ミケガモのブログ

ミケガモYouTubeチャンネルの方針・所感・データ【2025年6月時点】

はじめに

2025年5月29日、YouTubeチャンネルの登録者数が1万人になった。 自分にとってこの数字に意味があるとしたら、 遠い将来に「YouTubeやってたことあるんだよね」と昔話を切り出すとき、 ほどほどの自信を持って会話を始められるというくらいだろうか。

それとこれとは関係ないが、自分のこれまでの活動や編集の方針をメモ程度に残しておく。 YouTubeをやっている人、これからやろうとしている人の参考になるかもしれない。 ならないかもしれない。

投稿と編集の方針

はじめに、動画の投稿・編集の方針を表明しておく。

投稿の動機

主目的は、自分が作ったもしくは秀逸だと感じたデッキレシピを公共の場で記録すること。 「誰かに見てもらいたい」というよりは、「誰でも見ることができる状態にしておきたい」というのが動機。

解説用の媒体としては、今でも記事(ブログ)が最適だと考えている。 しかし、今ではゲーム攻略の検索エンジンYouTubeに頼るユーザーも多い。 実際、自分が別ゲーに入門するときは、YouTubeのプレイ動画を見て勉強した。それもあって、YouTubeの投稿を始めた。 動画のほうが実際の動きが分かりやすいという、副次的なメリットもある。

公開すべきレシピがなくなったら、動画を投稿する必要はなくなる。 あるいは、自分よりも優れたビルダー兼投稿者が現れ、あらゆるカジュアルデッキを網羅的にアップしてくれるなら、やはり自分が投稿する意義はなくなる。 そういう場合には、さっぱりYouTubeをやめてもいい。

登録者数・再生回数・高評価

一昔前のネット文化が染み付いているので、「チャンネル登録お願いします」とは言わない。 自分の中で何かが変わるまでは、くだらない意地を張るつもり。

再生回数もあまり気にしていないが、参考元のレシピがあって伸びが悪かったときには、一人反省会を開いている。

高評価率が高いのはちょっとだけ誇らしい。執筆現在、チャンネル平均で98.5%。

収益化

視聴者には、動画を見るだけでなく自力でデッキを組んでほしい。 そのためには視聴体験を少し悪化させたほうが良いだろうから、広告はONにしている。

ただし、ミッドロール広告は基本的にOFF。 動画の途中に何かが挿入されるのは気に食わない。 当チャンネルは7-10分の動画が多いが、そもそもミッドロール広告を入れていないので、YouTuber特有の調整とは無関係である。

過去弾の動画を見返すような熱心な視聴者にはサービスしたいので、新パックが発売されたら前の弾は広告を外す。

配信は収益化していない。自分の喋りで稼げるとは思わないし、配信に来る熱心な視聴者には真摯に向き合いたい。

標準的な動画一本の利益は、「生成ポイント換算でSR1.8枚分くらい」としておく。*1

コメント

コメントは一切見ていない。 YouTubeアナリティクスのトップ画面にもチラと映り込んでくるので、いつも懸命に目を逸らしている。 応援の声が多いのも把握しているが、クソコメを読んで投稿のモチベーションを削がれることだけは避けなければならない。

唯一の気がかりは、構築に関する議論を拾い損ねているかもしれないことだった。 しかし、「構築に有益なコメントはほぼありません。熱心な人はTwitterで議論してくれるでしょう」と報告&意見を頂いたので、安心した。

動画コメントをオフにすることもできるが、何かを書きたくて仕方ない人もいるだろうから、オンにしている。

収録方針

強いデッキはそれに相応しい場で活躍させるべきだと考えている。 ゆえに、次の条件のいずれかを満たす場合はランクマッチに行く。

  • ハンデスランデスが主成分
  • 過去に環境入りした基盤/カード群を使っている
  • 強そうなオーラを放っている
  • 主要パーツがNDプールに収まっている

最終的な判断は「カジュアルマッチで使われたいかどうか」である。

ランクマッチでの勝率が2割を切るようなら、カジュアルに移動する。 逆に、カジュアルの勝率が5割程度あるならランクマに行く。 ただし理想ムーブだけが決まっていないときは、効率重視でカジュアルに潜ることがある。

