ミケガモのブログ

デュエプレ DMPP-24 環境考察メモ

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制限改定・スタン落ち

E2・ゼニス1パック目にあたる18弾がスタン落ち。

《ウェディング》《ハングリー・エレガンス》などが落ち、【ターボゼニス】は解散。 《ドン・グリル》を主力とした【ワイルドベジーズ】も崩壊した。

《偶発と弾幕の要塞》《再誕の聖地》が落ちたことで、前期に開拓された【聖地刃鬼】が解体。

《ボルメテウス・ホワイト・フレア》が落ちたことで、【モルト王】のトリガーラインナップが少し弱くなった。

能力変更では、S・バック登場に合わせて《オチャッピィ》《デュアルショック・ドラゴン》らがSバックの仕様に変更。 メイン/アタックステップに出るようになって相手からの干渉を若干受けやすくなったが、使用感が大きく変わるほどのものではない。

ND・環境前期

環境初期はモルトNEXT】が超絶大流行。デュエプレでもその人気は疑いようがない。 最終的にはシンプルな赤緑型が安定していたようである。 少し経つと、盾仕込みに対して《ダイハード・リュウセイ》で対抗する構築も見られるようになった。 サブプランとして《モルト王》での堅実な攻めルートも存在する。 《モルトNEXT》は顕著にゲームスピードを変えた。 24弾環境は《モルトNEXT》から環境を考えていく必要がある。

その一方で、【モルトNEXT】は構築の制約がとても強い。 使用率はそれなりに高い数字をキープしたものの、対策が進んだ結果、環境前期の時点でも「最強デッキ」ではなかった。

環境中盤には、上振れルート増加に貢献していた《ガイムソウ》がマナ武装5から7へと弱体化の調整を受けた。 致命的とまでは行かないものの、デッキ強度がさらに下落してしまった。

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モルトNEXT】への一つの対抗策は、アグロで殴り切ること。

【緑単サソリス】は、オリジナルカード《豪勇者》を迎えて大幅にデッキ強度が上がった。 4キルが現実的でありながら、マナブーストチャンプブロック回避、《ボアロパゴス》龍解ルートのおかげで長期戦にも対応できる。 シーズン初期から終盤まで、一定の使用率を保ち続けた。

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赤単速攻は、前期から使われていた速攻。 シーズン序盤は受け系デッキの多さに苦戦していた。 環境中期になると、【白単サザン】などに対して盤面処理で対抗するために《ヴァルブレア》を積む構築が広まり、使用率を伸ばした。

最終的には、【緑単】【赤単】ともに【モルトNEXT】よりも少し上の立ち位置を獲得した。

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もう一つの対抗策は、受けに回ること。 アグロに対しても有利に戦えるので、【モルトNEXT】を軸に環境を考えるならこちらのほうが戦いやすい選択肢だったか。

素直な発想としては【白単天門】。 《ヘブンズロージア》を新たに獲得し、《ドラゴンズ・サイン》の価値がアップした。 《ヘブンズ・ヘブン》《ドラサイ》でブロッカーの踏み倒し手段は十分であるため、ビートダウンが少ない時期には《天門》の採用も4枚固定ではなくなった。 「天門」のデッキタイプ名が揺らぎつつある。

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それと、前期から続投の【サインシューゲイザー。 《スーパーエメラル》《エメラルーダ》で仕込んだトリガーで攻撃をしのぎ、 《シューゲイザー》のワンショットで速やかにカウンターする。 《サイン》《サイクリカ》で墓地を絡めた柔軟なプレイングも売り。 ND環境では珍しいユーザーズデッキで、上級者から特に好まれた。

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局所的なメタとしては、トリーヴァシャングリラ】も環境に進出。 《母なる星域》が実装されたことで、ND落ち直前の《シャングリラ》がついに実用的な強さを獲得。 しかも、【モルトNEXT】【サインシューゲイザー】には《シャングリラ》への有効な対処手段がほとんどない。 特に環境前半にはそれなりの存在感があった。

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こうした直接的なメタで【モルトNEXT】が減ってくると、次々と他のデッキタイプも生まれ始める。

途中からの躍進が目覚ましかったのが【白単サザン】。 《ヘブンズロージア》を取り入れながら、総合的なデッキパワーの高さで環境に帰ってきた。 【モルトNEXT】には不利寄りだが、他のデッキへの勝率を確保することで補う。 前環境で苦手としていた【黒単ワルボロフ】は、【モルトNEXT】に刈られて環境からほぼ消滅した。

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バランスの良いデッキとして【イメンブーゴ】も登場。 《イメン》《エメラルーダ》から能動的に《デッドブラッキオ》のSバックを起動すれば、そのターンだけですぐに《ボアロパゴス》への龍解が狙える。 さらに、《デブラ》が場にいればドラグハートの龍解ができないため、【モルトNEXT】に対しても優位に立つことができる。 《ヴェロキボアロス》登場後、呪文ロックの《アルファリオン》で〆る。 《プロメテウス》のマナ回収が器用で、さらに《オチャッピィ》を絡めれば擬似的な墓地回収も可能。 《エメラルーダ》の盾操作、《マップ》《吸い込む》のデッキ循環も合わせると、ゲーム中に触れないゾーンは無い。 玄人向けのデッキとして、強者が多く実績を残したデッキタイプである。

