ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-24 環境考察メモ

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制限改定・スタン落ち

E2・ゼニス1パック目にあたる18弾がスタン落ち。

《ウェディング》《ハングリー・エレガンス》などが落ち、【ターボゼニス】は解散。 《ドン・グリル》を主力とした【ワイルドベジーズ】も崩壊した。

《偶発と弾幕の要塞》《再誕の聖地》が落ちたことで、前期に開拓された【聖地刃鬼】が解体。

《ボルメテウス・ホワイト・フレア》が落ちたことで、【モルト王】のトリガーラインナップが少し弱くなった。

能力変更では、S・バック登場に合わせて《オチャッピィ》《デュアルショック・ドラゴン》らがSバックの仕様に変更。 メイン/アタックステップに出るようになって相手からの干渉を若干受けやすくなったが、使用感が大きく変わるほどのものではない。

ND・環境前期

環境初期はモルトNEXT】が超絶大流行。デュエプレでもその人気は疑いようがない。 最終的にはシンプルな赤緑型が安定していたようである。 少し経つと、盾仕込みに対して《ダイハード・リュウセイ》で対抗する構築も見られるようになった。 サブプランとして《モルト王》での堅実な攻めルートも存在する。 《モルトNEXT》は顕著にゲームスピードを変えた。 24弾環境は《モルトNEXT》から環境を考えていく必要がある。

その一方で、【モルトNEXT】は構築の制約がとても強い。 使用率はそれなりに高い数字をキープしたものの、対策が進んだ結果、環境前期の時点でも「最強デッキ」ではなかった。

環境中盤には、上振れルート増加に貢献していた《ガイムソウ》がマナ武装5から7へと弱体化の調整を受けた。 致命的とまでは行かないものの、デッキ強度がさらに下落してしまった。

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モルトNEXT】への一つの対抗策は、アグロで殴り切ること。

【緑単サソリス】は、オリジナルカード《豪勇者》を迎えて大幅にデッキ強度が上がった。 4キルが現実的でありながら、マナブーストチャンプブロック回避、《ボアロパゴス》龍解ルートのおかげで長期戦にも対応できる。 シーズン初期から終盤まで、一定の使用率を保ち続けた。

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赤単速攻は、前期から使われていた速攻。 シーズン序盤は受け系デッキの多さに苦戦していた。 環境中期になると、【白単サザン】などに対して盤面処理で対抗するために《ヴァルブレア》を積む構築が広まり、使用率を伸ばした。

最終的には、【緑単】【赤単】ともに【モルトNEXT】よりも少し上の立ち位置を獲得した。

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もう一つの対抗策は、受けに回ること。 アグロに対しても有利に戦えるので、【モルトNEXT】を軸に環境を考えるならこちらのほうが戦いやすい選択肢だったか。

素直な発想としては【白単天門】。 《ヘブンズロージア》を新たに獲得し、《ドラゴンズ・サイン》の価値がアップした。 《ヘブンズ・ヘブン》《ドラサイ》でブロッカーの踏み倒し手段は十分であるため、ビートダウンが少ない時期には《天門》の採用も4枚固定ではなくなった。 「天門」のデッキタイプ名が揺らぎつつある。

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それと、前期から続投の【サインシューゲイザー。 《スーパーエメラル》《エメラルーダ》で仕込んだトリガーで攻撃をしのぎ、 《シューゲイザー》のワンショットで速やかにカウンターする。 《サイン》《サイクリカ》で墓地を絡めた柔軟なプレイングも売り。 ND環境では珍しいユーザーズデッキで、上級者から特に好まれた。

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局所的なメタとしては、トリーヴァシャングリラ】も環境に進出。 《母なる星域》が実装されたことで、ND落ち直前の《シャングリラ》がついに実用的な強さを獲得。 しかも、【モルトNEXT】【サインシューゲイザー】には《シャングリラ》への有効な対処手段がほとんどない。 特に環境前半にはそれなりの存在感があった。

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https://x.com/sper_masters/status/1762147202993127432

こうした直接的なメタで【モルトNEXT】が減ってくると、次々と他のデッキタイプも生まれ始める。

途中からの躍進が目覚ましかったのが【白単サザン】。 《ヘブンズロージア》を取り入れながら、総合的なデッキパワーの高さで環境に帰ってきた。 【モルトNEXT】には不利寄りだが、他のデッキへの勝率を確保することで補う。 前環境で苦手としていた【黒単ワルボロフ】は、【モルトNEXT】に刈られて環境からほぼ消滅した。

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バランスの良いデッキとして【イメンブーゴ】も登場。 《イメン》《エメラルーダ》から能動的に《デッドブラッキオ》のSバックを起動すれば、そのターンだけですぐに《ボアロパゴス》への龍解が狙える。 さらに、《デブラ》が場にいればドラグハートの龍解ができないため、【モルトNEXT】に対しても優位に立つことができる。 《ヴェロキボアロス》登場後、呪文ロックの《アルファリオン》で〆る。 《プロメテウス》のマナ回収が器用で、さらに《オチャッピィ》を絡めれば擬似的な墓地回収も可能。 《エメラルーダ》の盾操作、《マップ》《吸い込む》のデッキ循環も合わせると、ゲーム中に触れないゾーンは無い。 玄人向けのデッキとして、強者が多く実績を残したデッキタイプである。

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さらには【5cコントロールも環境に出てきた。 やはりキーとなるのは《デッドブラッキオ》。 対ビートダウンおよび【モルトNEXT】に勝率を出せるのが大きい。 《デブラ》《ヴィルヘルム》《VAN》《ナンバーナイン》《サイクリカ》など、NDでグッドスタッフ構築を組むとドラゴンが多くなる。 《デッドマン》《ニガアブシューム》を積んでしまうのもアリのようだ。

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環境が少し遅くなったところで、【ダブルライフ刃鬼】もちらほら見られるように。 《ダブルライフ》2連射から《刃鬼》《VAN》に繋ぐ直線的なデッキである。 守りは完全にトリガー頼みとなっている。

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https://x.com/CCuwLJ2TD43Kn8f/status/1772439708343169036

環境後半に差し掛かろうかというところで、新たに【黒単ヘルボロフ】が環境に入ってきた。 盤面制限が苦しいと言われ続けた《ヘルボロフ》の回答は、《デスゴロス》から《ドルバロムD》を出すことだった。 前のめりなデッキが増えたことで《タイガニトロ》が刺さりにくくなったかわりに、《タイガマイト》《特攻ジェニー》といった細かいハンデスが効くようになった。

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【赤青UKパンク】は、環境後半に強さが再認識された。 驚くべきことに、モルトNEXTカップの最終TOP100入り報告に最も多く含まれていた。 重要カードは《トンギヌスの槍》。 仕込まれた盾の突破、ドラグハート除去という、普通のデッキには取り込みにくい要素2つを無理なく備えている。 【ヘルボロフ】のハンデスメタに《グレンリベット》がよく積まれる。

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準メジャーデッキとしては、【青緑チュレンゼニス】も時折見かけた。 《チュレンテンホウ》のトリガー使用や、《プレリュード》《ベートーベン》でビートダウンに対抗。 遅いデッキには概ね《VAN》《ローゼス》が刺さる。《チュレン》で《プレリュード》を増幅するのも強力だった。

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モルトNEXT】はADでも人気。 トリガー増強の《アカギガルムス》、《モルネク》と一緒に出せてすぐ《バトライ閣》のめくりができる《ボルバルザーク・エクス》が使えるのがポイントである。 とはいえ、環境を塗り替えるほどの強さはない様子。

【白単サザン】【サインシューゲイザー】【緑単サソリス】【赤単ヴァルブレア】【シータモルト】といったND対応の新しめのデッキと、 【ツヴァイ】【MRC】【白緑アガサ天門】【黒緑速攻】【ブリザード】などの古豪がぶつかり合っている。

【緑単サソリス】がADに登場した影響は大きい。 ADの安定デッキだった【ツヴァイ】【MRC】に対して、《豪勇者》のチャンプブロック防止効果がめちゃくちゃ刺さっている。 前前弾からいる【白単サザン】の《オリオティス》もそうだが、従来は問題なかった戦術が新カードによって少しずつ崩されつつある。

AD固有のデッキとして徐々に存在感が強くなっているのは、【エタトラ刃鬼】。 【サソリス】【モルトNEXT】の登場でますます単色デッキが多くなったことで、《調和と繁栄の罠》の耐久性能が高くなった。 紙の歴史と同じ流れである。

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【バルガライゾウ】はほぼ消滅した。 前環境から【モルト王】に立場を脅かされていたが、【モルトNEXT】の登場で完全にトドメを刺された。 【ライゾウ】が突然弱くなったというわけでもないのだが、使用者の層が被りがちなこともあって、すぐさま新しいデッキに取って代わられたようだ。

コラム:《モルトNEXT》の影響

本文でも書いたが、《モルトNEXT》はゲーム性を大きく変えた。 それなりに4ターン、安定して5ターン目に《モルトNEXT》が着地。 《ハートバーン》を出せば、カード1枚だけでジャスキルが組める。 《バトライ閣》を出せば、1ターン遅れるものの爆発的な踏み倒しができる。

このような相手を想定するならば、トリガーによる何らかの受けがほぼ必須。 といっても、《ハートバーン》ルートには《スパーク》が効きにくく、 その一方で《閣》の大量展開の前には1枚程度の除去トリガーでは意味がない。 結局、どんな状況でも信頼できるのは《クロック》のみである。

その上で、5-6ターンのうちにカウンターもしくは鉄壁の受けを成立させる必要がある。 環境を戦うための条件がかなり厳しくなったと言えるだろう。

モルトNEXT》は、新規ユーザーの獲得にも大きく貢献した。 24弾前期にあたるQED+カップでは、マスター到達プレイヤーが過去最高に達し、対戦レートもインフレを起こした。 新規層へのアプローチをどう続けるのか、デュエプレ運営の手腕が問われている。

参考

↓ 画像引用元

togetter.com

東方星蓮船 Lunatic 早苗A・早苗B クリア【攻略編】

はじめに

本記事は、星蓮船Lunaticのクリア目的の攻略記事である。 早苗B, 早苗Aでのクリアのために、自分が考察した内容をまとめた。

感想という名目の自分語りはこちらの記事に分けている。

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クリア&解説動画

記事の初っ端からで恐縮だが、早苗B・Aのそれぞれ初クリア時のリプレイ(+おまけ)を解説付きで動画化した。 特に早苗Aの方は、1箇所を除いて完璧にベントラーパターンをこなせている。 メインチャンネルはデュエプレの動画用なので、こちらはサブチャンネルにアップした。

youtu.be

ベントラーパターン

理想パターン

自分の理想ベントラーパターンは以下の通り。 全角スラッシュは中ボスがやってくるタイミング。

  • 1面:赤虹/赤緑 (→緑x2持ち越し)
  • 2面:緑緑/緑赤赤 (→赤持ち越し)
  • 3面:赤緑/緑緑緑 (→緑持ち越し)
  • 4面:緑虹緑(赤)/赤赤緑緑 (→緑持ち越し)
  • 5面:緑緑赤/赤緑赤 (持ち越しなし)
  • 6面:緑緑緑緑

※4面の(赤)は、アイテムを吸わせず破壊だけする。

2面後半から3面最初までの赤3つは、緑3つに置き換えることもできる。 もし赤を出す回数が増減してしまったら、6面の3個目のUFOで調整する。

UFOの出現回数は、赤:10.5回 緑:19回。 これにより、残機の欠片:21個 ボム:25個 が手に入る。

ボス・中ボスがくれる残機の欠片は、合計で9個。 さらに4面中ボスをノーノーで撃破すると、エクステンドアイテムがもらえる。

初期状態は残機2。残機1つにつきボムが2個ついてくる。

これらを全て合わせると、リソースの最大値は 11機・47ボム となる。 すなわち、ボムと被弾を合わせて最大58回のミスが許される。

このパターンは早苗A用。早苗Bでも理論上同じ動きが可能だが、早苗Aのほうが安定して完遂できるだろう。

パターン構築の理念

固定赤・緑および気まぐれベントラーを可能な限りムダにせず、リソースを最大限に取れるようなパターンを組んだ。 クリア目的なら、赤でも緑でも構わず全てをリソースに変換したいという発想である。

その上で、回収のためにハイリスクな動きをしなくて済むよう、接続の美しさを重視した。 ある程度被弾のリスクがある箇所では、ボムを併用しての回収でもOKとしている。

このパターンでは、捨ててしまっているベントラーは以下に挙げる分しかない。 今のところ、どれもリソースに変換するのは難しいと考えている。

  • 1面:中ボス前の向日葵妖精の気まぐれ
    • 序盤はベントラーの絶対数が少ないので、取っても仕方ない
  • 2面:序盤にボムを撃つと出てくる気まぐれ
    • 取ると無駄ボムになるので微妙
  • 4面:5面へ持ち越すベントラー1つ
    • 唯一詰め切れていない
  • 6面:妖精雨地帯の固定青4つ(の青UFO撃破からの気まぐれ)

出現・破壊による弾消しは、たまたまタイミングよくできるものを利用するという程度にとどめている。 弾消しのためだけにUFOを出す箇所は一つもない。 逆にそういう使い道を見出すなら、パターンにはまだまだ改良の余地がある。

各色のUFOについて

赤と緑

赤と緑、それぞれ1回のUFOで得られる実質的なリソースは以下のようになる。

  • 赤:0.5機 + 1ボム
  • 緑:1.33ボム

被弾をボム使用と同等の扱いにできるなら、赤の方が少し効率が良い。 残機に振ると、所有ボム数が1個以下の状態になりやすい。その結果抱え落ちのリスクが減り、気合避けをしやすくなる。 ただし、被弾での突破はパワーが1.0減少するので、その後のパワー供給量を考えておきたい。

