ミケガモのブログ

BTOパソコンの購入検討メモ

キーボードやらグラフィックボードやらを調べていたら、デスクトップPCが欲しくてたまらなくなってしまった。買うとしたらどんなスペックにしようかを妄想してここに書き留める。

価格表

  • デスクトップ ¥60,000
  • モニター ¥0
  • モニターアーム ¥10,000
  • キーボード ¥20,000
  • マウス ¥0(?)
  • ヘッドセット ¥5,000
  • SSD ¥6,000
  • グラフィックボード ¥0 or 15,000
  • BD/DVDドライブ ¥7,500
  • SDカードスロット ¥1,400
  • 通信系 ¥2,000
  • Office Premium ¥24,000

各パーツ

デスクトップPC本体

IntelのCPUは第八世代でついに6コアに。購入検討のきっかけでもある。狙うは超絶コスパと評判のIntel Core i5-8400。 安さ狙いでBTO発注。タイプは置き場所に困らず、かつカスタマイズしやすいミニタワー型。

モニター

ゲームイベントのスタッフをやったとき、機材提供のために個人で買ったディスプレイを余しているのでそいつを使用。日用でも低遅延モニターを使うゲーマーの鑑(言いたいだけ)。

モニターアーム

今の机のレイアウトをなるべく崩したくない。必然的にモニターおよびアーム取付位置がかなり変なことになりそうなので、融通の利く高級路線のアームが欲しい。レビューの信頼性が厚いエルゴトロンののOEMを検討中。AmazonベーシックかHP、安い方で。

キーボード

REALFORCE。前の記事参照。キーボードだけを研究しているときは「最高級品だしこの値段も納得だな」と思うわけだが、他の機器と並べて見てみるとバカみたく高いのがよく分かる。買うけど。 mikegamo.hatenablog.com

マウス

今のエレコムのM-XGL20DLBK、M-XT3DRBKが使いやすいからそのままで。 …と思ったらなんか出てんじゃん。 ascii.jp ascii.jp

愛用品の上位機種を出すのはやめろ(歓喜)。普通のマウスの方はマクロタイプとサイドホイールタイプの2種類が出ている。どっちかというとサイドホイールが欲しいけど、両方とも興味あり。トラックボールはボタン数が増えてる上に、DPI設定を500/1000/1500と細かく設定できる。すごい。

3つとも2018年6月発売。エレコムのマウスは時間が経つとAmazonで凄まじい値崩れを起こすので、しばらくは「待ち」で。でもこれだけ定価が高い製品は今までにないから、どうなるのか読めない。

スピーカー

キーボードに音量調節ボタンを強く欲していたが、普通にスピーカーの音量調節機能を使えばいいことにさっき気付いた。これだからノートPC脳は…。

設置するのは多分サウンドバータイプ。これまたレイアウトの都合で、高さがあるスピーカーが置けないから。一応今持っているものでやりくりできなくはないけど、せっかくだから買ってもいい気がしている。音に拘りがあるわけじゃないので、高くて3,000円クラスの商品でいいかな。

ヘッドセット

持っているヘッドセットの耳当て部分がボロボロなので買い替えたい。色々試用したのだが、価格、着け心地、音の好みの点から自分的合格判定となった商品が、ASUSのCerberus V2ともう1つくらいしかなかった。1万円越えでも自分好みじゃない音のヘッドホンがたくさんあることにびっくり。

ヘッドホンは今持っているPanasonic RP-HT360(2,000円台!)がかなり気に入っているので、これに安いマイク単体を足せばいいという説も。

SSD

240~256GBのものを購入予定。BTOカスタマイズだと費用がかさむので自分で換装する。 昨冬くらいまで価格が高騰してたけど、2018/6現在はだいぶ落ち着いている。 新規メーカーが多数参入したおかげ、のように見える。

グラフィックボード

Intelオンボードのグラフィックドライバも最近はかなり高性能なようなので、ひとまずは無しで。 追加するなら、十分な性能向上が見込めると踏んだ中で最も安いGTX 1050を選ぶ予定。

