はじめに
追記:2020/10/25
元々この記事は、2020/07のドルゲーザカップでマスターランクに到達したときに書いたものである。 シータメイデンは、DMPP-05, 06環境でも環境デッキとして名を連ねている。 しかし、そのテンプレ構築は、環境の変化に対応して変わってきている。
そこで、DMPP-04時点でのレポートの前に、DMPP-06のテンプレート構築も載せることにした。 注意してほしいのだが、私自身はDMPP-05,06環境でメイデンを使っていない。 DMPP-06部分の記述はあくまで、よく見かけるメイデンのテンプレであろう構築、および一般論をメモしたものとなる。
ちなみに、2020/08のバルホルスカップ(DMPP-04環境)でマスター到達した時の記事は以下。 mikegamo.hatenablog.com
DMPP-06環境レシピ
DMPP-05で《翔天妖精レチア》を獲得。 元からいた《一徹のジャスパー》と併せて、除去を食らってもよりアドバンテージを失いにくい構成になった。 コントロールデッキからは《ゴースト・タッチ》《汽車男》らの軽量ハンデスが消え、代わりに《ファントム・バイツ》《クリムゾン・チャージャー》などの火力除去が積まれるようになった。それら火力除去に対して強いことが、この構成の強みである。
最大の特徴が、ほぼ4積みされるようになった《ホーリー・スパーク》。 トリガー《スパーク》を潰せる《ボルバルザーク》がDP殿堂入りしたのが大きいだろう。 《スパーク》搭載によって、本来不利であるはずのウェーブストライカーや5c天門に対しても、盾削る→トリガーor手撃ちスパークによるワンチャンを通しやすくなった。 メイデンデッキは、《メイデン》《レチア》《ジャスパー》らによってマナ・手札をある程度確保したまま盾を削り切れる。そのため、その後の《スパーク》に価値を持たせやすい。
DMPP-05環境全体の考察は↓に。 mikegamo.hatenablog.com
多色わんさかの構築で4色目を入れる余裕は無いと考えていたのだが、この構築でも普通に回るというのだから驚き。デュエプレのマナシステムでは相当無茶が効くということだ。
ちなみに3色構築だと、「ある2色の多色カード+残り1色の単色カード」の組み合わせでマナの色を揃えるように組むと安定する。このデッキでは、赤緑多色、青単色で揃えたい。
ついでに、ここでは《アポカリプス・デイ》も入れてみた。5・6枚目の《スパーク》と思って積んでいる。 スピードアタッカーと進化速攻《メイデン》のおかげで、更地にした後に即座に殴りにいける。 ただし色事故も増えるので、積まないレシピもよく見る。
残りはDMPP-04環境からあったレシピそのままという感じ。 ↓の記事でも考察したように、メイデンデッキには必須カード以外に15枚前後の自由度がある。 今回の構築ではその自由スペースを、白トリガーと色事故しにくくなるカードで埋めている。 mikegamo.hatenablog.com
以下、2020/07の内容
DMPP-04環境レシピ
型が2つあるので、詳細は分けて解説。
- コンセプト:C
- 完成度:B
- デッキパワー:S-
- 思い入れ:A+
高速型
プラチナ2-2から使っていた高速型メイデン。 マスター到達時に使っていたのもこっち。 ウェーブストライカー対策の試作品として構築したが、結局WSとは2回しかマッチングしないままマスターに。
1マナクリーチャーを10枚積んで、速攻成分を高めた。 といっても、多色が大量にあるので1ターン目にプレイできないことも多い。 どちらかというと、試合中盤に余ったマナで適当に投げつけることを目的に積んでいる。
中速型に比べ、《メイデン》を出さずに勝つ試合が増えた。 最早ただの速攻なのでは。
一応、1ターン目に1マナクリーチャーをプレイできる確率を上げるため、多色枚数は可能な限り抑えて14枚。 そのため、《メイデン》のブースト確率が高め。
中速型