一方、被弾後にもボムを強いられる場面に備えるなら、緑の方が良い。 Lunaticでは気合避け困難な超高難度の弾幕が待ち構えているので、ボムの価値は高い。 パワーも維持できるので、低難度に比べると緑も積極的に作って良い。

理念のところで述べたように、今回は赤緑問わず可能な限り多くのUFOを作るパターンを組んだ。 赤と緑のどちらを多く作るかはあまり意識していない。このパターンで簡単に調整できるのは、2面後半から3面最初までのUFO3つのみ。

青と虹

ベントラーをリソースに変えようとすると、固定青3つで青UFOを作って気まぐれを1つ出すしかない。 現実的なのは6面の妖精インベーダー地帯くらいで、それも早苗B専用のリカバリ向けといった印象。 基本はゴミなので、見つけ次第除去する。

虹UFOはほぼ作る意味がない。積極的に虹UFOを作る目的があるとすれば以下。

  1. 固定青と固定赤から、固定緑を作る(or 赤と緑が逆のパターン)
    • 4面前半。赤/緑ベントラーの総数が変わらないので、得はしない
  2. ベントラーの滞空時間を再チャージする
    • 望む色で取り直すのが手間なのでイマイチ。使ってない
  3. 弾消し
    • 4面前半。原則、赤/緑UFOでついでに狙うもの
  4. パワー補充
    • 1面前半。状況によって早苗Bの6面インベーダー地帯でも使うか

被弾しうる箇所

自分の実力で3割以上の確率で被弾すると思われる箇所、およびベントラーパターンのためにボムが必要な箇所をまとめた。 「飛空円盤」はボム耐性持ち最終スペルのため消費量が読みにくいが、とりあえず勝負ができる「1機0ボム」の状態で突入することを想定して3消費とした。 「o」はボムを節約できる可能性がある箇所、( )内は面ごとのその回数。

  • 1面:1 (1)
  • 2面:6 (2)
    • フォゴットンo、最後の陰陽玉、通常2o、パラソル、かさかさ、化鉄
  • 3面:7 (3)
    • 半陰陽玉o、中ボス通常o、後半陰陽玉、妖精地帯、クラーケン、フック、大目玉o
  • 4面・8 (3)
    • 中ボス直前o、後半ラッシュx3o、通常3、ヴォーテックス、停泊船、柄杓o
  • 5面・14 (5)
    • 前半ラッシュ、妖精3体、中ボス通常o、グレトレ、早回しo、ラッシュx2(※早苗Bは不要)、通常1o, 2、レイトレ、威光o、独鈷杵、コンプリx2o
  • 6面・15 (4)
    • 陰陽玉2波目、道中最後x2oo、通常2,3o,4, 吉兆、バタフライo, 銀河系、復誦x2, 白蓮、円盤x3~

以上、予測被弾箇所は合計、早苗Aで51個、早苗Bで49個となる。 上記で全てボムを撃った or 0ボム被弾したとしても、ミス余裕はあと7 or 9回ある。

さらに、節約の可能性があるのが18箇所。1箇所節約できれば、ミス余裕はさらに1つ増える。

上記以外で微妙に危ない箇所は以下の通り。節約状況によっては全然ボムって良いと言える。

  • ナズーリン通常1
  • ペンデュラムガード
  • 地獄突き
  • 一輪通常3
  • ムラサ通常2
  • 白蓮ボム後(早苗Aのみ)

予定外のリソース消費は、無駄ボムで-1, 上記箇所の抱え落ちで-2, 上記箇所以外で-3。 UFOを上手く作れなかった場合、およそ-1.5。 もちろん痛くはあるが、不意の抱え落ちも1-2回程度であれば立て直せることが分かる。

早苗Bと早苗Aの違い

各期待のメリット整理

早苗Bのメリット
  • ボムが超高火力
    • 活用箇所:コンプリ、復誦、白蓮
  • 拡散ショットの雑魚殲滅力が高い
    • 活用箇所:3面陰陽玉地帯、4・6面中ボス、5面道中ラスト、6面道中(リカバリ用)
  • 拡散ショットの炸裂が一部ボスに刺さる
    • 活用箇所:6面ボス、ペンデュラム

早苗Bは画面上にばらまける合計ダメージ量が非常に多い。 ボムも密着撃ち込みを合わせれば異常な火力が出る。 後半面に行くほど、そのパワフルさが活かされる。

弱点は正面火力の低さ。向日葵妖精やボスへの撃ち込みがかなり辛い。 序盤でしょうもない死に方をすることも多い。 常に最強の機体というわけではないことに注意。

早苗Aのメリット
  • ボムを併用したベントラーパターンの再現性が高い
    • 活用箇所:3面ラスト、4面道中後半など
  • 誘導ショットで雑魚の速攻が安定
    • 活用箇所:1面道中後半、4面陰陽玉地帯
  • ボム不使用時のボスが安定
    • 活用箇所:1,3,4面
  • 正面火力が程々に出る
    • 活用箇所:向日葵妖精

星蓮船ベントラーシステムと最も相性が良いのは早苗Aだと信じている。 腕次第で他の機体でも再現可能かもしれないが、安定性まで考えれば早苗Aが一番である。

誘導ショットで確実に状況を前に進められるのも、精神的に心強い。

弱点は、絶対的な火力の低さ。後半面でのボムの消費量および被弾リスクは、早苗Bに比べて顕著に大きい。 まあ多かれ少なかれ、どの機体もそうだと思うけど……。

早苗Aのボムは「飛空円盤」の弾消しが得意だが、そのメリットは早苗Bサブショットの6ボス特攻と相殺される程度だと考えている。

所感

1-4面の安定性は早苗Aの方が高い。 とりあえず5面くらいまで辿り着くところまでなら早苗Aに軍配が上がる。 ただ、5,6面では順当に苦労することになる。そこまでにいかにリソースを保持できているかが勝負。

5,6面の性能では早苗Bが大きく勝る。 星蓮船は5,6面の攻撃が苛烈だが、それに対抗するように早苗Bの特攻的性能も発揮される。 5,6面が練習不足、もしくはやや苦しい残機状態での突入になってしまっても、早苗Bのキャラパワーで強引に突破できることもあろう。 正面火力の低さで前半は結構しんどいものの、後半に辿り着くことができればヌルっとクリアできてしまうのが魅力。

早苗Bは序盤面でさっさと追い返されることが多いので、精神面や集中力へのダメージが少ない。 早苗Aは後半面で崩されるので、試行回数を稼ぐのが大変である。

総じて言うなら、やはり早苗Bの方がクリアに向いている。 早苗Aをかなり練習した自分でも、今からすぐにクリアしてくれと言われたら多分早苗Bを選ぶ。 ただ、早苗Aも固有の強さは持っている。早苗Bで苦労するところを楽に突破できたりするので、そこそこの強さがあると思う。

早苗Aの噛み合わなさ・霊夢Aとの比較?

誘導ショットの強みの一つは、パターンを組んでいなくてもそれなりに敵に対処できることである。 しかし、星蓮船Lunaticをクリアするためには綿密なパターン構築が必須。 パターン構築するのであれば、誘導ショットの必要性は下がる。 やるべきことと機体の特長が、根本からして噛み合っていない。

と言いつつ、パターン実行の簡単さでは勝負ができる。 感触を比較するためにちょろっと霊夢Aを使ってみたところ、序盤からかなり正確な動きが要求された。 道中の簡単さにおいては、言うまでもなく 早苗A>霊夢A である。

勝手ながら、自分にとっての霊夢Aと早苗Aのクリア難度は同じくらいなのではないかと予想している。 精密なパターン実行や正面を取っての撃ち込みが得意な実力者ほど、高火力ハイスタンダードかつ、他作品にも多く実装されている霊夢A(針巫女)を選ぶと思う。 それに対し、色々と雑な自分は早苗Aの方が向いている。 多少の思い入れ補正もあるかもしれないが、今のところはそんな印象である。

東方SSG

本気で攻略方法を調べていくうち、東方SSGという外部ツールの存在を知った。 SpoilerALというメモリ書き換えソフトに東方シリーズ用のプロファイルを読み込ませることで、原作には実装されていない便利な機能を実現できる。

東方SSG

SpoilerAL(スポイラーえ〜るっ!)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!

星蓮船用のSSGでめぼしいのは、疑似スペルプラクティス機能ステージ開始時のベントラー設定機能の2つである。

自分は、早苗Bの初クリアまでは利用を我慢し、早苗Aのクリアに向けた練習で大いに活用させていただいた。 初クリアを外部ツールに後押ししてもらうのは、なんだかズルい気がしたからである。 一方、使えば練習効率が大幅に上がるのは間違いない。 特に早苗Aはベントラーパターンをしっかり練習し、リソースを確実に稼げるようになることが機体の強みを活かすことになる。 そこでベントラー設定機能は非常に役立った。

利用の際は、ゲームをフォルダごとコピーしてSSG用のゲームデータを作った。 理由の一つは、万が一データがバグると困るから。 そしてもう一つ、スペル挑戦回数が本来ならありえない状態になるからである。 SSGの疑似スペルプラクティスで面後半のスペルを練習すると、そのスペルの挑戦回数だけが増えていく。 しかし、星蓮船のようにスペルプラクティスが無い作品では、面の後半に進むにつれて挑戦回数が少なくなければおかしい。 正常なスコアデータもちゃんと保持しておきたかったので、プレイ環境を分ける必要があった。

最近はこういう外部ツールの話になると、決まって使用を認めるか否かの倫理的な議論が発生する。 念のため自分の立場を示しておくと、これならば自己責任での使用は認められると思っている。 東方原作は1人用かつ完全オフラインのゲームなので、改造したデータが直接的に他人に害を及ぼすことは無い。 これを使ったプレイデータで実績詐欺を企むとなれば話は別だが、それもリプレイを提出させればほぼ成立しない。 個人の練習で使う分には特に問題が起きないだろう。 さらに恩恵もせいぜい「効率を良くする」という程度で、ゲーム単体で全く再現できないような類のものではない。 SSGによる練習をするか、していることを公表するか、どちらも各人の判断に任せるというのが落とし所だと思う。

そもそも、東方原作自体がかなりレトロかつマニアックなPCゲーである。 PCやネットに強い人、何でもアリな古い時代を知る人が多いはずなので、このあたりは良識的な対応を期待してよいのではないか。

さらに興味深いのが、現在SSGファイルが開発されているのが以下の5作だけという点である。 どうやらプレイヤー(というか開発者自身?)の需要を汲み取って作成されているらしい。 無いものは自分で作る姿勢、これこそ古のインターネット感があって大変よろしい。

  • Win版初期3作で人気のある紅妖永
  • 初期ベントラーの編集が渇望される星
  • 季節開放ゲージをいじるための天

ネット情報の真偽を問う

攻略情報を沢山調べて実践していく中で、自分の経験や感覚と異なる記述がいくつかあった。 その真偽について疑問を投げさせてほしい。

星蓮船はグッドエンディングよりバッドエンディングのほうが見るのが難しいと言われるが、もちろん冗談である。 これは星蓮船の鬼畜仕様「コンティニューするとたったの残機2で面の最初に戻される」を揶揄したジョークだろう。 6面を2-2から何度挑んでも越せないレベルのプレイヤーは、通しプレイの5面終了時にそれ以上のリソースを保持できないと思う。 ある程度の実力があるにしても、5面までを通しプレイして好条件を作る時間と気力があれば、6面2-2からの上振れ突破を狙うほうが早い。 もし本当にどうしても通しプレイでないと6面をクリアできないなら、わざと2面でコンティニューしてから進むという手がある(1面だとコンティニューでなくリセット扱いになる)。

超人「聖白蓮」の弾配置は完全パターンだの自機依存だのといった言説があるが、おそらくそうではない。 東方SSGも活用して調査した結果、何パターンか用意されている配置がランダムで選出されているらしいという結論に至った。

4面道中でどれだけ稼げるかが勝負、という言い方はあまり適切ではない。 道中後半、高密度の弾幕の中でUFOを多く作ろうとすると、結局ボムを複数吐くことになる。 何もせず3つも4つもUFOを作れるわけではないので、大幅に稼げるかと問われれば否である。 ボムを使いながらしっかりUFOを回し、収支をほんの少しプラスにできるよう頑張るというのが正しいと思う。

4面中ボスのエクステンドは、クリアの必要条件とまでは言えない。 当然取れれば大幅なアドバンテージになるのだが、仮に怖くてボムを撃ってしまったとしても、それはちょうど抱え落ち1回分の損でしかない。 他の箇所の出来が良ければ、なんとか取り返せる範囲である。

攻略Wikiには「高難度クリアでは50ボム以上のパターンを組みたい」とあるが、これは現実的でない。 自分で極力ベントラーを無駄にしないパターンを作ってみて、純粋なボム個数を50個以上にするのは困難だと感じた。 被弾を実質ボムとして数えているなら納得の行く数だが、多分そうではないと思う。 仮に50ボムを簡単に目指せたとしても、少なくともYouTubeに上がっているクリア動画は、そこまでのボムは稼いでいない。

ノーボム動画の解説によれば、独鈷杵は練習を重ねることで安定するらしい。……マジで言ってる?