BD/DVDドライブ

多分内蔵型BDドライブを買う。

SDカードスロット

これだけはカスタマイズオーダーの予定。

通信系

最新ノートなら無条件でついてるけど、デスクトップだとこれも自分でつけなきゃいけない。 Bluetoothアダプタはもう持っているので、無線LAN子機だけ買えばいい。 有線LANを引っ張ってきてもいいのだが、ちょっと配線が大変かも。

Office Premium Home and Business

永続ライセンスで、特定のPC1台で最新版のOfficeを使い続けられるサービス。2014年あたりから始まった販売形態らしい。知らなかった。

Officeライセンスは期限付きのものを既に持っているが、Premiumは新規購入時にしか契約できないため、後のことを考えてここで購入するつもりでいる。ライセンスを紐づけられるのは最初にインストールしたPCのみで、PCがお釈迦になるとOfficePremiumのライセンスもぶっ飛ぶらしい。ちょっぴり不可解なシステムではあるが、ずっと最新版が使えるのは嬉しい。


順次追記予定。

東プレ REALFORCEが欲しいという話

東プレの高級キーボード、REALFORCEが欲しい。

REALFORCEは、PCガジェット好きなら避けては通れないであろう、ほとんど唯一と言っていい静電容量無接点式キーボード*1Amazonレビュー平均4.8というバケモノみたいな製品である。

2万円~という安めのキーボードなら10個以上買えてしまうぶっとび価格だが、それに見合うだけの素晴らしい使い心地が保証されている。

そして地味に助かるのが、キーボードは高級機種の製品選びに煩わされずに済むということ。例えばヘッドホンなんかは上を見ると本当にキリが無く好みも分かれるので、仮に高いお金を出す決心がついたとしても「何を買うか」が(少なくとも自分は)なかなか決められない。しかしREALFORCEは、キーボード界では値段・性能のどちらで見ても絶対的な最上位機種だ。必ず"最高級"の製品を手に入れられるという安心感は、自分にとって非常に有難い。


実際に店頭で初めて触ったのは確か3~4年前。暇つぶしのためにPC周辺機器コーナーをぶらぶらして、展示品のキーボードを片っ端からいじっていた時、私はREALFORCEに出会った。

一目惚れだった。

キーを打った心地は最高級の寝具にダイブしているような感覚。その時はたまたま静音モデルを試打したのだが、静音のキー音はもはや官能的とすら言える。 たかがキーボードと思っていたが、これほどにも違うものなのか。

数年の時を経て、デスクトップPCに触れる機会が増えた私は、「キーボード おすすめ」などと検索し、REALFORCEと必然の再会を果たした。ノートパソコンにばかり目が行っていたあの頃とは違う*2。とうとう購買意欲に火がついた。

そんなこんなで、REALFORCEの情報をリサーチ。REALFORCEの山ほどある品番の特徴については、↓のサイトが非常に詳しく解説してくれている。

pasokatu.com

自分が欲しいのは以下の機能である。

  • 一律45g
  • 静音式
  • 音量調節キー

……

……無い。

これらを全部備えたキーボードが、無い。

こんだけいっぱいあるのに無いのかぁ…。
どれかを諦めなければならないので、一度整理してみる。

押下圧45g

30g、45g、変荷重の3択。 REALFORCEを買う以上一番大事にしたいのが打鍵感だが、一番しっくりくるのが45gだった。変荷重を選ばない理由は、

  • ゲームに使うかもという万が一の可能性
  • 荷重が異なるアンバランスさがなんとなくイヤ

の2つ。30gは最高級タイプ限定で、店頭の試打では少し軽すぎるかなという印象。買った人からは絶賛の声が挙がっているが、自分は押下の力が強めなのと極端にタイピング数が多いわけではないのとで45gが良い。

これを妥協すると、全部入りの最高級モデルが候補になる。

静音

初めて触った時の感動点。打鍵感に直接の影響はないものの、静音モデルの落ち着いたタイプ音はやはり心地よい。一応非静音モデルのカシャカシャ音がどの程度気になるかを確認するため、もう一度試打してみたい。

