ミケガモのブログ

【デュエプレ】2021/3/25のカードバランス調整について

はじめに

2021/3/23、唐突にカードバランス調整が予告された。

今回の調整対象は、制限1枚、ナーフ2枚、強化2枚で計5枚。 適用は2021/3/25のメンテナンス明け以降。

取り急ぎ、今思う所をメモしておく。

dmps.takaratomy.co.jp

調整カード紹介

《ストリーミング・ビジョン》

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DP殿堂に指定、1枚制限となる。 ADの【ツヴァイランサー】からドローソースが没収された。

AD/NDルールが導入されたDMPP-07環境において、【ツヴァイ】は《マーキュリー》を手に入れた。 呪文封殺の《マーキュリー》に加え、強力ドローの《ビジョン》も使えるADの【ツヴァイ】は、 かなり手の付けようがないデッキと化していた。 その一方で、NDでの使用率が低めであることから、《ビジョン》の影響力が強いと判断されて制限になった。

ちなみに、「《ビジョン》を撃っている暇が無いほど今の環境は速い」と言われることもあるが、 現環境は全てのデッキが高速なわけではない。 【天門】のようなコントロールにはもちろん、【赤黒ドラゴン】【メカオー】のミッドレンジに対しても、《ビジョン》を撃つタイミングくらいはある。 《ビジョン》の役割は、殴ってこないデッキ対面でリソースを取ること。 ゆえに、今でも重要なカードである。

念のため補足するが、《ビジョン》自体のカードパワーは妥当である。 パワーカードである《ツヴァイ》の身代わりとなった形だ。完全なとばっちりである。 とはいえ、今までに《ビジョン》を使っていたのは青単デッキのみ。 その青単にも《アストラル・リーフ》《インビンシブル・テクノロジー》が残されているため、 これによって巻き添えを食うデッキはほんの一部なのが救いだ。

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パワーカードに規制がかからず、周辺カードに制裁が下るのはよくある話。 このようなケースは、今後カードプールが増えるにつれてどんどん増えてくるだろう。 その時に運営がどう対処するかが見ものである。

《ジェネラル・クワガタン》

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探索ブースト能力削除。 2つの能力がガッチリ噛み合ったオーバースペックカードが、その1つの力を失う。

紙の《インフィニティ・ドラゴン》のドリームメイト版とでも言うべき能力で、【パンダネルラ】の中核を支えてきた。 《デーモン・ハンド》で破壊しても、マナからゾンビのように現れ、その後続もすぐに確保してくる。 こいつが1枚出るだけで、マナブーストというアドバンテージを取りながら、最大3回も破壊効果を無効化できていた。 《パンダネルラ》のバトル交替能力との相性も抜群だった。

探索ブーストが強すぎるから消すべきだという声は、環境が固まり始めた頃からちらほらと上がっていた。 自分も、この調整に関しては妥当であると思う。

トリーヴァ型の【パンダネルラ】は、《ジェネラル・クワガタン》や《バンジョー》の探索、 《パンダネルラ》のランダムリクルートを安定させるため、ドリームメイトの搭載枚数を減らす努力がなされていた。 コイツの探索ブーストがなくなった今、構築がどう変わっていくのかに注目したい。

《剛勇王機フルメタル・レモン》

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パワー低下、山札消費枚数増加。 思わぬ強化を受けてデュエプレに参戦したはいいものの、 ついには紙版の効果に戻ってしまった。

カード予告で同日発表だった《アガピトス》から呼び出されて、 即死を予防したりタップキルに参加したりする地味な強カードだった。

山札消費が8枚から10枚になるのはかなり痛手である。 1打点で2ターン、2打点で4ターンもキルターンが変わることになる。 デュエプレでアグロと《レモン》が対峙した場面に出会ったことがあれば、その違いを想像するのは難くない。

パワー3000と1000の差も相当大きい。 まず、パワー2000以下のクリーチャーをタップキルできなくなる。 《アガピトス》や《キングダム・ゲオルグ》といったタップカードと合わせて積まれるカードだったので、 この弱体化は地味に辛い。 そして、《ピアラ・ハート》や《竜極神メツ》の火力に引っかかるようになる。 特に除去手段に乏しい速攻デッキはコイツでほぼ詰んでいたが、それがかなり軽減された。