操作・コントローラー

あまり記事や解説を見かけないが、ゲームパッドの事情も書いておく。

前提として、自分はパッド派である。 「ゲームはコントローラーでやるもの」という認識があったので、東方もPC用ゲームパッドを購入して始めた。 キーボードに比べるとちょん避けなどの入力精度が落ちるが、代わりに十字キーをぐりぐり押すことによってキモイ動きで駆け回れるのがメリットだと思っている。 全方位から弾が迫ってくるような攻撃は得意で、星蓮船では「伝説の飛空円盤」なんかがまさにそれである。

移動は十字キーがよい。東方は8方向入力なので、十字キーで必要十分である。 十字キーの精度が良く、なおかつ操作しやすいように左上にあるのが望ましい。

キーコンフィグは、指ごとに違う機能を担当させたい。 ダメな例を挙げるなら、Aボタンがショット・Bボタンがボムといったような配置で、これだとボムを撃つのが遅れかねないと思っている。 左手はなるべく移動に集中したいことから、今は全作品共通で次のような配置にしている。

  • ショット:天面
  • ボム:R1
  • 低速:R2
  • 固有アイテム使用:L1
    • 霊界トランス、アビリティカードなど

固有アイテムが重要な作品の場合、ショットをR1に回し、ボムと固有アイテムを天面に置くのも良いかもしれない。まだ試したことは無いが。

キーコンフィグの都合上、R1, R2ボタンがあることが条件となる。 R2がアナログトリガーのコントローラーも多いが、それだとダメ。 この条件を課すだけで、かなり候補が絞られる。

これらを満たすコントローラーとして自分が使っているのは、HORIの「ファイティングコマンダー for PlayStation4

hori.jp

購入したのは数年前。現在ネットショップを回った限り、既に生産停止となっているように見える。 後継の「ファイティングコマンダー OCTA PS5/4」は現行品のようだが、記事を書いている時点では極度の品薄状態だ。 HORIは昔から在庫管理が甘い。

と思ったら、つい先日に同型の「ファイティングコマンダー OCTA for Windows PC」のプレスリリースが出ていた。

hori.jp

今のコントローラーがお釈迦になったら、次はこれを買う可能性が高い。 一つ不安なのは「DirectInput対応のゲームには対応しておりません。」という記述。 古めの作品でも使えるだろうか。ゲーム側のオプションに「DirectInputを使用しない」が存在するので、使えると信じたい。 最悪JoyToKeyを噛ませばいいのだが、操作遅延が発生する可能性が1ミリでもある以上、あまり気は進まない。

ちなみに、最初はLogicoolのF310...の先代にあたる機種を使っていた。ネットで軽く検索してみたが、品番はわからなかった。 残念ながらF310でL2R2がトリガーになってしまったので、今は使えない。

gaming.logicool.co.jp

他メーカーの現行品で候補があるとすれば、エレコムのJC-GP30SBKか。 L2R2がメカニカルトリガー、要はボタンなので条件は満たしている。

www.elecom.co.jp

太古の昔には、CT-V9という一部で非常に評判の良かったコントローラーを購入したことがある(今も持っている)。 確かに作りはしっかりしていてボタンのレスポンスも良いのだが、LRボタンが1つずつしかついていないので、結局ほぼ使っていない。

gepachika.exblog.jp

コントローラーは消耗品なので、今も生産が続いている商品を使うのが良いだろう。

参考

starlotusship8.hatenablog.com

星蓮船Lunaticクリア重視の解説記事。クリア目線に立ってくれているおかげで、とても参考になった。 「マジックバタフライ」のパターンもこちらで学習。

youtu.be

星蓮船Lunatic早苗Bノーボムの解説動画。詳しいかつ見やすい動画で言えばこれが一番だと思う。 「忍び寄る柄杓」のパターンはここで学習。 「上手すぎて参考にならない」になる箇所もしばしば。

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↑ 早苗Bマジックバタフライ前避けの例。

そのほか、YouTube上でLunaticクリア動画を適当に探して漁っていた。

東方星蓮船 Lunatic 早苗A・早苗B クリア【背景・感想編】

成し遂げたぜ。

記事の最後に攻略記事と動画のリンクを載せている。

何これ?

東方星蓮船2009年発売の弾幕STGである。 その最高難度、Lunaticをようやくクリアすることが出来た。

東方シリーズと自分

自分は東方原作STGのファンである。

Win版東方原作の整数作品は、全作品・全機体でのNormalノーコンおよびExtraクリアをしている。 まあまあ遊んでいる方だとは思うが、高難度シューター・縛りプレイヤー・スコアラーといった上級者ではない。

恥ずかしながら、書籍や楽曲にはあまり詳しくない。 最近はソシャゲなどの展開も多いようだが、そちらはからっきし。 原作以外ではせいぜい、ちょっとMMD作品やイラストを漁るくらいである。

聖 白蓮

私は東方Projectシリーズの中で、 聖 白蓮 というキャラクターが大好きだ。 デザインがドンピシャなのはもちろんのこと、性格や生い立ちまで含めた全てが好きである。

最初に白蓮を知ったのは確か、ネット文化勉強のために東方のキャラ紹介動画を見たときだった。 該当する動画を発掘するのは困難を極めるだろうが、それでも鮮明に覚えているのは、各キャラが数行・1-2ページ分の紹介で終わっている中、 白蓮の紹介文だけが小さいフォントで3ページ分もびっしりと書かれていたことだ。 実際、基本的に能天気なキャラが多い東方シリーズの中で、彼女ほど複雑な背景を持つ者は珍しい。 その特異さとキャラクター性に惹かれた私は、すぐに白蓮含めた東方シリーズの情報を調べ、白蓮に帰依することとなった。

東方Projectには沢山の二次創作がある。人によっては、色々な人が作った様々なタイプの作品を鑑賞することで楽しみ、理解を深めるだろう。 しかし、自分が胸を張って白蓮が好きだと言うためには、そのゲームの原作をプレイしなければならないと思った。

東方の話を友人としていたところ、程なくして原作を熱烈に布教したがっていた友人から、Win版東方ナンバリング作品一通りを譲り受けることができた。*1 早速、白蓮が登場する「東方星蓮船」をプレイし始めた。

星蓮船・Normalクリアまで

STG未経験とはいえ、ゲームの心得はあるつもりだ。難易度は標準、Normalで行こう。 「イージーモードが許されるのは小学生までだよねー」という例の煽り文句に流されたという節もある。

多くの犠牲者を出したであろう元凶

機体は早苗A。 敵の出現パターンを知らない以上、誘導ショットが欲しかった。 完全ホーミングの霊夢Bよりは火力が出そうな説明だし、初心者はこれでいいはずだ(実際この判断は間違いではない)。

ラスボスの白蓮を倒してクリアできれば、ひとまずは合格と言えるだろう。 そんな気持ちでゲームを始めた。


東方原作を一通りプレイしたことのある方は、きっと画面の前でニヤニヤしていることだろう。

実は星蓮船は、Win版東方原作STGの中でも屈指の凶悪難度を誇る作品である。 Normalの難易度比較では最難関クラスとされるのが常だ。 その最たる理由はベントラー&UFOシステム。 簡単に説明すれば、「残機やボムを増やすためにすごくシビアな作業を要求される」という星蓮船固有のシステムである。 弾幕が難しいのはもちろんだが、これがとんでもない作業負荷をかけてくるのだ。

諸悪の根源

当然、STG初心者の自分は地獄を見ることになる。 攻略wikiを見れば、UFOの弾消しを上手く使って~などと抜かしている。 そんなんできれば苦労しないわ!!!と内心ブチギレていた。

さらに、星蓮船のゲーム外での鬼畜仕様が襲いかかる。

  • コンティニューすると2機で面の最初に戻される(たった2機ではゴリ押しも利かない)
  • ラクティスが開放されるのはその面を最後までクリアしたとき
  • スペルプラクティス*2が存在しない

これらのせいで、純粋な難易度が高くなってくる4面で一度大きく躓いた。 本編で越せなければ練習しようが無いので、毎日PCをつけっぱなしにして、ひたすらコンティニューを連打して突破を祈っていた。

やっとの思いで6面の白蓮に会えたかと思ったら、これまた超絶難度の弾幕が降り掛かってくる。 曲線レーザーの「スターメイルシュトロム」、密度がおかしい「エア巻物」、最後の圧力「フライングファンタスティカ」には大変お世話になった。 まさに修行である。

なんとか6面までをコンティニュークリアしたが、これでは完全なクリアとは言えない。 今度は1-6面の通しプレイとなる。 4,5,6面をそれぞれ2機でギリギリ突破できるところから、これらをまとめてノーコンでクリアできるところまで引き上げなければならない。 プラクティスで何度も死にまくりながら、攻撃パターンの暗記と弾避け技術の向上に勤しんだ。

3週間程度かかったような記憶があるが、苦しみ抜いた結果としてようやくノーコンティニューでのクリアを達成した。

よく言われることだが、昨今のゲーム難易度に比べれば、東方原作のNormalは全然"普通"じゃないし、Easyですら全く"簡単"ではない。 通しで30分くらいのゲームをクリアするのに、1ヶ月・数十時間も要するのはかなりタフである。 直近3作(虹・鬼・天)こそ難易度はやや低めだが、基本的には「昔のゲーム」の難しさである。

その後

せっかくSTG技術も上がったので、他の作品にも取り組み始めた。

他作品のNormalクリア、二度目の血反吐を吐く思いで達成した星蓮船Extraクリアなどを経て、最終的に全作品の全機体でNormal・Extraをクリアするまでになった。 永夜抄は単騎8人分、紺珠伝はレガシーモード、天空璋と鬼形獣は全機体×全装備の組み合わせでクリアした。 白蓮のための星蓮船クリアと同様、東方原作をそれなりにやっていると自負するためというのが動機である。

ちなみについ最近知ったのだが、妖永および輝以降の作品は、EasyのノーコンクリアでもExtraが開放されるらしい。 一律でNormalノーコンクリアが条件だと思っていたので驚いた。

Lunaticへの野望

自分は、プレイヤーで選択可能なゲームの難易度は、標準の状態でクリアできれば十分だと考えている。 しかし、東方星蓮船はそうではなかった。

東方シリーズは、高い難易度ではスペルカード名が変わり、場合によって弾幕の性質も変わる。 そして白蓮は、Lunatic限定のスペルを持っている。

超人「聖白蓮」である。

使用者の名前がそのままカード名になっているスペルは大変珍しい(というかこれだけだと思う)。 このスペルでは、白蓮自身がものすごい速度で移動しながら弾幕を設置する。 その速さは夢想封印を振り切るほどで、まさに超人的である。 このスペルこそ、人間を超えた、超えてしまった白蓮の本質であり、彼女を象徴するカードと言えるのではないか。 これを見ずして、命蓮寺に入門したなどと言えようか。

実は数年前、こういった動機から星蓮船Lunaticをコンティニューありでクリアしていた。 そのときは「聖白蓮」を拝めただけでも満足していたのだが、やってしまったからには当然、自分の中にイカれた願望が出てくる。

星蓮船Lunaticをノーコンクリアしたい。

その時はちょっと練習したものの、通しプレイの壁の高さを思い出してすぐに挫折した。 しかし、白蓮への信仰心がそれを完全に諦めることを許さなかった。 星蓮船Lunaticノーコンクリアは、自分の中の「人生でいつか達成できたらいいな」と思うことのリストに追加されていた。

今挑もうと思ったきっかけ

一ヶ月ほど前、久しぶりに東方原曲メドレーなどを聞こうかとYouTubeを漁っていたとき、関連動画でこんな動画が流れてきた。

youtu.be

大変力の入った編集で、他の動画も含めて懐かしさを覚えながら楽しく視聴していた。 その中の「Extra難易度ランキング動画」で、自分の心を揺さぶる解説が目に留まった。

「紺珠伝EXではHardからLunatic, それもどちらかといえばLunatic寄りの弾幕に見舞われる」

霊夢での紺珠伝Extraは下手なLunaticより難しい」

【東方原作】原作難易度ランキング -EXTRA編- (紅魔郷~虹龍洞)【ゆっくり解説】 - YouTube

……自分は全機体で全作品のExtraをクリアしている。当然、霊夢魔理沙で紺珠伝Exをクリアしたこともある。 今まで自分が星蓮船Lunaticを放置していた大きな理由は、「自分はNormalシューターだから」という、自身に付したカテゴライズだった。 Lunaticは、人間性能の高い一部のプレイヤーにしか許されない、天上の難易度だと決めつけていた。 しかし冷静になれば、自分のやりこみは一般的なノーマルシューターの域を超えている。 Lunaticシューターが紺珠伝Extraに対してあの評価をつけるのであれば、自分もLunaticの弾幕に挑戦できる実力を持っているのではないかと思えた。

一応証拠画像。

もちろん、星蓮船が難しい作品であることは今ならよく知っている。 が、そもそも自分のNormal初クリアは星蓮船だ。なら、Lunatic初クリアが星蓮船だっていいじゃないか。 運の良いことに、今は自分にとっても時間が取れる時期である。 そう考えて、初心に帰って苦行に挑むことを決意した。

Lunaticの攻略

本命は、自分が最初に使った早苗AでのLunaticノーコンクリアに定めた。 早苗Aには強い思い入れがある。 世間的には早苗Bや霊夢Aが評価されている中、あまり言及されない早苗Aのポテンシャルを自分で確かめたかった。 非強機体でクリアできれば、星蓮船をしっかりやり込んだと胸を張れる。

上がA、下がB。ゲーム内のスコア表示でそのように表記されている。

とはいえ、まずは上手い人たちが強いと評する機体で感触を探り、それがなぜ強いのかを理解したほうが良いだろう。 そこで一旦は早苗Bを使い、その後に早苗Aに取り組むことにした。 早苗Bに折れたときは気分転換に早苗Aを触り、やっぱりどっちでも難しいなと思いながら練習を続けた。