これを妥協すると、APC搭載モデルまたはゲーミングモデルが買える。どうせならゲーミングにしちゃおうかな。

音量調節キー

APC切換キーのついでとして新装されたキー。今使っているキーボードの音量調節ボタンが想像以上に便利だったため、検討に至った。極限まで快適さを求めるなら欲しい機能。ノートなら本体側面にボリュームダイヤルがあるけど、デスクトップPCの音量調節って普通はどうするものなんだろう。

これを妥協すると、静音モデルが買えるようになる。ただ静音モデルはレーザー印字(高級なのは昇華印刷)なのが微妙なマイナスポイント。ほとんど変わらないかもしれないけど。

うーん、なかなか決まらないな。心の中ではゲーミングモデルが面白そうだな、と思っている。だが静音性を犠牲にできるのかどうか。早いとこ試打しに行かなきゃ。


追記: レビューによれば、RGBモデルはキーボードの打感が他のREALFORCEシリーズと異なり、ややカシャカシャ感が強いらしい。キーのぐらつきやLEDライトの不具合を指摘する投稿もあったし、候補からは外れてしまうかもしれない。

追記

試打してきました。印象・考え方が結構変わったのでレビュー。

静音モデル

ここに来てめちゃめちゃ迷っている。自分が見初めたのは確かに静音モデルだ。しかし通常モデルを打ってみると、別に打鍵音がうるさいわけというわけではなく、むしろ小気味よい音だとすら思う。逆に静音モデルの方は音が小さいので、「上質な打鍵音を味わう」という点では物足りないかもしれない。静かな部屋なら静音でも十分聞こえそうだが…。現時点では通常モデル優勢。

APC搭載モデル

静音モデルへの拘りを捨てると、APCモデルも候補に入ってくる。自分が本当に欲しいのは音量調節キーである。APCはCapslockの誤反応を防げたらいいな、という程度の認識だ。しかし、そもそも音量調節はスピーカーでも可能なことを考えると必須の機能ではない。通常モデルとの差額で、良いスピーカーとヘッドセットを買った方が満足度が高くなりそうである。

それと真面目に検討し始めて思ったが、上位モデルは黒の印字が見辛い。自分は記号をよく打ち間違える不完全ブラインドタッチなので、ホームポジションから遠いキーはチラ見で確認することがある。こういう時に印字が見えないのは少なからずストレスだ。昇華印刷は確かに魅力だが、金字もストレートにカッコいい。やはり通常/静音の選択になっていきそうである。

変荷重タイプ

文字入力だけに関して言えば、意外と違和感はなかった。まあでも等荷重タイプで。

ゲーミング(RGB)

別物と思った方が良い。ちなみに第一世代REALFORCEのHi-Proはこいつにやや似ていた。

目を引くのはバックライト機能だが、実は使用感も通常のものとは大きく異なる。キーの打感は一般的なゲーミングキーボードのそれに近く、音もカシャカシャとメカニカルな感じ。キートップはつるつるで、やはりこれもゲーミングっぽい質感。REALFORCEらしさをかなぐり捨てて、いかにゲーミングに寄せるかに焦点を当てて開発された製品なのだろう。打感はかなり自分好みなので全然アリだが、今回は初めてのREALFORCEなので正統派の方で行くことにしよう。

*1:HKKPも東プレのOEMなので実質完全一択のようなところがある

*2:持っているのは今もノートだけだが

GitとSourceTreeを初めて導入しGitHubでPull Requestするまでの話

自分はとあるゲームが大好きで、海外勢開発の解析ツールを使ってゲームの内部パラメータを覗いたり編集したりということをよくやっている。ツールのソースコードGitHubからDLし、自分用にいろいろカスタムしたものを先日Uploaderに公開したのだが、それを開発者が見てくれていて「良かったらPull Requestしてくれ」とリプライを貰ってしまった。ちょうど同志にも「Pull Requestしてもらえると助かる」と渡されたファイルがあったところなので、意を決してGitHubへの投稿に挑戦してみることにした。

で、ほとんど一から環境を構築したのだが、解説サイトが専門用語のオンパレードで本当に分かりにくい。一般的なパソコン用語で事足りるところを別の用語に置き換えているので、ひたすら煙に巻かれた気分である。

この記事はエンジニアではない人間が、そんな専門用語を一般用語に置き換えながら手順を振り返るレビューである。慣れてくると初見で抱いた専門用語への違和感が薄れてきてしまうだろうから、こういう記事を書くなら始めたての今しかないと思う。