それまでに使っていた中速型メイデン。 対戦回数はこちらのほうが圧倒的に多い。
こちらは《メイデン》で殴り始める意識で作っている。 《メイデン》と《クワキリ》のダブル・W・ブレイカーで押していく。 多色枚数は驚異の21枚。当然ながら、多色事故率も非常に高い。
これが完成形だとは全く思っていない。 高速型に切り替えた時にたまたまこうなっていただけである。
共通コメント
ビートダウンにもかかわらず多色カードを大量に抱えているため、事故りやすい。 ガツガツ殴れば良いのでプレイ自体は難しくないが、とにかく高い事故率を考慮しなければならないため慣れが要る。
構築は結構難しい部類である(と思う)。 《メイデン》は早出しできれば非常に強力だが、《メイデン》1体が生み出す純粋なカードアドバンテージは大きくない。安定して勝てるデッキに仕上げるには、《メイデン》を早出しできなかったときのプランや、《メイデン》で押し切れない相手へのメタを、余ったスペースできちんと補ってやる必要がある。 そして、《メイデン》以外のプランを用意しておくと同時に、《メイデン》のために色のバランスや多色カードの枚数も意識すべきである。
真面目なデッキに対しては滅法強いが、フザけたデッキ(具体的にはウェーブストライカーと天門)には敵わない。 得手不得手がハッキリしているので、勝つために使うなら環境を読む必要がある。
7/17, マスターランク到達。 上振れ6連勝からのトス2回で昇格した。
プレイング
1ターン目のマナチャージには細心の注意を払うこと。 テキトーに埋めると2マナ多色クリーチャーがプレイできなくなる(数敗)。 単色は青が一番多いので、迷ったら赤緑の多色を埋めるのが良い。中速型なら《タグタップ》チャージが安泰。
《メイデン》を初手で2枚引いた場合、1枚は埋めてしまってよい。 経験上、2枚キープして両方とも出す展開にはまずならない。
3t目《メイデン》が決まる手札なら全力で狙う。 例え高速型であっても、1マナクリーチャーを1ターン目に展開する必要は無い。
高速型は《メイデン》進化速攻ができる5マナ、中速型は3x2が可能な6マナが最終目標マナ。
戦績
相手のデッキタイプごとの勝敗と所感。 記録期間は2020/7/3 ~ 2020/7/17。 高速・中速の区別はしていない。
総合戦績 85勝66敗
- w=勝ち、l=負け。
- プラチナ5の星5からマスター入りすると21回勝ち越すはずだが、記録ミスで負けが2回多くなっている。
- 途中で構築を変えているのであくまで参考程度に。
勝率56.3%。勝てない相手に全然勝てず、苦しい思いをしてマスターに上がったが、ドロマーイニシエートに比べると100戦も少なかった。
ウェーブストライカー 6勝21敗
逆立ちしても勝てない。
《ラメール》で3マナWSがパワー7000になって《メイデン》が死ぬ。 《マッチョ・メロン》で《メイデン》が相討ちを取られて超アド損。 相手にガチガチに固められてしまうと、2枚トリガーしても止められない。 勝てている2割の試合は全部相手のプレイングミスだと思う。
一般的に、対WSはリソースを切れさせて勝つのが理想である。 しかし、序盤からビートしていくこのデッキではそれは不可能。 WS発動がほぼ確実であるため、1枚あたりのカードパワー差に蹂躙される。
対策にずっと頭を悩ませていたのだが、最後は全然マッチングしないままマスターに到達してしまった。 結局どうすればいいか分かってない。
高速型なら、事故った相手にワンチャンス取れるかもしれない。
- リースウェーブ lllwlllllwllwlwll(4勝13敗)
- ネクラウェーブ llllll(0勝6敗)
- シータウェーブ w
- アナウェーブ l
- トリーヴァウェーブ l
- ドロマーウェーブ w
青黒ボルバル 19勝7敗
カモ。 中速型の方がより安定して勝てる。