普段の自分はパターン化をあまりしないのだが、今回ばかりはベントラーパターンをしっかり組んだ。 理想パターンが再現できることを確かめ、6面フィニッシュまでの見通しを立てた。 あとは面ごとの精度を上げて接続するだけという段階までは、意外と早く辿り着くことができた。

こうなったらクリアは目前……かと思いきや、全くそんなことはなかった。 序盤の面ですら、パターンを完遂できずに死屍累々。もはや1面から、毎回どこかしらで被弾してしまう。 クリアが終わって記事を書いている今でも、毎回パターン通りに動ける自信はない。 1-6面ごとのプラクティスでは上手く行っても、通しプレイはなかなか上手くいかなかった。

普通にムズい。

一方で、ミスを許容しつつ4面くらいまで来れれば、結構先の方まで進めることが分かった。 そこで、意外と1面が難しいのではないかという結論に至る。 最終的に自分が辿り着いた境地は、「避けられないと思ったら1面からボムる」だった。

そうこうしているうちに、運良く早苗Bで4機残して6面に到達。 パターン弾幕の「マジックバタフライ」で抱え落ちをしたものの、サクッとクリアできてしまった。

めでたく本命の早苗Aの練習に移行したわけだが、これにはかなり手こずった。 早苗Bでのクリアは、前半を運良く少ないミスで乗り越え、後半は5,6面に特攻的な早苗Bの機体性能がなんとかしてくれた形である。 一方、早苗Aは前半こそ安定するものの後半で順当に潰されるため、なかなか最後まで辿り着けなかった。

目標達成の見通しが怪しくなってきたので、ここで改めて、自分のベントラーパターンで稼げるリソースと、被弾しうる箇所を数え上げた。 すると、被弾しうる箇所全てにボムを撃ってもなお、少しリソースが余ることが分かった。 早苗Aは厳密な動きをしなくてもパターンを再現できるユルさが売りなので、その計画に忠実にプレイすることにした。

ほどなくして、少しの上振れがありつつ6面に5機残した状態で到達。 安全に残機とボムを使い切るプレイで、早苗Aでもクリアすることができた。


Lunaticノーコンクリアを思い立ったのが2024/2/23。早苗Bでのクリアが3/10。そして、早苗Aでのクリアが3/23。 目標達成には、ちょうど1ヶ月の時間を要したことになる。 正確な総プレイ時間は不明だが、50-60時間くらいだろうか。

詳しい考察と攻略の内容は、別立ての攻略記事とプレイ動画にまとめた(記事最後のリンク)。

星蓮船Lunaticの難易度

クリア後に調べて分かったことだが、クリア目的でのLunatic難易度比較の場合、星蓮船Lunaticはぶっちぎりで一番難しいようだ。 Normalでこそ地霊殿や紺珠伝が比較対象に上がってくるが、Lunaticでは誰の評価を見ても星蓮船がトップに置かれている。

俺と東方+俺的東方難易度比較 - 東方

地底の夜桜|東方難易度考察

東方Project原作STG作品別難易度評価 | 気合避け派シューターの東方原作難易度評価

ちなみにLunaticノーミスやノーボムのような縛りプレイだと、 絶対的なリソースが少ないかつ基本仕様が超不親切な紅魔郷、 完全無欠モードや稼ぎを前提とした弾幕難易度となっている紺珠伝の2つが、さらに上に来るようだ。 これらには大いに納得だが、それでも3番手には星蓮船が来るというのだから、純粋な弾幕難度でも上位に位置することが分かる。

東方LNM巡りした所感を難易度比較しながら書き連ねる記事|枝豆

東工プロジェクト公式ブログ 東方整数作品Lunaticノーボムまとめ

実は自分の認識では、星蓮船Lunaticクリアは「最難関クラス」程度の認識だった。 実態は難関の中でも頭一つ抜けて難しかったわけだが、これは始める前に知らなくて正解だったと思う。 もしこれらの記述を見つけていたら、怯んで挑戦を諦めていたかもしれない。

東方原作のゲーム性

出典を忘れてしまったが、STGというゲームジャンルの中で東方原作を見た場合の特徴は、

「クセの強い弾幕を、残機・ボムの多さと固有システムで乗り越える」

ということらしい。

今回のクリアでも、後半面はボスの攻撃の大半をボムを使って突破している。 クリアは全ての弾幕を相手にできることを意味しないわけだが、これが「東方を攻略する」ということなのだろう。

星蓮船ベントラーパターンさえ実行できれば、手に入るリソースはシリーズ中でも多い方である。 パターン構築とその練習が面倒なのは事実だが、逆にそれさえなんとかすれば、一般人でも攻略できる。

デュエプレとのバランス

挑戦期間中、デュエプレの動画投稿をかなりサボった。 自宅でPCを使える時間は、全て星蓮船に割きたかった。 当然練習の集中力が切れることもあったが、そのときはクリア動画や東方関連の動画を見ていた。 動画編集を始めてしまうと、デュエプレ熱が再発して星蓮船が疎かになるおそれがあったからだ。 期間中に投稿したのは、タイミングを逃すと価値がなくなるマスター到達動画およびその派生と、対談配信のお相手を紹介するためのデッキだけである。

一方、移動時間などにスマホでできるデュエプレは続けていた。 動画投稿を止めるということは、一つのデッキを使い続けても良いということである。 そこで、ゴミカス最低傑作《デッドマン THE=END》でのマスターを目指したという経緯がある。 結果として、《THEEND》のマスターの方がだいぶ先になった。

Twitterアカウントの方でゲーム名を伏せていたのは、あのアカウントはデュエプレのことだけを喋るアカウントにしたいと思っていたからである。 かといって東方用の別アカウントがあるわけでも無いので、溜まった思いをこうしてブログに吐き出すことにした。

クリア解説動画の方は悩んだが、YouTubeの検索で誰でも見つけられるのが望ましいと考え、普通に公開することにした。 しかしメインチャンネルはデュエプレの動画だけを上げたいので、サブチャンネルを作った。

感想とこれから

長年の目標を達成できてとても満足している。ゲーム関連では唯一と言っていい未練だったので、消化できてホッとした。 初Lunaticに星蓮船を選ぶのは確かにオススメできないが、自分のように強いモチベーションがあれば不可能ではないと言っておく。

今のところ、他作品のLunaticやHardに手を出す予定はない。 白蓮ほどに熱意を捧げたいキャラクターは他にいないし、高難易度への挑戦はもうお腹いっぱいだ。 ただ、東方へのモチベーションはもう少しの間持続しそうである。

もしなにかやるとすれば、あまり手を付けていない小数点作品になると思う。 とりあえず古い順に、文花帖ダブルスポイラーあたりからだろうか。 実は花映塚もあまりちゃんとやっていない。最新作の獣王園は買ってすらいないので、このあたりも余裕ができたらチャレンジしたい。

関連記事・動画

攻略記事

mikegamo.hatenablog.com

プレイ動画

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*1:確か当時は神霊廟が最新作だった。輝針城以降は毎回自分で購入している

*2:特定の攻撃だけを繰り返し練習できるモード

イメンオオザワ feat.ジエンド【デュエプレ】【マスター】【DMPP-24】

デッキレシピ

24/3/6, モルトNEXTカップNDマスター。

合計160戦ほど。長引く試合があるのでキツかった。 オオザワはかなり出すけど、ジエンドはそんなに出さない。

きっかけ

《龍覇龍 デッドマン=THE END》

ゴミ。

皆さんご存知のように、全てのスペックがカス。

  • 雑魚ポイント列挙
    • 5色カードゆえマナを生まない。当然召喚にも5色必要
    • 生贄はドラゴン・ドラグナー・ドラグハートに限定
    • その割に見境なく味方の全カードを破壊する
    • 生贄に加えて自身の進化元も必要
    • 《オール・オーバー・ザ・ワールド》を揃えると自身が場に残らない
    • 進化8-8000というシンプルに弱すぎるスタッツ

24弾に支援カードらしきものは《母なる星域》のみ。 しかしながらジエンド自身が5cなので、マナに置いて出す行為は噛み合いが最悪。

ただ弱いだけにとどまらず、付属の龍魂シリーズのために生成を強いられるわ、実装初期はバグだらけでマトモに使えないわで、尽くプレイヤーを苛つかせてきた。

紛れもなくデュエプレ史上最低傑作である。

《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》

しょっぱすぎる最終兵器。

ジエンドが弱い理由の4割くらいはコイツに原因がある。

自分の場や手札も飛ばすため、そのターン中に勝つことができない。 タップ中しか除去耐性を持たないので、すぐに相手の盾を殴りに行かなければならない。 手札が自分0枚・相手5枚になるので、「逆レディオローゼス」と呼ばれることがあるとかないとか。 そしてマナとシールドには触らないので、しばしば逆転負けを起こす。

「5マナドラグナーを計5回出す」「指定カードを大量展開してジエンドを出す」といった大掛かりな準備には到底見合わない。 これのどこが傑作なのだろうか。

龍解時の画質がガビガビ。


ここまで不遇だと逆に使ってみたくなるのがクソデッカーというもの。 「ジエンドでオオザワを出す」コンセプトでマスターランクを目指す、というのが今回の目標だった。 必須パーツが最近のカードに固まっているため、ND環境での構築を目指す。

構築解説

《邪帝斧 ボアロアックス》

ジエンドの生贄を用意するのに最も効率が良いカードは、《ボアロアックス》である。 ボアロアックスから《マリニャン》で龍魂を出すことで、一気に4枚分の準備が進む。

加えて、デュエプレでは《ボアロパゴス》の龍解条件に、場のドラグハートのコストを含むようになった。 「極真龍魂」の仕様により、合体した龍魂でボアロパゴスのコストを稼ぐことができる。

したがって、ボアロアックス基盤でオオザワを狙い、サブプランとして《ヴェロキボアロス》も狙えるようなデッキに仕上げたい。 ちょうど良いことに、龍魂を1枚でも出せばボアロパゴスとの合計コストが10になる。 ボアロパゴスになるための20コストと合わせて、スムーズにヴェロキボアロスになれるという計算である。 最悪オオザワがどうしようもなく弱かったとしても、ヴェロキボアロスのスペックがあればそれなりには戦えるだろうという目算でコンセプトを固めた。

ちなみに実装初期の段階では、極真龍魂のコストがボアロパゴスの条件に計上されない不具合があった。 そのせいでこのデッキをランクマで研究するのが遅れてしまった。本当にナメている。 公式放送でも同じ組み合わせのアイデアを公開したクセに、気付かなかったとでも言うつもりなのだろうか。

「龍解」がさらにスゴくなる!その名も・・・「スーパー龍解」!!【デュエプレ研究所#62】【公式ミニ番組】 - YouTube

《龍覇 イメン=ブーゴ》

ボアロを使うなら、《サソリス》か《イメン=ブーゴ》になる。 コスト的には《サソリス》がお得だが、龍魂を沢山出すには緑ドラグナーの《マリニャン》だけでは足りない。 他文明の5コストドラグナーにもアクセスできるよう、今回はイメンにお世話になることにした。 マナ染色により、ジエンドを召喚する5色を確保してくれるのもありがたい。

5枚目として《サソリス》も積んである。使うことはあるものの、必須ではないという印象。

ジエンドは1枚

イメンを使うとなるとマナブーストは必須。 その過程で5cのジエンドが落ちれば、マナカーブが刻めなくなってゲームプランが崩壊する。 1/40で事故が起きるというだけでも胸が痛むというのに、1/20などとても許容できない。 もちろん手札に2枚集まって来た場合も即赤ボタン案件である。

大変心苦しいがジエンドは1枚だけとし、都合よく出せれば良いという精神で戦うことにした。

5コストドラグナー

5コストドラグナーは、限界の8枚まで積んだ。 オオザワ龍解のためには、5コストドラグナーを計5回も場に出さなければならない。 ジエンドを1枚にした手前、この枚数を削る訳にはいくまい。 後述のエリカッチュとの連携も考えて、最大枚数を確保している。

サイドカラーは青

サイドカラーの候補は、一番が青で、次点が白。今回は無難に青を選択した。 青のメリットはやはり《吸い込む》。このデッキでは、オオザワ以外で直接盤面に触る唯一の手段であり、かつオオザワ龍解後のトップで引いても腐らないという役割がある。 トリガー系8枚に、《トンプウ》を4枚積めば、2色目としての青は十分な枚数が確保できる。

《歌姫の面 エリカッチュ》

ここで改めてコンセプトを見直すと、5マナドラグナー&龍魂で1アドを取るだけでは出力不足だということに悩まされる。 オオザワへのカウントダウンを刻んでいるとは言え、普通の【イメン】であれば《プロメテウス》で2アド取れるところが1アドになるのは耐えられない。

そこで今回は《エリカッチュ》を採用することで、ドラグハートを複数展開するギミックの長所を伸ばすことにした。 このサイクルでは、ドローの《ブルーマイティ》、フリーズの《ラーブラショク》も優秀ではある。 しかしエリカッチュは以下に示すような色々な利点により、他2枚よりも優先度が1つ高い。

  • ボアロが削ってしまうマナを補充できる
  • 伸ばしたマナはオオザワではリセットされない
  • 《トレジャー・マップ》に引っかかる
  • ボアロパゴスで出せる
  • 過剰なブーストにより1枚くらいジエンドが落ちても大丈夫