基本用語解説

Git

プロジェクトの変更履歴を管理するためのプログラム。SourceTreeの実行に必要なので、言われるがままに適当にインストールした。

SourceTree

コマンドライン専用プログラムであるGitを視覚的に使えるようにしたGUIソフトフェアコマンドラインそのものには慣れている(と自分では思っている)のだが、Gitに関しては正真正銘の完全初心者なので、何をやっているのかが分かりやすいGUIは非常にありがたい。コマンドライン版で必要な作業のいくつかが自動化されているのも見逃せない。日本語版がリリースされたのは割と最近らしい。ありがとうございます。

GitHub

ソースコードの管理・公開を行うオンラインサービス。複数の開発者でやり取り可能なのが大きな特長(だと思う)。GitやSourceTreeでアップロード・ダウンロードを行う。

Pull Request

他人のソースコードを編集してGitHubにアップロードし、変更を本流のプロジェクトに加え入れてもらうようリクエストすること。本記事のゴール。

プロジェクト

あるソフトウェアを作るためのソースファイル一式。

リポジトリ

プロジェクトを含むフォルダのこと。GitHub上にあるものはリモートリポジトリ、手元にあるものはローカルリポジトリと呼ぶ。

実際の作業

一連の流れ

Pull Requestを送るためには、まず自分のGitHubアカウントにプロジェクトをコピーし、それをダウンロード>編集>アップロードするという手順を踏む必要がある。

1. 開発者のプロジェクトを登録する。

登録は、開発者ページ右上のFolkボタンをクリックすることで行う。Forkすると、そのプロジェクトのコピーが自分のGitHubアカウント内に生成される。

2. リポジトリを自分のアカウントからダウンロードする
3. ローカルリポジトリとしてGitに登録する。

SourceTreeでは手順2と3をクローンを作成するという操作で同時に行う。まずGitHubリポジトリページにてCrone or Downloadをクリックし、"~.git" という形式のURLをコピーする。次にSourceTreeでクローン作成ボタンから、先程のURLと作業フォルダのパスを指定する1。プロジェクトは作業フォルダにダウンロードされ、同時にそのフォルダはGitによるバージョン管理下に入る。入力したURLは、後程出てくる"プッシュ"のアップロード先としても登録される。

4. ローカルリポジトリのファイルを編集する。

直接Visual Studioで開いて編集しても良いし、別の場所にあるファイルを編集してローカルリポジトリにコピーしても良い。

5. 編集したファイルをプロジェクトに登録・適用する。

この登録作業をコミットという。後から変更を取り消すことも可能。この手順はまさにバージョン管理ツール・Gitの本分である。 SourceTreeでは前回から追加・変更・削除があったファイル一覧がリストアップされるので、それらを選択し「コミット」ボタンを押せばよい。コマンドラインのGitでは、新規ファイルについてのみaddコマンドでGitの管理下に登録する必要があるが、SourceTreeではその必要はない。

6. 編集したプロジェクトをアップロードする。

これをプッシュという。SourceTreeでクローンをしてローカルリポジトリを作った場合、プッシュを実行するだけで自動的にダウンロード元となったリモートリポジトリを更新できる。リモートリポジトリの指定は手動で行うことも可能。Gitコマンドラインでは、commitコマンドの後にアップロード先のURL(GitHub)とパスワードを入力しなければならない。

7. 開発者に更新の適用要請を送る

自分のGitHubリポジトリの内容を取り入れてもらうよう申請する。開発者ページにて、New Pull Requestを選択。Folkして編集したリポジトリがマイページにあれば、それが候補として出てきてPull Requestが送信できる。

ブランチについて

ある時点の本流バージョン(master)からの枝分かれとして作られるのがブランチである。Gitには1つのプロジェクトに対し複数のバージョンを管理する機能がある。編集は基本的にブランチで行い、変更が一通り済んだらmasterに合流させる、というのがブランチ機能の使い方である。

複数人が携わるプロジェクトでは、ブランチのフロー形式をどのようにするか、すなわちどのような開発体制を敷くかが問題になるらしい。例えばGitFlowというモデルでは、全体の指標となるmaster、開発用のdevelop、不具合修正用のfixなどのブランチを設置する。

