7弾リリース予定!
12/10にリリースされる見込みの、デュエプレ第7弾カードパック『超神星爆誕』。*1
デュエプレ1周年を迎えること、ランクマッチに新フォーマットが導入されることなどから、ユーザーからの期待が非常に高い新規パックである。
7弾は、紙のデュエマの「不死鳥編」のカードが中心に収録される。 不死鳥編の目玉となるギミックは、以下の3つである。
- クリーチャー3体から進化する進化GV、「超神星」
- 2文明にまたがる5つのサイクル種族「ハイブリッド種族」
- 光・水文明にもドラゴン登場
ティザームービーや現時点での公開カードを見れば、この3つの路線が7弾で全て回収されるのが分かる。
不死鳥編とは
ところで、紙のデュエマプレイヤーの共通認識として、不死鳥編はデュエマ史上屈指の不人気エキスパンションである。
不死鳥編では、新登場のハイブリッド種族をプッシュする目的で、 それまでに登場した種族のほとんどがリストラ(背景ストーリー上では「絶滅」)、もしくはそれに近い扱いになった。 人気種族のドラゴンですら例外ではない。
では、代わりに推されたハイブリッド種族はどうかというと、これがクソほどに弱かった。 不死鳥編のカードプールでまともに戦えたのは、5種族中グランド・デビルのみ。 ハイブリッド種族種族用に、フォートE、ダイナモ、バイオ・K、L・ゲートなど、様々なキーワード能力が登場したが、 ほとんどが実用に足りうるものではなかった。
メインの超神星たちは、イラストや効果が派手でカッコいいものの、 進化元を3体揃えなければ出せないこと、出せても除去に弱すぎること、 そして進化元のハイブリッド種族が弱すぎることから、ファンデッキ程度にしかならない性能だった。
既存デッキの強化パーツが非常に少なく、新ギミックは悉くロースペック。 不死鳥編の売り上げは、地の底にまで落ちたという。
7弾のカードたち
話をデュエプレに戻そう。
これまでのデュエプレでは、紙で登場したカードが性能調整されてリリースされてきた。 時には魔改造とも言える調整の結果、紙の懐かしさを残しつつ、 メタゲームが次々と移り変わる刺激的な環境を楽しむことができていた。
しかも今回は、紙の方でデフレが著しかった不死鳥編。 どんな風にテコ入れしてくるのか、デュエプレユーザーは開発班に大きな期待を寄せていた。
しかし、である。
今日(11/28)までに公開された7弾のカードは、悲しくもその期待を裏切るものばかりだった。
具体的に問題点を指摘すると、ユーザーが新カードを使ったデッキを想像できないということだ。
まず、パックの目玉となるSRで公開された次の3枚を見てみる。
《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》は、この中では唯一デッキのメインカードたりえるカードである。 しかし、進化元のアーク・セラフィムとグレートメカオーは新種族。 既に公開された《護聖霊騎ケスト・リエス》は使いやすい種になりそうだが、他に《ヴィーナス》を見据えたカードは登場していない。 不死鳥編のカードリストに期待はできないため、プレイヤーはデッキのイメージを掴めていない。 しかも、ただ並べてパンチャーを出すだけなら、現環境で暴れている《クリスタル・ツヴァイランサー》との差別化が難しい。 できるのはただファッティでごり押しすることだけなので、デッキとしての目新しさは薄い。
《インフィニティ・ドラゴン》は、【連ドラ】の強化パーツである。 流石に延々と場に留まることはできなくなったが、決して弱くは無い。 ただ、この効果はやや後ろ向きで、能動的に何かできるカードではない。 現状、デッキを極端にドラゴン偏重にするメリットのあるカードは2弾収録の《紅神龍バルガゲイザー》くらいのものである。 《インフィニティ》を使うビジョンが見えているプレイヤーは少数だろう。
《魔聖デス・アルカディア》は、闇文明に堕ちた《アルカディアス》の姿である。 背景ストーリーの繋がりから見ても、《アルファディオス》の次の弾に収録されるのは一定の評価ができる。 スペックは上々、効果も唯一無二の良カードだ。 が、やはり受け身の効果なのはネック。 さらに《インフィニティ》と違って、紙の方で《デス・アルカディア》が採用されるメジャーなデッキは存在しなかった。 W・ブレイカーが付いただけでは、デュエプレで大出世した《血風聖霊ザーディア》のような活躍は見込めない。 登場は嬉しいがどう使って良いか困る、というプレイヤーがほとんどではないだろうか。
このように、以上のSR3枚に関しては、これらを使った新デッキへの期待感が弱い。《インフィニティ》は元・R、《デス・アルカディア》は元・VRだから仕方ないのかもしれないが、新弾の注目度を上げねばならない状況でそんなことは言っていられない。
ちなみに今日は、新弾リリースの12日前。 直近3パックのリリース12日前までに公開されたSRの顔ぶれは、以下の通りである。
- 6弾 《アルファディオス》《ヴァルキリアス》《ツヴァイランサー》
- 5弾 《スターマン》《ナーガ》《ペガサス》
- 4弾 《キルスティン》《裁》《ドルゲーザ》
なんというか、ワクワク感が違わないだろうか?