毎月マスターに行っているので、ランクマ対戦は原則プラチナ5かレート1500未満。

特定の戦術やデッキタイプを仮想敵とした構築で、試行回数を積んでも理想の展開が訪れなかった場合、Twitterでヤラセのルームマッチを募集する。 デッキが回らなすぎることを理由にルムマを募ることは無い。そういうレシピは、当チャンネルではボツになる。

動画編集環境

編集はYMM4。 解説ボイスはVOICEVOXの四国めたんを調声している。初期はゆっくりボイスだったが、興味本位で乗り換えた。 本当に今更だが、ゆっくりボイスを調声せずに使う路線にすればよかった。 VOICEVOXを聞き取りやすく調声するのは結構面倒くさい。

一番頭を悩ますのは、「動画タイトル・サムネ内の一言・概要欄」の説明の3つを書き分けること。 投稿作業は可能な限り効率化・効率化を追求しているが、これだけは毎回考えなければならないので、本当に面倒。 思いつかないときは、カードのフレーバーテキストやボイスから引用を試みる。

動画構成

基本構成は3戦。所々カットを入れると、大体7-10分くらいになる。 3戦で6分を切るような場合、4戦目を入れることもある。

内容の目安は以下の通り。

  • 1戦目:理想ムーブ
  • 2戦目:少しもつれた試合、サブプラン
  • 3戦目:珍/迷試合

二度と撮れないであろう競り合いや、やられ方が撮れ高になる場合、負け試合を選ぶこともある。 その際は、じっくり解説するか、逆にあっさり飛ばすかしてフォローする。

ソリティア系のデッキ、もしくは不具合等が見つかった場合は、おまけの解説・検証パートを入れる。

デッキレシピ

レシピの最新版は、基本的に動画冒頭およびブログのもの。

最終的にリストラしたカードが動画に映り込んでしまうこともある。 試合の進行に影響しなければ、「気付くなよ!」と念じながら解説をスルーする。

理想ムーブ収録のためにこっそり関連パーツを増やして回したり、 ご都合のトップやトリガーで勝った後にそのカードを1-2枚増やして辻褄を合わせたりすることがある。

デッキURLは、毎度発行するのが面倒なので載せていない。 そこで、PictDeckerのURLを貼ることで代わりとしている。 PictDeckerのゴールドスポンサーになったのは、こういう背景もあったりする。

というか別に、他の人に使ってほしいとは思っていない。 むしろ、視聴者が苦行を体験しなくてもいいように、実戦をこちらで引き取っているのである。

編集時間

編集時間の目安は以下。(サムネイル作成やアップロードを除く)

  • 省力モード → 動画時間の5倍
  • ほどほどに頑張る → 動画時間の8倍

編集を楽にするため、実況には無言の間があってもいいことにしている。

サムネイル・タイトル

サムネイルとタイトルは手を抜いてはいけないということを、割と最近学んだ。 ほんのちょっとの工夫で数字が取れるなら、それに越したことはない。

サムネイルはPowerPointで作成。 背景はデッキカラーにしている。 オシャレというより、余計なことを考えなくて済むようにという意図が主。 予め1色〜5色、計31種類の画像を用意して貼り付けている。

サムネ内タイトルは右上が基本位置。 以前は下部に置くことが多かったが、一度自分の動画を対象に統計を取ったところ、右上に配置した動画は再生数やインプレッション率が有意に高かった。

Powerpointには文字の多重縁取り機能が無いため、輪郭とぼかしで2重縁取りを擬似的に再現している。文字は背景とのコントラストを意識して、目立たせる。

カード画像は詰め込みすぎないほうが良い。自分は3枚を基本としている。

概要欄

概要欄の「試行回数」は、純心無垢な視聴者がデッキの強さを見誤らないよう、良心で載せている。 と言いつつ5本に1本くらいしかちゃんと数えていないので*2、結局視聴者は騙されている。

試行回数の標準は12-15回。ここに収束するくらいの再現性でデッキを組んでいるとも言えるし、心が折れて妥協し始めるラインがその辺りということでもある。

検索性の確保のため、概要欄にはキーカードの正式名称を載せている。

レシピの引用

影響を強く受けたレシピがあれば、そのURLを原案として掲載する。 できれば原案者にTwitterのDMで連絡を取って、回した感触やレシピのアレンジ意図を伝える。 手間の削減や平等性の担保といった観点から、引用は1件までとしている。

一般論として、公開されている情報は、引用元をきちんと示せば、当人の許可なく引用および再発信(動画化含む)しても構わないと考えている。 一方で、先駆者には敬意を示すのが当然の礼儀。 動画化を避けたい事情があるかもしれないので*3、都度連絡を取っている。 ありがたいことに、今のところ、動画化を断られたことは無い。 カジュアルビルダーは自身のレシピが広まるのを喜ぶ人が多い、という傾向のおかげでもある。

一度だけ、動画をアップロードした後、対戦相手から「自分の対戦を削除してほしい」と依頼されたことがある。 完全に先方の都合だったが、特にこちらも拘りは無かったため、部分削除に応じた。

投稿者になって分かったこと

動画投稿をするようになって初めて分かったこともあるので、ここで共有させてもらう。

続けやすい!