今回自分がクローンしたプロジェクトはそれほど本格的ではないのか、クローン時点ではmasterブランチしかなく、それに自分が編集するためのブランチを1つ作成したのみだった。




「サルでも分かる!」といった見出しで初心者を呼び込む記事があるが、それを読んでもいまひとつ理解が進まずなんだかバカにされたような心持ちになることがある。勿論本当に分かりやすいこともあるのだけれど、そうでないものは簡潔さを重んじて文章量を削ったのが裏目に出ているように見える。

人間の自分は、長い文章でくどくど説明してくれた方が安心はできるかなぁ。


  1. 指定する作業フォルダは空である必要がある。

Doki Doki Literature Club プレイ所感 ※ネタバレ注意

2017年秋にSteamでリリースされ、2018年には非公式日本語化パッチも制作された話題作『Doki Doki Literature Club』(通称DDLC、ドキドキ文芸部など)をプレイしてみた。

なんとなーくゲーム内容を察する程度に前知識を持ってプレイ。せっかくなので英語版に挑戦しようとも思ったが、今回は日本語パッチに甘んじた。翻訳のクオリティーは予想以上に高く、プレイにもしっかり没入できた。有志の皆様に感謝申し上げます。

プレイは速めのクリックで1周目が2.5h, 満足のいく周回数をこなし終わるまでに4hちょっと。ストーリーも絵も素晴らしく、何より無料で遊べるのが信じられない。Steamの環境があるなら是非ともプレイすることをおすすめする。こんな辺鄙なブログを釣り上げるような人には無駄かもしれないが、前情報はできるだけ少ない方が良いだろう。

ちなみに執筆者は生々しいグロは無理だがちょっとしたドッキリは好物、というへんてこな感性を持っている。まどかマギカダンガンロンパあたりがいけるなら多分大丈夫。

初めに断っておくが、本記事はゲーム全体を通したメッセージ、およびキャラやストーリーの熱い考察ではなく、

  • ゲームの各所を仕様の面から捉えて
  • ネタバレとは言いつつも直接的な表現を避け、想像を掻き立てる

ようなレビューをしていく。

以下、ネタバレ防止のためしばらく空行
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DDLC wiki
日本語版
Doki Doki Literature Club! 攻略 Wiki*

英語版
DDLC Wiki

wikiに則り、"act"は章を、"周"はプレイ回数を指す単位として区別して書く。

ルートの仕組み

「好感度」の概念は(ほぼ)無い。"詩の作成"や選択肢による一時的な分岐こそあれど、それが累積して特定ルートに固定されるというようなことは起こらない。

分岐の違いは、CG・会話内容変化のみ。最終的にどのキャラにスポットが当たるかは完全に固定なので、広義には一本道のシナリオと言えるだろう。

act1、サヨリは受け入れた時のみ短い分岐が発生しCGをGETできる。act2、ユリは受け入れてもそうでなくとも展開は同じ。

自分は初見プレイのact1ではサヨリ推し、act2ではユリ推しで進行していたので展開との因果関係が全くつかめず、「救いは無いんですか?!」とばかりに2周目を力んでプレイした。「救いは無いね!」。

プレイ中にファイルが生成される

本作はゲームの進行中、特定の箇所で”ゲームの進行に関係ない"ファイルの生成・削除が行われる。

act1でsayoriをdeleteして起動すると専用の演出に入る。他3人は変わらず。act2はsayoriをrecoverしたり、他3人をdeleteしたりしても特に相違が無かった。自分が試したのはここまで。

セーブデータやファイル生成についてはこれだけに留まらず、非常にいろいろなパターンが存在する模様。自力では絶対に気付けないほどのマニアックさだし、wikiで確認したことで満足した。

ファイル管理についてはact3でプレイヤーは否が応でも注目することになる。これは、製作者が遊び心でやっているゲーム中の余分なファイル生成に気付いてもらうための誘導になっている。隠し要素の可能性をさり気なく示唆するこのやり方には非常に関心させられた。辿り着けるのは勘が良くかつ相当熱心なプレイヤーに限られるだろうが。