エリカッチュ4積みは腐りそうにも思えるが、「エリカエリカ&イメン&5マナドラグナー」でちょうど20コストになるので、2枚目も思ったほどは腐らない。

《音感の精霊龍 エメラルーダ》

一般的な【イメン】にも3枚ほど積まれている定番カード。 そこでは《デッド=ブラッキオ》のSバック誘発要員という役割もある。

一方このデッキでは、オオザワでリセットを掛ける前に、オオザワがふっとばさないシールドを稼いでおくという役割がある。 《スーパーエメラル》ではシールドの枚数を増やすことができないので、色バランスが悪くても《エメラルーダ》のほうが良い。

《深海の伝道師 アトランティス

途中で重要性に気付いて追加した。 最初は《クロック》4枚だったのが、最終的に1-3になった。

ヴェロキボアロス龍解後に《ジャスミン》召喚などでマナから出てきてもらい、盤面を空けるのが仕事。 その後、ドラグナーを出し直して龍魂のカウントを進めていく。

ジエンドからオオザワを出すと味方の場が2回も爆撃されるので、ヴェロキボアロスが出ていても一気に解体されてしまう。 一方、アトランティスを絡めながらドラグナーだけでオオザワを組み立てれば、自爆は1回で済む。 龍回避でボアロパゴスが残り、次のターンにはオオザワのコストを参照してすぐにヴェロキへと再龍解できる。 こうすれば、逆レディオローゼスの後もトップの強弱に関係なく押し切れるだろう。

アトランティスを採用したことにより、ジエンドの役割はいっそう限定的になった。それのおかげで勝率が上がったのは言うまでもない。

なお、クロックも1枚だけ残してある。 ご都合感が強い構成だが、1枚入れておくことでエメラルーダ回りのプレイングが大きく変わってくる。 アトランティスで場のクロックを回収し、エメラルーダで仕込み直す動きも強力である。

《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》

【イメン】【シューゲイザー】の定番カード。 お試しで入れたらあまりにも強かったので、1枚は入れておきたいと思っている。 ホワイティと組み合わせるとタップキルができるのも強力。

しかしこのデッキでは、5コストドラグナーから《レッドゥル》を出すことでもSA生成が狙える。 役割が重複するので、多く積むのはよろしくない。

マナに1枚あれば何度も使い回せるので、1枚目の効用が最も高い。 エリカッチュのブースト連打やマップ・吸い込むでデッキを掘れることも考えて、今回は1枚のみの採用としている。 色も欲しいし、隙あれば2枚目を入れたいとは思っているのだが、スペースが見当たらない。

《マップ》《ジャスミン》《ライフ》

イメンを持ってこれないとゲームにならないので、マップは4確。 エリカッチュやマリニャンに加え、ヴェロキ龍解後のジャスミンを持ってくるのにも役に立つ。 ちなみにジエンドを持ってきたことは無い。

初動ブーストは2コストのものを合計7枚。 元は8積みだったが、1枚をトリガー枠に譲った。

普通のデッキならライフを優先して積むところだが、 【イメン】においてはボアロパゴスを誘発できるジャスミンのほうが有用。 ここはガチ仕様の【イメン】のレシピを見て勉強した。

検討したカード

《飛散する斧 プロメテウス》

【イメン】御用達のカード。 アドを稼ぎつつ、安定感とプレイング幅を補強してくれる。 色もちょうどよいので可能なら採用したかった。

しかし、今回は5コストドラグナーたちに枠を取られすぎたため不採用。 エリカッチュを思い切って4枚積んだことで、デッキコンセプトがドラグナーに大きく傾いた。

マナのカードはボアロ系列である程度触れる一方、 マナのクロックを拾ってエメラルーダで仕込んだり、 うっかりマナ落ちしたイメンや吸い込むなどを回収したりといった動きもあるので悩ましい。

《界王類邪帝目 ザ=デッドブラッキオ》

持ってなかったので2枚作った。

普通の【イメン】なら3枚ほど入っている。 今回はデイガ3色の枚数が少なすぎるため不採用。 ジエンドがマナに落ちてしまってもデッドブラッキオの条件が満たせる……という屁理屈があるにはあるが、 どうせジエンドも1積みなので絵空事である。

モルトNEXT】に勝ちたいなら検討してもいいのかも。

《青銅》《オチャッピィ》

《青銅》《オチャ》なら、 3+5+7+5 でスムーズにボアロパゴス龍解が狙える。 一方で今回の構成ではエリカッチュと吸い込むに繋ぎたいので、2→4の動きを意識している。 もっと強気に言うなら、エリカッチュを青銅で完全に代用するのであれば、このデッキである意味が無い。 今の環境には遅いデッキも多いのと、イメンSA化プランによる挽回もあるので、最悪4tエリカッチュ始動でも良いと割り切っている。

《母なる星域》

ジエンドを引っ張り出すための呪文。 汎用性が低いため不採用。

実際、NDだと他に出す進化クリーチャーがあまりない。 強いて言うなら、普通の【イメン】にも採用が見られる《アルファリオン》。 そう考えて星域&アルファリオンタイプもそれなりに回したが、エメラルーダが2枚しか無いためか、ほとんど進化できなかった。

他には面を空けるという使い方もあるが、その目的はアトランティスでカバーしているとみなす。

プレイ方針

ゲームプラン

自分からゲームメイクする場合、大まかに以下の3つのプランがある。

  1. 小型でちまちま殴り、イメンをSAにして押し切る
  2. ヴェロキ龍解直後、場にある十分な打点で速やかに殴る
  3. ボアロパゴス(できればヴェロキまで)へ龍解し、グダグダやりながらオオザワの完成を目指す

3が本命だが、相手デッキのゲームレンジや回りの良さを見ながら、1や2を試しに行く。 1から2、2から3へのプラン移行もできるので、柔軟にプレイする。

ボアロパゴスの龍解

ボアロパゴスの代表的な龍解パターンは以下。

  1. エリカッチュ → トンプウ → イメン + 5コスト
  2. エリカッチュ → エリカッチュ → イメン + 5コスト
  3. 場に1体 → イメン + トンプウレッドゥル、イメンが殴って5コスト

テンポよく展開できなくても、3番目のルートで遅れを取り戻せる。 WBでトリガーを踏むリスクはあるが、通ってしまえば後でオオザワで割らなければならない盾の数が減って儲けもの。 基本的には殴ってでもパゴスの龍解条件を満たしに行った方がいい。

ヴェロキ龍解後のプレイ

理想ルートでヴェロキが龍解した場合、以下のように場が6面埋まっている。

  • エリカ - マリニャン - イメン - ヴェロキ - マリニャン - 龍魂

この時に取れる行動は以下の通り。

  1. ジャスミンからアトランティスを出し、オオザワルートに入る
  2. ヴェロキで殴りに行く
  3. ヴェロキのATでアトランティスかジエンドを出す

理想は1。可能ならジャスミン、それを探せるマップや吸い込むを持っておきたい。 とはいえ都合よくジャスミンを出せるとは限らないので、心積もりとしては2で直接勝ちに行くことを目指す。 ヴェロキが龍解したということは、すなわち既に十分打点が揃っているということである。

1の場合、アトランティスは基本的にヴェロキを場に残す。 召喚&発射を1-2セット、加えてヴェロキのATでドラグナーを出すことができる。 可能なら途中にエメラルーダを出し、自身の効果で戻ってきたアトランティスをシールドに仕込む(持っているならクロックでもよい)。 理想のパターンは、「場にオオザワとボアロパゴス(ヴェロキから龍回避)、盾にアトランティス」という状況で攻め込むことである。

先述の通り、3でジエンドを出してしまうと、ボアロパゴスを場に残すことが出来ない。 1が狙えるなら1のほうが良い。

細かいプレイング・小ネタ

マリニャンとトンプウが両方出せる状況では、必ずトンプウを優先して出す。 マリニャンはマナに置き、イメンがいない場合でもボアロパゴスから出せるようにしておく。

5マナドラグナーは、可能ならグリーネ以外の龍魂を出す。 ボアロパゴス建築以降のイメンがグリーネしか出せないため。 もちろん、エリカッチュがいない時に 5→7 でイメンを狙う時は、惜しみなくグリーネを出す。

ボアロパゴス下でのトリガーアトランティスから、マナのマリニャン&ホワイティを出すことにより、相手が場に残した1体をフリーズさせて確実に生き残ることができる。 5以下で防御性能を持つ緑クリーチャーを採用できているのは、普通の【イメン】に勝るポイントである。

ボアロパゴス下でのトリガーアトランティスでは、エリカッチュを場に残す。 その後のドラグナー展開でブーストできると美味しい。

オオザワの龍解が近づいてきたら、龍解後にトップで引きたくないカードをマナに置くよう意識する。 ライフ、ジエンド、エリカッチュなど。 そういう意味ではジャスミンもマナに置きたいカードなのだが、組み立てやアトランティス呼び出しのために仕方なく使うことが多い。 同じ理由で、トップから引きたいカードはパゴスやヴェロキでマナから引きずり出す。

《ブラックロ》はクソザコ扱いされているが、相手の手札が1-2枚になったときに出すと微妙に効く。 でもしばしば《永遠リュウ》が出てくる(5敗以上)。 オオザワ龍解直前に《キューブリック》を捨てられると、龍解直後のオオザワがバウンスされる(1敗)。

対面所感

(ゲームプラン再掲)

  1. 小型でちまちま殴り、イメンをSAにして押し切る
  2. ヴェロキ龍解直後、場にある十分な打点で速やかに殴る
  3. ボアロパゴス(できればヴェロキまで)へ龍解し、グダグダやりながらオオザワの完成を目指す

3:オオザワを狙う相手

【サインシューゲイザー】【白単天門】が典型例。【黒単ヘルボロフ】も一応該当。 ここに当てはまるデッキは微有利だと思い込んでプレイする(【黒単】はキツめ)。 ただし試合時間はクソ長くなるのでめんどくさい。

【シュゲ】【黒単】にはオオザワの墓地リセットが有効。 《サイン》《デスゲート》などのトリガーもほぼ無効化できるので、仕込まれた位置は龍解後に割る。

【シュゲ】は龍解後のシュゲキリューによる即席打点、【白単天門】は《ヴァルハラ・グランデ》に要注意。 これらのリスクを下げるため、事前に盾をいくらか割っておくとよい。

なお、どちらも《エバーラスト》を立てられると、オオザワのリセットが効きにくくなる。 こちらの直接的な対処方法はホワイティ+キリューくらいしかないので、龍解されないように頑張る&お祈り。

【黒単】は粘る手段が《ホネンビー》連打くらいで、他に比べるとマシ。無理に事前に割らなくても良い。 軽量ハンデスを警戒して2コストブーストは撃たない。エリカッチュやトンプウから入り、確実にイメンをプレイする。

2:ヴェロキで殴りに行く相手

モルトNEXT】【5c】【イメン】などが該当。 殴るとすぐに爆発しうる相手たちである。

モルトNEXT】は普通に不利。 面を処理してくる《ミツルギブースト》が地味にキツい。 相手が事故るのを祈りつつ、十分打点を形成して殴る。 《NEXT》を積んでいない【ジャックポット】も同じような印象。

【5c】【イメン】は《デッドブラッキオ》を構えている可能性があるため、迂闊にイメンで殴れない。 手持ちのリソースでボアロパゴス、可能ならヴェロキへの龍解を狙う。 ただし場合によって(相手が事故っていてデブラのSSB条件を満たせないとき)、1のビートプランで勝ってしまうこともある。 ホワイティとブラックロが普通の【イメン】と違う要素なので、相手の警戒が薄そうならこれらを活用してみるといいかも。

1:龍解を狙わずビートする相手

【ターボ刃鬼】【青緑チュレンゼニス】【シャングリラ】などが該当する。

相手の準備が整う前に殴り切るのがベストな対面である。 正直とどめを急ぐしかないので、あまり語ることも無い。 こういうデッキが増えてきた場合、キリューを増量して イメン+マリニャンレッドゥル+キリュー での即席4打点を組みやすいようにするべき。

相手にゲームメイクされる場合

赤単速攻】【緑単サソリス】【白単サザン】が該当する。 基本的に相手が先に殴ってきて、それに対処できるかどうかの勝負。

【赤単】は《赤マグナム》が厄介。もし殴ってくれたら、マリニャンレッドゥルで殴り返すことはできる。

【緑単】【白単】はほとんどマッチングしていないのでわからない。原則勝てない。

おまけ:『白緑ネンドジエンド』

イメン型を断念した場合、こちらを使うつもりだった。 《ネバーエンド》の除去耐性でオオザワの味方除去を耐え、そのターン中にダイレクトアタックを狙うという意図である。 対人で回したことはないが、おそらくネンドが強すぎてそのまま勝ってしまう。 だからこそ、いざというときの非常手段として残しておいた。

自慢話

信じてもらえないかもしれないが、一つだけ自慢させてほしい。

絶対にブーストが成功して欲しい場面でジエンドが落ちたことは一度も無かった。

要するに、初動の2コストブースト、トリガーライフで動きが広がりうるとき、イメン狙いのマリニャングリーネなどでジエンドが落ちたことは無かった。 一応例えば、4エリカッチュ→5マリニャン と繋ぐ時は最悪ジエンドが落ちても良いのだが、記憶が正しければそれすらも無かったと思う。 ジエンドを1積みにしたのが功を奏したと言えるが、それにしても160試合やってただの1回もなかったのは奇跡である。

おわりに

ここまで記事を読んだ方の中に、ジエンドに関するプレイングがほとんど書かれていないことを疑問に思った人がいるかもしれない。 それは、基本的にジエンドがご都合カードだったからである。