DCGは、動画投稿を特に続けやすい題材だと思う。その要素は以下の通り。

  • プレイ画面を映していれば間が持つので、撮影や編集の手間が少ない。
  • 定期的に新パックが出るおかげで、ネタに困らない。
  • デッキ編成が多様なため、個性を出しやすい。
  • 対人戦かつランダム要素を含むので、適度な緊張感が保たれる。

長期間にわたって投稿できているのも、こうしたメリットに大いに助けられているからである。

プレイミス

動画に解説をつけるためにリプレイを見返すようになって、自分のプレイミスが想像以上に多いことに気付かされた。 "恥知らず ON AIR"を回避するためにボツにしたリプレイも数知れず。

カジュアルでは「リタイアされないように即断即決」という建前がないこともないが、ランクマでしっかり考えた末に謎のプレイをしていることもしばしばある。

ミケガモに対してはもちろん、世の動画や配信一般に「プレミ多くね?」と思っている人は、ぜひ一度自身のリプレイを精査してみてほしい。

勝ち試合を選ぶ理由

一般的に、世に出回る動画の対戦は、基本的に勝ち試合である。 昔はこの不文律に対して、動画投稿者は皆ズルいなぁと思っていた。

しかし投稿を始めて間もなく、自分も原則勝ち試合を採用するようになった。 「わざわざ負け試合の動画を見たい人はいないだろう」という真理に至ったからである。 変なデッキを使って負けるのは当たり前のことなので、なおさら動画化する理由は無い。

真の地底

マスター帯でレートが1300を切ったあたりから、急激にマッチングが成立しにくくなる。 マスター帯のマッチングレート差は最大200(※経験則)、かつ中央レートが1500なので、ちょうど辻褄も合っている。

プラチナ帯と当たるようになるのかと思えば、全くそんなこともない。 マスターvsプラチナのレート・星変動の仕様が変わってからも、1300未満のマッチングは渋いままである。

こうなると、1分以上待った挙げ句にbotと当たるという事象がしばしば発生する。 botに勝ってもレートは増えないので、本当に詰む。

「地底パンチ」などという言葉があるようだが、パンチが当たっている時点でまだ""浅い""。 真の地底とは、パンチどころか人に出会うことすら叶わない奈落の果てである。

こうして人権がなくなるのは困るので、シーズンギリギリまでプラチナ帯でネタデッキを研究し、 終盤に業者デッキでマスター到達のノルマをクリアするのが最近のスタイル。

チャンネルアナリティクス

YouTubeに動画を投稿すると、チャンネルアナリティクスが使える。 ここでは、自分の投稿動画の様々な統計データを確認できる。 複数のデータを並べて比較したり、スプレッドシートに書き出したりすることもできる。

いくつかの統計処理をしてみたので、その結果を載せる。

ここまでの道のり

手始めに、自分のチャンネルの変遷を辿ってみた。

2021/4/2に最初の動画を投稿。 それ以降、チャンネル登録者と投稿動画の本数は以下のように推移した。

日付 人数 動画
2021/4/8 10人 5本
2021/7/5 100人 29本
2021/9/30 1000人 67本
2022/7/23 3000人 177本
2023/7/20 5000人 324本
2024/7/1 7000人 503本
2024/5/29 10000人 803本

100人を突破した後はゆるゆると増えていった。 投稿数も少しずつ右肩上がりだが、28・29弾は投稿を頑張りすぎたので、また元のペースに戻っていく見込み。

再生数トップ3

  1. 20弾【クロックストーム】
  2. 24弾【イメンTHEEND
  3. 10弾【石碑ロレンツォ】

が再生数トップ3。

1位は製作者の7B氏から対戦リプレイを貰って、編集だけ請け負ったものだったりする。 当時は、ビルド杯結果発表前からこのレシピに目をつけていた。 収録して動画化の許可を貰いに行ったところ、実はデッキビルド杯で入賞していて、氏のチャンネルでのアップロードを予定していると連絡された。 しかしながら結局実況が上手く行かなかったとのことで、音無しのリプレイを貰ってこちらで編集した。