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さらには【5cコントロールも環境に出てきた。 やはりキーとなるのは《デッドブラッキオ》。 対ビートダウンおよび【モルトNEXT】に勝率を出せるのが大きい。 《デブラ》《ヴィルヘルム》《VAN》《ナンバーナイン》《サイクリカ》など、NDでグッドスタッフ構築を組むとドラゴンが多くなる。 《デッドマン》《ニガアブシューム》を積んでしまうのもアリのようだ。

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環境が少し遅くなったところで、【ダブルライフ刃鬼】もちらほら見られるように。 《ダブルライフ》2連射から《刃鬼》《VAN》に繋ぐ直線的なデッキである。 守りは完全にトリガー頼みとなっている。

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環境後半に差し掛かろうかというところで、新たに【黒単ヘルボロフ】が環境に入ってきた。 盤面制限が苦しいと言われ続けた《ヘルボロフ》の回答は、《デスゴロス》から《ドルバロムD》を出すことだった。 前のめりなデッキが増えたことで《タイガニトロ》が刺さりにくくなったかわりに、《タイガマイト》《特攻ジェニー》といった細かいハンデスが効くようになった。

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【赤青UKパンク】は、環境後半に強さが再認識された。 驚くべきことに、モルトNEXTカップの最終TOP100入り報告に最も多く含まれていた。 重要カードは《トンギヌスの槍》。 仕込まれた盾の突破、ドラグハート除去という、普通のデッキには取り込みにくい要素2つを無理なく備えている。 【ヘルボロフ】のハンデスメタに《グレンリベット》がよく積まれる。

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準メジャーデッキとしては、【青緑チュレンゼニス】も時折見かけた。 《チュレンテンホウ》のトリガー使用や、《プレリュード》《ベートーベン》でビートダウンに対抗。 遅いデッキには概ね《VAN》《ローゼス》が刺さる。《チュレン》で《プレリュード》を増幅するのも強力だった。

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モルトNEXT】はADでも人気。 トリガー増強の《アカギガルムス》、《モルネク》と一緒に出せてすぐ《バトライ閣》のめくりができる《ボルバルザーク・エクス》が使えるのがポイントである。 とはいえ、環境を塗り替えるほどの強さはない様子。

【白単サザン】【サインシューゲイザー】【緑単サソリス】【赤単ヴァルブレア】【シータモルト】といったND対応の新しめのデッキと、 【ツヴァイ】【MRC】【白緑アガサ天門】【黒緑速攻】【ブリザード】などの古豪がぶつかり合っている。

【緑単サソリス】がADに登場した影響は大きい。 ADの安定デッキだった【ツヴァイ】【MRC】に対して、《豪勇者》のチャンプブロック防止効果がめちゃくちゃ刺さっている。 前前弾からいる【白単サザン】の《オリオティス》もそうだが、従来は問題なかった戦術が新カードによって少しずつ崩されつつある。

AD固有のデッキとして徐々に存在感が強くなっているのは、【エタトラ刃鬼】。 【サソリス】【モルトNEXT】の登場でますます単色デッキが多くなったことで、《調和と繁栄の罠》の耐久性能が高くなった。 紙の歴史と同じ流れである。

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【バルガライゾウ】はほぼ消滅した。 前環境から【モルト王】に立場を脅かされていたが、【モルトNEXT】の登場で完全にトドメを刺された。 【ライゾウ】が突然弱くなったというわけでもないのだが、使用者の層が被りがちなこともあって、すぐさま新しいデッキに取って代わられたようだ。

コラム:《モルトNEXT》の影響

本文でも書いたが、《モルトNEXT》はゲーム性を大きく変えた。 それなりに4ターン、安定して5ターン目に《モルトNEXT》が着地。 《ハートバーン》を出せば、カード1枚だけでジャスキルが組める。 《バトライ閣》を出せば、1ターン遅れるものの爆発的な踏み倒しができる。

このような相手を想定するならば、トリガーによる何らかの受けがほぼ必須。 といっても、《ハートバーン》ルートには《スパーク》が効きにくく、 その一方で《閣》の大量展開の前には1枚程度の除去トリガーでは意味がない。 結局、どんな状況でも信頼できるのは《クロック》のみである。

その上で、5-6ターンのうちにカウンターもしくは鉄壁の受けを成立させる必要がある。 環境を戦うための条件がかなり厳しくなったと言えるだろう。

モルトNEXT》は、新規ユーザーの獲得にも大きく貢献した。 24弾前期にあたるQED+カップでは、マスター到達プレイヤーが過去最高に達し、対戦レートもインフレを起こした。 新規層へのアプローチをどう続けるのか、デュエプレ運営の手腕が問われている。

参考

↓ 画像引用元

togetter.com