このデッキにおいてのジエンドは、ヴェロキアトランティスによる「じっくりオオザワプラン」が取れない時に、偶然手札に持っていたら出せるというだけの役割しか無い。 5色かつ8マナ揃っていて、盤面数も十分であるという条件はなかなか満たせるものではなかった。 ジエンドを出せる状態ではあるものの、オオザワ龍解のためには盤面が1体足りなかったり、 ただ進化速攻で打点を増やしたいのに破壊が強制なせいでそれもままならなかったりといった、惜しい場面もしばしば見受けられた。

ジエンドを使うことはあったものの、ジエンドを使いこなして戦ったとは言えない。 今の自分にできるのは、これが精一杯である。

何が言いたいかというと、

さっさとアッパーしろ。

【まとめ】デュエプレの細かいルール・仕様

最終更新:2024/2/4

はじめに

この記事では、デュエプレの細かい仕様を詳しく解説する。 説明するのは主に、処理や仕様の原則である。 挙動そのもの、もしくはその解釈に間違いがある場合、コメントにて指摘してほしい。

手札・バトルゾーンの上限

バトルゾーンに出せるカードの上限数は7枚 カード数が上限に達しているときは、通常の召喚やジェネレート等の操作が受け付けられない。 無理矢理何らかの効果でカードをバトルゾーンに出そうとすると、カードは直接墓地に置かれる。

手札の上限枚数は10枚 手札枚数が上限に達しているときにカードが手札に加わると、そのカードは直接墓地に置かれる。

上限超過するの際の処理は、本来の動作の扱いにはならない。 「召喚」「場に出た」「カードを引いた」「墓地に置かれた」といった行動に誘発する処理は、どれも誘発しない。

ランダムと探索

「ランダムに」と書かれているカードは、対象ゾーンにあるカード1枚1枚を参照して、等しい確率で抽選される。

ランダム性のある効果は、全ての選択肢が等しい確率で抽選される(と考えられる)。

「探索」は、対象ゾーンに存在するカード種類数を参照して、等しい確率で抽選される。

(クリックで詳細) 例:

山札内のクリーチャーが

  • 《ラ・ウラ・ギガ》x1
  • 《青銅の鎧》x1
  • 《進化の化身》x1
  • 《二角の超人》x3

であるときに、《聖獣王ペガサス》のランダム踏み倒し効果を使うと、 《二角の超人》が出てくる確率は1/2(6枚中3枚)。

例:

  • 黒神龍ガルバロス》の各効果が選ばれる確率は、どれも1/6。
  • 《緑神龍ハルクーンベルガ》のブーストが成功する確率は、1/2。

例:

山札内のクリーチャーが

  • 《ラ・ウラ・ギガ》x1
  • 《青銅の鎧》x1
  • 《進化の化身》x1
  • 《二角の超人》x3

であるときに《ディメンジョン・ゲート》を唱えると、 《二角の超人》が探索にヒットする確率は3/4。(4種類のうち3種が探索にヒット)

S・トリガー、S・バック

S・トリガーとS・バックは、手札が上限枚数に達していても発動できる。

S・トリガー効果自体の効果処理は、以下の範囲である。

  • クリーチャーのS・トリガーは、そのクリーチャーを召喚するところまで
  • 呪文のS・トリガーは、その呪文の効果を解決するところまで

複数のS・トリガーを同時に発動した場合、順番にS・トリガー効果を解決し、その後、それによって誘発される効果を解決する。

S・トリガーとS・バックを同時に使う場合の処理順は以下の通り。

  1. 発動するSトリガーを選択する
  2. 手札のSバックを使うか否か、どのシールドを捨てるかを選択する
    • 発動するトリガーカードはSバックの捨て札に選べない
  3. Sトリガー能力を処理する
  4. Sバック能力を処理する
  5. ここまでに誘発された効果を処理する

(クリックで詳細) 例:

Wブレイクされたシールドが、 《アポカリプス・デイ》と《アクア・ハルク》だった。

バトルゾーンにクリーチャーがちょうど5体いる場合、 《ハルク》→《アポカリ》の順で発動すれば、 《ハルク》召喚で場を6体にして、続く《アポカリ》の効果を発動できる。 その後、《ハルク》の効果解決でカードを1枚引く。

バトルゾーンにクリーチャーが6体以上いる場合、 《アポカリ》→《ハルク》の順で発動すれば、 《アポカリ》で全破壊した後に《ハルク》を出すことが出来る。 その後、《ハルク》の効果解決でカードを1枚引く。

例:

自分の《聖帝エルサル・バルティス》でシールドをブレイクしたら、相手がトリガーで《アクア・サーファー》を出してきた。 この場合の処理は、

  1. 《サーファー》S・トリガー効果で召喚
  2. 《バルティス》効果処理
  3. 《サーファー》効果処理

となる。

効果の対象

バトルゾーンのクリーチャーを対象に取る効果は、 その効果が発動した時点でバトルゾーンにあるクリーチャーにのみ有効である。

一方、プレイヤーを対象に取る効果は、 その効果が発動した時にいなかったクリーチャーに対しても有効である。

(クリックで詳細) 例:

《レジェンド・アタッカー》を唱えた後に召喚したクリーチャーには、 《レジェンド・アタッカー》の効果は適用されない。

例:

自分が《調和と繁栄の罠》で火文明を選択した。 相手が次のターンに《解体屋ピーカプ》を新たに召喚しても、《ピーカプ》は自分を攻撃できない。

強制効果と任意効果

強制効果で思考制限時間内に対象を選ばなかった場合、対象はランダムで選ばれる。

任意効果で思考制限時間内に対象を選ばなかった場合、何も選ばなかったものとして処理される。

《歌舞機ロイド・ゴエモン》のクロスギアを出す効果のように、 該当カードが対象領域にある場合にのみ発動する任意選択効果がある。 この場合、思考時間の有無で手札にクロスギアがあるかどうかが相手に透ける。

常在型効果と誘発型効果

クリーチャーが持つ効果は主に、以下の2つに分類できる。

  • 常に効果が発動する「常在型効果」
  • 何かが起きたときに誘発する「誘発型効果」

常在型効果は、それを持ったカードが場を離れたり、効果発揮のための条件が崩されたりすると、その瞬間から効力が失われる。 常在型効果には、「相手ターン中」といった表記のものも含む。 「攻撃中」という表記であるパワーアタッカーもまた、常在型効果の一種である。

誘発型効果は、一度発動してしまえば、発動したクリーチャーがどうなろうと効果が継続する。 場にいる時に他のカードの処理にともなって誘発する効果は、その誘発条件を満たした瞬間に自身が場にいれば誘発する。

デュエマおよびデュエプレには、「常在型効果は誘発型効果よりも先に発動する」というルールがある。

(クリックで詳細) 例:

《マイキーのペンチ》は常在型効果、《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》は誘発型効果である。

自分のターンに、《幻緑の双月》→「《ペンチ》/《キリュー》」→《青銅の鎧》の順に召喚した。そのターン中のシールドブレイクで相手が《デーモン・ハンド》を使い、「《ペンチ》/《キリュー》」が破壊された。

《ペンチ》の場合、《幻緑》は《ペンチ》が出た瞬間から、《青銅》は自身が出た瞬間からスピードアタッカーを得る。しかし《ペンチ》が破壊されると、その瞬間に《幻緑》《青銅》の両方からスピードアタッカーが失われ、召喚酔いの状態に戻ってしまう。

《キリュー》の場合、《幻緑》はスピードアタッカーを得るが、後から出てきた《青銅》はスピードアタッカーを得られない(上の「効果の対象」も参照)。その一方で、《キリュー》が破壊された後も、《幻緑》はスピードアタッカーを得たままである。

例:

《レジェンド・アタッカー》でパワーアタッカー+4000を得た《強撃砲士モービィー》が攻撃した。 パワーアタッカーは常在型効果なので("攻撃中"に持続的に発動)、 まず《モービィー》のパワーが+4000される。 その後、《モービィー》の攻撃時の誘発型効果が発動。 そのときの《モービィー》のパワー6000よりも小さい相手のクリーチャーを破壊する。

例:

《邪道外道神キキカイカイ》が《デーモン・ハンド》で破壊されたとき、《キキカイカイ》の「呪文を唱えた時」の効果でカードを1枚引けるが、「自分がカードを引いた時」のハンデス効果は使えない。これは、呪文を唱えたときには《キキカイカイ》が場にいるが、呪文の効果処理を終えてカードを引いた時には既に《キキカイカイ》が場を離れているため。

場に出る順番

単一の処理で同時に複数のカードが場に出た場合、 厳密には左にあるカードから1枚ずつ場に出たのと同じ扱いになる。

(クリックで詳細)

《時空の戦猫シンカイヤヌス》と《時空の喧嘩屋キル》をまとめて場に出す場合、 先に《シンカイヤヌス》を出せば、《キル》が出たことによって《ヤヌスグレンオー》へ覚醒する。

例: 《ヘブンズ・ゲート》で《知識の精霊ロードリエス》を2体出すと、合計3枚ドローになる。

例:

効果の発動順序(スタック)

一つの処理の中で複数の誘発型効果が発生すると、それらの処理は「スタック」される。(解決される順番を待つ状態になる)

スタックされている効果は、画面右のテキストウィンドウに表示され、 上に表示されているものから順に処理される。

スタックされた効果を解決したことに付随して新たな誘発型効果が発生した場合、それも新たにスタックに追加される。 場合によっては、新たにスタックされた処理が、先に解決を待っていた効果に対して割り込むことがある。

単一のカードについている効果は、上から順番に処理する。 他のカード等によって付与された効果は、一番下に追加された扱いになる。

スタックされている効果は、ターンプレイヤーの効果 → 非ターンプレイヤーの効果の順で処理される。

同一プレイヤーの効果が同時にスタックされた場合、ゾーンごとの解決優先度は以下の順である。(左のほうが先に解決される)

バトルゾーン > 墓地・超次元ゾーン > シールド > プレイヤー

超次元は《超時空ストーム・G》、シールドは城、プレイヤーは《神秘と創造の石碑》《エンゲージ・チャージャー》が該当する。 現状では墓地と超次元ゾーンの優先度を比較する手段が無いため、どちらの優先度が高いかは不明。

なお、手札のカードの誘発条件と解決はやや特殊であるため、この後に述べる。

バトルゾーンにあるカード効果の誘発順序は次の通り。

  1. 新しく場に出たカードがあれば、それ自身が持つ能力を、古いものから(左にあるものから)順に解決する。
  2. それが済んだ後、元から場にあったカードの持つ能力を、その中の新しいものから(右にあるものから)順に解決する。

もし2の元からあったカードの能力で新たにカードが場に出た場合、以降のスタックに割り込む形で、1として先に処理する。

なお、《知識の精霊ロードリエス》のような自身および味方の登場に反応する効果は、 「新しく場に出たカードが持つ能力」の扱いにならず、元から場にあったかのような順番で処理される。

(クリックで詳細) 例: 《幻想妖精カチュア》のタップスキルで《バザガジール・ドラゴン》をバトルゾーンに出した。《バザガジール》にターン終了時破壊の効果が付与されるが、終了時には《バザガジール》自身の手札に戻る効果が先に処理される。

例:

自分のバトルゾーンに《怒髪の剛腕》がいる。 相手ターン中、相手が《ピアラ・ハート》を召喚してきた。 ターンプレイヤーは相手なので、

《ピアラ》1000火力 → 《怒髪》パワーアップ

の処理順となる。 《怒髪》のパワーが上がる前に《ピアラ》の1000火力が発動するので、《怒髪》は破壊されてしまう。

例:

自分の《怒髪の剛腕》がシールドをブレイクし、 S・トリガーで相手の《ピアラ・ハート》が出てきた。 ターンプレイヤーは自分なので、

《怒髪》パワーアップ → 《ピアラ》1000火力

の順に処理される。 《怒髪》のパワーが先に上がるので、《ピアラ》に破壊されずに済む。

手札の誘発カード

アタック・チャンス

アタック・チャンスは、全ての攻撃時効果よりも先に解決される。

リベンジ・チャンス

紙のキーワード能力で「リベンジ・チャンス」に相当する能力は、該当ステップ(ターン終了時)に突入した時点で条件を満たしていれば、発動できる。 実際に発動するのは、バトルゾーン、墓地の解決の次である。

(クリックで詳細) 自分の手札に《剛撃無双カンクロウ》、場にタップ状態の《冷徹のソーダライト》があり、相手ターンに相手の《雷電の覚醒者グレート・チャクラ》が覚醒した。 そのターンの終了時、まず自分の《ソーダライト》の効果が発動し、《グレート・チャクラ》が破壊(解除)される。 これによって《カンクロウ》の条件を満たすカードはなくなるが、エンドステップを迎えた時に手札で条件を満たしていたため、《カンクロウ》を場に出すことができる。 なお、複数体の《カンクロウ》を持っていた場合、手札の左にいたカードから順番に出ていき、1体出るごとにcipを処理していく。

特定のステップに誘発する効果

「特定のステップに誘発する効果」を持つカードは、そのステップが訪れたときに自身が適切なゾーンに存在していることが必要条件となる。 ステップ中に該当ゾーンへと移動した場合、そのターンは誘発タイミングを逃す。

誘発に条件がある場合、バトルゾーンおよび墓地にあるカードは、そのカードの効果処理順が回ってきた時に条件を満たしていれば効果が発動する。 一方、手札にあるカードは、そのステップを迎えた時点で条件を満たしていれば、効果が発動する。

(クリックで詳細) 例:

ターン開始時に《死胞虫エンリッチ・ワーム》の効果で墓地に移動した《暗黒凰ゼロ・フェニックス》は、そのターンは場に出てこれない。

例:

