デッキレシピ
- コンセプト:A
- 完成度:S
- デッキパワー:A
- 思い入れ:A+
2021/10/17, ロマノフカップADマスター到達。
なお、AD限定カードは入っていない。
ADで使い始めてからの戦績は27-19。 上振れと連勝が上手く重なったところもあるが、 結果的に6割近い勝率が出たことにビビっている。
構築解説
主要部分
原点は、デッキビルド杯でも投稿があった『オーブレコスモビュー』。
《氷牙の魔筆マクシミリアン王》《魔弾オープン・ブレイン》で6ドローし、 《ルナ・コスモビュー》を出すコンボデッキだ。
アイデアとしては比較的素直。 デッキのスペースも余っているので、 なにかもう一つ、相性の良いギミックを取り入れたいと感じていた。
そんな中、カジュアルマッチで初めて出会った『オーブレコスモビュー』に、 とあるカードが採用されていた。
《ロスト・チャージャー》。 構築上、落ちるのはもちろん《コスモビュー》である。
このカードが見えたとき、自分は一瞬こう思った。
「え? デッキから《コスモビュー》抜き取ったらダメじゃない?」
そしてすぐに気付いた。 そうか、《魔弾ソウル・キャッチャー》で拾うのか、と。
かの【テクノロジー】は《ツヴァイ》《マーキュリー》《レムリア》といったパンチャーが揃っていた一方、 『オーブレコスモビュー』には《コスモビュー》以外にまともな打点が無い。 そこで、《コスモビュー》を疑似的に確定サーチする《ロスチャ》《キャッチャー》の組み合わせで、 デッキのフィニッシュ力を補完できる。
また、《ソウル・キャッチャー》は、 デュエプレ版でドロー&ディスカードを獲得した《マクシミリアン》とも相性が良い。 2体以上墓地回収できれば、手札が増えて《コスモビュー》の条件を発動しやすくなる。
メインギミックに上手く絡んだカードが2枚見つかったことで、 構築の完成度がぐんと上がった。 この構想ならマスターが狙えると感じて、デッキを練り始めた。
枝葉の部分
細かいこだわりポイントも解説。
《ロスチャ》と《キャッチャー》
ともに3枚。4は腐る。
《ロスチャ》は3ターン目に撃たないことも多いため、2でもいいかもしれない。 デッキのコンセプトとして、意地で3枚積んでいるとかなんとか。
逆に《キャッチャー》は絶対に3。 試験的に2枚にしたときには、途端にデッキが回らなくなって笑ってしまった。 状況が整えば2マナの《エナライ》、1マナの《トリプル・ブレイン》と化すため、手札を増やすカードとして優秀。 デッキを削らずにクリーチャーを確保できるのも嬉しい。 序盤に気兼ねなく埋めるためにも、3枚必要。
《フランツ》と《ドラム》
軽量ナイトは、《フランツ》4枚・《ドラム》3枚。
速いデッキ相手には、 トリガー《デュアル・ザンジバル》《オープン・ブレイン》のナイト・マジックを使いたい。 3マナ以下のナイトが6枚だと不安があったので、計7枚。
《フランツ》が多い最大の理由は、青の枚数を確保したいから。
このデッキは青が多いが、 そのうち《コスモビュー》と1枚目に来た《オーブレ》は、絶対にマナに埋めたくない。 実質8枚の青カードがマナ埋め不可なので、それ以外で青を確保する必要があった。
また、割と重要なのが、《ロスチャ》《エナライ》のコスト軽減。 どちらも、手札枚数調整カードとして中盤に撃つことが多いため、コスト軽減が効いていると細かく動きやすい。 特に《ロスチャ》は、《フランツ》を出しておけば実質1マナとなり、余らせたマナで《キャッチャー》を撃てる。
ちなみに、この環境ではパワー1000と2000の違いはほとんど無い。 《ビューティシャン》などのブロッカーに突っ込めるかどうかの違いがあるが、 《デュアル・ザンジバル》で焼けるのでさほど問題にならない。
《エナジー・ライト》
最初は3枚だったが、3ターン目に《エナライ》を撃つことの重要性に気付いて4枚にした。 特に先攻の場合、
