳しい。 《エリクシア》《アウゼス》の前にはなす術がない。 《ホーリー・スパーク》《アポカリプス・デイ》にも注意だ。
【キキカイカイロック】
概要
《邪道外道神キキカイカイ》と《コマンダー・テクノバスター》を組み合わせて、 相手のドローを永遠にロックするコンボを狙う。
画像はロックを強く意識した青黒型。 コンボパーツを減らしていくと、スタンダードな【除去コン】の形に落ち着く。
特徴的なカード
- 《コマンダー・テクノバスター》
弱点
普通の除去コントロールと同じく、速攻・ビートダウンに弱め。 【天門】やコンボデッキには強いものの、《ガレック》や確定除去が重いコントロールミラーは一筋縄ではいかない。 どこに刺していきたいのか迷走しがちである。
《キキカイカイ》《テクノバスター》が並んでも、その時点で相手が抱えている手札は落とせない。 ロックの内容こそ凶悪だが、完璧に決めるのは結構難しい。
【マーシャルトリガー】
概要
《マーシャル・クイーン》で、S・トリガーカードを踏み倒すデッキ。 画像は最もスタンダードな、トリガークリーチャーを出して殴るタイプ。 今はせいぜい強めのファンデッキ程度でしかないが、今後のトリガーカードの充実次第で大化けする可能性も秘めている。
他にも、《ヘブンズ》を撃ち込む天門型、 《インビンシブル・オーラ》と組んでヘンテココンボを狙うロマン型なども考えられる。 この辺になってくるとテンプレとは呼べないだろう。
特徴的なカード
- 《アクア・ハルク》
- 《ネオ・ブレイン》
- 軽量スプラッシュ・クイーン
弱点
トリガーが多い構築であること、《マーシャル》の殴り返しもあることから、ビートダウンには強め。
その一方、事故りやすい上に手札消費が激しい。 トリガークリーチャー型だとパワーラインが低いため、上手く展開できても全体火力で処理されてしまうかも。
【トリガービート】
概要
S・トリガーを大量に積んだデッキ。 殴ってこない相手には《黒神龍ブライゼナーガ》でトリガーを暴発させる。
特徴的なカード
- マイナーめなトリガークリーチャー
- デッキのほとんどがS・トリガー
弱点
《ブライゼ》以外の動きは基本的に相手依存なので、能動的なゲームメイクができない。
トリガークリーチャーはパワーが低いので、火力や軽量ブロッカーに弱い。
過剰打点を作られると、結局トリガーが出ても押し切られることが多い。
《サファイア》《デスフェニ》などのシールド焼却カードには完璧にコンセプトブレイクされる。
【ダーツグレートブルー】
概要
《蒼神龍スペル・グレートブルー》で遊ぶデッキ。デッキを重い呪文で固めて踏み倒しを狙う。 《ラッキー・ダーツ》入りならロマンに振り切った豪快な構築、 そうでなければ地味な努力と工夫で戦う真面目構築である。
一応、デッキ構成が予測しやすいロマン構築のほうを、テンプレのレシピとして紹介しておく。
特徴的なカード
- 《ラッキー・ダーツ》
- 大量のインビンシブルおよび重量呪文
弱点
完全なネタデッキ。 どんなデッキを持って行っても勝負になる。とりあえずビート耐性は無いに等しい。
立ち回りがランダム要素に支配されているので、使われる側はおろか、使っている側もどんな動きになるのか分からない。 何か起きたら笑い飛ばすくらいの気概で望むべき相手である。
おわりに
テンプレのカジュアルデッキは、カジュアルを楽しもうという姿勢においては仲間であり、 オリジナルのアイデアを模索しようという立場においては敵である。 カジュアルだからと言って容赦はしないし、 逆にあまりにしょうもないと思ったらリタイアボタンに手を伸ばしてしまうかもしれない。
DCGのランダムマッチングは、相手の反応を見て楽しむことが出来ない。 せっかくコンボが決まっても、相手がそれにイラっときたら即リタイアされる可能性もある。 紙に比べると、カジュアルデッキを使うには不向きな環境ではある。
それでも、環境デッキだけに価値があるわけではないということを、どうか忘れないでほしい。