これも、悪いのはどちらかというと《アガピトス》の方である。 しかし、《アガピトス》は最新弾のSR、しかもコラボカードにまで選定されている。 運営としては、これをそう簡単に弱体化させるわけにはいかない。 直接弱くできない《アガピトス》へのヘイトを少しでも下げたい、という願いから出た苦し紛れの調整である。

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《超神龍アルグロス・クリューソス》

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コスト1減、タップ数が1体追加された。

DMPP-07のポンコツSRドラゴン3人衆の1人。 前回の《インビンシブル》強化のタイミングで強化を予想するプレイヤーもいたが、 そこからだいぶ遅れて強化が入った。 今更感がすごい。

このカード、強くはないが別に弱くもなかったので、強化の必要性については疑問が残る。 コイツが今になって調整されたのを見るに、 《ペガサス》《ソルフェニ》は目玉カードのためすぐにでも強化すべきと判断されたのに対し、 《インビンシブル》《ザマル》やコレのような看板商品ではないカードについては、 一環境ぶんだけ様子見してから調整に入るということなのかもしれない。

↓ 普通に戦えた。

mikegamo.hatenablog.com

それはさておき、自分も適正コストは7だと思っていたので、この調整はちょうどよい。 おまけにタップ数まで増えた。ここまでやったらさすがに強そう。 【赤白アポロヌス】の《ボルガウルジャック》と枠を争うか。

《スナイプ・アルフェラス》

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セルフハンデスが、ランダムから選択式になった。

グランド・デビルのデッキエンジンを担う軽量クリーチャー。 不本意な事故が減るのはありがたい。 さらに、紙版でできていた《悪魔提督アルゴ・バルディオル》とのコンボも晴れて復活することになる。

ただ、この調整だけでグランド・デビルデッキが躍進するかというと、自分にはそうは思えない。

グランド・デビルの問題点は、《アルフェラス》以外にアドバンテージを稼げるカードが存在しないことである。 しかも、その《アルフェラス》も自身はcip能力ではない。 エンジンが少ないうえ、それも安定感も欠いているために、デッキが上手く回らないのである。 《ピラミリオン》&《ガトリンガー》(&《フェニコーラー》)、 《ウルコス》&《バンジョー》のように、 中盤に差し掛かるまでにcipでアドバンテージを取るカードが2種類以上あるグレートメカオー、ドリームメイトが強いことが、これを裏付けている。

そもそもグランド・デビル自体、 「他がダメダメの不死鳥編期においてまだ使われた方」というだけの種族である。 環境トップで栄光を飾った経歴のある、サイバー・ウイルスやイニシエートとは話が違うのだ。 紙の不死鳥編で唯一のまともなテーマデッキである【グランド・デビル】をデュエプレに招き入れたいというのなら、 もう一押しの強化が必要なのではないか。

所感

8弾環境は、7弾環境と打って変わって、プレイヤーによるメタゲームの開拓が進んでいた環境だった。 【アガピトス天門】【パンダネルラ】の二強は、どちらもパック発売前には予測できなかったデッキタイプである。 《ジェネラル・クワガタン》に関しては良調整だと思う一方で、 一刻も早く調整が必要だったかと聞かれると、まだ開拓の余地が残されていたような気もしている。

環境の方は、【トリーヴァパンダ】がかなり戦力減、【リースパンダ】【アガピトス天門】が戦力微減といったところ。 【パンダ】が非常に苦手だった【クローシスゲキメツ】、やや苦しかった【メカオー】などは躍進の可能性を秘めている。 【グランド・デビル】は環境2軍に来れるかどうかも怪しい。 盤面展開が得意な【パンダ】【アガピトス天門】に《超神星ネプチューン・シュトローム》が刺さるのが【ドデビル】の強みだったが、 この2デッキが弱体化するならその強みも薄くなる。

また、《ビジョン》を制限にするという所で、デュエプレ運営はAD環境も調整する姿勢を見せている。 次の公式大会のルールがADであることが主な理由なのだと思うが、 今後もAD環境が全くの無法地帯になることはなさそうだ。