《マクシミリアン》→《オーブレ》
と繋いでも、手札が8枚でギリギリ《コスモビュー》に届かない。 そこで3ターン目に《エナライ》を撃つことで、手札を9枚にできる。
それと、終盤に山札が少なくなってくると、 《オーブレ》を撃つ余裕がなくなる(特に《マクシミリアン》が出ているとき)。 そんな状況でも、パーツ引き込みや手札枚数調整が必要になることもあるため、 《エナライ》があると便利だ。
とはいえ、一度《マクシミリアン》《オーブレ》を決めると死に札になりがちなのも事実。 手札は大量だけど《エナライ》混じりで中身スカスカ、なんてのもザラにある。
《魔弾ストリーム・サークル》
《ストリーム・サークル》2枚。
打点で押し切るデッキにもかかわらず《スパーク》が入っていないため、 突破手段として重要なカードとなっている。
《ゲキ》と吊ってきたカードをまとめて返却したり、 【武者】の《マッハアーマー》をどかしてテンポロスさせたりと、 強いときはとことん強い。
ちなみに、同じ除去呪文である《デュアル・ザンジバル》は、 他のカードとの枚数調整次第で2~3枚の間を揺れていた。
《統率するレオパルド・ホーン》
《レオパルド・ホーン》を2枚だけ入れて、《コスモビュー》だと足りない打点を補強した。 《コスモビュー》の横に軽量ナイトを並べて、G・ゼロとT・ブレイカー化を狙う。
4枚は過剰と思われたのため、一旦2枚で様子見していた。 思いのほかちょうどよかったのでそのまま走り切った。
犠牲無く《PG》を突破するにはコイツが不可欠。
はじめはサブパンチャーに《マルガレーテ》を試していたが、 真面目に7マナ払う状況が訪れなかったため没にした。
プレイメモ
プレイングがめちゃくちゃ面倒くさい。
まず、【テクノロジー】と違って、きちんと計算して手札を9枚にしなければならない。 瞬間的にも大局的にも、常に手札の枚数調整に追われる。マナチャージはするのか、手札消費と溜め込みのどちらを選択するのか、相手がいつ殴ってきてトリガーが何枚出るのかなど、 悩ましい問題が次々降ってくる。
ターン中は、《フランツ》《ドラム》《ロスチャ》を絡めた呪文使用のマナ管理にも頭を使う。
コンボデッキの宿命として、コンボパーツをマナに埋めるかどうかの判断も重要。 このデッキでは、《ロスチャ》で《コスモビュー》を落として素引きの確率を減らしていいのか、 《ロスチャ》撃ちを見越して《キャッチャー》をキープすべきなのかという、明確な答えの出ないジレンマも抱えている。
さらに終盤には、自分の山札枚数にも気を配らないと危険。
未来のドローと相手のプレイングにも左右されるため、絶対的な正解プレイングを探るのは困難を極める。
基本プレイング
順調なルートの場合、
- 先攻:《エナライ》《マクシミリアン》《オーブレ》
- 後攻:《マクシミリアン》《オーブレ》
で手札9枚。
どこかで躓いたら、↓を頭に入れて手札枚数を調整する。 殴ってもらうか《オーブレ》を引き込むかのどちらかは必須。 混乱してきたら、使う予定のカードを指で隠して、未来の手札の枚数を整理する。
呪文 | 手札枚数 |
---|---|
《エナライ》 | +1 |
《キャッチャー》 | +1(MAX) |
《オーブレ》 | +3 |
《キャッチャー》(強化) | +2(MAX) |
《オーブレ》(強化) | +5 |
ノーチャージなら《コスモビュー》が出せるという場面では、出す。
中盤、《マクシミリアン》《オーブレ》で手札が溢れそうなときは、 1ターン手札を消費するムーブを取ってから始動する。
墓地が足りないとき、《ロスチャ》《キャッチャー》すると、 《ロスチャ》の分の手札は減らない。
序盤のディスカードは、《キャッチャー》を強化するためにクリーチャー。 逆に中~終盤のディスカードは、《キャッチャー》の回収先をぶらさないために呪文。
《コスモビュー》降臨前の《クイーン・アルカディアス》《スペル・デル・フィン》は左上。