元々ビート耐性がカスなので、変なトリガーの踏み方をしなければ勝てる。 低コストの防御札が《バキューム・ジェル》《ハルク・クロウラー》で、どちらも《メイデン》を止められない。 速攻キラーのはずの《炎槍と水剣の裁》も、《メイデン》《ゴンタ》《ジャスパー》が主力なのでそんなに怖くない。
殴り返しよりも除去トリガーを警戒し、《ジャスパー》>《ゴンタ》だと思ってプレイしていた。 《霊鳥》は重要でないが、《エクストリーム・クロウラー》を入り構築に対しては必須。
- wwwwllwwwwwwwwlllwwwlwlwww
天門 9勝14敗
普通にキツい。札束デッキのためか、マッチング数がそれほど多くなくて助かった。 実はトリガーを踏まなければあっさり勝てる。対WSに比べるとまだ勝ちを拾いやすかった。
《霊鳥》をたくさん積んでいる中速型の方が有利。そもそも、高速型での対戦経験が殆どなかったり。
《ヘブンズ》ギミック以外の構成が多様だが、このデッキにとっては《ヘブンズ》以外はあってもなくても同じようなものである。
《バルホルス》対策に《火炎流星弾》、デカブツ対策に《霊鳥》をキープする。
- 5c天門 llllwwllwlwwwl(6勝8敗)
- ドロマー天門 wll
- 赤抜き天門 lll
- 青抜き天門 w
- 天門ドルゲ lw
ブリザード 11勝12敗
《サエポヨ》が出てくるかどうかで全てが決まる。 《サエポヨ》さえ出てこなければ、《メイデン》が《ブリザード》を上から叩ける、トリガー《デーモン・ハンド》が無いために大幅有利。 《メイデン》で思う存分暴れよう。 一方、《サエポヨ》を出されると相当厳しい。1~2枚割った後、場にクリーチャーを溜めてからノートリガーに賭けて殴るしかない。
バウンス多めかつ《クリムゾン・ハンマー》が挿してある中速型の方がわずかに勝ちやすいように感じる。
殴るタイミングを管理できない《ジャスパー》はあまり出したくない。
最近流行りの白緑ブリザードには全敗した。 《ペトローバ》が強いとか以前に、どれも《サエポヨ》を引かれて負けたのだが。
クイーン・メイデン 6勝7敗
五分。ミラーで負け越しているのは悔しい。 おそらく、手札を使いまくれる高速型の方が有利。
基本的に、先に《メイデン》でW・ブレイクを決めたほうが勝つ。 事故りやすいデッキなので、水面下で色々な事が起きていると思う。 手札に4枚《メイデン》が来たときは流石に焦った。
- シータメイデン lwllwlwlw(4勝5敗)
- 黒抜きメイデン wl
- 白抜きメイデン w
- アナメイデン l
ドルゲーザ 5勝3敗
微有利だが、相手の引き次第でひっくり返る。 早めにゲームエンドできる高速型が有利だが、《クワキリ》が無限のパワーを得る中速型でも十分戦える。
4t目の《ドルゲーザ》は流石に厳しいので、絶対に《西南》をバウンスしたい。 もしくは先攻を取って3t《メイデン》。
- アナドルゲ lllw
- 青緑ドルゲ w
- シータドルゲ w
- ドルゲボルバル ww
ドラゴン 5勝2敗
ドラゴンが湧いてくる前に押し切れるので有利。 高速・中速どちらでもあまり変わらない印象。 トリガーが厚い4cドラゴンの方が面倒である。
- 3cドラゴン ww
- 4cドラゴン wwllw
赤白速攻 4勝1敗
こちらが軽量多色のカードパワーを押し付けていけるため、有利。 《ソル・ガーラ》《フンヌー》を倒せる《火炎流星弾》が便利である。
- wlwww
アウゼスコントロール 4勝1敗
普通に有利。《流星弾》で《ピカリエ》を破壊すれば負けない。 まとめるつもりはなかったが、ギリギリ5戦していたので載せておく。
- ドロマーアウゼス www
- ネクラアウゼス l
- 青抜きアウゼス w
その他
- クローシスボルコン www
- 5cコン ww
- 白黒ボルバル ww
- 緑抜きボルコン w
- 赤青t白速攻 w
- 赤緑速攻 w
- ボルバルバロム w
- トリーヴァビート l
- 青単 w
- ドロマーリーフ w
- 不戦勝 www
カード解説
《永刻のクイーン・メイデン》
DMPP-04の良心。