まあ余分なファイルに関してはおまけ的要素なので良いのだが、act3→act4に必須となる「作業」、パソコンに疎い人は何をしたらいいのか分からないのではないだろうか。……と思ったが、Steamを導入してこんなゲームを遊んでいるということ自体がその"ふるい"となっているのかもしれない。

自分で気付いたこと:表現、伏線

act2のユリの事案の後は、バックログを見るとDDLCのゲーム説明文+αが表示される。ちなみに1周目、スキップという手段がしばらく思いつかず「ここどうやって超すの?」とEnterキーを3分ほど連打していた。

act1の文化祭の朝、寝坊したサヨリをほっぽって先に学校に来たことに対し、モニカが「サヨリとは親しいんだから、彼女を宙ぶらりんにしちゃだめじゃない」と主人公をたしなめるシーンがある。3周目くらいでこの文の真意に気付いた時が一番興奮した。

ユリと一緒に本を読む場面、お茶を淹れに行く場面はact1とact2の両方で見るべき。自分は3周目でact1のお茶入れシーンを見て、モニカの苦悩と苦労を読み取ることができた。一緒に読書は1周目だったが、3周目の知見を得たことでようやくこれも理解できた。

これを受けて、ナツキの本が高い位置に置かれるイベントもモニカの仕業なのではないかと推察。こっちはact1のみにあるシーンなのを踏まえると、act1の時点でもモニカが行動を開始していることになる。

物語の核となる部分、「文芸部部長が手にする権限」の概念は自分で気付けたし、モニカがそれをどうしたかったのかも3周目にきちんと理解できた。やったね。自分はSCP財団のNeutralizedクラスの最終事案に似た雰囲気を感じ取った。

act1のユリとの作業イベントにて主人公がけがをした時の一連の流れ、最初は無意識に間接キスをした主人公の恋愛心境を描くのが目的なのだと思ったが、それ以前にユリの行動に彼女らしさが出ていることの方が重要だと後から気付いた。

感受性が乏しいのか、詩に心を揺さぶられる体験が出来なかった。悲しい。

ヒロインの対称性

自分が恋愛ゲームで特に気にしてしまう要素。メインヒロインとサブヒロインに分類できるゲームであっても、その中でつり合いが取れているかがとても気になる。もっともつり合いの基準なんて人それぞれだろうが。そんな自分がDDLCを判定すると、

  • 未プレイでは4
  • 少しプレイすれば明らかに 3-1
  • 1回通してから少し考えた上で 2-1-1
  • 周回プレイをすると2の扱いも違うことに気付いて結局 1-1-1-1

となった。以下、各キャラクターへのコメントを2~3行で。

サヨリ

可愛い。救済が必要。設定としては現実味が一番薄いように思われ、しかも(個人的には)可哀想度も高いということで悲痛な妄想が捗ってしまうキャラ。act1の最後のシーンでは彼女の手に注目すると良い…らしい。好きな単語が両極端に振れていて不気味さを感じる。

ナツキ

とある1シーンさえ除けば唯一製作者の良心が感じられるキャラ。周回プレイでも彼女と一緒にいるときは心が落ち着く。気が強いロリ系ピンク髪キャラという属性は自分的にはあまりピンと来ないが、それでもとても好きになれたキャラ。単語選びには素直にやればいいので困らない。

ユリ

キャラクター性の把握にさほど時間は要さなかったが、変化が速すぎてちょっと焦った。自分は上級者ではないので十二分にDokiDokiした。胸はナツキの言いがかりだったそうでちょっと安心。単語はところどころサヨリと混同しやすい。

モニカ

このゲームのメインヒロイン、ということでいいのだろうか。ちなみに他所の感想記事では「モニカァァァァァ!」という雰囲気である。自分は未プレイ第一印象の、4人対称という構図がずっと頭にあったために、あくまで「そういう形式のルート」なのだと捉えてしまった。それゆえ失礼ながら、初めは大した感想が出てこなかった。
が、作中act1,2の演出を根拠に、彼女に「一種のサブヒロイン」として見てみるとどうか。正確に文章化できるほどの考察はまだしていない。しかし自分はこの視点を追加することで、モニカのキャラクター性が大きく深まるように思えるのである。自分のように感性が鈍めの方には是非考えてみてほしい。


