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スタン落ち・バランス調整
環境デッキの弱体化を中心に、久々の大型調整が入った。29弾環境が28弾と代わり映えしなかったためだろうか。
《ダイヤモンド・ブリザード》がDP殿堂し、《ヴォイジャー》《ローザンテ》《アンプラウド》が弱体化。 《ライゾウ灼》がパワーアップし、《ロマネスク》は殿堂解除となった。
AD環境では、【スノーフェアリー】【白単ミラダンテ】【オトマキリコ】のトップ3に致命的な修正が入った。 ND環境でも、【アンプラウド】が消えた影響は大きい。
厳しいタイムリミットを設定してきた【アンプラウド】が消滅したことで、環境が少し低速化した。 継戦能力の高いミッドレンジデッキや、受け系のデッキは立ち位置が改善している。
NDでは25弾がスタン落ち。 《レッドゾーン》《ブラックサイコ》《シリンダ》《ジャーベル》などが落ちた。 《ジャーベル》は緑軸の【成長バスター】に採用されていたので、レシピを少し見直す必要が出てきた。 【レッドゾーン】は《ドギラゴン剣》以降は役割を奪われていたので影響は軽微。 他のカードも環境での使用率はさほど高くなかった。
ND
一番存在感があったのは【赤黒ドルマゲドン】。 《ドルマゲドン》禁断爆発のプレッシャーがとにかく強い。 《ドルハカバ》は基本として、《ギガトロン》で攻めたり、《ドルテラ》でハンデスしたり、トリガーや侵略ZEROを多く積んだりと、デザイナーズなりに構築の幅が広かった。 ミッドレンジ躍進の追い風にも乗っている。 達成すべきミッションが提示されているため、誰にでもとっつきやすいデッキでもある。 環境最後まで数が多かった。
《ドギラゴン剣》系統のデッキは相変わらず強い。 新たに《ドギラゴールデン》を迎え入れた【ハムカツ団】が先頭に立っている。 確定除去、敗北回避、手札を消費しての攻撃加速と、新たな要素が加わっている。 《ドキンダム》ではなく《ドルマゲドン》を採用した構築もよく見られる。 その場合、《ボルドギ》《ブリキンジェット》の枠が《バトクロス》《バクアドルガン》に置き換わる。
これらを受けるデッキとして、【5c耐久ジョリーJoe】が新規で台頭。 《誣》との挟み撃ちが厄介。《ドルマゲドン》は《謎帥の艦隊》で解体できる。 《サファリチャンネル》も強力。
【ネロⅢ世】は、最終的には《天門》基盤の受けタイプが多かった。 割合的にはトップメタから一段階落ちるが、環境最後まで戦い抜いた様子。
ドローソースとメタ要素をふんだんに入れた【白青サザン】も、少し経ってから受けデッキの座に上がってきた。 《夢幻》でドローが安定するのが強い。《時ミラダンテ》は今期がラストシーズン。
受け系のデッキに対して、環境初期~中期には【青単VV-8】が多く使われた。 新規パーツの《ギガスピード》《チューンアゲイン》で、禁断機動の速度が上がった。 《VV-8》設置のラグが致命的なため、速度を上げるべく緑を入れた型も発生した。
関連して、《イメンボアロ》《ガガカリーナ》で禁断機動する【イメンボアロVV-8】も開拓された。
環境中期以降、にわかに「AFOオーパーツ」の組み合わせが注目され始めた。 受けデッキに有利をつけるアーキタイプは、瞬く間に【青黒オーパーツ】に占領された。 派生として、《イーヴィルヒート》を投入した【クローシスオーパーツ】も登場。
リソース重視の環境となったことで、従来の【デアリガズバスター】の《ブリキン将軍》の位置を《オーパーツ》に置き換えたレシピも出てきた。
環境終盤には、【白黒夢幻ロスト】が開拓された。 新章に先立って小型メタクリーチャーを使いこなし、環境を揺るがした。
AD
コントロールデッキを中心に多くのデッキを狩り尽くした【スノーフェアリー】、 素直な盤面展開では絶対的な優位を取った【白単ミラダンテ】、速度の出ないデッキ全てを足切りしていた【アンプラウド】。 これら3強が全て消えたことで、新たな可能性が開かれている。
環境初期には、伝統的な【ドロマーハンデスコントロール】、《ヘブンズロージア》と共闘できる【ミラダンテⅫ】など、抑圧されていたデッキを再開拓しようとする流れが多く見られた。
鉄板デッキが消えたことで、【モルトNEXT】が生き生きし始めた。 前弾の《スクランブルチェンジ》で強化されていたこともあって、使い手が戻ってきた。
【5cニューゲイズ】もよく見るようになった。
新規デッキでは、【赤黒ドルマゲドン】をAD用にチューンしたタイプが人気。 《反逆狼の紋章》《カナサンド》で防御力を上げつつ、《タイガニトロ》のハンデス、《ブラックオブライオネル》のシールド焼却で受けデッキも崩せる。
【青黒Sザーエ】は、環境中期から現れたユーザーズデッキ。 チェンジで刻みながらハンデスとドローを打ち分ける、新しいタイプの撹乱ビートダウンである。 《ドルマゲドン》の-1111や《ブラックアウト》は厳しいにも関わらず、環境にがっちりと定着した。
驚異的なことに、《ブリザード》1枚の【スノーフェアリーリペア】で最前線を戦っているプレイヤーが何人もいる。
その他、【サムライ】【成長バスター】【白単ミラダンテ】などもAD固有の有力デッキ。
バランス調整以降
新章テーマが【ドルマゲドン】に狩られる構図を変革するためか、環境中期にバランス調整が入った。
【ドルマゲドン】側では、《ドキンダムゾーン》のコストが2→3に増加。 3t《ドルテラ》没収、多色事故のリスク増加などが痛手。 一方、4t《ギガトロン》は未だに可能。 ADの《反逆狼》型に至ってはノーダメージである。
アッパーを受けたのは、主人公種族として活躍する使命を背負わされた【ジョーカーズ】。 無色は拡張性が特に小さいため、既存パーツに手を付けるしかなかったようである。 《ニヤリーゲット》完全復活で、ロングゲームに適合しやすくなった。 さらに《アリゾナ》のAC条件緩和により、高速デッキへの対抗も可能になった。 いずれも《プレリュード》を採用しやすくする調整。これによって、《誣》の使い勝手も向上した。
調整の意図通りに、【ジョーカーズ】の数が増えた。
【ドルマゲドン】の弱体化、【ジョーカーズ】のロングゲームへの適応によって、 それらに有利を取っていた防御重視のデッキはやや立ち位置を悪くした。 ……と思われながらも、直球勝負の相手もまだまだ多いため、環境には残っている。
【ジョーカーズ】増加に伴い、《ナグナグ》《スパイク7K》の盤面処理で刺せる【ビートジョッキー】は立場が向上。
結局、【メタリカ】が最強のポジションにいるのは変わらない。 【ドルマゲドン】減少も追い風。
【青黒/赤黒ミザリィ】も細々と生きている。
参考
レシピ引用元
ドギラゴールデンカップ最終TOP100(ND) - posfie
ドギラゴールデンカップ最終TOP100(AD) - posfie