《時空の剣士GENJI・XX》《清浄の精霊ウルス》がこの順に並んでいると、ターン終了時は右の《ウルス》のアンタップ効果が先に発動する。《時空GENJI》の効果処理時にはアンタップした《ウルス》が存在するため、覚醒できない。場の並び順が逆の場合は、《時空GENJI》の効果が先に解決されるため、覚醒できる。

例:

自分のターン開始時、《貴星虫ヤタイズナ》の効果で《火ノ鳥ピルドル》を場に出し、これによって初めて場に赤と黒のクリーチャーが揃った場合、その後に墓地の《暗黒凰ゼロ・フェニックス》を場に出すことができる。

置換効果

「かわりに」という文を持つ効果は、「置換効果」に該当する。

置換効果は、効果解決中であっても処理に割り込む。 複数のカードが同時にゾーンを移動する場合、置換効果を持つものだけが先んじて置換先に移動する。

置換効果は連鎖しない。最初に誘発される置換効果のみが発生する。

一つの処理に複数の置換効果がかかった場合、そのカード本体の持つ効果が優先的に適用される。 それ以外は、場の新しい(右にある)ものが適用される。

置換効果が発動した場合、元の動作はされなかった扱いになる。

ただし、「~する。それと同じだけ……する。」というような効果のカードは、「前の効果の対象になったかどうか」だけを参照する。 仮に、前の効果が置換されて実行されなかったとしても、置換されなかったのと同じように後の効果を処理する。

(クリックで詳細)

例:

《邪魂創世》を撃って、自分の《アクア・ソルジャー》を破壊した。 まず、《ソルジャー》の置換効果が呪文の効果に割り込んで手札に戻る。 その後、カードを3枚引く。

例:

相手の《聖鎧亜キング・アルカディアス》がいるときにハンデスされ、自分の《緑神龍アーク・デラセルナ》を捨てた。 このとき、《デラセルナ》の「捨てられる"かわりに"場に出る」置換効果に対しては、 《キング》の「場に出る"かわりに"墓地に置く」置換効果が連鎖しないため、ロックをすり抜けて《デラセルナ》が場に出る。

例:

自分の《神羅スカル・ムーン》の破壊置換効果で、相手のシールドフォース状態の《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》が対象となった。 このとき、《スカル・ムーン》の「破壊される"かわりに"《PG》を破壊」の置換効果に対して、 《PG》の「場を離れる"かわりに"とどまる」置換効果が連鎖しないため、《PG》は破壊される。

例:

場に《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》《秘護精マキシマムコブラ》、ほかアーク・セラフィムがいるときに《アポカリプス・デイ》を発動した。

このとき、

左から《ヴィーナス》《コブラ》の並びのとき:

場のセラフィムは《コブラ》の置換効果でマナへ。 《ヴィーナス》のみ自身のメテオバーンで場に残る。

左から《コブラ》《ヴィーナス》の並びのとき:

《ヴィーナス》の置換効果が優先され、左から3体のクリーチャーがメテオバーンで場に残る。 《コブラ》は《ヴィーナス》の対象か否かによらず、マナゾーンに行く 残りのアーク・セラフィムには《コブラ》の効果が適用され、マナゾーンに置かれる。

《炎槍と水剣の裁》で《雪溶妖精シャーマン・メリッサ》を破壊しようとした。 《メリッサ》は破壊置換効果でマナに行くが、《裁》のドロー枚数に含むことが出来る。

ちなみに、前の効果が真に実行されたか(置換されなかったか)を参照するものとしては、 《破壊と誕生と神殿》の「~されたなら」というテキストがある。

例:

本家DMの方では、他にも置換効果に関するややこしい裁定が他にもたくさんある。 詳しくはDM wikiを参照。

置換効果 - デュエル・マスターズ Wiki

制限時間

対人戦において、3ターン目以降の基礎制限時間は90秒である。(1ターン目は60秒、2ターン目は70秒) 制限時間を超えた場合、ターンが強制的に相手に移る。

制限時間は、カードの効果選択時間の発生に応じて延長される(DMPP-15のアプデ以降)。 処理の組み合わせにもよると思われるが、ループを組んで10-15分程度ターンを維持し続けることも可能である。

ただし、延長できる時間にも限度がある。 特定カードに対する思考時間(画面上部の時間制限バーで表示される)が規定値を超えると、ターンが相手に移る。 この延長限度は、メインステップ、アタックステップ、エンドステップのいずれでループをしても発生する。

カードの移動

複数のカードが同時にゾーンを移動するときの順番は、基本的に元のゾーンで「左側」にあったカードから先に移動する。 ただし、移動先が手札の場合のみ、「右側」にあったカードから先に移動する。

(クリックで詳細)

例:

相手ターン中に自分の手札を全て捨てる場合、手札で左にあったカードから順に墓地に行く。 マッドネスクリーチャーは、左にあったものからバトルゾーンに出る。 複数体出そうとした途中で盤面上限に達した場合、 それよりも右にあったマッドネスはバトルゾーンに出られず墓地に置かれる。

例:

《キング・アトランティス》で手札に戻されるカードは、バトルゾーンで右にあったカードから順に手札に加わる。 途中で手札上限を超える場合、それより左にあったクリーチャーは墓地に置かれる。

墓地orマナからカードが手札に加わるときは、右にあるカードから対象が選ばれていき、移動カードが全て確定したら、その中で一番左にあったカードから順に手札に加わる。

(クリックで詳細) 例:

《漆黒戦鬼デュランザメス》で墓地から回収されるクリーチャーは、 墓地で右下にあるカードから順に選ばれる。 途中で手札上限を超える場合、それより左にあったカードは墓地に残ったままになる。 手札の中では、墓地で一番右下にあったカードが、手札の一番右に来る。

《デュランザメス》召喚前。

《デュランザメス》召喚後。

パワー0以下のクリーチャーの処理

パワーが0以下になったクリーチャーはバトルゾーンに存在できず、直ちに破壊される。 cipは破壊後に誘発する。

パワー0以下による破壊に対して破壊置換効果が発動したとしても、その処理の後もパワーが0なら再び破壊されてしまう。

(クリックで詳細)

例:

相手に《ローズ・キャッスル》を2枚張られている状態で《霊騎コルテオ》を召喚した。 《霊騎コルテオ》は直ちに破壊され、その後にcipのタップ効果を処理するため、《コルテオ》自身を効果の数に計上できない。

例:

《吸魂バキューム》によって《緑神龍ウルガルダス》のパワーが0以下になった。 破壊置換効果でマナからファイアー・バードとドラゴンを1枚ずつ墓地に置くが、 置いた後も《ソウルガルダス》のパワーは0以下のため破壊され続ける。 最終的に、マナからファイアー・バードとドラゴンのいずれかがなくなるまで自分をランデスし続け、その後破壊される。

開発側の配慮が行き届いた除去置換クリーチャーの場合、《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》やエラッタ後の《西南の超人》のように「パワーが0より大きければ」という表記にでこれを避けられる。

その他

コストの下限は最も大きい値

下限値を伴うコスト軽減効果が複数適用される場合、下限値の中で最も大きいものが適用される。

(クリックで詳細) 例:

《ルピア・ラピア》《コッコ・ルピア》が場にいるとき、4マナの《センチネル・ドラゴン》を召喚した。 このとき、コストの下限値は《コッコ・ルピア》の2が採用される。

ターン中に1回限定の効果

「各ターン初めて〇〇したとき~」系の効果は、その効果を持つカードが場に出る前の〇〇もカウントする。

「ターン中に一度のみ発動する」効果は、それが場に出た後の処理のみがカウント対象になる。 さらに、そのカードが一度場を離れて同じターン中に場に戻ってきた場合、カウントがリセットされ再度効果を誘発できる。

「(カード名)のこの効果はターン中に一度のみ発動する」という名称指定形式の場合、 2体目以降はもちろん、場を離れて戻ってきた場合にもカウントはリセットされない。

(クリックで詳細) 例: 《氷牙アクア・マルガレーテ卿》のバウンス効果は、リリース当初「各ターン初めて呪文を唱えたとき~」だったが、後に「ターン中に一度のみ」に変更された。 変更前は《インフェルノ・サイン》で《マルガレーテ》を出して《魔弾プラス・ワン》を唱えた場合、《プラス・ワン》は初めて唱えた呪文ではないため、《マルガレーテ》のバウンスが発動しなかった。変更後は、《プラス・ワン》がターン中一度のみの対象となり、バウンスできるようになった。

余談だが、公式は変更前の効果処理について「挙動として直感的ではありませんので」としている。 実装時の考えが足りなかったって書けばいいのでは。

https://dmps.takaratomy.co.jp/news/1978

効果の9回制限

一部カードは、1ターン中の効果発動回数が9回までと制限されている。10回目以降は、その効果が発動しなくなる。

DMPP-24現在、公式からアナウンスされている該当カードは以下の通り。 これらは、「相手のカードやプレイに依存した、不慮かつ無意味な無限ループ」が発生しうるカードである。

  • 神羅スカル・ムーン》
  • 《ホーガン・ブラスター》
  • 《母なる大地》
  • 《インフィニティ・ドラゴン》

なお、このうち《インフィニティ・ドラゴン》はサイレント修正で、公式からのアナウンスまでに時間差があった。 また、これらに9回制限があることをゲーム内で確認する術は無い。

(クリックで詳細)

想定されていると思われる不慮のループは以下のパターン。

  • 《スカル・ムーン》
  • 《ホーガン・ブラスター》
    • 山札が《ホーブラ》のみ、かつ《キクチ師範代》がいるときに《ホーブラ》を撃つと無限ループ
  • 《母なる大地》
    • トップが《大地》、かつ《キクチ師範代》がいる時に《スーパースペルグレートブルー》で《大地》を撃つと無限ループ
  • 《インフィニティ・ドラゴン》
    • 《早撃マグナム》がいる状態で《スペルサイクリカ》を踏み倒すと、破壊置換で《サイクリカ》がデッキに。デッキが全て《サイクリカ》であれば無限ループ

攻撃の成立

一旦成立してしまった攻撃は、処理中に「攻撃できない」効果が攻撃クリーチャーに新たに付与されようとも、続行される。

(クリックで詳細) 例:

《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》のメテオバーンでブレイクされたシールドから、 《調和と繁栄の罠》をS・トリガーで唱え、効果で火文明を選択した。 この後にも、《アポロヌス》の攻撃は続行される(ブロックor除去が出来なければダイレクトアタック)。

ちなみに、成立してしまった攻撃を止めるには、《聖天使グライス・メジキューラ》のように、 「攻撃を中止」というテキストが必要である。

同時にバトルゾーンから離れた時

自身および味方がバトルゾーンを離れたことに対して誘発する効果を持つクリーチャーが、味方と同時にバトルゾーンを離れた時は、その効果は自身に対しての1回分しか誘発しない。

(クリックで詳細) 例:

《インフィニティ・ドラゴン》を含む複数のドラゴンが同時に場を離れるとき、 《インフィニティ》の「自分のドラゴンが場を離れた時~」効果は、 《インフィニティ》自身に対しての1回しか誘発しない。

カードタイプごとの仕様

クリーチャー

「召喚」と「バトルゾーンに出す」は区別される。 原則的には、「召喚」はコストを払って正規にプレイする行為、「バトルゾーンに出す」はそれ以外の踏み倒し手段も含む行為である。 召喚にしか反応しない能力もある。

Sトリガー、Sバック、G・ゼロなどは、コストを支払わずに召喚している扱いである。

「カードを使う」という表記は、クリーチャーであれば召喚扱いになる。

進化クリーチャー

進化元にタップ状態のクリーチャーが1体でも含まれていると、進化クリーチャーもタップしてバトルゾーンに出る。 一時的に効果を付与されたクリーチャーが進化した場合、付与効果は進化後にも引き継がれる。 これはゴッドリンクや覚醒、覚醒リンクも同様である。

複数体のクリーチャーから進化する際は、進化元に指定した順番が若いカードが上に重なる。 進化前にバトルゾーンのどこにいたかには依存しない。

進化クリーチャーを構成するカードがバトルゾーンから離れるときは、上に重なっているカードから先に移動する。

進化クリーチャーが強制的に踏み倒される際、進化条件を満たしていなければ、その進化クリーチャーは場に出ない。 なお、それが非公開領域からの踏み倒しの場合(例:連鎖)、相手に進化クリーチャーは公開されず、不発の演出が出る。

探索してクリーチャーを場に出す効果で、進化条件を満たしていない進化クリーチャーが探索に引っかかった場合、探索の3枚には表示されるがグレーアウトして選択できない。

(クリックで詳細) 例:

パワーが上昇した《愛嬌妖精サエポヨ》から《ダイヤモンド・ブリザード》に進化すると、パワー上昇は《ダイヤモンド・ブリザード》にも引き継がれる。

例:

進化元を

  1. 《フェニコーラー》
  2. 《ジャンボ・アタッカー》
  3. 《エル・カイオウ》

の順で指定して《ヴィーナス》を出す場合、上から順番に

《ヴィーナス》《フェニコーラー》《ジャンボ・アタッカー》《エル・カイオウ》

の順番に重なる。

例:

メテオバーン効果を使うと、進化元のうち上に重なっているクリーチャー(=進化時に選んだ番号が若い方)から順に墓地に置かれる。

例:

手札が8枚の時に、

《マーキュリー》《ガード》《スクリュー》《ハルカス》

の順で重なっている《マーキュリー》がバウンスされた。 このとき、《マーキュリー》《ガード》が手札に加わり、 《スクリュー》《ハルカス》は手札上限を超えたため墓地に置かれる。

例:

《紅神龍バルガゲイザー》の効果で、デッキの一番上の《超天星バルガライゾウ》がヒットした。 ここでマナにドラゴンが3体無ければ、《バルガライゾウ》はデッキトップに戻る。 「トップを表向きにし、ドラゴンなら場に出して、それ以外なら墓地に置く」という効果なので、「ドラゴンなので場に出そうとしたが失敗。"以外"には該当しないため墓地にも置かない。何もせず《バルガライゾウ》をトップに戻して終了」という処理。

呪文

クリーチャーと異なり、呪文はコストを踏み倒すかどうかの区別が無い。 全て「唱える」行為である。

ゴッドカード

ゴッドカードは、場に出ている時以外はコスト0のカードとして扱われる。

G・リンク効果は、「相方をクリーチャーとして召喚し、その後1体のクリーチャーになる」効果である。 召喚に反応する《ルナ・アレグリア》の効果は誘発し、召喚を封じる《聖霊王アルファディオス》や《ボルシャック・クロス・NEX》下ではG・リンクできない。 片割れのゴッド含め場が7枚埋まっているときも、8体目を召喚することができないので、G・リンクできない。

カードテキストにおける「ゴッド」の表記は、カードタイプとしてのゴッドと、種族としてのゴッドを区別しない。 「山札からゴッドを探索する」というテキストであれば、ゴッドカードと種族にゴッドを持つカード、両方がサーチ対象となる。

クロスギア

複数のクロスギアを1体のクリーチャーにクロスすると、クロス順が古い順に左から並ぶ。 攻撃時効果が複数発生した場合、場の右にあるクロスギアから順に効果を解決していき、最後にクリーチャーの攻撃時効果を処理する。

クロスギアにも、「ジェネレートする」と「バトルゾーンに出す」の違いがある。 《流牙 シシマイ・ドスファング》の効果は、ジェネレートされた時にしか誘発しない。

ルナティック進化カード

ルナティック進化カードは、「神羅」側のカードとして扱う。 「羅月」側として扱うのは、それを召喚したときだけである。

(クリックで詳細) 例:

《紅神龍バルガゲイザー》で《神羅ライジング・NEX》がヒットした場合、 それを《羅月サンライズ・NEX》として場に出すことはできない。 ただし、《蒼神龍スペル・サモニオン》でヒットさせた場合は、《ライジング》《サンライズ》の好きな方を選べる(後述)。

例:

《神秘と創造の石碑》から続けてプレイする場合、 「神羅」側は究極進化・ルナティック進化のどちらで召喚しても《石碑》の効果が適用されるが、 「羅月」側は召喚しても《石碑》が適用されない(山札内に「羅月」カードは存在しないため)。

城を要塞化しているシールドがブレイクされた場合の処理は以下の順である。

  1. 城が要塞化されているものとして、S・トリガー処理を解決する。
  2. トリガーの処理を終えた後、城が剥がれる。
  3. S・トリガーを使ったことで誘発した処理(トリガークリーチャーのcipなど)を解決する。
  4. 城が剥がされたときの効果を処理する。

サイキック・クリーチャー

サイキック・クリーチャーが場を離れる時は、「本来の移動先ゾーンに一瞬だけ移動した後、直ちに超次元ゾーンに戻る」という処理になる。

(クリックで詳細) 例: 相手のマナは5で、相手の場に《究極兵士ファルゲン》とサイキック・クリーチャーがある。 ここで、サイキック・クリーチャーに対して《ナチュラル・トラップ》を発動した。

すると、サイキック・クリーチャーは一度マナゾーンに行き、その瞬間にマナが6枚となって、パワーが0になった《ファルゲン》が破壊される。 その直後、サイキック・クリーチャーは超次元ゾーンに戻る。

https://dmps.takaratomy.co.jp/faq-cardrule/no-274

エグザイル

ドロン・ゴーを持つエグザイル・クリーチャーは、ドロンゴーで手札を捨てた直後に、破壊されたカード自身が墓地に存在していれば、墓地からバトルゾーンに出すことができる。 ドロンゴー発動までにそのカードが墓地から無くなった場合、ドロンゴーで手札を捨てることはできるが、そのエグザイルは場に戻ってこない。

ただし、ドロンゴー発動までに破壊されたエグザイルを墓地から手札に戻し、そのエグザイルをドロンゴーのコストとして捨て、それを墓地から場に出すことはできる。 この時、「同名エグザイルである別のカード」を捨ててしまうと、それを墓地から出すことはできない。

ドラグハート

ドラグハートカードが直接除去された場合、サイキック・クリーチャーと同様に一瞬だけ正規のゾーンに移動した後、超次元ゾーンに戻る。 一方、ドラグハート・ウェポンを装備したクリーチャーが場を離れた場合、他ゾーンを経由せずに直接超次元ゾーンに戻る。

個別カード

《薫風妖精コートニー》ほか

《コートニー》下でマナからコストを払ってクリーチャーを召喚する場合、4コスト以下のカードも全て5コストになる。 最低でも所持している文明数ぶんのコストを払うルールのため。

《コートニー》がいる時、マナの単色カードは全て多色カード扱いになる(《ミンメイ》の探索に引っかかる)。 無色カードは、無色カードではなくなる(《ベートーベン》で回収できなくなる)。

《無双竜機ボルグレス・バーズ》

バトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンからドラゴンとフェニックスを手札の上限枚数になるまで手札に戻しても良い。

この効果は、後に書いてあるフェニックスが優先的に回収対象に選ばれる。

(クリックで詳細) 例:

↑の状態で《バーズ》を召喚する。

まず、フェニックスが右にあるものから全て回収対象となり、 その後にドラゴンが右にあるものから回収対象となる。

ちなみに、↓のテキストのナーフ前《ダイヤモンド・ブリザード》は、 前に書いてあるマナゾーンのカードが優先的に回収されていた。

バトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンと墓地から《ダイヤモンド・ブリザード》以外のスノーフェアリーを、手札の上限枚数になるまで手札に戻す。

《蒼神龍バイケン》

《バイケン》のマッドネスは、「場に出し、1体バウンス」が一連の置換効果の処理である。 盤面上限のせいで《バイケン》が場に出なかったとしても、バウンスは発動する。 また、このバウンスは相手の効果処理に割り込む。 例えば、相手の《魔弾バレット・バイス》に対して《バイケン》をマッドネスで出し、 バウンスで相手のナイトが場からいなくなれば、《バレット・バイス》のナイト・マジックは発動しない。

神羅スカル・ムーン》

自分と相手の《神羅スカル・ムーン》がバトルした場合、 ターンプレイヤーの《スカル・ムーン》のみが生き残り、 非ターンプレイヤーの《スカル・ムーン》は破壊される。

ただしTCG版のルールでは、どちらの《スカル・ムーン》も破壊されるのが正しい処理らしい。 デュエプレの処理が意図的なのかミスなのかは不明。

https://dmwiki.net/%E3%80%8A%E7%A5%9E%E7%BE%85%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%80%8B

本家と異なる仕様

置換効果による条件充足

デュエプレでは、6マナの状態で《英霊貴族ムーンライト》と《雪溶妖精シャーマン・メリッサ》が同時に破壊されたとき、《ムーンライト》のメタモーフ効果は発動しない。 《ムーンライト》と《メリッサ》の位置関係にもよらない。 どうやら、デュエプレでは場を離れることが決定した瞬間の状態を参照しているようである。 この裁定は、デュエプレ公式Q&Aにも掲載されている。

dmps.takaratomy.co.jp

本家DMでは、メタモーフ効果が発動する。 置換効果は、効果解決中であってもそれに割り込んでいち早く処理されるという裁定があるためである。

英霊貴族ムーンライト のFAQ - デュエルマスターズ

シールド焼却とターボラッシュ

デュエプレでは、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》でシールドを焼却した場合も、味方のターボラッシュ効果が発動する。

本家DMでは、ターボラッシュ効果は発動しない。*1 ターボラッシュの発動条件が「シールドをブレイクした時」なのに対し、 《ボルメテウス》は「シールドをブレイクするかわりに墓地に置く」という置換効果なので、実際にシールドをブレイクした扱いにはならない。

攻撃強制とタップスキル

デュエプレでは、タップスキル持ちのクリーチャーが攻撃を強制された状態にあっても、そのタップスキルを発動することが出来る。 例えば、自分の場に《幻想妖精カチュア》が、相手の場にタップされた《不落の超人》がいる場合、《カチュア》は《不落》を攻撃せずにタップスキルを起動できる。

本家DMでは、攻撃強制状態のクリーチャーはタップスキルを起動できない。 もう少し拡張して言うと、本家DMでは、「可能なら○○する」「○○のかわりに××してもよい」の2つの状態にある場合、○○をしなければならない。

攻撃強制 - デュエル・マスターズ Wiki

怪しい裁定

効果の発生源

相手の《神羅スカル・ムーン》に《デーモン・ハンド》を撃ち、置換効果で《ケンゲキオージャ ~究極火焔~》が破壊される場合、《ケンゲキオージャ》の特殊勝利は発動しない。これは効果の発生源が相手のカードではなく、自分の《デーモン・ハンド》であるためとされている。

dmps.takaratomy.co.jp

……この裁定(仕様)は非常に怪しい。 他のケースでどういう挙動になるかを見ていく。

自分の《邪魂創世》を《スカル・ムーン》に撃ち、置換で相手の《デンデン・パーカッション》を対象に取った場合、《パーカッション》を破壊できない。 効果の発生源が自分の《邪魂創世》のため、《パーカッション》の呪文耐性効果が発動するからである。 これは最初の裁定と整合的である。なお、15弾実装前は同じ操作で破壊できていたらしい。

相手が《デーモン・ハンド》を自分の《影武者 ソウル・ブリンガー》付きのクリーチャーに撃ち、《ケンゲキオージャ》がその身代わりになった場合、特殊勝利できない。 効果の発生源は相手の《デーモン・ハンド》なので、特殊勝利できるはずである。 最初の裁定と矛盾が生じている。

自分の《チェーン・デスマッチ》で自分の《恐気の覚醒者ランブル・レクター》と相手の《パーカッション》をバトルさせ、《ランブル・レクター》の効果でバトルを破壊に置換すると、《パーカッション》を破壊できる。 効果の発生源が《デスマッチ》なのに《パーカッション》を破壊できてしまうのは、《邪魂創世》のパターンと矛盾している。

参考:

youtu.be

クイズ

(クリックで詳細) 読者の皆さんが仕様を理解できているかどうかを確かめるために、 効果処理のクイズを2問作ってみた。 本記事の内容を複合的に適用すれば、正解できるはずである。 一応、どちらも実機で再現検証ができている。

問1

※《西南の超人》のセイバー効果が《西南の超人》に適用されなくなったため、問1のような処理は発生しなくなった。

自分の場に、《西南の超人》を含むジャイアントが6体並んでいる(ケース1, 2)。 ここに《アポカリプス・デイ》を撃った時、どうなるか。

ケース1:

《突然》《西南1》《驚天》《二角》《万象》《西南2》

ケース1。

ケース2:

《突然》《西南1》《驚天》《西南2》《万象》《西南3》

ケース2。

問2

自分の場に《聖帝エルサル・バルティス》《霊翼の宝アルバトロス》《時空の守護者ジル・ワーカ》、墓地に《百発人形マグナム》がいる。 《エルサル・バルティス》が相手のシールドを2枚ブレイクしたところ、 《ヘブンズ・ゲート》と《アクア・サーファー》がこの順でトリガー発動し、 《ヘブンズ・ゲート》から《連珠の精霊アガピトス》《聖核の精霊ウルセリオス》が出てきた。 自分は《エルサル・バルティス》の効果で《アポカリプス・デイ》《ネオ・ブレイン》を、 相手は《アガピトス》の効果で《雷光の使徒ミール》を山札から使うつもりである。

効果がどのように処理されるか答えよ。

答1

ケース1では、

  1. 《突然》を《西南2》がセイバー
  2. 《驚天》を《西南1》がセイバー

ケース1の解答。

ケース2では、

  1. 《突然》を《西南3》がセイバー
  2. 《西南1》を《西南2》がセイバー

という解決順になる。

ケース2の解答。

答2

  1. 《エルサル・バルティス》効果処理(1回目)。山札から《アポカリプス・デイ》を唱え、《エルサル》《アルバ》《ジル・ワーカ》《アガピ》《ウルセ》《サーファー》の6体が破壊される。

  2. 《ジル・ワーカ》効果処理。しかし相手の場に何もいないので不発。

  3. 《アルバトロス》効果処理。《ジル・ワーカ》《マグナム》を場に出す。このとき、《マグナム》を1体目に出すと自分に《マグナム》効果が発動するが、《マグナム》を2体目に出せば発動しなくて済む。

  4. 《エルサル・バルティス》効果処理(2回目)。山札から《ネオ・ブレイン》を唱える。

  5. 相手の《アガピトス》効果処理。山札から《ミール》をバトルゾーンへ。

  6. 相手の《サーファー》効果処理。《マグナム》バウンス。

  7. 相手の《ミール》効果処理。《ジル・ワーカ》タップ。

  8. 相手の《ウルセリオス》の効果発動。《ウルセリオス》自身のみがカウントされてシールド1枚追加。

おわりに

DMPP-01ではシンプルな効果しかなかったのが、 エキスパンションを追うごとに複雑な効果を持つカードが次々に登場している。 その効果同士が組み合わされば、どう処理されるのか直感的に分からないというケースがいくつも発生しうる。

自分が気付いていないだけで、 複雑な処理をする未知の組み合わせがあるかもしれない。 心当たりがあれば、ぜひコメントで指摘してほしい。

*1:ルール上そうなるはずだが、ターボラッシュがマイナーすぎるせいか、直接的な記述を見つけることが出来なかった