進化元がスピリット・クォーツ指定から多色クリーチャーに緩まる強化を受けた。デュエプレのマナチャージのシステムは多色カードに有利であることも合わせて、本家に比べてだいぶ構築しやすくなっている。
さらに、ランダムブースト/ドローの条件が変更になった。ブーストで埋まった単色マナをそのまま使えると思えば噛み合っている効果だが、手札の多色事故を促進すると考えると逆に嬉しくない。
3ターン目に飛んでくるW・ブレイカーはシンプルに脅威。パワー6000も速攻としては破格。 さらにcipで1枚分のアドバンテージを取れるため、似た運用をする《ヴァルボーグ》よりも息切れしにくいのも強い。 とはいえ、長期戦になると流石に厳しい。さっさと出してさっさと殴るに限る。
一番の問題は、自身も種も多色カードであること。ビートダウンでありながら多色事故になりうるというのは深刻である。 構築も重要だが、それだけではどうしようもない部分もあるので、プレイングでカバーするしか無いだろう。
《クイーン・メイデン》の1つの強みは、進化速攻によって5マナでシールドを2枚割れることである。 ゆえに、息切れせず安定して5マナまで伸ばせる中速型の方が構築として噛み合っている。 また、ランダムブーストドローは高速型と噛み合いが悪い。 手札が尽きやすい高速型こそ手札が欲しいところだが、高速型は単色が多いのでブーストになる確率が高い。 こういった背景をもってしても高速型のほうがやや勝ちやすかったのは、ひとえに環境のせいだろうか。
《無頼勇騎ゴンタ》
《裁》に引っ掛からないのが偉い。 前環境でネックだった《聖天使グライス・メジキューラ》が消えたのは追い風。
《一徹のジャスパー》
使うと分かる強さ。青黒ボルバルに勝てるのは半分くらいコイツのおかげ。 逆に対速攻だと無力。
《電磁無頼アカシック・サード》
ただの種。これだけ戦って2回しか変身したことが無い。
《火炎流星弾》
《エリクシア》、《エクストリーム・クロウラー》、《アースラ》with《ラメール》など、焼けないブロッカーが増えている。その一方で、《バルホルス》《ハルク・クロウラー》など、刺さる相手も未だに多い。 赤入りなら2~3枚積んでおきたい。
《霊鳥と水晶の庭園》
手札の減らないバウンス。《メイデン》が取るカードアドバンテージ量は多くないので、こうやってカードを1枚1枚大事に使いたい。でも多色事故のもと。
《クリムゾン・ハンマー》
2t目に出てきた《ラメール》をぶち殺すために入れたが、そう上手く行くものではなかった。WS発動されたら焼けなくなるし…。《サエポヨ》《コッコ・ルピア》を焼けるのは良いが、入れてもせいぜい2枚。
入らなかった候補カード
《フォーチュン・ボール》
《メイデン》Wブレイクから美しく繋がる。 その一方で、デッキが上手く回っていない時にはとことん腐る。
4マナは《クワキリ》もいるため、最終的に抜けてしまった。 ドローカードには低コストかつ安定した《アクア・ハルカス》を選んだ。
《クリスタル・パラディン》
天門対策。《フォーチュン・ボール》を《ハルカス》に変えた時に一緒に入れてみたことがある。 強いことには強いのだが、展開力に欠ける《メイデン》およびその進化元とは相性が微妙に悪かった。
《クック・ポロン》
ミラーで採用している人をよく見た。 2マナクリーチャーは《メイデン》の種で十分だと思っているので入れていない。 WSに対しても強気に殴れるのは強いのかな。
《地脈の超人》
場に多くの文明を展開してくるWSに刺さるかと思って投入していた。 WS以外の相手には確実に《クワキリ》の方が良いこと、そして《地脈》の他に2文明並べてもたった7000で、《ラメール》+3マナWSと相討ちになることから即座にリストラされた。環境が本当にWSだらけになったらまた考える。
おわりに
構築の結論が出る前にぬるっとマスターに上がってしまったため、消化不良の感がある。 流石にこのデッキでレジェンドを取れる気はしないので、今月はカジュアルマッチでちゃぷちゃぷ遊ぼうと思う。 気力があれば来月も回すかもしれない。