視聴回数と登録者数

こちらのグラフは、登録者数と投稿数の増加の移動平均(30日間)を取ったものである。

登録者数が特に増加したのは(30日平均で15人/日以上)、2021年8-9月と、2024年11月-2025年1月、の2期間。

1つ目の山は、視聴回数の多い動画を作ったことで顕著に登録者数が増えたパターンである。 具体的には、2021年8月に《アブゾドルバ》の動画で初めて1万再生を記録。 さらに9月には、この時期にしては異様に伸びた【石碑ロレンツォ】を投稿できた。

試しに、視聴回数-その動画による登録者数 の散布図を作ってみた。

こうしてみると、やはり視聴回数とそこからの登録者数には強い相関がある。 本当に大雑把には、「視聴回数 / 1000 * 1~2 [人]」の登録者が見込めると言っていい。

2つ目の山は、動画の投稿頻度が上がったのが登録加速の要因である。 2024年11月は、28弾リリース前から投稿頻度が1日に2本になった。 28弾はじめは新弾SR《ヘビーポップ》でマトモな動画を作り、その後もまあまあキャッチーな動画を毎日投稿できた。 28弾中盤移行もD2フィールドのおかげでデッキ開発が捗ったため、1月末までの間投稿ペースが非常に高かった。 1パックの間に83本もの動画を投稿したのは、明らかに異常だった。

ミッドロール広告

ミッドロール広告は、8分以上の動画に挿入するかを選べる。 これにどの程度効果があるのかを実証するため、2024年末頃に実験をしていた。 内容は、いくつかの動画でミッドロール広告をオンにして、収益の額を比較するというもの。

上のグラフは、動画の投稿日から一定期間後における、動画時間と収益の関係を示している。 「収益指数」は、「再生回数あたりの収益」に比例するように独自に定義した数値である。 すなわち、「その動画が再生されるごとに発生した収益」の指標といえる。*4

これを見ると、ミッドロール広告なしの動画では、収益指数は動画時間によらず概ね一定である。 つまり、収益は再生回数に比例して増える。

一方、ミッドロール広告ありの動画では、特に動画時間が15分を超えたあたりから、収益指数がそれに対応して伸びていく傾向が見られる。 そして、8-10分程度の動画では、ミッドロール広告の有無では、収益指数に顕著な差は見られない。

自分はこの分析から、「8分ちょっとの動画にミッドロール広告を出しても、収益効果は低い」という結論を出した。 おそらく、短い動画はミッドロール広告が挿入される頻度が低いのだと思う。 ミッドロール広告を目的に8分を超えるよう調整しているYouTuberを見かけるが、その効果は限定的なのではないか。

おわりに

チャンネル初投稿の動画は当然《ジェネラルマンティス》。 そして1万人を達成してから最初の動画も、《ジェネラルマンティス》になった。 シーズン最終日付近の動画は順番を決め打ちして予約投稿するので、これはたまたまである。 また、1万人に到達したのが勝太編最後となる30弾の最終日(31弾リリースの半日前)だったのも、全くの偶然である。 それにしても色々とタイミングが良すぎて笑ってしまう。

youtu.be

youtu.be

この記事の下書きを始めた一番の理由は、YouTubeでの発信活動が広まってほしかったからだった。 ところが、記事を寝かせている間に、動画投稿を始めるプレイヤーが何人も現れた。 結局、投稿前に自分の願いは叶ってしまった。

改めて、YouTubeはもっと早くから始めていればよかったと思う。 投稿・配信を続けている中では古株のほうだが、自信を持って古参だと言うには、せめて3弾よりも前に投稿を始めているべきだった。

今も昔も、特段これといった到達目標はない。 強いて言うなら、なるべく安定して投稿を続けることか。 これからも細々とやっていきたい。

*1:換算方法はこのブログのどこかに載っている

*2:残りの4本は体感。±3戦くらいの誤差がある

*3:自身や他の人が動画化予定だったり、イベントで使うつもりだったり

*4:YouTubeの評価アルゴリズムを把握しているわけではない。再生回数だけを考慮すればいいとも限らない点には留意