はじめに
今回のテーマはこちらのお題箱から。 寄稿ありがとうございます。
デュランザメスを活かしたデッキレシピを見てみたいです。 ただ回収効果でブラックルシファーの破壊耐性取り除いたり、ロスチャバーロウドルバロムのように一部のデーモンコマンドとは相性が悪いので、それらを入れないデュランザメスのG0と手札回収を活かしたデッキの考案を宜しければご一考をお願いいたします。
新しいお題も募集中。
デッキレシピ
青黒型
- コンセプト:B
- 完成度:A
- デッキパワー:A
- 思い入れ:A
《デュランザメス》をメインプランに据えたスタンダードな構築。 アイデア性を犠牲に安定感を追求した。 たくさん《デュランザメス》をプレイしたいならこっち。
竜虎型
- コンセプト:A - 完成度:B - デッキパワー:A - 思い入れ:A
せっかくいただいたお題がありきたりで終わってはいけないと思い、変化球も投げてみた。 出来上がったのは、《白虎の剣皇ダーク・サラマンダス》と《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》のコンビ(通称:「竜虎」)と組ませる構築である。 細かいシナジーたっぷりで満足感のある構築になっている。 オシャレを目指すならこっち。
キーカード解説
《漆黒戦鬼デュランザメス》
デーモン・コマンド3体でG・ゼロ。出したとき全て墓地回収。 12マナ12000T・ブレイカーの超重量級である。
寄稿くださった方もこんな物好きなブログを見ているだけあって、リクエストの時点で考察のレベルが高い。 蛇足とは思うが、念のため、私の言葉でも《デュランザメス》と関連カードについて整理しておく。
DMPP-06では、《悪魔神ドルバロム》とともに多くのデーモン・コマンドが収録された。
ドルバロムデッキのメインギミック・《邪霊神官バーロウ》は、《悪魔神ドルバロム》を呼び出す専用カードとしてデザインされている。 《ロスト・チャージャー》などで《ドルバロム》を墓地に落とし、《バーロウ》を召喚するという単純明快なプランだ。
闇のSR・《暗黒導師ブラックルシファー》は、ランダム墓地肥やしと、破壊置換で進化デーモン・コマンドを墓地回収できる。 墓地に《ドルバロム》を落とせるのは魅力だが、破壊置換で《ドルバロム》を回収してしまうと《バーロウ》が使えなくなるという欠陥を抱えている。
そして今回の主役・《漆黒戦鬼デュランザメス》。 《バーロウ》の早期召喚を狙う過程でデーモンを展開する必要は全くないため、デーモンを3体並べるというG・ゼロ条件はドルバロムデッキとは噛み合わない。 仮に《デュランザメス》が出せたとしても、墓地回収はやっぱり《バーロウ》の妨害になってしまうし、《ブラックルシファー》の除去耐性もパワーも奪ってしまう。 一応、《ドルバロム》で落とした黒以外のカードを《デュランザメス》で回収したり、 《ブラックルシファー》の落ちを全回収したりできるところは噛み合っているが、微妙にしこりが残る組み合わせである。
この折り合いの悪さから、《バーロウ》《ブラックルシファー》《デュランザメス》の3体を同居させるのは良い策とは言えない。 それぞれ別に組むのが無難、あってこのうち2枚が共存というところだろうか。 今回は《デュランザメス》の構築なので、《デュランザメス》を使うのに最適な構築を考えたい。
構築解説
《デュランザメス》はサイズ・効果どちらも豪快な分、12マナという馬鹿げたコストが設定されている。 やはりG・ゼロで出してこそナンボだ。 まずは無難に、デーモンを3体並べる方針でデッキを組みたい。
デーモン・コマンドは重量級の種族。 コスト軽減や目立った踏み倒し手段も今の所ないので、1ターンに1体ずつ並べるよりほかない。 ベタではあるが、4~7マナ圏で地道に展開していくのが良いと思われる。 デーモン・コマンドは素のパワーが高いため、火力除去を食らいにくいのが救いだ。
中型デーモン・コマンドは相手を妨害することに長けている一方で、cipでこちらのリソースを確保してくれるカードは一切無い。 《デュランザメス》さえ出せれば一気に手札が増えるのだが、そこまで息継ぎ無しでは辿り着けないだろう。 cipデーモン・コマンドで相手にちょっかいを出しつつ、別の手段で手札を確保して場を整えたい。
また、片手間で良いので墓地も肥やしておきたい。 といっても、《デュランザメス》だけでも攻め込むのに十分な打点があるし、 そもそも《デュランザメス》出る時点で盤面は4~5体は埋まっているため、 そこからどんどこ場を増やす流れにはなりにくい。 G・ゼロ前提なら、手札を使い切るほどのマナもないはず。2~3枚回収できれば十分である。
青黒型
(レシピ再掲)
デーモン・コマンドを並べるとなると、2弾環境で一大環境デッキとなった青黒バロムが思い浮かぶ。 あれからカードプールはだいぶ増えたが、デッキ構成としては今でも参考になるところが多い。
青黒バロムと同様に、比較的使いやすいcipを持つ《地獄の門番 デスモーリー》《傀儡将ボルギーズ》を並べる中型デーモンに選定。 1・2弾収録でありながら、今でも十分使用に耐えうるカードである。 どちらも《裁》に引っ掛からないため、場持ちは良い。
ファンデッキらしさを求めるのなら、《ザハク》《バグレン》《ダークモルダー》辺りも候補になる。お好みで。
《デスモーリー》の生贄と序盤の牽制用に《飛行男》も積んだ。これも青黒バロムに見られた構成である。