《マクシミリアン》
このデッキの要は《マクシミリアン》である(だからキーカードにしている)。
《フランツ》《マクシミリアン》《オーブレ》が手札に来たら、 《フランツ》を切った上で《マクシミリアン》《オーブレ》と繋ぐのが基本。 多少無理があっても、《マクシミリアン》を出せるタイミングがあれば出す。
本質的には、このデッキは3000ラインの《マクシミリアン》が除去されにくいことで成り立っている。 ゆえに、《のろテラ》入りのデッキとは戦いたくない。 ADだと《マルドゥクス》も面倒。 それと、《翔天と天恵の声援》だけは許せない。
3ターン目問題
3ターン目に《フランツ》《エナライ》《ロスチャ》のどれを使うかも難しい。
ベストは《エナライ》で《マクシミリアン》を引きに行くこと。 《フランツ》《オーブレ》のペアがいても、《エナライ》を優先する。
今にも殴られそうなら、《フランツ》が最優先となる。
《ロスチャ》と《フランツ》で迷ったら、 コントロール対面では《ロスチャ》、ビート対面では《フランツ》。
序盤に《ロスチャ》を撃っていいか
《ロスチャ》を早々に撃つと、切り札の《コスモビュー》を山札から素引きしにくくなる。 ならば《コスモビュー》を引いてから《ロスチャ》を撃つべきでは?という問題。
結論から言うと、序盤の《ロスチャ》はコントロール対面では間違いなく撃っていい。 ビート対面でも、やることがなければ撃っていい。
なぜかというと、《コスモビュー》は、コンボ始動するまではただのお荷物だから。 コンボ前に手札に集まりすぎると、かえってマナチャージなどのプレイに支障をきたす。 中盤までに引きたいのは《コスモビュー》ではなく、《オーブレ》などのコンボ始動パーツである。 大事な始動パーツを引き込むために《ロスチャ》で山札を圧縮するほうが、その後の展開が良くなることが多いという見解である。
コントロール対面では、《キャッチャー》を撃つ場面が必ず現れる。 そのときまでに墓地を増やしておきたいので、《ロスチャ》は基本撃ち得となる。
ビート対面だと、《キャッチャー》を撃つ暇はないかもしれない。 だが、ビート相手に《フランツ》《ドラム》スタートができていない時点で結構ピンチ。 後のリカバリーに期待して、《ロスチャ》を撃たざるを得ないと思う。
対速攻
対速攻はすごく難しい。
理想は《ドラム》か《フランツ》を立てて、トリガー《オーブレ》で爆発。
ナイト→4t手撃ち《オーブレ》で、手札は先攻6枚・後攻7枚。 後攻ならほぼ《コスモビュー》を出せると思われるが、先攻だとギリギリ足りないかも。 足りない場合、手札を消費してトリガー《オーブレ》→手から《エナライ》or《オーブレ》に期待するしかない。
実は溜めるプレイングをされるとキツい。 残りシールド1~2枚まで殴ってもらえるように、プレイを誘導したい。
余談
カジュアルマッチで原案のデッキと当たった時、自分は↓のデッキを使っていた。
《薩摩の超人》で《コスモビュー》強制ブロックをさせるなどして健闘したのだが、 こちら視点でしかわからないプレミを重ねてしまった。 最終的には相手が戦況をガチガチに固め始めた段階で、 こちらのリタイアでゲームを終わらせてしまった。
お相手の方にはアイデアをいただいて本当に感謝しているのと同時に、 最後まで戦わなかった自分の非礼を詫びたいと思っている。
またデュエルしようぜ。
おわりに
実はこのデッキ、NDで使ったときの戦績は17-30でボロボロだった。 主に【5cフュージョン】にカモにされていた。
AD環境だと、フルパワーの【黒緑速攻】や【カチュア】のような前寄せのデッキが多いため、 【フュージョン】が少ない(実際、ADに来てから1戦も当たっていない)。 そのおかげで、大幅な負け越しなく星を稼げた。
誰かが書いていたと思うのだが、ADはNDよりも環境外デッキが活躍しやすい。 カオスな環境だからこそ、変なデッキが滑り込む余地があるということか。