過去のSRでは、こんなレシピで使ってやろうとか、どんな強化パーツを貰えるんだろうとか、そういう想像が掻き立てられるのではないか?
今公開されている3枚では、残念ながらそういうイメージが持てない。
さらに、これまで公開されてきたVR以下のカードも、いまひとつと言わざるを得ない。 汎用性はお世辞にも高いとは言えず、強化はあるにはあるがどれも微々たるものである。 特に元が弱すぎるカードに関しては、こんなことでは全然ダメだ。 もはや魔改造を楽しみにしていた節があるのだが、どうやらそれも期待できないらしい。
【第7弾カード情報】
— デュエル・マスターズ プレイス【公式】 (@dmps_info) 2020年11月23日
《翔竜提督ザークピッチ》
フェニックスに抗う術を持つドラゴンも、旧世界の生き残りだけでは数が足りていなかった。#デュエプレ #翔竜提督ザークピッチ #超神星爆誕 pic.twitter.com/YmOn6z6lLZ
↑ 良カードだけど、汎用性・テーマ性はというと……
過去弾で事前公開されたVR以下のカードは、《腐敗電脳アクアポインター》、《永刻のクイーン・メイデン》、エターナル呪文、《暗黒秘宝ザマル》など。色々なデッキを強化してくれそうだったり、派手さは無くとも確実に新しいデッキを生み出してくれるようなカードたちだった。その風格が、7弾のカードたちには無い。
今まで公開されたカードは、SRもそれ以外もイマイチ。
新しく組めるデッキのイメージもつかないし、既存デッキの強化も望めない。
これでは不死鳥編の二の舞だ。
新カードでどんなデッキを組めるかをプレイヤーに想像させることは、新パック発売までユーザーを繋ぎ止めて、高まった熱量でパックを買ってもらう上での重要な商業戦略となるはずだ。 こと7弾に関しては、それが本当に下手である。
まずは紹介するカードを、ユーザーにとって見通しの良いものにしてほしい。 ユーザーが今求めているのは、渋いサポートカードではなく、デッキの核となる華やかなカードだ。
そして、もし実戦値の高いデザイナーズデッキが既にあるのなら、それを構成するカードを一気に見せるべきだ。元がアレな不死鳥編のカードでユーザーの注目を引くには、それしかない。
大型弾であってくれ
こんな状況でも、まだ折れずに希望を抱ける理由がある。7弾が大型弾になる可能性だ。
12/10から1弾がスタン落ちすることを考えると、 カードプールの総枚数をキープするために1弾と同じ枚数の7弾で追加してくることは十分に考えられる。 進化GV、ハイブリッド種族、5文明ドラゴンという盛沢山すぎるラインナップを収録しきるのは、 むしろ大型弾でなくては不可能だ。
ところが、今までのカード情報公開のペースは4,5,6弾と同じ。 1弾の頃はリリースの2ヶ月も前からカードが公開されていたことを考えると、 7弾が通常規模の弾になってしまう可能性も否定できない。
仮にそうなってくると、個人的に危惧しているのが《ヴィーナス》の立ち位置である。 紙で《ヴィーナス》が収録された不死鳥編1弾では、ハイブリッド種族とそこから進化する超神星の5文明サイクルが構成されていた。 私は、《ヴィーナス》の真の価値は5文明サイクルの美しさにあると考えている。 《ヴィーナス》の同期、《マーキュリー》《プルート》《マーズ》《ジュピター》の4体も同じ弾に出してほしい。 いや、出してもらわなければ困る。
7弾が通常弾だった場合、他の4体を収録するスペースはかなり厳しくなる。 こと闇文明に関しては、SRの枠が《黒神龍グールジェネレイド》《魔聖デス・アルカディア》の2体で埋まってしまっている。*2 7弾ティザームービー最後に映る赤い影も、他の4体とは別のカードだ。
もし《ヴィーナス》を他4体から切り離して単体で収録するのであれば、私は開発班のセンスの無さをボロカスに叩くだろう。 そんなことはしたくないのだが、そのために7弾は大型弾でなければならない。
頼む、大型弾であってくれ……。