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サクッと書くつもりがかなり時間を費やしてしまったのでこの辺で打ち切る。どこもかしこも散文的でまとまりのない文章になってしまった。

自分の場合、全体を総括する感想は、納得のいくものを仕上げようとすると非常に時間がかかってしまう。そもそも恋愛ゲームは往年の名作といったものをほとんどプレイしていないし、この作品への思い入れも他の熱い語り部に比べれば浅いだろう。

それでも色々と思うことがあったので、このように記事にしてみた次第である。本当に良いゲームなので色々な人に知れ渡ってほしい。知り合いにプレイ者が現れないかなぁ…

マウスポインタ加速度を個別設定するソフト

前記事に引き続き、マウス関連のソフトウェアについて。

エレコムトラックボールマウス・M-XT3は、ポインタ移動速度が速すぎる。読み取り精度を750dpiに設定してもまだ速いので、コントロールパネルでポインタ速度をかなり下げる必要があった。一方ノートPCのタッチパッドはドラッグ量を減らすため、ポインタ速度をなるべく速くして使いたい。2つのデバイスを両立させるため、ポインタ加速度を個別に設定できるソフトウェアを探していた。

エレコムマウスドライバでのポインタ速度変更は、コントロールパネルの設定を書き換えてしまうので解決にならない。頼みは有志のソフトウェアのみとなる。

さて、結論から言ってしまえば、Windows10でまともに動くソフトは無い追記:EitherMouseが使える

かろうじて見つかったソフトはこの2つ。

MultiMouseConfig

<特徴>
(1) 最大128個までのマウスを認識し、別々にポインタ速度を設定できます。
(2) ポインタ速度は、21段階に設定可能です。
※1 速度0の指定でポインタは動かなくなります。
※2 ポインタ速度の倍率(0.0000152587890625~32767.9999847412109375)を直接指定することもできます(上級者向け)。
(3) 本機能の加速は、XPのマウス仕様に近い動作になります。
(4) 本機能はOSのマウスのプロパティの設定とは独立しており、
画面上のポインタの移動量は、両方の効果が重なった結果となります。
(デフォルトではXPのマウスのプロパティの設定を「効果無し」にしています)
(5) ポインタ速度等の設定値を保存&リストアできます。
(6) マウスの動作は、ドライバレベルで変更されます。
(7) OS起動時から動作を有効にできます。
(MultiMouseConfigの起動が不要になります)

<主な用途>
(1)解像度の違う複数のマウスあって、別々にポインタ速度を設定したいとき。
(2)ノートPCのタッチパッドポインティング・スティックを無効にしたいとき。

互換モードなどいろいろ試したが、Win10では起動すらしなかった。

Nadesath

マウスごとに次のような設定ができます。
・ボタン配置を変更
・マウスカーソルの移動でホイール・スクロールをエミュレート(上下左右)
・カーソルの加速度を変更
・カーソルの進行方位(移動方向)を変更

元々はスクロールのエミュレートがメインの機能だったんですが、いろいろできるようになりました。

トラックボールで、スクロールエミュレートを使用するともう離れられない心地よさです。
マウスでも左右のボタンを押しながらスクロールするように設定してみるといいと思います。
横スクロールも得意なのでVISIOExcelが使いやすくなります。
バイス単位に設定できるので、「スクロール専用のトラックボールやマウスを用意する」なんて使い方もできます。

こっちは起動はできた。が、落ちる。めちゃめちゃ落ちる。他のソフトとの干渉か何か分からないが、飛ぶ鳥を落とす勢いで落ちる。実際便利だったので何とか使えないものかと数日粘ったが、改善の兆しが見えなかったので埋葬した。


相当やる気ではいたのだが、結局諦めてしまった。有償でもいいから、どなたか作っていただけないだろうか。


<2019/1/4追記>

EitherMouse

コメントにて紹介いただいたソフト。t様、ありがとうございます。
現在ノートPCでトラックボールタッチパッドを併用する機会がなくなってしまったのだが、使い次第レビューしたい。
EitherMouse - Multiple mice, individual settings...