展開重視のこのデッキには、《凶骨の邪将クエイクス》がちょうどよいだろう。 《デュランザメス》のT・ブレイカーと組めば、シールド5枚を割り切れる。
強化要素は、トリガークリーチャーの《不浄の魔人ジャラ》《煉獄の巨兵グアルダ》。 デッキコンセプトを明確にする目的で多めに積んだつもり。 運良くトリガーしてくれれば、5t目にはデーモンが3体並ぶ。 ビートダウン相手にも《デュランザメス》降臨のチャンスを確保しよう。
青を入れて、当時から活躍していた《アクアン》と、 ドローハンデスをバランスよくこなす《腐敗電脳アクアポインター》を採用。 どちらも《デスモーリー》の生贄にできるほか、《アクアポインター》は《クエイクス》の頭数稼ぎにもなる。
中マナ帯への繋ぎとして、《ボーンおどり・チャージャー》《ロスト・チャージャー》を投入。 適度な墓地肥やしにもなるため、このデッキでは採用価値が高い。
《ロスチャ》を使うと《デュランザメス》が落ちる。 上手く行けば《デュランザメス》を連鎖的に召喚できるが、デッキから引けなくなってしまっては元も子もない。 基本的には《ボンチャ》が優先で、既に《デュランザメス》を引いていてかつハンデスが怖くないなら《ロスチャ》を撃とう。
アクセントに《悪魔神バロム》。 《ドルバロム》でないのは、8マナ以上に伸ばさなくてもいいようにしたかったから。 成り行きでマナが溜まることも無きにしも非ずのため、《ドルバロム》を試験投入しても良いかもしれない。
《ブラックルシファー》は最初入っていたが抜けた。 大量墓地回収は楽しかったが、出ただけで全くアドバンテージが取れないのがいまひとつだった。 もし使うなら、とりあえずもっと進化デーモンを増やさないといけない。 代わりに同サイズの《ダーク・サラマンダス》を試したことが次のレシピに繋がった。
竜虎型
(レシピ再掲)
並べたい中型デーモンとしてこちらで注目したのが、《白虎の剣皇ダーク・サラマンダス》。
竜虎デッキでは、《サラマンダス》から《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》に繋いだ後に2体目の《サラマンダス》を出すことがよくある。 竜虎はもとから、複数体のデーモン・コマンドを積極的に並べるデッキなのである。 そこに少しデーモン・コマンドを多めに入れておけば、《デュランザメス》のG・ゼロ条件が満たせるはずだ。
カラーリングは、竜虎のテンプレカラーである赤黒緑。 《デュランザメス》視点でも、一番出したいデーモンが6マナの《サラマンダス》なので、ブースト要素多めが良い。 赤の《地獄スクラッパー》《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》のおかげで、速攻耐性が向上したのも助かる。
6マナに繋ぐブースト役は、《無頼魔獣ギガヴォル》を搭載。 青黒型での《ボーンおどり・チャージャー》と同じ役割である。
ところで、緑入りになってマナを溜めやすくなった代わりに、デーモンを入れるスペースは減ってしまった。 このままでは《デュランザメス》を出しにくくなってしまう…と思った矢先、ごく当然のアイデアが出てくる。
いっそ12マナ溜めちゃえば?
ということで、爆ブースト要員として《大勇者「二角牙」》を搭載。 手札を整えながら、夢の12マナを目指す。 《ギガヴォル》から進化できるおかげで、デッキが綺麗にまとまった。
12マナで《デュランザメス》を出せば、次のターンは13マナで《サラマンダス》と《ヘリオス》を一緒に出せる。
要素がてんこ盛りになってきて、《デュランザメス》が必須パーツではなくなってきたので2枚に減量。 メインプランからは外れたが、デッキの中でいい味を出してくれている。
改良点
共通
《デュランザメス》が出ないと、ただのつまらないコントロールデッキと化してしまう。
特に青黒型は、一般的なドルバロムと勘違いされる可能性大。 せっかくファンデッキを使う人に会えたのに、こちらがテンプレデッキだと認識されてしまったらとても悲しい。
《デュランザメス》の召喚率を上げるとともに、カジュアル構築だとアピールするための方法を考えている。
黒青型
やりたいことをやる構築に仕上がっているので、特段弄る所が無い。 《クエイクス》や《バロム》があと1枚くらいあってもいい。
竜虎型
《デュランザメス》を入れたせいでデッキパワーが大きく削がれていないかが心配。 特に《ボルギーズ》は、火力除去という役割が《ヘリオス》と被っている。 普通のデアリ竜虎を回したことのある方がいれば、ぜひ辛口で使用感をレビューしてほしい。
あまり自信がないのが《口寄の化身》。 デーモン・コマンドとビーストフォークで固めているのが災いして、ドロー枚数が少なくなりがちである。 でもドローソースは欲しい。
プレイング
青黒型は、3マナチャージャーから《ボルギーズ》か《アクアポインター》に繋ぎたい。 そのままデーモンを並べまくる。 コントロール相手に引きが悪く、デーモンが3体並ばないならビートダウンを開始。 4000ラインのデーモンビートは意外と止まらない。
竜虎型は、来た手札によってやることが変わる。 竜虎狙い、《デュランザメス》G・ゼロ狙い、《二角牙》狙いのどれでも、《サラマンダス》を出したいのは共通。 《ギガヴォル》を出すタイミングを失いやすい。 そのせいで、《デュランザメス》が出せたのに何も回収できないことが時々ある。